たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

思い出に残る山(46)妙高山

2020年01月29日 | 心に残る思い出の山

H8年10月20日

   

妙高山に登るチャンスが突然やってきた

本当は皇海山に登る予定だったのだが台風で林道が崩れ

通行不可との情報に変更せざるを得なくなってしまい

では何処へ行ったらよいのか迷っている時に職場のNさんが16日より

上信越道が中野まで伸びたと言うチラシを持って来た

妙義ICから妙高IC間は約1時間

「そうだ、妙高にしよう」迷う事なく決定した

-(略)-

外は猛烈な風が吹き荒れカラカラと音を立てて

枯葉が路上を駆けめぐっている

隣りの車の夫婦が上から下まで高そうな登山グッズで

身を固め出発して行った

三条市から来た元気な女性二人と男性一人が到着し身支度を始める中

6時55分、いよいよ登山を開始する

 

温泉街のはずれの土産屋で娘に「起きたかコール」をし

気持ち良さそうに二人の小母さんが入浴している黄金の湯(露天)を

右に見てスキー場の中の道を登り始める 見上げる空に雲は無い

空気はすっかり晩秋の気配だが幸いな事に風は和らいでいた

行く手に妙高山が早くも姿を現し、その右には残月を置いて

「ちょっと出来過ぎじゃない」と言った風景を作っている

スキー場で早くも疲れが出てペースを落としたキンキラ夫婦を抜いた

ご主人は雄さんより若そうに見えたが

奥さんから5m位後をムッツリした表情で歩いている

私達もペースは決して早い方ではないが、あの速度で無事 

山頂まで行ってこられるのか他人事ながら心配になった

スキー場を抜けると沢の流れを眼下に山峡の道は

緩すぎずきつすぎず前方に延びているが

辺り一帯、硫黄臭の立ち込め足元の石は黄色く変色していた

先日、安達太良山で死者が出たばかりなので

生きている山と言うのは余りいい気がしないものだ

沢を離れてホッとするも今度は雷光形の急登が始まった

樹林帯の中に続く大石の登りは歩幅を乱され結構きつい

1時間近く喘いだのち天狗堂に着いた

池と言うより湿地といった感じの光善池を過ぎると

この登り一番の急登が待っていた

下から見えていた最後の登りの様だ

 

登って行くに従い日の当たらない場所では霜柱や草の上には

薄っすらと雪が解けずに残っていた  

空の青さは一段と増しダケカンバの樹皮の白さと

ナナカマドの赤い実を一層、引き立たせている

それにしてももどかしい

山頂は確実に近づいているのに中々辿り着けない

 

 

 

貝ずりの嶮と呼ばれる長い鎖場が幾らか気分転換になり

途中の岩棚で眺めた野尻湖などが気持ちに落ち着きを与えてくれた

稜線に躍り出ると妙高山は増々大きく、のしかかって来る様だ

歩を進める先は稜線とは言え未だまだ緩まず頂上直下に差し掛かると

傾斜は更に強まり岩と岩の間を渾身の力を振り絞って

すり抜けるしか無かった

北アルプスの山並み

アルプス群の山体は殆ど空の色と同化し纏まった雪が辛うじて

それと指し示してくれたが晴れる日の方が少ないと言われる妙高山

これ以上臨んだら贅沢と言うものだろう

もう少しで南の頂と言う所で前方に火打山が見えてきた

ゆったりとした山容は直ぐ隣の白煙を上げる焼山とは対照的に

静かで穏やかな景観を見せている

妙高山南方は草木一切よせつけない溶岩の風化した岩塊が散らばる

殺伐とした風景の中に在り三角点のある北峰とは指呼の間

雪解けのドロドロした道を辿って10時50分

いよいよ妙高山の頂点に辿り着いた

相変わらず遠望は霞んで展望写真を撮るには至らなかったが

北アルプス群は先ほどよりもハッキリし展望図と照らし合わせながら

同定出来たのは何よりだった

後からやって来た3人組と6人組は早くも往時を下って行った

あのキンキラ夫婦は私達が居る間、とうとう姿を見せなかった

帯頂1時間半、私達もそろそろ腰を上げなければならない

下って行った人達とは逆に燕新道を下山コースとした

が、一歩 踏み出して驚いた

(大分長くなってしまいましたので明日に続きを記したいと思います

本日はコメント欄を閉じました)

コメント
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