NEETな日常

<Not in Education,Employment or Training>

人を以って本と為す

2004-12-28 23:04:44 | 雑記
左フレームのBOOKMARKにもリンクさせていただいているがんばれ!!ゲイツ君今年最後のコラムに、「パソコン」という道具とそれを使う人間の関係について、とても素晴らしいことが書かれています。
道具を使うのか、それとも道具に使われるのか。「便利」になっていく世の中で、我々はどうやって生きるべきか、まじめに考えるべき問題だと思います。このことは、来年の宿題にしたいと思います。
少し早いですが、みなさまどうか良いお年を。

帰ってきたバーチャルネットアイドル

2004-12-28 18:18:33 | ネット
むかし、まだ新人がNEETではなかったころ(笑)、いろいろなサイトをのぞいているうちにバーチャルネットアイドルちゆ12歳というサイトを見つけました。その時はまだ始まったばかりで、訪問者数もたいしたことはなかったのですが、その内容にはかなり衝撃を受けました。その頃にはまだblogなどという言葉もなく、ニュース系サイトなどと言われていましたが、そのなかでもネタのチョイスや料理の仕方には一見ふざけているようで、実はふざけていると言うちゆ独特の鋭さがあり、他のニュース系サイトとは一線を画していました。
その後ちゆ12歳はあっという間にネットに広まり、リードミーでは常に10位以内に入り、その人気は似たようなバーチャルネットアイドルの乱立を招き、ついにはネットを飛び出して紙媒体やビデオにまで進出するほどにまでなりました。
しかし、奢れる者も久しからず。ネット外の活動が活発化するにつれて、いつのまにかサイトの更新は停止し、コンテンツもそのまま放置されていました。
そのまま自然消滅するかと思っていましたが、いつのまにか彼女は帰って来ていました。

好き嫌いがはっきり分かれる内容だとは思いますが、みたことのない方はぜひのぞいてみてください。

若者自立・挑戦戦略会議

2004-12-25 21:28:07 | NEET
久しぶりにNEET関連のネタです。

昨年四月に文部科学省、厚生労働省、経済産業省及び内閣府の関係4府省と関係4大臣によって発足された「若者自立・挑戦戦略会議」というものがあります。現在では内閣官房長官、文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、経済財政政策担当大臣の五閣僚が参加しているのですが、その「若者自立・挑戦戦略会議」が今月24日に具体的な行動計画案をまとめ、05年度政府予算案に、今年度の約3割増にあたる計679億円を計上したそうです。
その具体的な計画案ですが、以下のようになっています。
(1)中学生を中心に年5日間以上、保育所や商店などで実際に働く職場体験を05年度は全都道府県に広げる。
(2)若年無業者を集団生活させ、生活訓練や職業体験をさせる「若者自立塾」を全国約20カ所で実施。
(3)職場の教育訓練費を増額させた企業に対して、法人税額を一部控除する措置をとる。

