町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

YNB化が進まない在来形式・相鉄10000系の現状

2023年04月09日 | 相模鉄道

2016年、相鉄デザインアッププロジェクトの一環としてYOKOHAMA NAVYBLUEに装いを一新した9000系が初登場してから早くも約7年が経過しました。当初発表の計画では、8000系・10000系・11000系も順次塗装と車内設備を更新して行くとされていましたが、予想に反して進みは遅く、8000系は101本、10000系は10両・8両の各1本が改造・更新されてからは現状中断した状態になっており、11000系に至っては未だYOKOHAMA NAVYBLUE仕様の編成が登場していません。近年は前照灯の移設や制御装置の更新のみを行ったセミリニューアル車とも言える編成が登場しており、全編成に及ぶのは相当先であることを思わせる動きを見せています。

10両編成では唯一VVVFインバーター制御が未更新のまま原型を保っている10708F。経年が浅いことも影響しているようで、登場から新コーポレートカラー採用まで帯を張り替えた以外に大きな変化はありませんでした。現在はYOKOHAMA NAVYBLUE化とは別個で色はそのままに前照灯を11000系同様に上部に集約し、行先をフルカラー化する改造がされるようになりました。

8両編成の10705F。本形式は車両メーカーから直接購入した編成とリース方式を採用している編成の両方が存在し、この編成はエスエムエルシー・パヴォ有限会社(三井住友系列)からのリース扱いとされています。現在は前照灯移設・機器更新を実施した編成は10両編成の10702F8両編成の10703F2編成が存在します。果たして今年は塗装変更を受ける編成は現れるのか?

車内設備に関しては基本的に改造点は殆ど無いと言っても良く、YOKOHAMA NAVYBLUE仕様車もシートモケットや吊り手、各種表記類を変更する程度に留まっています。LEDによる車内案内表示器の液晶画面化も見送られました。

YOKOHAMA NAVYBLUE化と同時に見られなくなっているものの一つがこの相鉄公式キャラクター・そうにゃんデザインの半円ステッカーです。2015年から採用されているので、短い期間で新デザインの注意表示に代わられてしまいましたが、ドアに貼られていると目立つので12000系や20000系に採用しても良かったのでは、と思いますね。

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新横浜線開通で本領発揮、相鉄21000系

2023年03月23日 | 相模鉄道

神奈川東部方面線(東急・相鉄新横浜線)を介した東急東横線・東京メトロ副都心線直通対応車として2018211日より運転を開始した20000系は、10両編成7本の70両が揃うと8両編成の増備に移行しました。この8両は東急目黒線と東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道線・都営三田線への直通を前提に製造されており、外観と車内設備は20000系と同一ながら一部の機器の違いから別形式とされたもので登場時は相鉄線内の各停運用が中心でしたが、東急・相鉄新横浜線開通に伴い当初の目的であった都心乗り入れを果たしました。

三田線内の高架区間を走行する直通記念ラッピングが施された21102F10両編成の20000系とは車椅子・ベビーカースペース変更と非常用ドアコックの設置箇所(先頭車は乗務員室付近、中間車は両側の妻面に設置していましたが半数を床下に移設)、運転台に列車無線用画面の新設など様々な相違点があります。この編成は318日の新横浜線開通初日は、新横浜5:08分始発の浦和美園行きにも充当されました。

直通開始前の相鉄線内各停運用に就いていた頃の姿。100008両編成と共に横浜〜湘南台間の運用が主体でしたが、現在は全編成が直通運用に充当されるようになり他社線内での入庫や折り返し運用も設定された為、日中に相鉄線内の西谷〜横浜間で見る機会は激減しました。

20000系量産車と共通の車内設備。液晶画面がドア上2画面になり、車端部のユニバーサルデザインシートの上部にも荷物棚が設置された点など完全に同じで、差異は前述の車椅子・ベビーカースペースの位置くらいです。

表示面積を大きくとった21.5インチの液晶画面(写真は東急目黒線内)。各社局毎に異なる表示デザインにも当然対応しており、情報量が大きく向上しています。

都心乗り入れで本領を発揮するようになった2000021000系グループですが、今年は更に21108Fが増備され、更にもう1編成が増備予定です。今後は更なる運用区間の拡大なども期待したいですね。

