せっかくこの題材に斬り込んだのに、感傷的な演技が多過ぎる。上からの命令に誰も逆らえず、ひたすら俳優陣の涙ぐむ演技が続く。怒りや憤りよりも悲しみを前面に出す演出では到底グローバルに訴えることはできない。新聞社も検察もできなさばかりが目立ちとても残念。
タイトル新聞記者なのだから暴き、書き、社会を動かすダイナミックなシーンがもっとあっていい。一番動きがあるのが輪転機が回るシーンとは…。改ざん資料を記者に渡す理由が同じ悲しみを知る者同士というのも頂けない。役者陣は熱演。眉毛と目を一つずつ動かせる吉岡秀隆に驚嘆。