LiveInPeace☆9+25

「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

(紹介)思いはひとつ! 沖縄を二度と戦場にさせない! 『ノーモア沖縄戦 命(ぬち)どぅ宝の会』発足

2022-04-04 | 沖縄
 思いはひとつ! 沖縄を二度と戦場にさせない!
『ノーモア沖縄戦 命(ぬち)どぅ宝の会』発足集会が開催された

http://nomore-okinawasen.org/

 3月19日、「台湾有事」の平和的解決を~あなたと未来の命を守るために~『ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会』の発足集会が沖縄市民会館で開かれた。オンライン同時視聴者を含め607名が参加し、会員はこの日1265人となった。


オープニングは、稲嶺幸乃さん三線ライブ・平和を願う歌三線コンサートが開催された。
 若手のノリノリ三線がーる稲嶺幸乃さんが、「てぃんさぐぬ花」「ウムィ唄」(いちゃりばちょーでーゆいまーる)・「私から」(あたり前とは思えないこの命この体・息をしているありがとう)の曲を心を込めて歌った。
 続いて、古謝美佐子さんがサプライズとして登場した。「童神」[わらびがみ](天の子守唄)・「平和星願い唄」(まぶいぶみ)を歌い、ここに来た思いを語った。「戦争というたった二文字が世界を変える、人を変える、人を惑わす、これほどいやなものはない」、「(沖縄の今の状況は)とても悔しい。嘉手納で生まれ爆音とともに大きくなっているし、子どものころから体験してきているし、命をはぐくむ、大切な水が沖縄全体侵されているし、・・・」。これだけでも見ごたえ聴きごたえがある。ライブ中継の様子が YouTube に掲載されている。ぜひ見て聞いてください。
https://www.youtube.com/watch?v=KuBIeNqRxJQ 18:15~


 発足集会では、三上智恵さん(映画監督・ジャーナリスト)の司会のもと「沖縄を二度と戦場にしない」という共同代表の思いがそれぞれ語られていった。 
https://youtu.be/KuBIeNqRxJQ 16:12~18:15
https://youtu.be/KuBIeNqRxJQ 53:22~

 はじめに、会の共同代表の宮城晴美(沖縄女性史家)さんから、「(将来世代から)なぜあの時、反対しなかったのかっていう風に言われるとちょっと言葉がないなって風に思いまして、今回の共同代表に加えさせていただきました」と動機が語られ、開催のあいさつがなされた。

 続いて「核ミサイル戦争の危機」と題して新垣毅さん(琉球新報社報道本部長)の基調講演がなされた。そこでは、沖縄で戦争を起こさせないために、ウクライナで起きていることを冷徹なまでに分析し、学ぶ必要性を指摘した。
 また、東京あたりでは台湾有事はいつでも起こるのだと煽る人がいるが、そこに沖縄のひとがどういるのか、そういう視点があるのかと疑問を突きつけ批判した。【講演内容を末尾に紹介する】

オープニング前と中休みの間には、南西諸島の軍事要塞化の動きを簡潔にまとめたアニメーションがオンラインと会場で流された。<放送開始から約3分後に始まる>

 後半は、4人の共同代表の意見発表と決議文の採択が行われた。
https://youtu.be/KuBIeNqRxJQ 2:01:22~

 まず石原昌家さん(沖縄戦の研究を続ける沖縄国際大学名誉教授)から世界連邦運動の紹介がなされた。

 続いて遺骨収集ボランティア・ガマフヤーの具志堅隆松さんから意見が述べられた。「(福島での放射線にまみれた土壌の中からの遺骨収集作業の後、)もしかしたら沖縄でもそうなるのかなと思った。考えるだけではだめで、私たち沖縄が再び戦場になることは何としても止めましょうね」と。さらに、「なんで米中が戦争したら日本が参加しなきゃいけないのか、なんで沖縄が戦場にならなきゃいけないのか」と疑問を投げかけ、「(沖縄戦では自由にものが言えなかった。)今はものが言える、私たちは戦争に巻き込まれたくないんだと声をあげましょうね」と呼びかけた。

 ダグラス・スミスさん(政治学者で元海兵隊で沖縄に駐留していた)は、「日本と沖縄に米軍基地ができて以来、攻撃拠点になったことがたくさんあった。朝鮮戦争ベトナム戦争湾岸戦争アフガニスタン戦争イラク戦争などなど。(その時は相手国に空軍力がなかったので反撃されなかった。)今度は違う。中国を攻撃すれば中国は国際法の下でやり返す権利が生じる。(沖縄と九州の一部だけのことだと思い込んでいるが、関西関東も拠点があり戦場になる)」と指摘した。そして、「悲劇的なことは、沖縄の人達は戦争を認めたことがなく、許したこともなく、自らやっていないことだ。関係のない人たちがたくさん殺されることになる」と危機感を表明し、「反対する会を作るのはとっても意味のあることだ」と語った。