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【訃報】相鉄新7000系全車引退、昭和世代の車両が全廃へ

2020年11月07日 | 相模鉄道

今年116日で相鉄新7000系が定期運用を終了し、1986年から34年に渡る活躍に幕を閉じました。これで相鉄が保有する旅客車両は全車両が平成〜令和に掛けて製造された車両になり、相鉄車の特徴だった日立式電磁直通ブレーキを搭載する車両が消滅します。

最後まで残存した7754FVVVF制御編成では一番最初に新塗装化されました。本日8日と明日9日、かしわ台車両基地内での公開が最後の晴れ姿となります。ゆめが丘駅では記念入場券や関連グッズの販売も実施され、新型コロナ禍ではありますが幕引きに華を添えました。

二俣川駅で、更新改造の対象から外れて8000系では最初の老朽廃車になってしまった8702Fと共に並ぶ7754F。両車共に、そこそこ新しいイメージですが、既に経年30年前後で丁度置き換え時期に達していることに嫌でも時間の流れを実感させられます・・・。

二俣川駅で、更新改造の対象から外れて8000系では最初の老朽廃車になってしまった8702Fと共に並ぶ7754F。両車共に、そこそこ新しいイメージですが、既に経年30年前後で丁度置き換え時期に達していることに嫌でも時間の流れを実感させられます・・・。

特徴的だった路線図式の車内案内表示は2014年の特急運転開始時に、そうにゃんイラストが入ったデザインに交換されましたが相鉄新横浜線開通に伴い羽沢横浜国大駅が開業すると再び更新されイラストが無くなりました。尚、羽沢横浜国大部分にはランプは無く印刷を追加したのみになっていました。

末期は他社と比較すると特殊な機構が多く運転操作などの扱いが大変だったのではないかと思いますが、35年の長期間に渡り良く活躍して来たな、と思います。独自色の濃さが際立つ車両がまた消えるのは残念ですが、まだまだ8000系後期車や9000系も引き続き活躍するので、今後の車両動向に注視したいですね。

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廃車が続々と進行する相鉄新7000系

2020年09月13日 | 相模鉄道

相鉄新横浜線全通を控えて、12000系の増備車登場と20000系が量産体制に入ったことで新7000系VVVF車と8000系初期車の廃車が開始されました。新7000系は既に抵抗制御車が全廃され、更にVVVF編成も7755F、7753Fが廃車になり残すところ2編成となりましたが検査期限に関係無く運用離脱〜廃車の道を辿っている事から早ければ今年中にはその姿が見られなくなるかも知れません。

今年の815日で運用を離脱した7753F。抵抗制御編成は6両+4両、VVVFインバータ制御編成も5両+5両の分割可能編成で導入されていた為、この7753Fは相鉄では初めてとなる10両固定編成での導入となりました。これ以降、相鉄の旅客車両は先頭車を中間に挟まない10両・8両固定編成が基本になります。

1989年に新7000系では最終増備車として登場し、編成中に当時の4扉通勤電車では極めて珍しく5号車と8号車の車内をセミクロスシートにするなど実験的要素があった7755F。かつては新6000系と共に広告貸切電車の"GreenBox"に起用されていたことがあり、特別仕様のドアステッカーが貼られ2005年までは先頭車にはヘッドマークを掲出して運転されるなど何かと注目される編成でもありました。最終増備車ではありますが、3番目の廃車対象になってしまいました。

基本的には以前記事にした抵抗制御車と変わらない車内設備。VVVFインバータ制御化に伴って主電動機点検蓋は必要ないのですが、念の為に設置したのだとか。中吊りの車内広告が見当たらないのは緊急事態宣言解除直後に撮影したためです。

7755Fの最大の特徴である5号車・8号のセミクロスシート仕様の車内。ドア付近は2人掛けロングシートとし、それ以外の区画は4人掛けボックスシートにしているため、着席定員が増加しています。乗客からも好評で、8000系と9000系でも引き続き採用された他、首都圏近郊路線の4扉化を目論んでいたJR東日本でもこの設備を参考にして後のE217系・E2311000番台で実用化されました。

