父の日記 昭和17年

昭和17年の日記 
ようやく召集解除 神武屯を発ち東京へ向う

昭和17年7月9日

2005-07-09 | 昭和 (父の日記 昭和17年) 
9日 (木) 曇り 涼し

はあぶる丸最后の夜を過して今朝は午前中に残り
の器材揚陸、人員も中食后上陸を終り、十二時に
は船の方はすっかり終る。車輌、貨物は埠頭に置
き兵は宿舎、常盤国民学校へ行く。大連駅の近
くで西川准尉が引率して行く。我々は乗用車で行く。
兵站では聯隊長以下、此の小学校へ泊れと
言ってゐるのをR長が憤慨して兵站へ行って交渉の
結果、将校は旅館へと言ふ事になり、国民学校の
前の日本館と言ふ旅館へ泊る。あまり立派な旅
館ではないが女中等のサービスがよく気分のいゝ家
だ。小学校の方は講堂に全部泊る。立派な小学
校である。
今夜は将校の会食をやるとてR隊長以下皆下の間
に集って夕食を会食する。フィリピンから持って来たビール
と日本酒と両方で僕もすっかり酔ってしまった。宿屋
の娘さんが二人居てなかなか愛嬌がいゝ。サービス
に来る。外出は大目にみるとR長から言はれたが
酔いすぎて外出所ではなかった。十二時過ぎ
まで苦しかった。


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