今月2日、東京国際アニメフェア2005において、東京アニメアワードの発表が行われました。
ニュースとしてはちょっとネタの鮮度が落ちる気もしますが、アニメでODAを、などどいう話もありますので、取り上げたいと思います。
受賞作品は以下。
<アニメーション オブ ザ イヤー>
ハウルの動く城
<テレビ部門>優秀作品賞
巌窟王
ケロロ軍曹
ふたりはプリキュア
<劇場映画部門>優秀作品賞
INNOCENCE
STEAM BOY
<OVA部門>優秀作品賞
トップをねらえ2!
「アニメーション制作進行 くろみちゃん」
日本のアニメは私が作る!2
まず、<アニメーション オブ ザ イヤー>ですが、スタジオジブリの「ハウルの動く城」が受賞しています。良くも悪くも、ジブリ作品は出ればそれなりにヒットするので、順当なところでしょう。
ちなみに、
監督賞に宮崎駿監督、声優賞にソフィを演じた倍賞千恵子、音楽賞にはジブリ映画に欠かせない久石譲がノミネートされています。スタジオジブリの強さを感じると共に、声優賞に倍賞千恵子がはいっているのは、審査基準に疑問を感じます。お芝居と声だけの演技では、やはりだいぶ違いがあると思いますし、プロの声優さんを差し置いて、倍賞千恵子がはいってくるのは、なんだか納得いきません。実際、ソフィの声も変な感じでしたし。
<テレビ部門>では優秀作品賞に三作品がノミネートされました。そのうち、「巌窟王」はアレクサンドル・デュマの「巌窟王」を原作にした近未来物。深夜2時12分からの放映でしたので、ご覧になっていない方も多いのではないかと思います。
「ケロロ軍曹」は吉崎観音原作の漫画をアニメ化した作品。土曜日の朝10時から放送されていましたが、二年目に入る今年度から金曜午後六時のゴールデンタイムに進出しました。
「ふたりはプリキュア」は東映がおくる女の子ふたり組みを主人公にした「ヒーロー物」のアニメ。日曜日朝8時半から放映されていて、この作品も放送二年目にはいっています。
「巌窟王」は放映時間が深夜ということからもわかるとうり、子供向けのアニメではなく、アニメという表現形式を借りた文学作品に仕上がっていたと思います。原作を読まれている方はご存知のとおり、エドモン・ダンテスという男の復讐劇なわけですが、それをエドモンの側からではなく、復讐の標的となるアルベールという一青年の視点から描き出しているところが面白かったです。映像的にも実験的な手法を多用しており、たんなるジャパ二メーションの枠の中に収められる作品ではないと思います。
「ハウルの動く城」が、ジャパ二メーションを代表して海外に輸出される主力商品だとすれば、「巌窟王」のような作品は、国内の目の肥えた視聴者に挑戦する職人芸であると言うことができるかもしれません。この作品が海外で受け入れられるかどうかはわかりませんが、こうした作品が生み出されるのが、日本アニメ界の真の価値なのではないかと思います。
日本アニメが海外でも受け入れられるのは、絵柄の綺麗さや表面的なストーリーの問題ではないでしょう。日本のアニメ製作者がアニメを子供向けの娯楽作品だとしか考えていないのであれば、決してここまで発展することはなかったでしょう。
アニメという表現形式を借りて、自らの主張やテーマを作品化していく。そうした作業を真剣に行う伝統があればこそ、ジャパ二メーションは世界を席巻するに至ったのです。
その意味で、手塚治虫の存在は、非常に大きなものであったと認めざるをえません。
初期の宮崎監督の作品にも、そうした魅力があったと思うのですが、ここ数年のスタジオジブリの作品にはそれが感じられません。初期作品にあったテーマやメッセージ性がステレオタイプ化して、非常に陳腐なものになってしまっているように感じます。
長くなってきましたので、続きはまたの機会に。
最後一言。
アニメや漫画を「サブカルチャー」などとよんで、一段低い位置に置くような「文化人」を、わたしは信用しません。
ニュースとしてはちょっとネタの鮮度が落ちる気もしますが、アニメでODAを、などどいう話もありますので、取り上げたいと思います。
受賞作品は以下。
<アニメーション オブ ザ イヤー>
ハウルの動く城
<テレビ部門>優秀作品賞
巌窟王
ケロロ軍曹
ふたりはプリキュア
<劇場映画部門>優秀作品賞
INNOCENCE
STEAM BOY
<OVA部門>優秀作品賞
トップをねらえ2!
