村内まごころ商法 & 剛毅の経営

昭和53年に出版された本と、ホームリビングに掲載された記事でたどる、村内道昌一代記

新たなる挑戦へ(7)

2006年12月10日 | Weblog
OKAYジャパンの設立に先立つI・I・Gの法人化計画の詳細、とりわけ、その出資金の額を聞いた時、道昌はヨーロッパと日本の経営風土の天と地ほどの差を、改めて考えさせられた。

経営内容において、I・I・Gの中核メンバーであるヴァーパークモウズ社に決して引けをとる物ではない、と道昌は考えていた。

もっとも、ヴァーパークモウズ社の経営者一族と親密なコミュニケーションを重ねれば重ねるほど、近代的経営の中に、どこかホッとするファミリー経営の良さ、日本の企業がいつしか忘れつつあったファミリーであるが故に、地に足をつけた地道な経営の素晴らしさを、道昌は再考させられてはいたが・・・。

そのI・I・Gのメンバーがなんとわずか四~五社で、日本円にして三十三億円の出資金をポーンと出すというのだから、ファミリー経営とはいっても、日本のそれとは根本的なところで大きな違いがあるのだ。

日本の場合、ファミリー的な経営であろうがなかろうが、いざ新たな事業に取り組もうとすれば、その調達資金は、銀行をはじめとする他人資本に依存せざるをえない。

仮にI・I・Gのメンバーが、その必要資金をなんらかの他人資本に依存するにしても、その調達能力は到底、日本では考えられないことだ。

大体、日本の家具専門店が数社集まって、なにか共同事業をやる場合、億単位の出資金など、はなから想外で、せいぜい千万単位がいいところだろう。