父の日記 昭和17年

昭和17年の日記 
ようやく召集解除 神武屯を発ち東京へ向う

昭和17年7月14日

2005-07-14 | 昭和 (父の日記 昭和17年) 
14日 (火) 晴れ 

新京は夜中の一時頃着、朝の食事を受領、
六時頃何処かの駅で停車した時朝食を取る。
ハルビンは十三時頃着、此処で中、夕食受領。
此処では約四時間停車。こんなに長い停車時間
があっても車の中にぢっとしてゐなければならない。ハル
ビンの町へ買物位にやって呉れゝばいいのだが。
青木大イの輸送指揮官ではとても駄目だ。
僕は新京、ハルビンは始めて通過するので少しは
街の様子も見られるかと思ってゐたが全然だめ。
僅かに窓から中央寺院の尖塔がみえたヾけだ。
ハルビンを十六時四〇分発、三○樹で方向を
換えて行く。
何もする事のない汽車の中では全く退屈してしまふ。
本は読みきってしまふ。眠るには身体が窮屈だ。
車の中は蝿が一杯でいくら追っても逃げない。
煤煙は入って来るし、身体は汚れるし、嫌な旅だ。

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○ *は 読めない漢字 不確かな文字などです

文中 三○樹の○の部分は 米へんに果という字ですが表示出来ませんでした