…ここではアディクト本人の語りが「正しい」のか「被害妄想」なのか、誰が「良い」のか「悪い」のか、ということが問題なのではない。生育歴や生きづらさを重視すると、表面上は家族が悪者になってしまうのではないか、と懸念する援助者は少なくない。実際、「私の育て方が悪かったから、あの子が依存症になったのではないか」と初めから不必要に自責的になっている親もいる。
…意図せずして本人の心理的孤立と過剰適応を悪化させてしまうような関わりを続けてしまうことこそが、家族が学び、克服しなければならない課題なのである
…私がアディクトに家族のイメージを尋ねる理由は、犯人探しなのではない。
アディクト本人の主観的な語りから透けて見える、アディクト自身が抑圧してきた感情を見つけ出し、それに援助者が共感することが社会診察時には重要だからである。
*お知らせ*
6月28日(日)13:30〜14:10 zoomを予定しています。