(写真)T3号線起点ペラッシュ駅付近の状況(上)と、終点メイジュー地区の状況(下)
公共交通機関が比較的発達しているリヨン。
そのリヨンで今、新しい路面電車(トラム)の建設が急速に進められています。パール・デュー(Part Dieu)から東進してメイジュー(Meyzieu)に至るT3号線で、別名LEA(Lyon Est Aggromeration)とも呼ばれ、2006年12月に開業を予定しています。延長14.6キロ(走行時間約25分)の線路は旧東リヨン鉄道(CFEL)の路線をそのまま活用したため、他のT1号線やT2号線と比べて専用軌道区間が長く(もっとも、T1、T2とも既存の道路を路線に転用しているというだけで、軌道部分は自動車の新入が禁止されているため、実質的には専用線ですが)、また用地買収も少なくて済みました。全部で10駅が新設され、うち5駅にはパーク・アンド・ライド用の駐車場も整備。またカレ・ドゥ・ソワには2007年末までに地下鉄A号線が延長開業してバス・トラム・地下鉄の一大乗り換え拠点になる予定です。車両は現行のアルストム社製「Cytadis」が用いられる予定。
写真で見るように、建設作業は既に最終段階に入っており、線路・路盤の工事は終わって架線が展張され、今は駅部の工事が進められています。パール・デュー駅については従来T1号線が乗り入れている西口ではなく、東口への乗り入れとなっていますが(その為電停の名前も「パール・デュー・ヴィイェット」となっている)、線路自体はそのままT1号線に直結し、西口方面にもまた逆のIUT-Feyssin方面にも乗り入れられる構造となっているため、都心部直通運転による利便性の向上が期待できます。
ちなみに、このT3号線、終点メイジューからリヨン・サン・テグジュペリ国際空港を結ぶ延長する県営快速トラム「LESLYS」と直通運転が予定されており、2008年にLESLYSが開業すると、それまでバスしかなかった新市街と空港の連絡に定時性のある軌道系交通が加わることになります(LESLYS列車はT3号線内を快速運転)。
この他、リヨンでは、パール・デューから南進し、ジェト・ドォー(Jet d'eau place Mendes France:T2号線の電停)、ヴェニシュー(Gare de Venissieux:地下鉄D号線の終点)を経てマンゲット(Minguettes)に至るT4号線(9.4キロ:ジェット・ドォーからマンゲットまでは2008年9月開業予定、都心区間は未定)、T1号線のモントロシェ(Montrochet。2005年9月15日に延長開業した区間)からコンフリュアンス博物館(Musee des Confluences)までの1駅延長(2008年。線路は既に建設済み)が予定されています。