Live in Desert

OTSUKI KEIKO展@国画展開催中の国立新美術館3FB休憩室にて
2014年5月1日(木)~12日(月)
10:00-18:00(金曜は20:00まで・最終日は14:00まで)

『太陽の恵と灼熱の地獄は諸刃の剣』
↑otuki-sensei の作品は、大胆素敵。
(※作品はまっすぐです。スミマセン……★Mの撮影がチョイ歪めてしまいました)
70年代後半、アトリエにお邪魔して以来のファンです。
otuki-sensei は、2006年11月に作品集を出版後、
2006年11月14日~19日、青山スパイラル(アトリウム&ギャラリー)で個展開催。
さすが sensei、 あの巨大な空間を見事に演出!!
早朝集合で★Mも展示を手伝ったのですが大興奮、ワクワクしました。
雑誌『コンフォルト』2007年2月号の紹介文、↓に再録します。
テキスタル・クリエイターの大槻圭子は、2006年11月(昨秋)、初の作品集『リディア』を出版。
出版を記念して、青山のスパイラルガーデンで個展が開催された。
大槻作品の特徴は鮮やかな色使いと大胆な構図。
伝統的な染色技術を修得しながら、型破りなテキスタイルを次々と発表し、
大槻は工芸界で「異端児(アンファン・テリブル)」であり続けた。
インパクトのあるタピストリ-はアート作品としても高い評価を受け、
織物企業との提携や、建築・インテリア業界との連携で、住空間や公共スペースの装飾に新風をもたらした。
いっぽうで大槻は、素材と技法との相性や発色法を追究。
厚手麻や生絹、超薄手綿など、撚りや織りや番手で風合が異なるさまざまな天然繊維を精選。
筒描き、型染め、型捺染、ブロックプリント、シルクスクリーンなどあらゆる技法を試している。
そして、独特のフォルム。
あらためて作品タイトルを読むと、海外の遺跡や神殿、古代文明、歴史上の人物が多く登場する。
欧州をはじめ、中南米、トルコ、エジプト、インド、ロシア、タヒチなど世界数十カ国を訪れ、
旅の情景や出会った人びとにインスピレショーンを得ている。
「用の美」の世界にいながら、作家の心は遠くにあった。
布という、しなやかで戦略的ともいえる素材を使って、抽象的で普遍的なテーマを追っていたのだ。
そして大槻は、「風になって地球を巡りたい」という強い憧れを、この作品集で実現した。
大自然に放たれた布は、変幻自在に動き回る。
風を孕み、宙に舞い、陽光を透過し、砂浜に影を落とす。
水飛沫を浴び、枯枝に絡まり、苔むした倒木に寄り添ったかと思うと、
草むらに隠れ、木漏れ日を映し、波と戯れ、少女に纏わりつく。
砂漠に置かれた布はさながら魔法の絨毯だ。
大槻は撮影スタッフともども、「大地と空が作品を受け入れてくれた」ことを実感したという。
至福を味わった布たちは、どんな風を運んできてくれるのだろう。

作品集“Li´Tya(リディア)”
大自然を求めて、オーストラリア・シドニー周辺で撮影を敢行。
「晴天に恵まれ、幸せな偶然が重なって奇跡的な写真が撮れた」という。
タイトルの“Li´Tya(リディア)”は、アボリジニの言葉で「of the earth(地球の)」という意味。
アート・ディレクション:鈴木光太郎
序文:三宅一生
発行:求龍堂 10800円
http://www.amazon.co.jp/大槻-圭子/e/B004LVFRAM/ref=ntt_athr_dp_pel_1