リヨン旅行（その３：トラム新線Ｔ３号線に乗車（１））（Ｔ）

（写真）Ｔ３号線の列車の中でも異色の銀色編成。パール・デュー駅にて。

　旅行２日目（29日）。
　まずは、つい最近まで建設工事が進められ、12月４日に開通したばかりの、リヨン公共交通（ＴＣＬ）の路面電車（トラム）新線Ｔ３号線に乗車してきました。

　トラムＴ３号線は、リヨンの新市街パール・デュー（Part-Dieu）駅の東口（電停名はGare Part-Dieu Villette）から出発し、郊外のメイジュー工業地帯（Meyzieu Z.I.）までの約14.6キロを約25分で結ぶ路線で、途中８駅（電停）が設置されています（全10駅中、６駅にパーク・アンド・ライド用駐車場も併設）。建設計画時には「lea」（Lyon Est Aggromeration）とも呼ばれており、併せて並行する自転車専用道約10キロが整備されました。2007年９月には地下鉄Ａ号線が延伸開業し、ヴォー・アン・ヴラン・ラ・ソワ（Vaux-en-Velin La Soie）駅で乗り換え可能となります。

（写真）パール・デュー（Part-Dieu）駅東口の様子。商業街が広がる西口とは異なり、長距離バス停やビジネスホテルが並ぶ等、やや寂れた様子。

　Ｔ３号線の特徴は、廃止されたローヌ県営リヨン東鉄道（Chemin de Fer de l'Est de Lyon, CFEL）の廃線跡を利用して建設されたことで、起点のパール・デュー付近を除き、線路は原則として専用軌道のみとなっており、その為フランス国内のトラムとしては最も速い最高時速約70キロ（平均約38キロ。ちなみに市街地の道路を潰して建設されたＴ１号線の平均速度は約15キロ、郊外路線もあるＴ２号線は約19キロ）を出します。線路周辺の設備も、路面電車というよりはライトレール、あるいは普通鉄道に近いものがあり、道路との交差点には信号機のみならず遮断機も設置されていました。

（写真）パール・デュー駅に停車中の銀色トラム。

　運転はラッシュ時８分間隔、昼間時16分間隔で原則として全列車が終点までの往復運転をしますが、将来（2009年）、ローヌ県事業として建設されている「LESLYS」線が開業し、線路がサン・テグジュペリ空港まで到達すると、市内ー空港を快速運転する列車が加わります。その為、駅のいくつかには将来の快速列車の追い越し・追い抜きに備えた待避線が設けられており、途中駅には路面電車でありながら２面４線の堂々たる設備を持つところもありました（但し、現在はそうした快速運転は行われていないので、使用しないホームには何も設置されていませんでしたが・・・）。

（写真）こちらはきちんと塗装された編成。塗装はT１号線、T２号線と同じものの、「鼻」の部分にアルストム社の社章が追加されている。パール・デュー駅にて。

　運行されている列車は、Ｔ１号線、Ｔ２号線と同じ仏アルストム社製「シタディス」（CITADIS。パリに最近開業した３路線目の路面電車と同一だが、運転台のデザインのみ、リヨン独自）で、外観・内装とも既存の編成と基本的には同一ですが、新編成については製造会社のアルストム社の社章が先頭車両の「鼻」の部分に記されている他、銀色のまま塗装されていない編成も見かけました（写真）。

（（２）へ進む）