Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ

2009-03-04 | 日本映画(さ行)
★★★★☆ 2007年/日本 監督/三池崇史
「高水準大空想世界」

<伊勢谷クン巡り①>
白州次郎で伊勢谷クンにハートをぶち抜かれてしまった私。彼の出演作をもれなく鑑賞することにしました。まあ、今まで結構見てはいるんですけどね。

これは三池監督ってことで避けてました。食わず嫌いってのは、このことを言うんだね。もう、随所に私のツボにさくさくハマって、痛快痛快。

マカロニ・ウエスタンを源氏と平家の対立に置き換えて、スキヤキ・ウエスタン。西部劇は完全にジャンル外だし、「ジャンゴ」って何?な私ですけど、この壮大なパロディ劇のチャレンジ魂がびんびんに伝わってきましたよ。俳優陣が豪華過ぎて、いつもの三池監督よりハジけっぷりが不満、という声を聞くのですけど、その「いつもの三池節」を知らないからでしょうか、豪華俳優陣の気合いの入り方も凄いなと感心しました。

全編英語ってのがいいんです。どうせパロディにするなら、ここまでしないと。英語の発音?全然気になりませんって。どうも日本人はネイティブ発音じゃない英語に嫌悪感持ちすぎです。これくらいの発音の人、イギリスやアメリカに行けばうようよいます。

冒頭の北斎のアニメっぽい背景も面白いし、衣装も世界観を盛り上げています。衣装担当は北村道子さん。彼女のスタイリングそのものは嫌いじゃないけど、主張が強すぎるので、私は結構斜めに見てます。音楽を坂本龍一に任せるようなもんですね。ひとり歩きするんです。「アカルイミライ」の時は、なぜこの衣装なのか、正直理解しがたかったですけど、今回はバッチリ作品イメージと合っています。また、木村佳乃の舞踏シーンの音楽がディジリドゥなんですよね。「どろろ」なんかはこういうイカした音楽をもっと入れて欲しいです。

「シューテムアップ」を見た時は、私はガンアクションに食指が動かない人間だと思ったんですけど、これは面白かったのですよね。なぜでしょう。ガンガンに銃をぶっ放すというのは、そもそもありえない設定なんですよね。特に日本人である私にとっては。結局、この作品が完全に空想世界であるため、ド派手なガンアクションもスムーズに入ってくるのかも知れません。

どのキャラクターも勝手な解釈と想像でぶっとんでますけど、源氏側か平家側かに付くのに悩まされて精神分裂を起こす保安官(香川照之)のキャラが面白かったなあ。

お目当ての伊勢谷クンは義経ですよ。はい~ピッタリです。剣さばきも美しい。もちろん、伊勢谷クンの着こなしがダントツで良いですね。英語もお上手です。ラストの伊藤英明との対決もカッコいい~。とはいえ、これで、木村佳乃と付き合うことになったのか…という邪念を振り払うのにひと苦労でした。まあ、そんなことはさておき、遊び心満載の空想世界がとても気に入りました。三池作品、他にも見てみよっかなあ。「着信アリ」と「妖怪大戦争」しか見てないんだよね。



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2 コメント

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こんにちは♪♪ (ミチ)
2009-03-05 08:39:23
伊勢谷君に目覚めてすぐに出演作をチェックするガラリーナさんの姿勢、好きです♪
衣装の北村さんは伊勢谷君のこともべた褒めですよね。
とても奇抜な衣装でしたが、衣装に着られていなかったのは伊勢谷君ほか数人だったと思います(笑)

この映画、概ねのところでは面白かったんだけど、なにか小骨のようなものが喉に刺さったようで、それが最後まで気になってしまいました。
その小骨が何かは分からないのだけど・・・。
『嫌われ松子~』でもその小骨があったんですよね。
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わかります、それ (ガラリーナ)
2009-03-05 22:46:19
>伊勢谷君に目覚めてすぐに出演作をチェックする
ふふふ。好きな物には貪欲なんです。

>小骨のようなものが喉に刺さったようで、
監督が好き勝手に作った弾けた作品というのは、そういうことがよく起きるんじゃないでしょうか。
自分の趣味に合わないとか、時代考証がおかしいとか、何かが引っかかると、その違和感が心に引っかかって、作品を楽しもうという前のめりな姿勢がすっかり失われてしまう。
私の場合「シューテムアップ」なんてそうでした。
「松子」は私も駄目でしたよ。中谷美紀は嫌々ながらこの役をやってるんだろうなあと思って。この時も伊勢谷クンはいい男だったけど、痩せすぎだな~と思ってました。

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