NEETな日常

<Not in Education,Employment or Training>

なぜ日本は一党支配に満足しているのか

2005-09-24 00:05:48 | 時事寸評
今月七日のニューヨークタイムズの記事に「Why Japan Seems Content to Be Run by One Party(なぜ日本は一党支配に満足しているのか)」という記事が載りました。
結論から言えば「民度が低いから」ということらしいですが、まあその当否はしばらく問わないとして、その記事の中に以下のような記述がありました。

「Japan's democracy is East Asia's oldest, but its ruling party has held power almost as long as the Communist parties in China and North Korea.」(日本の民主化は東アジア世界の中でもっとも早くから行われてものだが、政権党は中国や北朝鮮の共産政権よりも長く権力を握っている)

情けないことに、この記事に対して外務省が抗議を行ったそうです。
わが自由民主党を一党独裁の共産政権と引き比べるとはないごとだ、ということらしいですが、過去に何度も「民意」を無視した強行採決を行ってきた実績を持ち、今回の選挙でも単独で衆議院の過半数の議席を占めて実質上一党独裁体制を引いている自民党に対して、この指摘は当たってはいても、なんら抗議されるようなものではないと思います。
まあ、脱亜入欧を国是として、名誉白人なんて言われて喜んでるようなクニですから、今更アジアの、しかも共産主義国家と一緒だなんて言われて、頭に血が上っちゃったのかもしれませんね。
ここのところ何かとギクシャクしがちな日中、日朝関係ですが、このさい一党独裁国家同士、手に手をとって仲良くやればいいと思います。

猿まね民主党

2005-09-18 20:08:29 | 時事寸評
民主党の新しい代表に前原誠司氏が選ばれたそうです。
ちなみに同じく民主党代表に立候補していた菅直人氏との得票差はたったの2票。
東京新聞の「核心」欄の記事によれば、「反コイズミより、超コイズミ」ということらしいですが、まったくなんでもかんでも自民党のまねばかりすればすべてがうまくいくとでも思っているのでしょうか。
今回の選挙で「小泉劇場」が予想以上の効果を上げたことにショックを受けるのは、民主党でなくても当然の反応だと思います。しかし、だからといって単純に小泉自民党の後追いをするような形で代表を選出するのは、いかがなものでしょうか。
まあ、民主党なんて、もともとは自民党の中からはじき出された有象無象が集まってつくった集団ですけど、それにしてもいつまでも自民党の尻について回っているようでは、政権交代なんて夢のまた夢です。
民主党は新鮮さをアピールするなんて言ってるようですが、今のところどこにが新鮮なのか、さっぱり見えてきません。ほとんど小泉首相が自民党で行ってきた「改革」をなぞるような言辞が並んでいるだけです。
民主党は本当に自民党に取って代わる気があるのでしょうか。
本当は「反自民」なんて旗を掲げておきながら、実は裏ではまだ自民党とつながっていて、自民の一人勝ちのためにわざとやっているのではないかと勘ぐりたくなってきます。
民主党は二大政党制を目指すなどと言っていますが、このままでは自民党と民主党は、アメリカの共和党と民主党ほどの違いもない、どちらを見ても代わり映えのしない政党に成り下がってしまうのではないかと恐れます。

こんな事を言っては何ですが、かつての55年体制の中での社会党くらいの個性がほしいものですよね。
そういえば、土井さんは落選してしまいましたね。おたかさんは個人的に嫌いではなかったので残念です。辻本氏よりも土井さんにがんばってほしかった。
でも土井さんも、もう70才を越えてらっしゃったんですねぇ。まさに光陰矢のごとし。

それはともかく、今度の前原民主党にも、あまり期待できる要素はないようです。
逆に小泉自民党の方が、何をするかわからない、怖い期待感があるような気はしますが、どうでしょうか。

中秋の名月

2005-09-17 21:59:39 | 雑記
明日は旧暦の八月十五日。
正真正銘の十五夜です。
私が子供の頃には家族でお月見をするために、団子を作ったり、すすきを切ってきたりしたものですが、今ではほとんど見られなくなりましたね。
月見団子なんてものも、あんまり見なくなったような気がしますが、どうでしょうか。
この年になると、団子よりも月見酒でいっぱいとしゃれ込みたいところですが、私の住んでいるところではそんな風流を楽しめる場所はちょっと見ありませんね。
公園のベンチかなんかで酒なんか飲んでたら、すぐに職質されることでしょう。