さて、(1)の職場体験ですが、昔は自営業の家が多く、子供たちも学校が終わると家の手伝いなどで店番や行商などに出かけたりしたものでした。そうした自営業者の集まりである商店街を破壊し、子供たちの職業体験の場を奪っていったのは大資本による百貨店などの大型量販店の進出です。こうした大型量販店の規模拡大と地方進出は「開発」、「発展」の名目の下に税制優遇などの処置を通して国が後押しをして進めて来た事業ということができるでしょう。つまり今までは国が金を出して一生懸命子供たちの職業体験の場を奪ってきたわけですが、今度はまた国が金を出して子供たちの職業体験の場を創出しようというのだか、歴史の皮肉を感じずに入られません。昔の日本では、わざわざそういう場を用意しなくても、日常生活の中で十分職業体験ができたいたわけですから。
(2)の「若者自立塾」というのも、ネーミングからして、なんだかなあという感じですが。だいたい若年無業者を集団生活させることになんの意味があるのかわかりません。昔、ある企業の新人研修で、山の中で集団生活させられたことがありますが、あんなに意味の無い経験はありませんでした。なにが悲しくて朝早くから社歌を合唱しなければいかんのか。なにが悲しくて社訓を一字一句暗記して大声で読み上げねばならんのか。そもそも集団で生活させられた意味はあるのか。いまだに理解できません。
特に、若者たちに集団を作らせず、ばらばらにしたのは日本政府及び政府の意向を受けた各大学の意思でしょう。60年代から70年代にかけての学生運動に恐れをなした時の政府とその御用学者どもで構成された教授会が、まず各学校の学生寮を廃止し、学生会館を学校の支配下に納め、学生の自治を奪っていった結果生まれてきたのが80年代、90年代の「無気力」学生です。東大駒場寮が寮生や一部学生の反対にもかかわらず、暴力的に破壊されたのも、つい最近のことです。無気力な学生や若者の増加は、有る意味で政府と教授会の勝利でしょう。それを今になってまた集団生活をさせようだなんて、あまりにも勝手なやり口ですね。われわれ若者もなめられたものです。
(3)に関しては、誰がどう見ても企業優遇政策の一環であり、NEET対策は単なる隠れ蓑だということは一目瞭然でしょう。だいたい、大卒でも正社員より派遣社員を採って経費削減をしようという風潮の中にあって、教育訓練費増額なんかできるのはそれなりの体力の有る大企業に限られます。そうした大企業はさまざまな優遇政策を受けられ、他企業と比べて有利な立場にあるわけですが、こうした税制上の不平等は結局もとから体力の有る大企業にのみ有利で、弱小企業はますます不利になっていくわけです。

結局、NEETが問題となるのは、現在の日本社会自体に問題の根があるわけで、そうした根本的なところを無視して小手先の改革だけで問題を解決しようとしても無理なのです。日常生活の中での若者の自立の機会を奪っておきながら、学校の中だけでさまざまな「体験」をさせようという考え方が間違っているのです。「若者自立・挑戦戦略会議」などと、いさましい名前をつけている割には、問題の根本を捉えることもできず、いい加減な「対策」でお茶を濁している。現代日本が抱える本当の問題は、若年無業者の増加などではなく、マクロな視野を持たずにいい加減な政策しか立てることのできないものどもが政治を牛耳っている現状のほうにあるような気がしてなりません。

鷹の巣は撤去。でも象の檻はそのまま

2004-12-14 20:23:34 | 雑記
マンハッタンの高級アパートのひさしにかけられた鷹の巣について、アパート側が12月7日強制撤去したことが分かった。分譲所有者の合意が理由という。これを受け、ニューヨーク市民は即日、ニューヨーク名物の鷹の巣を撤去したアパートへの抗議活動に入る方針を固めた。
この鷹の巣は、マンハッタンの高級アパートのひさしに約10年存在し続け、テレビのドキュメンタリーになったり、写真集が出版されたりして、名物鳥としてニューヨーカーに愛されていた。
当初、アパート側も良い宣伝材料として鷹の巣を利用するつもりだった。しかし、このアパートに住むテレビの人気キャスターら著名人や富裕層のプライバシーを、バードウオッチにかこつけたノゾキ行為から守るため、撤去に踏み切ったという。
鷹の巣をめぐっては、当初から鷹に使用権原は無く、鷹が「不法占拠」をするという事態になっていた。このため、鷹は都会に住みつく名物鳥の立場を利用し、アパートのひさしの強制使用に踏み切った。
さらに鷹は都会での希少価値を十分に利用し、テレビや写真集などのマスコミ媒体を十分に利用し、(アパート住民以外の)ニューヨーカーからはひさしの強制使用が認められていた。
 環境保護団体オーデュボン協会のニューヨーク支部によると、ブルームバーグ市長への公開質問状を提出し、市民有志は「恥を知れ」などと書かれたプラカードを手にしてのデモ行進に着手したという。いまごろはアパート前は抗議のクラクションを鳴らす車で一杯だろう。

ちなみに同じ国の軍隊が1997年から不法占拠を続けている沖縄県読谷村の「象の檻」は来年以降もずっと居座る方針だそうである。プライバシーの侵害を理由にするならば、もちろん「鷹の巣」よりも「象の檻」のほうがとっくに撤去されていなければいけないのだが、鷹の巣ひとつで大騒ぎする国民性だもの。「象の檻」など怖くて手がつけられないということか。

