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たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

思い出に残る山(33)有笠山

2019年01月12日 | 心に残る思い出の山
平成8年5月

有笠山は流紋岩の鋭い岩肌を剥きだした山で標高888mとさして高くはないが頂上迄は

鎖と梯子が連続する岩場も有り大変楽しめるコースとなっている(説明板より)

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沢渡温泉から暮坂峠に入る左側の岩の塊が有笠山だ

岩登りは有るのだろうか、鎖は設置されているのだろうか、藪漕ぎは?

資料も何も無く様子が見えないだけにチョッピリ不安を抱えての入山だ

   

(略)

林道に入ると略史やコース、タイムが記された立派な看板立っていた

これで不安は解消された

若葉萌える清々しい季節、山の精気を胸いっぱい吸い込んで出発

初手から始まった不揃いの階段を上り詰めると東屋が建っていたが未だ休む程

歩いていないので遣り過し左にやや広い登山道に歩を進める

   

西の石門の案内板が有る辺りが有笠山の

基部らしく道も急に狭まり傾斜も増してきた

途中やや不明瞭な道を拾って行くと岩に突き当たった

枯れ葉が多いため踏み跡らしきものは無いがロープを頼りに岩を巻くと

岩棚になっており垂直の岩にロープが垂れている

それを目で追うとハーケンが所々に打たれているので

ここはどうやら岩登りの練習場らしい




脇の岩穴を潜るとその先は切れ落ちていて先の岩棚までは1m50㎝程は有る

飛び移るに欲しい加速場所は無く足場も悪い上に掴む岩角もおぼつかない

へつり部分に手を、一段下がった部分に足を確保し無理矢理、体を押し上げる

しかし今度は岩が邪魔をし這いつくばって前に進む格好で漸く向かい側の

岩棚に辿り着く事が出来た

だが、あぁ無常 この先は行き止まりなのだ

(略)


東登山道との合流点を左に折れると暮坂の道が蛇の様に

くねりながら伸びているのが眺められる露岩に出た

右上には鎖が垂れ自然、気持ちが高ぶる

30mは優に超える鎖と梯子の途中には足場が悪くムズムズする様な所も

有ったがクリアした後の爽快感は何時もながら戦いに勝った者の気分だ


鎖場から雑木が密生する急斜面の登りに一喘ぎで、やがてポッカリ空いた

明るい静かなピークに達した  山頂は直ぐ奥の木立の中だ


手前のピークに戻りシートを広げ日本酒を片手にしばし同定

雪を被った白根山、意外な貫録を見せる小野子山以外は取り立て褒める様な

ものは無く展望には少々物足りなさは有ったが人の気配も無く

こうも静かだと山が自分の物の様に思え満足度は高い

しじまを破ってキツツキのドラミングやカッコウの鳴声が谷間にコダマした

(略)

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東屋で休み階段をノンビリ下って行くと前方にカモシカ

「シャッターを押すまで其処に居てよ」とジリジリ寄った  

フラッシュに驚いたかフーと息を吐くと斜面を物凄い勢いで下って行き

下山口に近い所では一羽のが突然、駆け抜け

あれよあれよと言う間に姿を消してしまった




何だかこのまま車に戻るのは惜しい気がして沢沿いを散策

釣り客だろうか、二人の男性の姿が樹間に見え隠れしている

見あげれば、たった今格闘した有笠山が岩を天に突き上げる様にして

毅然と佇んでいる

何か全体がノンビリしていて気怠さの中に身を投じている様だった

その時だ

凄まじい勢いで三頭のカモシカが川を横切った

一瞬の出来事に金縛りに有った様に体は動かず声も出ない

凄い迫力だった

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中之条の折田付近の一面のレンゲ畑を車窓から眺め〆の♨へと・・・


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