マオ猫日記
「リヨン気まま倶楽部」編集日記
 



 

 報道によると、カタールのドーハで開催されていたワシントン条約(「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora、CITES)締約国会議(3月13日~25日)の第一委員会は3月18日、モナコ及びEUが提出していた大西洋クロマグロ(Blue fin Tuna)の禁輸案(条約附属書Ⅰへの登載案)を採決し、いずれも反対多数で否決したそうです。

 この日、各国代表の発言後、リビア代表が禁輸案の採決を求める動議を提出。動議は賛成72票、反対53票で可決され、さらにアイスランドが無記名投票を求めて10カ国以上が賛同したため、無記名投票による即時採決が決定。続いてモナコ案が賛成20、反対68、棄権30で、EU案が賛成43、反対72、棄権14でそれぞれ否決(可決するためには3分の2以上の賛成が必要)。規制推進派のEUは本会議での再採決を求めなかったためこれで結果が確定し、禁輸禁止に反対の日本や中国、それにマグロ輸出国の地中海沿岸アフリカ諸国の立場が支持された格好となりました。

 当初、EUが加盟27ヶ国の立場を調整する等、禁輸賛成が多数派と報道されていただけに、日本がモナコ案・EU案の否決に成功したのは、日本自身の外交努力に加えて、(1)第一委員会での早期の採決(米国代表団到着前の決着)、(2)マグロ消費国である中国が、アフリカ諸国に対して反対するよう働きかけていたと思われること、(3)禁輸を実施しても痛痒を感じないモナコ(たしかに、あれだけカジノやホテルに夜間照明を使っている国が、地球温暖化防止のために大公が運動しているというのも不思議ですが)が禁輸を主張したり、資源保護を謳いつつEU域内の取引は認めるといった身勝手な主張に他の非EUマグロ輸出国や発展途上国が反発したこと、(4)無記名投票となったことにより潜在的な規制反対国もEUや環境保護団体からの批判を恐れることなく反対票を投じることができたこと、があるようです。

 もっとも、取引を完全に禁止するワシントン条約附属書登載は行きすぎとしても、最近、大西洋クロマグロの資源量が減少しているのは事実。こうした過激な規制が叫ばれないようにするためにも、資源管理を強めていき、消費者としても、それに伴う小売価格の上昇は甘受する必要がありそうです



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