
監督 ジョナサン・デミ
キャスト ピーター・フォンダ、スコット・グレン、リン・ローリー、ジョン・ドーセット、ハリー・ノーサップ
1976年 アメリカ
ジャンル:アクション
【あらすじ】
結婚生活に破れ、5歳の息子ディランと共にアーカンソー州にある故郷の農場に帰ってきたトム・ハンター。農場を経営するジェフや弟のチャーリーとの久々の再会に喜ぶものの、悪徳企業による土地の乱開発を目にしてトムは愕然とする。彼らの横暴さは、やがて付近の住民やトムの家族にまで及んでくる。そして弟夫婦が無残に殺された時、それまで抑えていたトムの怒りが爆発した…。
【感想】
復讐ものであるにしても主人公達が痛めつけられてる時間が長すぎてとても疲れた。目的を果たしてもショーシャンクみたいな開放感はなく、すっきりしない後味なので完成度は高くても二度と鑑賞することはないと思う。
土地開発のために手段を選ばず住民を追い出そうとする悪徳企業に主人公が立ち上がる。
制作が「低予算映画の帝王」とか「B級映画の帝王」などと呼ばれているだけのことはある。本作もその真骨頂。金がかかっていると思えるようなシーンは一切なくても危険な撮影だったんだろうなと思えるアクションシーンとしっかりしたアイデアがあるだけで十分面白い。
弟や父親が殺され、息子が危険に晒される中で怒りを爆発させるのではなく静かにブチ切れる主人公が非常に印象的。こういう人間が一番怖いと感じさせてくれました。単純明快なストーリーと主人公の大胆な行動は無駄がなく話に集中できる。
それにしても主人公が反撃したのはラストのほんの5分に過ぎません。それまではやられっぱなしで主人公同様、観ている側もうっぷんが蓄積されていきます。もう少しバランスを考えてもいいと思います。復讐を果たしたという感じがせず、虚しさだけが残る。
ランボーが使っていたような弓で攻撃するというのは少し笑わせてもらいました。きっちりB級映画の要素を入れてくるあたりさすがとしか言いようがありません。敵サイドの企業にしても西部劇の時代じゃないんだからいくらなんでも人殺してまでやるようなことじゃないだろうと言いたくなる。
このクオリティのB級映画なら大歓迎。
お薦め度:★★★★★★★☆☆☆
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