そして、明日、9月18日はいわゆる満州事変の勃発した日でもあります。

1931年9月18日夜半、奉天(現在の中国遼寧省瀋陽)の北方約7.5kmの柳条湖の南満州鉄道線路上で線路が爆発物によって破壊される事件があり、関東軍はこれを口実に満州侵略への道を進み始めたわけですが、現在ではこれは関東軍による自作自演だった事が明らかになっています。
この満州事変が、その後のいわゆる「十五年戦争」の幕開けとなり、日本は1945年の敗戦まで、戦争の道を突き進むことになったのです。
この日のことは、ちゃんと覚えておいていいと思うのですが、blogなどでは、あまり取り上げられていないようです。

それどころか、陸上自衛隊が商店街で武装軍事パレードなどというニュースもあります。
パレードを許可した佐世保市は「市民の理解も広がり、商店街なども歓迎している」などというコメントを出していますが、この人たちは戦闘時における「市民の協力義務」の内容を知っているのでしょうか。
市街戦が市民生活に与える影響の大きさ、商店街の人たちの生命、財産の安全など、まったく省みられる事などまったくないのだと理解できない人たちには、自衛隊はただのお客さんなのでしょう。
パレードを行った陸上自衛隊員の持っている銃が、自分達に向けられることもありうるのだと想像できない人たちは、不幸です。



※9月18日追記
佐世保でこんなことになってます。
陸自もあんまり調子に乗ってるから、こんな事故を起こすんです。今回は人的損害はなかったようですが、市民生活に悪影響をおよぼさないでほしいものですね。



第44回総選挙

2005-09-11 00:08:42 | 時事寸評
9月11日は衆議院選挙の投票日です。
「郵政民営化に賛成か反対かを問う国民投票だ」といきまく小泉自民党にくらべて、「政権交代。自民党か、それとも民主党か」と訴える岡田民主党はあまり人心を得ていないようです。
投票日直前になって、「民意に従うのが政治家の義務」などと言って、11日の選挙で自民党が勝ったら郵政民営化に賛成すること表明した日和見主義者があらわれ、民主党を始めとした郵政反対派に逆風が吹いています。
「無理を通せば道理が引っ込む」という諺もありますが、自分の思いどおりにならなければどんな手段を使ってでも無理を通そうとする事が「リーダーシップ」なのでしょうか。
小泉首相にそのような「リーダー」像を夢想している有権者は、迷える子羊だとでもいうのでしょうか。

ミッドナイト ホームレス ブルー Plus One の健次郎さんが書かれている9月1日9月6日のエントリは非常に考えさせられます。

ちなみに、住民票のないホームレスの方々には投票権がないそうです。
イラクにいる自衛隊の隊員や、洋上にいる漁船や長期航路の船舶の乗組員も、手続き上の理由で投票ができないことが明らかになっています。
「民意を問う」はずの重要な選挙で、投票権を奪われたこれらの人々の「民意」はいったいどうなるのでしょうか。

明日の選挙の結果がどうなろうと、郵政民営化には賛成できないわたしの「民意」は、これまでどうように無視され、踏みにじられてしまうのでしょうか。
それが、日本の「民主主義」の姿だと、胸を張っていえるのでしょうか。


マザーズハローワークに十二億円

2005-09-10 01:47:33 | 時事寸評
前のエントリであしなが育英会の事を取り上げた際に、「奨学金を申請した家庭の母親の4人に1人が失業などで勤労年収ゼロ。また、働いている母親の平均勤労年収(99年・税込額)は、176万8,744円で、全国一般世帯平均461万3,000円の38%。」という事を書いたのですが、昨日の東京新聞の記事に、「マザーズハローワーク」なるものが紹介されていました。
これは、出産や育児で職を離れた女性の再就職支援を強化するため、東京や横浜、千葉などで行われていた「両立支援ハローワーク」の改良版だということで、業務内容を見直して、より良いサービスを提供する目的で、二〇〇六年度予算の概算要求に、十二億円が計上されたと言うことです。

記事によれば、「十二歳未満の子どもを育てながら、就職先を探している女性は全国で約七十万人」、そのうち「両立支援ハローワークを利用しているのは「全国で約十万人」。そして実際に就職しているのは「約三万人」ということのようです。

女性の社会進出を援助するという観点からは歓迎すべき事ですが、就職を希望する理由はいろいろとあると思いますので、そうした面からも調査を行ってほしいと思います。
家事や育児をこなすだけではなく、外で働きたいというキャリア指向を持った女性が職を探す場合と、食べるためには自分が働くしかないのだという女性の求職とでは、意味合いが全く違います。
「マザーズハローワーク」では、そうした求職者個人の背景まで考慮したきめ細かなサービスが行われるのでしょうか。
「計画では、相談者ごとに担当職員を決め、退職前のキャリアや希望する仕事など個別のニーズをもとに再就職までの求職活動を支援」とのことですが、担当職員同士の横のつながりを深めたり、求職者のニーズや緊急性などをまとめたデータベースなどを構築して、就職斡旋の優先順位をつけるなど、組織としての活動ができるように考えていってもらいたいものです。