戦闘いまだ止まず

2004-12-14 02:35:45 | イラク関連
一時期あまり報道のなかったファルージャですが、12日にまた大規模な空爆があったようですね。攻撃の理由とされたザルカウィなる人物がファルージャにいないことはアメリカ軍も認めているのに、一体誰を殺そうとしているのでしょう。アメリカ軍はファルージャで殺されたアメリカの軍属(日本の報道では民間人となっていましたが)の報復の為にファルージャを消滅させようとしているのだ、という説も、まったく根拠のないでたらめとは言えないかもしれないですね。
自衛隊の派遣期間延長もめでたく閣議決定されて延長がいよいよ現実のものとなってきましたが、現地の警察が「自衛隊の安全は俺たちが守る!」と、頼もしいことを言ってくれています。もっとも、日本にいて指揮するだけの大臣や幹部などは、イラク警察なんか当てにならないと思っているようで、英軍に援助を求めています。まあ、オランダやウクライナなど各国の軍隊が撤退していく中、英軍ももう手一杯で日本なんぞかまってる余裕はないみたいですが。これで米軍の部隊なんぞが派遣されてきた日には笑うしかありませんな。サマワで危険にさらされている自衛隊の皆さんのためには、そうならないことを祈りますが。
ところで派遣部隊の家族への説明会で、「自衛隊は補償もばっちりです」とか言ったらしいですが、夫や息子、あるいは彼女や母親が遠い砂漠で誰とも知らぬ人々にわけのわからぬ理由で殺された命をその家族にどうやって補償するというのでしょう。保険金詐欺を考えてる方は対象を自衛隊に入隊させてサマワ勤務を志願させるといいですね。「お国の為に死んでオクレ」なんて言えば、案外コロッと騙されるかも知れませんよ。

親は刃を握らせて 人を殺せと教えしや

2004-12-12 04:30:48 | イラク関連
サマワの「視察」からもどった武部自民党幹事長が9日、都内の公演で「(フリーターは)一度自衛隊に入って、サマワみたいなところに行って、緊張感をもって地元に感謝されながら活動したら3カ月で瞬く間に(人間性が)変わるという考え方もある」などと発言したそうです。
一体どういうふうに変わるのか、実例を示して欲しいものですが、なぜかサマワから帰還した自衛隊員のその後は報道されていないんですよね。
もしも彼らがサマワで本当に素晴らしい経験をしてきたのならば、その貴重な経験を共有させていただきたいものです。税金を使って派遣されているわけですから、サマワでの見聞や行動の実態を国民に知らせるのが、自衛隊の義務でもあるでしょう。そうすれば、自衛隊派遣延長の判断間際になって防衛庁長官だの政府与党の幹事長だのが駆け足でサマワ入りし、滞在時間5時間程度で「安全宣言」などだすような間抜けなことはせずにすんだことでしょう。
しかし、なぜかマスコミには取り上げられない。一体なぜでしょうか。国民には知らせられないなにかが、あるとでもいうのでしょうか。
それにしてもこの武部さん、せっかく決死の覚悟でサマワに乗り込んだのに、地元ムサンナ州警察本部のカリム・ミナヘル本部長と面談しなかったそうで。
自衛隊派遣延長の閣議決定を前に治安情勢を見極めることが視察の最大の目的だったはずなのに、現地の治安責任者と会わずに帰ってくるなんて、本当に何しに行ったのか疑わしいですね。これでは彼らの安全宣言もなんの根拠もないことになります。こんないいかげんな人間に、他人の人間性を云々する資格があるとは到底思えません。まずはご自身の人間性をを何とかしろ、と言っておきましょう。

サマワ滞在は五時間余

2004-12-07 01:17:47 | イラク関連

さすがは防衛庁長官とういべきでしょうか。さきの神崎公明党代表よりも二時間も長く滞在しました。「サマワの治安は安定しており、自衛隊の人道復興支援活動が引き続き重要との認識を新たにした」ということですが、「治安が安定」している地域での人道復興支援に、なぜ武装集団である自衛隊が必要なのか、という当然おこるべき疑問にはなんの説明もありませんでしたが。

