(写真)ソーヌ川沿いの駐車場で見つけたローヌ県ナンバーのプリウス
私がフランスに来て、実は欲しかった車が、トヨタのハイブリッド自動車「プリウス」。一度、岡山空港のトヨタレンタリースで借りて運転したことがあるのですが、ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせているだけに走行音も静かで、しかもどことなく近未来的なエンジン音がします。車内空間もミドルクラスサルーン並が確保され、しかもトヨタ車に共通する品質の高さ。2003年に2代目プリウスが発売されて以来日米両国で大ヒットで、一時は生産(特に電池)が追いつかず納車まで数ヶ月待ちだったそうです。 もっとも、母国日本で、そして車に関してはブランド名より価格・品質比や性能を重んじるアメリカで爆発的ヒットとなったプリウスも、ここフランスでは従来、ほとんど見かけることはありませんでした。一つには、フランス人はやはり自国の国産車やブランド力のある欧州車(ベンツ、ジャガー等)が好きで、トヨタをはじめとする日本車は未だに韓国車のように「東洋から来た新商品」程度にしか扱われていないことが大きいようで、実際フランスの自動車雑誌では、トヨタの高級車「レクサスLS430」も「ベンツSクラスの猿真似」と揶揄されています。個人的には、トヨタのどの車種も仏国産車を価格、品質、性能面(こちらに来て気づいたのですが、日本は自動車やガソリンの値段がフランスより安い)で凌駕していると思うのですが・・・ ところが、フランスでは従来あまり売れていなかったこのトヨタ・プリウスが、最近徐々に売れてきています。数日前のテレビ報道によると、去年は月50台(年間604台)しか売れていなかったプリウスが、今年はなんと月200台も売れているそうです(そのせいか、最近テレビでもプリウスのCMを目にすることが多くなりました)。原因は色々あるでしょうが、やはり最近の石油価格の上昇、ガソリン高が相当影響しているのではないでしょうか。プリウスの公表燃費性能は(日本のデータで)ガソリン1リッター約38キロ。(日本での)実測でも1リッター25キロ前後で、信号待ちの少ないフランスではよりカタログ性能に近い燃費でいけるでしょう。そうなると、1リットル実測11キロ前後の燃費の車に比較して、燃料代は半分以下で済む(ガソリン1リットルの値段が、半分以下になる)わけで、いかにフランス人が好むディーゼルエンジン用の軽油が無鉛ガソリンより安いとはいえ、フランス人としてもプリウスの優秀性を認めざるを得なくなってきたようです。実際、リヨンの街を歩いていても、去年までは滅多に見なかったプリウスを、ここ最近そこそこの頻度で見かけるようになりました。 上記のテレビ番組では、仏人記者がアメリカ・ブッシュ政権のハイブリット車奨励政策を紹介した後、「アメリカにとって恥辱なのは、こうした補助金を出す度に、(ハイブリット車を唯一実用販売している)日本の自動車メーカーだけが儲かるということです」と締めくくっていましたが、あるいはフランスの自動車各社も、プリウスの快進撃を苦々しく思っているのかもしれません。いやあ、日本の自動車産業はスゴい!
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実際に現地のナンバーを付けているプリウスは初めて見ました。
トヨタは米国、中国などでプリウスを現地生産するそうです。
プリウスいいですよね。
まだ試乗してないので何とも言えませんが、2007年3月の新車購入の超有力候補。
私が今乗ってるのはシトロエン。
仏車からプリウスに乗り換える人間が増えるとフランス車メーカーも苦々しく思いますよね。
先日シトロエンC4を試乗に行ったら、C4とプリウスを競合させる客が担当セールスマンだけで2人いたとか。
フランス車の強力なライバルかも。
プリウス、かなりアバンギャルドですからねえ。
こちらでは、さすがにシトロエンの地元だけあってC4はよく見かけますが、これからプリウスもどんどん増えていって欲しいです。
それでは。
TB有り難うございました。
今のプリウスはかなりかっこいいと思います。
この前試乗しましたが静かで室内も広く快適でした。
何といっても環境にいいのが良いですね・・!