極楽とんぼは風まかせ

東は東、西は西。交わることなき二つとはいえ、
広い太平洋、東の風が吹き、西の風が吹き・・・

グローバル化は両刃の剣

2007年09月21日 | 今日の風の吹きまわし
カナダドルがどんどん上がって来たなあと思っているうちに、とうとうアメリカドルと「同じ」になってしまった。
10年くらい前にアメリカドル1ドル=カナダドル63セントという底値だったんだから、びっくりする様変わり。
何しろカナダはアメリカからたくさんモノを買っているから、1ドルが63セントまで下がってしまうと、物価が
上がってしまう。特にあの冬は野菜類の値上がりがすごかった。それがこんどは等価、もしかしたらカナダ
ドルのほうが逆に高くなるかもしれないという。上がったものは下がるし、下がったものはまた上がるのが
世の常ではあるけど、カナダは今や世界の「石油大国」で、しかも原油価格はどんどん上がって行く・・・

実は、私が来たばかりの頃はカナダドルの方が高かった。それでカナダ人がどっと国境を越えてアメリカ
側でショッピング。国境沿いの町のモールの駐車場にはカナダ人が48時間滞在で免税枠を広げるようと
カナダ人がキャンプしていたし、週末ともなるとスーパーの食品が売り切れになったりして、アメリカ人が、
カナダ人の「買占め」はけしからんと愚痴っていたものだ。

今はどうか知らないけれど、昔の日本には「北海道価格」というのがあって、海(津軽海峡)を越えて来る
というだけでモノの値段が上がった。開拓時代に「内地」の商人に搾取された歴史もあるもんで、北海道
独立論に傾倒していた私は、「このやろ~」と憤慨していたけど、カナダでも、西から東へ工業原料を運ぶ
鉄道運賃は、東から西へ工業製品を運ぶ運賃よりもずっと安く設定されていたことがあった。同じレールの
上を同じ貨車が行ったり来たりしているだけのはずなのに、西部人にとっては傲慢な東部人の横暴・・・。
自由貿易協定があっても、アメリカから来るものはアメリカ製でなければ関税がかかるし、マージンが積み
上がるってことも計算に入れても、まだカナダ側の値段は高めになっていて、しかも、アメリカドルが安く
なってもカナダ側では値段は下がらない・・・

だけど、この調子だともっと気楽にカタログショッピングができるなあ。1ドルが1ドルになれば、アメリカで
買った方が安いものがたくさんある。クリスマスショッピングのシーズンにはカナダ人が越境ショッピングに
どっと繰り出しそう。30年前は1年に1回しか免税枠を使えなかったけど、今は滞在1回ごとだし、金額も
かなり上がっているから、週末ごとにちょこちょこ出かけたらかなり無税で買い物ができる勘定。カナダの
人口は国境沿いに集中しているから、アメリカ側のモールはまたもやカナダ人で溢れかえるかも・・・

なんだか得するような気分になるけど、おいおい、ちょっと待て。ひとりぼっちのグローバルビジネスは
「輸出」の比率がやけに高い。カナダドル高になって喜ぶのは買う方だけで、売る方には「冬の時代」だ。
円安のおかげで円建レートが実質的に「大幅値下げ」になってしまったのに、アメリカドルのレートまでが
値下げになってしまうわけだから、あ~あ、がっくり来ちゃうよなあ。レートを上げてくれなんて気安く言え
ないこの業界、レートの高いところに営業攻勢かけるか、もっと仕事をするか。じゃないとカナダドルでの
決算は減益になっちゃうもんなあ。ああ、ヤダぁ~


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