こおろ、こおろ

まぜまぜしましょ

世界遺産検定ねぇ。。

2006年04月19日 14時11分11秒 | Weblog
これは先週、毎日新聞で見た広告で、ちょっと怪しい気がして後で調べようと思って撮影しといたもの。

「世界遺産検定」で検索すると、主催は特定非営利活動法人(NPO)の世界遺産アカデミー、共催は毎日新聞社、講談社が特別協力、後援は関係各省庁、筑波大学大学院修士課程芸術研究科 世界遺産専攻が監修、という新しくできた検定とのこと。


主催の世界遺産アカデミーというNPO法人の役員を調べてみると以下のとおり。
会 長:愛知和男 衆議院議員、元環境庁長官
理事長:橋秀夫 クラブツーリズム株式会社代表取締役会長
理 事:遠山敦子 元文部科学大臣、元文化庁長官
理 事:川上隆朗 元国際協力事業団(JICA)総裁
理 事:小林 光 元環境省・自然保護局長
理 事:板谷駿一 元NHKエンタープライズ代表取締役社長
事務局長:平山幸男  

特定非営利活動法人というと聞こえはいいけど、役員を見た限りでは天下り団体。
板谷駿一氏などはNHKのOBなのはもちろん、NHKへの上納金額の多さでも話題になった元NHKエンタープライズ代表取締役社長とあるけど、そこのサイトをみたら更新は4月13日なのに、まだ社長のままだった。
理事長の高橋秀夫氏はクラブツーリズム代表取締役会長で、講座を開く「世界遺産プラザ」はクラブツーリズムのもの。

NPOは特定非営利活動だけではなく、収益事業も認められているし、みなし寄付金制度の導入によりNPO団体に対して収益事業のほうから寄付すると、収益事業自体が税金上の優遇措置を受けられる。また国や自治体からの補助金(助成金、奨励金、給付金、交付金とも)、委託事業費は収入とみなされない。

4月14日に締め切られた世界遺産検定の検定料は3,675円で、締め切り後の段階で受験者は5000名を見込んでいるとあった。
検定料だけでも5000名で計算しても18,375,000円になる。
この検定料は一部を世界遺産アカデミーを通じてユネスコ世界遺産センターに世界遺産の保全活動基金として寄付されるらしい。
いったい検定料の何%を寄付するのか興味あるところだ。

また、その他に試験のための公式テキストブック3冊があり、1が1,890円、2・3が2、310円の計6,510円に加え、5回の講座、講座終了後の実力診断試験もあり、講座受講料は実力診断試験料・検定料も含めて13,100円。
5000名が公式テキストを購入したら32,550,000円、受講したら65,500,000円にものぼる。
うーん、すごい金額。

大阪の世界遺産プラザでの講座なので全員が受けるとは思えないけれど、受けるからには確実に、より高いレベルを取得したいだろうし、土曜日の開催であることを考えれば、かなりの人数が受講すると考えられる。


しっかし世界遺産検定とは良いトコをついているなーと思った。
さもったらしいNPOを作って補助金を受け取り、講座を開いて受講料を徴収、検定料からも収益があがり、検定受験に伴い公式テキストブックも売れる。
私の母は「感心しているだけじゃお金は入ってこない」と良く言っていたが、今の日本人は何にならお金を使うかという元官僚の目の付け所、考えることは儲けになると感心せずにはいられない。

でもこれって社団法人日本ユネスコ協会連盟がやれば済む事なんじゃないだろか。
新しく検定作って、そのためにわざわざNPOを立ち上げるなんざ、プンプンにおうなぁ。



世界遺産には、地球上にある自然や文化を、国や民族で区別することなく地球人として守る、という大義名分があり、お金のいやらしさを隠してしまうんだよねぇ。

私からしたら、検定はお金を儲ける手段でしかないし、受験は単なる自己満足のためとしか思えない。
そりゃあ世界遺産を守るというのも大切だろうけど、世界遺産だけが地球上の自然や文化ではないから。