(写真)ラトビアナンバーの自家用車(ストックホルム・スカンセン公園付近の駐車場にて)
陸続きの国が多い欧州では、欧州連合(EU)のシェンゲン協定が実施される前から、外国ナンバーの自動車の越境走行が日常茶飯事でした(東西冷戦時代に「鉄のカーテン」を越えていくのは容易ではなかったかもしれませんが)。故に、欧州に行くと、どこへ行っても外国ナンバーの自動車を見かけることになるのですが、今回のスウェーデン旅行中も、フランス、ドイツ、オランダといった主要国に加えて、珍しい国のナンバーをつけた車を見かける機会がありました。
そこで、以下に、いくつかの外国ナンバーの写真をご紹介します。
■1.エストニアナンバー
市内のショッピングセンター併設の駐車場にて。
エストニアは、エストニア語での国名表記は「Eesti」ですが、ナンバープレート左側の「ユーロバンド」(EU帯)と呼ばれる部分には、英語の「Estonia」を略した「EST」を使っています。
同じような便法をしている国にオーストリアがあり、ドイツ語での国名表記は「Osterreich」ながら、自動車の国籍表示は英語の「Austria」に由来する「A」を名乗っています(ちなみに、日本語でしばしば混同される「オーストラリア」(Australia)は、ラテン語で「南の地」を意味する「Terra Australis」に由来にするのに対して、「オーストリア」は「東方の国」の意味です)。
■2.ギリシャナンバー
王宮前に駐車していた観光バスより。
ギリシャもまた、自国の正式名称は「エラス」(Ellas)ですが、英語の「Greece」からとった「GR」を国籍表示に使っています。
それにしても、南欧のギリシャから北欧のスウェーデンまで、実に長距離を移動してきたものです・・・。
■3.ロシアナンバー
王宮前に駐車していた観光バスより。
ロシアは欧州連合(EU)加盟国ではないので「ユーロバンド」はありませんが、右側に「RUS」と国名を表示しています(但し正式な自国表記は「Rossija」なので、「RUS」は明らかに英語の「Russia」からとっています)。
もっとも、(ギリシャもそうですが)本来であれば自国の正式な文字ではないローマ字でナンバープレートを表示しているあたり、ロシアも丸くなった?ものだと思います。これは観光バスなので黄色地に黒文字で書かれていますが、一般の自家用車は白地に黒文字です。ロシアとEUとの間の査証簡素化は実現していないため、ロシアの自家用車を西欧で見かけることはほとんどありませんが、このようにたまに観光地で見かけることがあります。
■4.おまけ:スウェーデンの外交団ナンバー
スウェーデンに駐在する各国外交官が使用するナンバーで、青地に黒文字のデザインとなっており(このカラーリングはオーストラリアの外交団ナンバーと同じ)、はじめの2文字が国を(但し、国名の略称ではなく、ローマ字2文字が機械的に割り当てられている)、最後の1文字が使用目的(Bなら公用、Cなら私用)を表しています。