「アニメーション制作進行 くろみちゃん」
日本のアニメは私が作る!2
まず、<アニメーション オブ ザ イヤー>ですが、スタジオジブリの「ハウルの動く城」が受賞しています。良くも悪くも、ジブリ作品は出ればそれなりにヒットするので、順当なところでしょう。
ちなみに、
監督賞に宮崎駿監督、声優賞にソフィを演じた倍賞千恵子、音楽賞にはジブリ映画に欠かせない久石譲がノミネートされています。スタジオジブリの強さを感じると共に、声優賞に倍賞千恵子がはいっているのは、審査基準に疑問を感じます。お芝居と声だけの演技では、やはりだいぶ違いがあると思いますし、プロの声優さんを差し置いて、倍賞千恵子がはいってくるのは、なんだか納得いきません。実際、ソフィの声も変な感じでしたし。
<テレビ部門>では優秀作品賞に三作品がノミネートされました。そのうち、「巌窟王」はアレクサンドル・デュマの「巌窟王」を原作にした近未来物。深夜2時12分からの放映でしたので、ご覧になっていない方も多いのではないかと思います。
「ケロロ軍曹」は吉崎観音原作の漫画をアニメ化した作品。土曜日の朝10時から放送されていましたが、二年目に入る今年度から金曜午後六時のゴールデンタイムに進出しました。
「ふたりはプリキュア」は東映がおくる女の子ふたり組みを主人公にした「ヒーロー物」のアニメ。日曜日朝8時半から放映されていて、この作品も放送二年目にはいっています。
「巌窟王」は放映時間が深夜ということからもわかるとうり、子供向けのアニメではなく、アニメという表現形式を借りた文学作品に仕上がっていたと思います。原作を読まれている方はご存知のとおり、エドモン・ダンテスという男の復讐劇なわけですが、それをエドモンの側からではなく、復讐の標的となるアルベールという一青年の視点から描き出しているところが面白かったです。映像的にも実験的な手法を多用しており、たんなるジャパ二メーションの枠の中に収められる作品ではないと思います。
「ハウルの動く城」が、ジャパ二メーションを代表して海外に輸出される主力商品だとすれば、「巌窟王」のような作品は、国内の目の肥えた視聴者に挑戦する職人芸であると言うことができるかもしれません。この作品が海外で受け入れられるかどうかはわかりませんが、こうした作品が生み出されるのが、日本アニメ界の真の価値なのではないかと思います。
日本アニメが海外でも受け入れられるのは、絵柄の綺麗さや表面的なストーリーの問題ではないでしょう。日本のアニメ製作者がアニメを子供向けの娯楽作品だとしか考えていないのであれば、決してここまで発展することはなかったでしょう。
アニメという表現形式を借りて、自らの主張やテーマを作品化していく。そうした作業を真剣に行う伝統があればこそ、ジャパ二メーションは世界を席巻するに至ったのです。
その意味で、手塚治虫の存在は、非常に大きなものであったと認めざるをえません。
初期の宮崎監督の作品にも、そうした魅力があったと思うのですが、ここ数年のスタジオジブリの作品にはそれが感じられません。初期作品にあったテーマやメッセージ性がステレオタイプ化して、非常に陳腐なものになってしまっているように感じます。
長くなってきましたので、続きはまたの機会に。
最後一言。
アニメや漫画を「サブカルチャー」などとよんで、一段低い位置に置くような「文化人」を、わたしは信用しません。