12月4日のエントリで紹介したイラク人民主化活動家達のリーダーの一人であるアブデル=アミール・アル・リカービさんのメッセージの最後の部分をもう一度引用しておきます。自衛隊派遣延長を進めようとしている政府関係者はこのイラクからのメッセージを深刻に受け止めるべきです。


日本の兵士たちが,宿営地に隔離されて何もしていないのなら、なぜ,そこにいるのでしょうか。アメリカ政権を喜ばすためなのでしょうか。日本はそれほどまでに、アメリカに服従しているのでしょうか。イラク社会にたいして、人道支援をおこなうために、私たちに報道されているように、水道工事や病院や学校建設をしつつあるというのでしょうか。もしそうなら、軍隊である必要性はありません。2003年12月,私がCONDIのスポークスマンとして日本を訪れたとき、日本政府に提案したように、友情と連帯に基づいた日本の民間のプレザンスこそが、必要なのです。
今、日本の軍隊はイラクから立ち去るべきです。自衛隊の派遣期間の更新をしてはなりません。

流行語大賞

2004-12-05 18:50:14 | 雑記
今月一日に「新語・流行語大賞」改め「ユーキャン流行語大賞」が発表されました。毎年恒例になっていますが、実は今年で二十年目なのだそうです。今年の大賞は「チョー気持ちいい」。トップテンには「気合だー!」、「サプライズ」、「自己責任」、「新規参入」、「 セカチュー」、「中二階」、「って言うじゃない… ○○斬り! …残念!!」、「負け犬」、「冬ソナ」が入選しています。

ここ数日、各マスコミ始めいろいろなサイトにアップされた感想を眺めていたのですが、大体皆さん、『なんでトップが「チョー気持ちいい」なんだ?』という意見のようですね。それから「たかが選手」がはいってないのは納得いかない、という意見も多かったです。確かに、わたしの周りでも「チョー気持ちいい」という言葉はあまり聞かれなかったように思います。それに比べればまだ「気合だー!」のほうがよく使ってましたね。とはいっても、浜口親子とは関係なく、昔からの口癖なんですけどね(笑)。
トップテン入りした言葉でも、何のことだかわからないものがいくつかありました。皆さんはいつ、どこで、誰が使ったものなのかわかりますか。

わたしは「セカチュー」が「世界の中心で愛を叫ぶ」のことだとはまったく知りませんでした。この本が出てから「○○の中心で○○を叫ぶ」、というのが流行りましたね。中でも戦場カメラマンの橋田信介氏が書いた「イラクの中心で、バカとさけぶ」は、著者の非業の死とともに有名になりました。その後も、イラクではばかげた戦争が続けられ、日本政府はその馬鹿げた戦争に積極的に参加しています。その中で吐かれた言葉が「自己責任」。イラク占領に荷担する日本政府の政策に反対してイラク入りした三人の日本国民が、自衛隊撤退を求めるグループによって人質にされた時に使用されました。お上に逆らうものは切り捨てる、といわんばかりの政府の傲慢さが端的に表された言葉です。この事件では、いくら憲法で主権在民などを謳いあげていても、「お上」の体質は二世紀前から変わっていないことを痛感させられました。


外務省が行っちゃいけないって言ってるイラクに勝手に入って勝手に捕まったんだから「自己責任」って、言うじゃない。・・・・・・でも、あんたがた、倒産しそうな銀行や企業には国民の血税ドバドバ使って損失補填してますから!っ残念!
二枚舌もいいかげんにしろ!斬り!

