茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

2005-09-13 22:43:11 | 季節マメ知識
 秋といえば、お月見。今年の中秋の名月は、9月18日です。京都では様々な神社仏閣で観月会が催されるようです。

 日本では月にまつわるお話は多く、思いつくところで書けば、月の中ではうさぎが餅つきをしている、竹取物語、日本史で習った藤原道長の“我が世をば望月のかけたることもなしと思えば”の歌など。月は潮の満干を引き起こす。満月の夜には出産が多いと言われ、潮の成分と同じものが流れる我々の身体と密接な関わりがあるということでしょう。
 また、江戸時代までは月の朔望(満ち欠け)をベースにした旧暦(陰暦)が使われていたので、月は日本人の生活とも切っても切り離せないものでした。

 “朔”はこれから満ちていく新月の状態、“望”は満月の状態、毎日姿を変える月に人々は様々な呼名を与えました。そのことから日本人が如何に月を愛でてきたかわかります。美しい言葉が多いので、お楽しみ下さい。
新月(しんげつ):旧暦で毎月第一日目の月、朔(さく)ともいう。
三日月(みかづき):旧暦で毎月第三日目夕方にでる細い月。
上弦の月(じょうげんのつき):旧暦で毎月第七日目・八日目の夜出る月。
十三夜(じゅうさんや):旧暦で毎月十三日目の夜出る月。十五夜の次に美しいとされる。
小望月(こもちづき):旧暦で毎月十四日目の夜出る月。望月前夜に出るので小望月という。
十五夜(じゅうごや):旧暦で毎月十五日の夜出る月。まん丸の月。望月ともいう。
十六夜(いざよい):旧暦で毎月十六日の夜に出る月。満月が少し欠けている形。既望、不知夜月ともいう。特に旧暦の8月16日の月をいうこともある。
立待月(たちまちづき):旧暦で毎月十七日の夜出る月。
居待月(いまちづき):旧暦で毎月十八日の夜出る月。
臥待月(ふしまちづき):旧暦で毎月十九日目、寝所に臥して月が出るのを待ったことに由来する。寝待月(ねまちづき)ともいう。
更待月(ふけまちづき):旧暦で毎月二十日の夜更けて出る月。
下弦の月(かげんのつき):旧暦で毎月二十二日・二十三日目夜中の十二時頃出る。
三十日月(みそかづき):旧暦で毎月三十日目に出る月。

 現在、1日のことを朔日(ついたち)ともいう。つきたつ(月立つ)が訛ったものだと言われている。陰暦の時代は毎月1日は新月、つまり“朔”の状態だったわけである。また、月末をつごもり、みそかというが、陰暦では三十日(みそか)が月の最後の日、晦(つごもり)は月隠(つきごもり)が訛ったものだと言われている。だから、年末12月31日は大晦日(おおみそか)・大晦(おおつごもり)となる。

 皆さんは、月を見て何を感じますか。太陽は元気をくれるので朝見ると今日も頑張るぞと気合が入ります。月はリラックスを促し優しく包んでくれるので、帰り道に見るとほっとします。陰陽のバランスは私の身体リズムの中にも自然に備わっているようです。今年の名月は少しのんびり眺めてみようかな。
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