既存のハローワークなどでも、ばらばらに求職情報を提供しているだけで、組織としてちゃんと機能していないように見えるのは、非常に問題だと思います。
「改革」をおこなうのならば、郵便局などより、職業安定所の改革を優先してほしいものだと、切に願います。

あしなが育英会が遺児支援について各党に質問状

2005-09-07 22:52:08 | 時事寸評
病気や災害で親を亡くした遺児たちを支援しているあしなが育英会が7日、選挙活動に忙しい各党に対して質問状を送りました。
「質問ないし要望項目」は全部で五項目あるのですが、その二番目はニートに関する質問でした。質問の全文は以下。

(「遺児支援対策への質問・要望書」から引用)
2.推定八四万人(内閣府調べ)いるといわれるニートについてお聞きします。遺児母子世帯の平均年収は、一般家庭との格差が広がる一方で、専門家によると、「ニートになる子どもは中卒・高卒が多く、親も豊かとはいえない」と、年収の低い遺児母子家庭は進学するお金も意欲も湧かず、高校卒業しても就職できない状況下で、まさしく「ニート予備軍」になっております。遺児のニート化を防ぐ貴党の対策をお教えください。

引用終わり


日本のニートは高学歴の就職難民が多く存在すると言われますが、NEETの本家、イギリスでは低所得層のNEET化が深刻な問題になっており、日本でも同じ問題が存在しているのだと言うことを、改めて突きつけられたような気がします。
バブル崩壊後の景気の悪化と、90年代頃から急速に広まったいわゆるグローバル化の影響により、国内の産業構造は大きなダメージを受け、下請け工場などで単純生産に従事する人々の生活を直撃しました。
その後、景気は持ち直したと言われていますが、景気指数が100から22に悪化するなど、本当に景気が回復しているのかどうかはまだまだ疑問です。
また、あしなが育英会の調査によれば、奨学金を申請した家庭の母親の4人に1人が失業などで勤労年収ゼロ。また、働いている母親の平均勤労年収(99年・税込額)は、176万8,744円で、全国一般世帯平均461万3,000円の38%。調査の前年の遺児の母親の平均勤労年収は、200万7,245円で、遺児の母親の年収は、前年比24万円減、12%も減ったということです。

企業の「景気回復への努力」の主体は、リストラや合理化などの人員削減であり、企業が景気回復に努力すればするほど、低所得層が増えるという、まるで冗談のような構造になっています。
このような弱者切り捨てを、政府も認めている証拠が、今回の選挙の焦点になっている郵政民営化問題であることは火を見るよりも明らかです。
郵便事業を民営化して、サービスが向上した例など、世界のどこを探してもありません。
国鉄を民営化して、果たしてサービスは向上したのでしょうか?
運賃は値上がりを続け、効率重視の過密ダイヤのせいで、重大な事故も起こってしまいました。
果たして、民営化は正しかったのか。
民営化すれば、何でもかんでも良くなるのか。
小泉首相をはじめとする一部国会議員は、民営化すれば「企業努力」をするから、よくなるのだ、というようなことをまくしたてていますが、その「企業努力」の中身が国会の席上でまったく討論されていないのはどういうわけでしょうか。
事業を民営化して、弱者切り捨てに励まれたのでは、たまったものではありません。

あしなが育英会の質問状に各党がどのように答えるのか、あるいは答えないのか、回答期限の九月十日まで注目したいと思います。

台風14号

2005-09-07 00:31:16 | 時事寸評
大型で強い台風14号は6日午後2時過ぎ、長崎県諫早市付近に上陸。その後、九州北部を北上し、午後8時過ぎに北九州市付近で日本海に抜けました。
すでに6人が死亡、13人が行方不明となっているとの情報もありますが、人的被害以外に、物的被害がどれほどなのかは、まだ確認していません。
衛星写真で見ると、九州北部を中心にした雲の渦が、日本列島をほぼすっぽりと覆っており、台風14号の強さがわかります。
アメリカのハリケーン、カトリーナの被害が大きく報道されていますが、日本の台風14号は、そのカトリーナを超える勢力を持っているということです。
この台風14号は強風よりも大雨に注意が必要だという事で、近年の台風の中でも11,2を争う雨量だという事でした。
この大雨によって、各地で土砂崩れや洪水などの被害を出すと同時に、水不足で数日前には貯水率が0%と空っぽに近かった四国の早明浦ダムが、台風による大雨のおかげで1日のうちに貯水率100%に回復するなど、渇水地域には望外の恵みの雨ともなっているようです。
テレビの天気予報では、北陸に抜けるとの予報がなされていますが、速度が落ちているのは、針路変更の兆しであるともいわれ、もしかしたら、もっと東側にルートを取るかもしれないという見方もあります。

