町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

京王バス中型ロング車・KL-JP252NAN改全廃へ

2024年01月03日 | 京王電鉄(電車・バス)

古くから車両の低床化に取り組んでいた事業者の京王バスグループでは、当時の日産ディーゼル(現・UDトラックス)が販売していたワンステップ仕様のU-JP211NTN1995年に初導入しました。この車両は中型車をベースに車体を延長した俗に言う「中型ロング」で、東京都区部の前乗り中降り路線向け仕様は西鉄グループの西日本車体工業のボディーを架装しており関東地方に於ける同社進出の契機となり、富士重工業製18型ボディー車と共に首都圏エリアに中型ロング車が大量導入される一因にもなりました。その後KL-JP252系からは西日本車体工業のみの架装とされ、京王バスでは19992005年までに184台が導入され一般路線車の代表的存在でした。しかし2010年代に入ると置き換えの時期に入り、西日本車体工業の解散とUDトラックスのバス製造事業撤退もあり徐々に廃車が進行、2023年度には10台余りが最後の活躍を続けていました。同年11月には京王バス公式より全車引退と撮影会開催の告知が実施され、1218日を以って長らく続いた西日本車体工業ボディーの中型ロング車の歴史に幕を閉じました。

再開発中の新宿駅西口を後にする中野営業所所属だったA40568(KL-JP252NAN改・2005年式)。モデルチェンジされた三菱ふそう新型エアロスターや日野自動車ブルーリボンなどの新車導入が進む中でも奮闘していた車両の一つですが、師走に入る12月で引退となりました。

調布駅北口から回送で営業所に戻ろうとしているL40563号車。車両により新製配置された営業所で廃車まで運用される車両と頻繁に転属が実施される車両と分かれていますが、この車両は後者で新製時の配置は府中営業所でした。後に中野調布中野と転属を繰り返しており、その度に登録ナンバーも変更(多摩20010-56→練馬20023-55→多摩20024-48→練馬20035-85)されています。当初中乗り前降り・整理券方式の路線に配置されたことから中扉上には照明が設置されています。2023年1月に廃車となり除籍されました。

再び中野営業所の所属車からA40561をリア部から。この車両も府中営業所(多摩20010-31)から中野営業所(練馬20027-15)へ転属を経験しており、中扉上に照明が設置されています。20229月で廃車。

長尺車ということもあり、座席数は多く確保されている車内。低床化には貢献したものの見ての通り幅が狭い為、通勤通学時間帯は詰め込みが利かないなどマイナスな面も目立ってしまったようです。

貴重な西日本車体工業製の車体である車両ですが、京王自身での保存はされないので今後は府中市交通遊園に遊具として寄贈された一世代前のワンステップ仕様車KC-JP250NTNが唯一今後も京王バス管内で見られる中型ロング車となります。営業運転を終了し一つの歴史に幕を下ろしましたが、バリアフリー化を進める上での試行錯誤を進めた車両ということで、記憶に留めておきたい存在です。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 幸せを呼ぶ黄色い電車・京急1... | トップ | 京王井の頭線開通90周年記念... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。