流動のイイ女

妻子もちと別れ⇒いじめで会社を退職⇒脱無職⇒上司と不倫関係⇒約3年の不倫にピリオド⇒復縁、妊娠⇒未婚の母に

ベトレイヤー

2009-05-29 | ダーリンへ
無駄に力んで飛び出してきたアタシは、さぞ不自然だったことだろう。
あやうく二人とぶつかりそうになった。
ここでテツさんはアタシに気づき、瞬間、目を逸らした・・・。
そして、すれ違った。

終わった。
アタシとテツさんの未来が。
二人の人生が。
アタシの最後の恋が。
愛してるって言ってくれてたのに。
昨日あんなに愛し合っていたのに。
アタシの脳裏に、かつて付き合っていたダーリンがよぎる。
彼も、愛していると言ってくれていた。
だけど、日曜だけは会ってくれなかった。
本当のパートナーがいる人というのは、こういうものなのか。
所詮アタシは遊びだったのか。
出口に向かった。彼らがどこにいったのかわからない。
外に出て、どうしたらいいのか分からなかった。
どこにいけばいいのかも分からなかった。
何も考えられなかった。
ただ彼に「さよなら」とだけメールを送った。
さようなら、アタシのテツさん。
歩いたら足がもつれて転んでしまった。
立ち上がろうとしたら、足がガクガクと震えていた。
そんな自分に驚いた。立ち上がれない。
人が見ている中、アタシは立ち上がり、自分の車に戻った。
テツさんの車のすぐ側に停めていたけど、テツさんの車はすでになかった。

アタシは力なくシートに座り、のろのろと走り出した。
今頃二人は、どこに向かっているのだろう・・・。
行かなきゃよかった?
見なきゃよかった?
飛び出さなきゃよかった?
考えた所でもう遅い。
また、裏切られちゃった。

途端にアタシの身体から沸いてくるのは、尽きない憎悪。
憎しみがアタシを包み込む。
今まで我慢してきた分、開放されたがっている感情。
不倫しているという罪悪感から、何度も別れを切り出し、その度に彼に愛しているからと言われ、一緒になろうという言葉を信じ、今までやってきた。
その中で彼は奥さんと円満な家庭を過ごしていたわけだ。
殺してやりたい。心の底からそう思った。
携帯を取り出し、彼からアクションがあるまで「死ね」と送ってやろうと思った。
そう、アタシは彼に死んで欲しいんだ。
裏切りの代償は、死だよ。テツさん。

でも、どうして?という疑問が沸き起こる。
奥さんの誕生日にもアタシといて、クリスマスイヴもクリスマスも一緒に過ごした。
お正月は過ごせなかったけど、初詣に行って二人の将来を誓い合った。
今度の彼の誕生日は、日曜だったけど一緒に過ごしてくれる?と言ってきた。
一体どれが本当のテツさんの気持ちなのだろう。
泣きたかった。けれども涙が出てこなかった。
こうなることが分かっていたから?

家族にも彼のことは話してある。
もちろん、家庭を持っていることは言っていないけど。
ゆくゆくは結婚すると言った。
友人達にも、反対の嵐の中、分かってもらおうと努力してきた。
友人の言い分は実に的確で、かつ現実的であり、アタシが友人の立場なら迷わず別れることを進言するだろう。

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