先日の東京の大雨による被害に関しては、一人暮らしのお年寄りや障害者の方からの援助要請に対する行政の対応の遅れが指摘されましたが、国会議員のセンセイがたには、選挙活動よりも、災害予防と、被害の復旧対策に力を入れていただきたいものです。


自民党がブロガー対象の懇談会を開催していたそうです

2005-09-04 23:01:16 | ネット
Grip Blogさんの8月24日の記事によりますと、8月25日に自民党の武部幹事長と世耕広報本部長代理が出席して、メールマガジンの発行者やブログの管理者を集めて懇談会を行ったそうです。

その時の様子がGrip Blogさんの8月28日の記事にアップされています。非常に興味深いないようですので、ぜひ訪問してみてください。

それにしても小泉メルマガといい、今回のブロガー対象の懇談会といい、与党自民党には「IT」を活用しようという姿勢がみられますね。
それにくらべて民主党や他政党の取り組みはにぶいように思えます。
やはり政治的センスの面でも、民主党以下の野党は政府自民党に水をあけられているように感じます。
森前首相の「アイテー革命」は、伊達じゃない、といったところでしょうか。

火鼠の皮衣が静かな時限爆弾に

2005-09-01 00:21:04 | 時事寸評
今年に入ってにわかに騒がれだしたアスベスト被害ですが、日を追うにつれ、アスベストを取り扱っていた工場や企業の従業員や、周辺住民の健康との因果関係が明らかになってきています。
2005年8月27日公表の経済産業省のアスベスト製造企業の健康被害に関する実態調査によれば、健康被害者は59社、557人にのぼり、このうち451人がガンの一種である中皮腫やじん肺で亡くなっているとのことです。

アスベストは耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの特性に非常に優れ、またなによりも安価であるため、日本の高度成長期に建設資材、電気製品、自動車、家庭用品等、様々な用途に広く使用されてきました。
わたしが中学生くらいの頃は、理科の実験で使う石綿付き金網なんていうものもありましたね。最近はもう使用しなくなったそうですが。
いってみれば、アスベストは日本の経済成長と歩調を合わせて日本全国で便利に使われていたわけですが、それが今になって人体に悪影響を与えるということで急に騒がれ出してきたわけですが、経済発展のもたらした弊害であり、それが健康に重大な被害を与えるという点で、水俣病などと同様の公害病であるということができるでしょう。

こうした社会的影響の大きい公害病には、国や自治体が責任を持って対処すべきなのですが、政府の反応は鈍いですね。
政治屋どもは郵政民営化などという不急の「改革」にばかり目が向いていて、しかもいまは選挙対策に忙しくてアスベスト公害などには関わっていられないのでしょう。
ニチアスやクボタなどの企業が自主的に健康診断や補償問題に取り組んでいるようですが、われらが小泉首相は「民間でやれることは民間で」という信念をお持ちのようですから、補償でもなんでも企業が勝手にやればいいことであって、国にはなんの責任もない、とでも考えているのでしょう。
まったく、なんのための「国家」なのか。なんのための「首相」なのか。

ともかく、「民間企業」は不足ながらも自主的な対応をとっていますが、同様にアスベストを大量に、そして身近に取り扱っていながら、何の動きもないのが旧国鉄、JR各社です。
元鉄道労働者の健康被害が連日報道され、わたしたちが日常使う駅舎でもあらゆる場所でアスベストがつかわれているというのに、この巨大企業はいまにいたるまで、何の対策もとっていません。せいぜいがアスベストを吹き付けた壁をシートで覆うくらいのものです。

JRは旧国鉄を分割民営化した「民間企業」なわけですが、国鉄からJRに変わる際に多くの負債を抱え込み、それらを切り捨てることで「経営回復」を進めてきたわけですが、この企業体は都合が悪くなると「それは国鉄時代の問題であって、現在のわれわれとは無関係である」という屁理屈で責任を免れようとする体質があります。
その典型的な例が国鉄労働組合員の不当解雇問題であることはいうまでもありません。
いまのJRのあり方を見れば、郵政民営化の先行きもだいぶ怪しいものだと思わざるを得ないのですが、郵政民営化賛成の方々はいったいどうお考えなのでしょうか。

とにかく、こんどのアスベスト問題でJR各社がどうのような対応をとるのか、ちゃんと見守っていきたいと思います。