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NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

#248 グランド・ファンク・レイルロード「We're an American Band」

2012-12-30 10:47:31 | Weblog
#248 グランド・ファンク・レイルロード「We're an American Band」(We're an American Band/Capitol)

グランド・ファンク・レイルロード、73年リリースのアルバムよりタイトル・チューンを。ドン・ブリューワーの作品。トッド・ラングレンによるプロデュース。

グランド・ファンクのことをあまり知らない若い世代のために説明しておくと、彼らは69年ミシガンにて結成、レコードデビューしたハードロック・バンド。デビュー当時、全員がはたち前後の若さだった。

最少編成のトリオながら大音量の激しいパフォーマンスが話題となり、「Heartbreaker」のヒットで世界的に人気を獲得した。日本でも雷雨の中での後楽園球場ライブ(71年)が、いまだに語り草となっている(もっとも、あのときはカラオケ・口パクによる演奏だったらしいが)。

毎年のようにアルバムをリリースし、それなりのセールスを記録していたものの、音楽的にいささか煮詰まってきたのが72年頃。それまではデビュー以前に同じバンドで演奏していたテリー・ナイトがプロデュースを担当していたのだが、彼と袂を分ち、かわりにキーボードのクレイグ・フロストを加えてセルフ・プロデュースに切り替え、サウンドをポップに変化させるなど、試行錯誤を重ねていた。

73年、彼らはついに決断、初めて外部プロデューサーにプロデュースを依頼する。やはりセルフ・プロデュースの限界を感じたのだろうか、実績のあるプロデューサーに起死回生策を託すことになったのである。それがかの奇才、トッド・ラングレンだった。

ラングレンは60年代に「ナッズ」というガレージ系バンドでデビュー。曲が書け、歌えるだけでなく、各種楽器をこなし、ミキシングなど技術関係にも明るいということで、他のアーティストのプロデュース、レコーディングを広く手がけており、グランド・ファンク以前にもザ・バンド、バッドフィンガー、スパークス、ニューヨーク・ドールズといったさまざまなタイプのバンドをプロデュースしていた。

この出会いが、グランド・ファンクの運気を一気に上昇させたのである。

シングル曲「We're an American Band」は、バンドのドラマー、ブリューワーの作品であり、歌も彼が大半を歌っている。

グランド・ファンクは、ギター、ボーカルのマーク・ファーナーのワンマン・バンドと思われがちだが、どっこい、ブリューワーも結構歌えるし、曲も書ける。ラングレンはそこに目をつけ、ファーナーの粘っこい歌声とはまた違った、豪放なブリューワーのボーカルをあえてフィーチャーしたのである。

これが見事功を奏した。「We're an American Band」は彼らのひさしぶり、いや最大のヒット(ビルボード1位)となり、ロック史上にも名を残したのである。ラジオだけでなく、ディスコでも毎日のようにかかっていた。

印象的な黄金色のジャケットをもつこのアルバムは、LPレコードも黄金の透過色だった。そして「フル・ボリュームでお聴きください」との注意書きが。

さすが、PA音量ではどこのバンドにも負けない!と自負していたグランド・ファンだけのことはある。

つまりこのアルバム、そしてタイトル・チューンは、彼らの高らかなる「全面復活/勝利宣言」でもあるのだ。

曲の内容は、彼らが同年、英国のバンド、ハンブル・パイとともにツアーをしていたときの逸話が下敷きになっている。英米どっちのバンドがスゲーか、酒場で議論になった。実際、米国のハードロック・バンドは当時英国勢に押され気味だった。でも、負けちゃいられない。「オレたちはアメリカン・バンドなんだ」。グランド・ファンクは米国代表として、まさに大見得を切ってみせたのである。

その他、歌詞には当時アーカンソーで有名だったグルーピー(バンドのおっかけというか○フレ)、スイート・コニーこと、コニー・ハムジーの話題も出てきたりして、ある意味生々しいトピック性を持つ。このへんは、当時歌を聴いただけでは日本人リスナーにはよくわからず、インターネットの登場で初めてわかったことだけどね。ロックバンドって、やっぱりみんなスケ○だったの?なんて再認識しちゃったりして(笑)。ま、ロックの歌詞にはタブーなんてないのであります。

とまれ、この一曲、ロックのありとあらゆる「ウケ」の要素が詰まっている。キャッチーなメロディ、タイトでハードなリズム、心をゆさぶるシャウト、泣きまくるギター、うなるベース、効果的に入るキーボード、パワフルなコーラス。ギンギラギンというか、音の奔流というか、とにかく3分半弱の短い時間に、エンタメとしてのロックがてんこ盛りなのである。

ブルース系のやや地味なロックでスタートしながらも、何度も不死鳥のように甦り、脱皮を続けていったグランド・ファンク。売れてナンボのスタジアム・ロックの元祖として、芸術性などより、とにかくヒットを出すことにこだわり続けた姿勢に、ナンバーワン・アメリカン・バンドとしての心意気を感じる。「アメリカン・バンド」は永久に不滅なロック・チューンでありマス。フルテンで聴くべし。

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旧知の人(約30年来の付き合い)と1時間半以上の長電話。新しい出版企画で来年は飛躍を目指すとのことで、もはや編集者でも何でもない自分も胸を熱くして話に聞き入った。情熱を持ち続けることって本当に素晴らしいと思った。