イラクの現況

2004-12-04 19:01:32 | イラク関連
フリーランスジャーナリストの志葉玲さんのブログ新イラク取材日記にイラク人民主化活動家達のリーダーの一人であるアブデル=アミール・アル・リカービさんのメッセージが転載されていました。イラクの現状を伝える貴重な証言だと思いましたので、こちらにも転載しておきます。転送元・翻訳はグローバル・ウォッチのコリン・コバヤシさんだそうです。


グローバル・ウォッチ@コリン・コバヤシです。
CONDI(イラク民主化国民潮流)より、今日の自衛隊撤退要求集会に向かって、メッセージが出されました。複数のMLなどにBCCにて送ります。重複ご容赦下さい。
以下に掲載します。転載可です。
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イラクの現況を御伝えしましょう。

ファルージャ攻撃の実相は何か。

 ファルージャはバグダッドから65キロ西にいった、砂漠が始まる入り口の人口30万ばかりの小都市です。ファルージャは多少の放牧業と公務、とくに若者が服務している軍隊以外の仕事がない町でした。若い兵士でよく教育されたものは軍人学校に行き,士官となるのです。町はいくつかの小さな集落に囲まれており、それらはファルージャと生活面で密接な関係を持ち、とくに、家族関係を持っています。すべての住民は2-3の大きな部族に属しており、以前は遊牧をしたりしていましたが、その地域のバディア・アス=シャム砂漠の反対側のヨルダンやシリアと密輸入を営んでいたのです。それゆえ、シリアやヨルダンの部族とたいへんつながりが深く、それは部族ルーツの延長とも言えるのです。ということは,同時にこの地域では、部族的な連帯感が非常に強いし、サダム・フセイン政権の石油の思いがけない賜物によって,福祉国家となったずっと以前のことです。このように前置きを長く申し上げるのは、ファルージャがどのような町か理解していただきたいからです。サダム・フセインは資源の欠乏を非常にうまく利用し、部族的な側面では、この地域を軍への志願者たちの宝庫にし,また体制の基礎に利用したのです。
そして、野望を持ったこの地域の士官の一群が現れたときには、厳しい弾圧を加えたこともあります。ですから、この町を旧体制の根城だという説は、ひとりのザルカウィなるものが、低い鼻でこの地域の大きな部族を率いている,という説と同様に、根拠が薄いのです。たしかに、ファルージャには、経験を積んだ士官、兵士が沢山おり、部族の絆が強いのです。こうした事実によって、アメリカ軍に対して,抵抗する能力と意志、そしてイラク人以外のある程度の数のアラブの戦士がいることを説明できるのです。しかし、あくまでもそれだけのことです。

 アメリカ軍はファルージャに対して、常軌を逸脱した大きな攻撃を仕掛けました。大半が3階建てのレンガ作りの家で構成されているこの小さな町は砂漠の真ん中にあるのです。アメリカ軍は、この攻撃を予定通りに行いました。それはイラク民衆全体を恐怖に陥れるのを目的とする戦略なのです。ファルージャにおいて,言語同断な武力鎮圧を行い,アメリカ合州国は、イラクの残りの部分すべてが降参して、アメリカのプレザンスが打ち勝つことのできない宿命として受け入れることを期待しているのです。これこそが、殺戮するための意志が実行されたファルージャの真実です。公式にはイラク政府は2085名の死者と1600名の捕虜をあげていますが、イギリスの情報は犠牲者の85%が民間人であると伝えています。「公式には」、アラブの戦士は前夜に逃げ出しており、そこにはいなかったことになっています。今、アメリカ軍は彼らを捜して、モスル、マフムーディイヤ、サマッラ,そしてバッソラなど、南部でも追求しています。迷子になった犬や猫が、住民の死体、男、女,子供の屍骸を食べ歩いている、というのが真実です。民間支援や医療支援が町に入ることは、故意に禁止し、市内に配達することを無限に遅れさせているのです。テレビで放映された人のみならず,複数の負傷者たちが故意に殺害されました。このような惨さは計算済みだというべきでしょう。軍事行為の規制される限界はなく、やり放題なのです。すべてが屈辱を受け、アメリカ軍によって寺院は破壊され,荒らされ、そこを兵士の休憩場所にしているのです(軍靴を履いた兵士たちが武器を持って寝ているアメリカ兵たちの写真をすでにテレビでみたことでしょう)。虐殺と侮辱、恐怖が、予防的、永続的戦争の武器です。「我々と一緒でないものたちすべては我々の敵である。我々に反対するものはどのような運命が待ち受けているか知るべきだ。死か、さもなくば逮捕だ」と、ファルージャ作戦の始めに、バグダッドで、アメリカの高官が表明しています。


抵抗運動の現状は?

