町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

池上線に蘇った緑の電車・東急1000系1013F

2020年11月01日 | 東京急行電鉄

急電鉄では2017年から「池上線活性化プロジェクト」を実施していますが、その一環として1000系の1編成にかつて主力だった旧型車をイメージした緑色のラッピングを施し運用することになりました。池上線と共に旧目蒲線時代の多摩川線は非冷房・吊り掛け駆動の旧性能電車であるデハ3000系列が主力として長らく運用され、歌謡曲のモチーフにされる程古い電車が走る路線として知られており、ステンレス車両への完全置き換えが完了したのは1989年の事でした。今回のラッピング実施で、緑色の車体の電車が実に30年振りに復活したことになります。

ラッピングに当たっては1000系の内、かつて東横線と目蒲線の共通予備車の役割を持っていた中央貫通式の先頭形状で1000N系として区別される1013Fが起用され、往時のデハ3000系グループの雰囲気を演出しています。

元住吉検車区時代は日比谷線直通運用に充当され、唯一4両+4両の分割編成で更に前後で先頭車の形状が異なることから注目を浴びる事が多かった編成ですが、先に1960年代のツートンカラーを再現した1017Fと共に、華を添える存在になりました。T.K.Kの文字や先頭部の表記類にも旧型車の雰囲気に近付ける拘りが見受けられます。

車内は最後まで登場時からのオレンジとブラウンの座席で存置されていましたが、現在は1000系のリニューアル車である1500番台と同じ緑モケットに交換されている一方、新規に設置された車内案内表示器は稼働せず上から目隠しのシールが貼られた状態です。なお旧3000系列の座席は臙脂色モケットだったので、9000系と同じ物を用いればより良い雰囲気になったのではないかと思うのですが。

こちらが元ネタのデハ30003456。電車とバスの博物館に設置されているカットボディです。3450号車はモハ510に復元された為、晩年期の形態で東急自身が保存しているのはカットボディのみとなっています。

1990年代からは緑の旧型車に代わりステンレスに赤帯を締めた車両が主力になりますが、2008年の2代目7000系から緑系カラーリングを採用するようになり、旧型車引退から丁度30年目の2019年にラッピングとはいえ緑色の電車が復活するのは興味深い点です。

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