こおろ、こおろ

まぜまぜしましょ

「拉致」処分 を読み始める

2006年02月17日 23時36分16秒 | Weblog
中国・朝鮮問題の専門ジャーナリスト、青木直人さんを知ったのは、
平成13年出版の「怒りを超えてもはやお笑い!日本の中国援助ODA
―誰も知らない血税3兆円の行方」という本。

ちょっと紹介すると、
冒頭に平成12年10月11日の産経新聞の記事を紹介。
日本からのODA、103億円で北京に建設された日中友好のシンボル、
「日中青年交流センター」の施設内で風俗営業をしているとの話に、
このセンターを管理している中華全国青年連合会(中青連)に対し、
日本大使館が口頭で善処を求め抗議をしたことを伝えている。

著者の現地取材によれば、
この日中青年交流センターの日本側の工事主体は、
黒川紀章設計事務所スタッフと竹中工務店。
中国側が中華全国青年連合会(中青連)で行われ、
日本が設計と外装を、中国は内装を受け持った。

このセンターが完成する前年、天安門事件が勃発した。
工事は天安門事件に対する西側の経済制裁もあって、
遅れていたが、原因はそればかりではなかった。

この無償援助の最前線である工事の現場では、
とにかく資材が無くなるという。
日本の感覚で置いておくと、翌日には無くなっている。
この被害に遭わない日本企業は、まずないそうだ。
盗まれれば新しく取り寄せるしかない。
こうして見積もった工事費用は、そのたびに膨れ上がる。

しかも無くなった資材は製造メーカーに注文するのが普通だと思うが、
中国側の中青連は付き合いのある日本の商社を通じ、
再発注をかけるよう強硬に要望してくるのだという。
すったもんだの末、中国側の要望通りにせざるを得なかった。

中国の工事現場では普通の話だがプレハブのトイレがあるのに、
あちこちに尿の跡があったり、排泄物がゴロゴロしてる。
衛生管理の行き届かない最前線で働く現場の関係者から取材した話だ。

こういった現地取材と詳細なデータで丁寧に事実を示した割には、
さらりと読める本だった。
そんな中国事情に詳しい著者が拉致問題を取り上げた。
彼がどう捉え、どう考えているのか、楽しみな1冊にとりかかる。

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