 数ヶ月前は,シーア派の聖都ナジャフが攻撃されていました。明日は、ファルージャと同じ虐殺がイラクの他の都市でも見いだされることでしょう。イラク人民が服従するのを拒否する限り、抵抗運動は移動しつつ、あちこちで起こるでしょう。そして弾圧も巡回しながら行われるでしょう。テロル(激しい恐怖)は、イラクのように占領され略奪された国を平和にすることはできません。提案されたもう一つの政治は、国全体のコンセンサスも得られない傀儡政権の受容でした。この政府は、選挙という政治的なプロセスを開始したいと言いつつ、非常事態宣言を発令しているのです。そのうえ、これに参加することを拒否することは、戦争行為と同じだと見なしているのです。以上の名目の元に、また政府のいう<政治的なプロセス>に無理矢理参加させるために、ナジャフで、ムクタダ・サドルに対する作戦を行ったのです。しかも、立候補と選挙の方法は、すべて封印され、事前に形が整えられ、つまり偽造されています。
 この10日間くらいの間に起こったあらゆることにも関わらず、イラク人民は押しつぶされることもなく,無気力状態に陥ってもいません。イラクの抵抗運動は、とりわけ、占領と傀儡たちに対する一般化した民衆的な拒否の現れです。抵抗は増幅しており、シーア派であれ、スンナ派であれ非常に多様なイスラム教徒の小グループに属しているものから、バアス党(必ずしもすべてが旧政権に忠実なものばかりではない)関係から、偶然的な関係で地域的に立ち上がった無数のグループがあります。抵抗運動は,始まったばかりであり、統一的な組織体系はまだできておらず、戦略は明確化されていません。それゆえ、現場で起こることをすべて総合的に把握できてないのですが、統一的な抵抗戦線と政治意識を作る必要性をみな感じています。というのは、アメリカ軍を相手に、抵抗状況が爆発的に発生している事態が止まないとするなら、質的転換の緊急な必要性も感じており,そのための努力をしている最中です。


アラウイ政権について

 現在のイラク政府は、間違いなく傀儡政権で,アメリカのゲームを演じているのです。彼らのアメリカに役立つ作業を行っている。占領者によって作られた、あるいは協力する現場の政権なく占領することなど,今まであったためしはありません。サイゴン政権なくして、アメリカはヴェトナムに介入したでしょうか。これは主権を持った独立国家となるための<中間的>な、あるいは<過渡期の>政府ではありません。これらの言葉によってアメリカ政府が意図しているものは、現状をより安定的に、より正当化するためです。これはページをめくって全く新しいものを作り出すのではなくて,現在ある状況を強固にすることだけが意図されているのです。もし,選挙があるなら,そのことが目的です。選挙は、恐らくあちこちで勃発する抵抗運動で、延期され,実行することはできないでしょう。もくろまれている選挙は<民主的に>占領を主題にしているからです。恐怖を引き起こす攻撃は、イラク人たちに、もう希望はないだと説得しようとしているのです。それゆえ、今、ファルージャで、このようなやり方で虐殺があったのです。
しかし,それはイラク人が望んでいることではないし,満足できることでもありません。8月にあったベイルートでの憲法制定会議準備会議はイラクのあらゆる潮流の代表者たち350名が集まり、憲法制定会議設立の必要性を主張し、この会議こそが政治的プロセスを行うのであって,傀儡政権ではないことを確認しました。憲法制定会議は,一つの政党ではありません。また複数政党の戦線でもなく、これは、多くの貧困と独裁政治、長い戦争と、最後には占領に取って代わられた禁輸処置の後、イラクの政治生活に初めて生まれるはずの基礎的な議会なのです。この会議を支持する署名運動が現在、全国で行われており、この憲法制定議会設立への要望を国際機関に提出し、イラク人の意志を考慮するように、また憲法制定会議実現を支援するように要請する予定です。多くの民衆的運動は、私たちのオルタナティヴな提案を支持するでしょう。