前述の通り初の10両固定編成やVVVFインバータ制御の本格採用、他社にも影響を与えたセミクロスシート設備など相鉄の中ではかなりエポックメーキングな車両に位置付けられる新7000系ですが、新型コロナウイルスの影響が強いこの御時世では引退イベントも開催されず静かな幕切れになってしまいそうです。また、場所の都合もあり車両保存がされるとも考えにくく、乗る事も見る事も出来なくなるかも知れません。残りの編成の活躍も最後まで心して見守りたいと思います。

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伝統と革新の融合・相鉄20000系

2020年08月28日 | 相模鉄道

相鉄の長年の悲願であった都心直通プロジェクトとして、2019年11月19日に新横浜線の第一期区間である西谷〜羽沢横浜国大間が開通してJR東日本との直通運転を開始したことは記憶に新しい出来事ですが、今後は更に2022年の開通を目指して新横浜駅までの延伸と同時に東急・東京メトロ・東京都交通局への相互直通運転が控えており、また新たな一大ネットワークが形成されようとしています。

直通運転の決定を受けて登場したのがこの20000系で、相鉄ブランドアッププロジェクト発足後の新造車になった為、YOKOHAMA NAVYBLUE塗装で新製された初の車両になりました。また、本形式は日立製作所のA-train規格で製造されており、相鉄では8000系の最終増備編成以来となる久々の日立製作所の車両でもあります。相鉄と日立製作所の関係は深く初の自社開発による高性能電車5000系を発注したことから始まり、初の大型4扉車の6000系ではモハ6021をアルミ試作車とし、その実績を踏まえて後に増備される形式も全て日立製作所製になり、エレベーターやエスカレーター、蛍光灯などもほぼ日立の製品で統一されていた時期もある程でした。なお、8000系と交互に増備されていた9000系が当時の東急車輌に発注されたのは廃車発生品を転用する為、部品を運ぶのに至近距離だったという事情だそうです。

正面はグリルのような飾りが目を引きますが、これは本系列のデザインに関わったアートディレクターの水野学氏が少年時代に見たブルートレインを牽引する機関車にヒントを得て、現代風にアレンジしたとの事です。2022年頃の開通になる東急直通対応車が何故JR直通用の12000系より先に登場したのかですが、JR直通車ではE233系と走行機器を共通化することが決まっていた為、慣らしも兼ねて全く新設計の東急直通車を量産先行車として先に導入する方針になったようです。この斬新なデザインや設備で鉄道友の会より2019年度ローレル賞を相鉄で初めて受賞していますが、都心直通用の新機軸を盛り込み初のローレル賞受賞車両がかつての伝統だった日立製アルミ車両とは不思議な縁ですね。

グレーを基調に高級感と落ち着きを感じさせるデザインに仕立てられた車内。袖仕切りや貫通扉にガラスを多用し、車体幅は2770mmと狭くなったものの開放感もある空間です。照明装置はLEDで時間帯により変化し朝〜日中は白色、夜間は暖色となり車両情報装置Synaptraより自動設定されます。優先席(写真左下に見える赤い座席)はユニバーサルデザインシートで、一般席より座面を若干高くし、手摺りを設置して立ち上がりを容易にしました。戸閉装置はナブテスコが2012年に新開発したROCK☆STARで、半自動機能を備えるこれまた初採用の設備です。新しい設備が目立つ一方で、窓にはカーテンが設置され、相鉄車の伝統だった鏡も復活するなど新旧の設備が入り混じっているのが面白いところ。

車内案内表示・動画広告用の液晶画面は21.5インチのワイドサイズを採用し、ドア上と天井に設置しました。量産車に当たる第2編成から天井のディスプレイは廃止され、代わりにドア上が2画面に変更されました。

今後は新横浜線全通までに10両編成6本、8両編成9本が増備され最終的にトップナンバーを加えた142両の陣容になるとのことで新7000系と8000系・9000系の未更新初期車が順次置き換えられて行きます。独自の色合いが非常に濃かった1980〜1990年代の車両が一部とは言え消えてしまうのは残念ですが、再来年以降大量増備された20000系列が都心を闊歩する日が来ることを楽しみに待ちたいと思います。

 

 

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