最後に日本の皆さんに肝心なことを申し上げましょう。

私たちは、イラクの領土における自衛隊のプレザンスは戦争行為にあたることを、またこのプレザンスは占領に加担している行為であるとはっきり言いましょう。それは、昨年派遣され,現在駐留し、これから、派遣延長することを考えている現時点において、明らかなことです。暴力行為や、侵略行為、攻撃や虐殺をしていないとしても、このプレザンスの意味は一向に変わりません。というのも、自衛隊が何の攻撃を受けないと保障するものは,何もないからです。自衛隊が配置されている地方が,いつ何時、攻撃が発生するかも分からず,もしそれが起これば、自衛隊は余儀なくその動きに関与せざるを得なくなるからです。いずれにせよ、イラクにおける皆さんの国の軍事的プレザンスのせいで、日本がイラクに敵意を抱いていると解釈されているのです。日本の民間人は、彼らが政府と関係有る無しに関わらず、時には政府に反対の立場であろうが、拉致され、幽閉され、時には殺されるといったように、イラク人から敵意を持って扱われています。私たちは、常に、これらの行為を厳格に非難し、拒否してきました。残念ながら、私たちCONDIは,いつもこれらの日本の民間人をすべて救い出すことがきませんでした。彼らの苦しみと彼らの喪失は悲劇であります。イラクにおける日本の軍事的プレザンスとそれを決定した日本政府に責任がありますが、しかし、これらの犯罪の重みは、イラク人民の肩に、我々イラク人の意識にのしかかってきており、私たちは二重に苦しむのです。すなわち、占領行為とその行為がもたらすいくつかの結果です。日本の兵士たちが,宿営地に隔離されて何もしていないのなら、なぜ,そこにいるのでしょうか。アメリカ政権を喜ばすためなのでしょうか。日本はそれほどまでに、アメリカに服従しているのでしょうか。イラク社会にたいして、人道支援をおこなうために、私たちに報道されているように、水道工事や病院や学校建設をしつつあるというのでしょうか。もしそうなら、軍隊である必要性はありません。2003年12月,私がCONDIのスポークスマンとして日本を訪れたとき、日本政府に提案したように、友情と連帯に基づいた日本の民間のプレザンスこそが、必要なのです。
今、日本の軍隊はイラクから立ち去るべきです。自衛隊の派遣期間の更新をしてはなりません。

アブデル=アミール・アル・リカービ
(イラク民主的国民潮流)

大野防衛庁長官、サマワに出発

2004-12-04 18:09:22 | イラク関連
またまた政治屋の皆さんによるパフォーマンスが始まりました。
自衛隊をイラクに派遣するかどうかを決めるさいには公明党の神崎代表がサマワを訪れていたのを覚えているでしょうか。背広の上にぶあつい防弾チョッキを着込んだ姿はとても滑稽でした。帰国後には「サマワは安全であるという印象を持ちました」などとぬかしていましたが、滞在時間はわずかに三時間でしかも周囲を自衛隊員に囲まれてろくに町を見もしないで、一体何がわかったというのでしょうか。
今回の防衛庁長官のサマワ訪問は自衛隊の派遣延長をにらんでのパフォーマンスであることは明らかですが、今回はさすがに三時間で逃げ帰るわけにも行かないようですが、視察の目的は自衛隊の活動を観ることにあるらしいので、またサマワの町には出かけないのでしょう。
自衛隊のサマワ駐留は米英軍を核とするイラク占領軍の一端を担う行為です。世界の国々がイラクは兵に疑問を持ち、軍隊を撤退させていく中、なぜ戦争の放棄をうたう憲法を持つ日本がサマワ駐留を続けるのか。日本政府には引き際を誤って泥沼に落ち込んでいくきっかけになったシベリア出兵の反省はないのでしょうか。

軍隊の駐留が、取引の材料として、現地に住む人々のあずかり知らぬところで決定される。これは著しい主権蹂躪であり、現地住民の人権を侵す犯罪行為であるといえます。
巨大な米軍基地を押し付けられている沖縄が抱えているのと問題と同じ事を、自衛隊がイラクのサマワで行っているのです。
自衛隊派遣に賛成するすべての人に告げる。日本人なら恥を知れ。