 各地でこの運動に呼応して、独自に活動を立ち上げる動きがあり、鹿児島の県民の会と、ミサイル配備から命を守るうるま市民の会の方からの準備の報告がなされた。

 山城博治さんは、「(政府や防衛当局者は次は沖縄だという。)なぜ沖縄何ですか、なぜ私たちが戦場にならないとならないんですか」と怒りと悲しみを込めて語った。「絶対に許さない、その声をあげていく必要がある」として、会の目標と運動方針を提起した。
 目標は、「全国津々浦々に戦争反対戦争反対、沖縄戦を繰り返させてはならないの声を広げていく」ことと、「与那国・石垣・宮古それらの島々を孤立させない、孤独な思いをさせない」こととした。
 そして、沖縄から講演会活動・新聞への投稿・署名活動などを通じて戦争反対の世論を形成を図っていく、県議会に対して沖縄・南西諸島を戦場にさせない決議を要請していくなど、具体的な行動を起こしていく考えを示した。

 最後に、集会宣言が読み上げられた。
「・・・・私たちは、政治信条や政党支持の垣根を越えて沖縄を二度と再び戦場にさせないとの思い目的のもと県民の幅広い結集を呼びかけます。私たちは、台湾有事・尖閣有事を口実とした対中戦争への反対を、米国政府、日本政府、台湾政府、中国政府、沖縄・日本の世論、そして国際世論に訴えます。私たちは、日米両政府の戦争計画遂行を許さないため、平和な沖縄、平和な日本、平和な国際社会を実現するため、県内、国内、国外へ連帯と活動を広げます。参加者一同。」


新垣毅さん(琉球新報社報道本部長)の講演内容
https://youtu.be/KuBIeNqRxJQ 開始から1:00:00ころから開始。
(文責は水春にあり、ぜひ直にライブ映像の方でご確認ください。)

 「今プーチンさんのやっていることは非人道的なやり方で憤りを感じている。どんな理由があっても正当化されない糾弾されるべき行為だ。それはそれとして、私たちはこのウクライナ戦争から何を学ぶかというときには、戦争に至るプロセスに関して、客観的に冷静に、ある種冷徹になってまでも、どうしてそこに行きついたのかの分析が必要だ。プロパガンダ、世論操作、フェイクニュースがはびこり情報戦争という様相を呈している中で、検証、判断を下すのは難しいが、南西諸島では検証を待てる状況ではないのでわかっていることで今言えることを述べる。

ウクライナ侵攻から学べること。①相手から威嚇、挑発と受け止められるようなことをやってしまうと戦争にエスカレートしやすい。②国のトップのリーダーの支持が下がったり、問題が起きたりしたときに、政権浮揚のために相手の国を誹謗中傷したり脅威だと言ったりして、発言行動がエスカレートする。③だからこそ常に平時において対話の枠組みをきちんと作っておく。もめ事があっても対話によって解決する。④ある種の平和の緩衝地帯が当事者間の間になくてはならない。ということだ。

 プーチン絶対悪、ゼレンスキー大統領は絶対善だというふうにエスカレートしているが、こういう二項対立的な構図からは、戦争を引き起こしてしまうプロセスが見落とされてしまう。今一度、冷静になって平時において私たちは今何をしないといけないのかということを考えないといけない。ドイツとフランスの仲介によるミンスク合意が守られなかった経緯についても、NATOの東方不拡大の約束はどこに行ってしまったのかについても検証がいる。ウクライナがNATO入りをして中距離弾道ミサイルが配備されたらロシアはのど元に短剣を突き付けられた状態になる。ロシアの危惧に対し、ゼレンスキー大統領はどうしてきたのかについても検証しないといけない。緩衝地帯もうまく機能しなかった、これはどういうことかについてもプロセスについて国際社会は考えていかなければならない。2014年当時、キッシンジャー政治学者がウクライナ―危機に関して発言している。『ウクライナ―は決して西側の、あるいはロシアの前哨基地になってはいけない。むしろ双方の架け橋の役割を果たすべきだ』と。

 中国は同じことをウクライナに関して発言している。また、日本についてもウクライナと重ねている。中国の外交官との意見交換で、『中国は日米同盟に反対していない。ただし、日本には平和憲法がある。日本と中国には日中平和友好条約もある。きちんと守ってほしい。バランスをとるのが一番の行き方ではないか。』と語っていた。
 中国についての日本の報道では、台湾について武力行使もありうるという文言ばかりが強調される。しかし、原則は平和的統一という姿勢なのだ。中国的には台湾という存在は、なるべく経済一体化して、そこにアメリカが仲介する余地がないぐらい緊密化する、そうやって統一を導く考え方に傾いているというのが私の内々の情報だ。しかし、何が起こるかわからない。今回のことから、平時の間から軍縮に向けた訴えとか、軍縮に向けた協議をやっていくことがどれだけ大事かがわかる。

 世界は軍拡、核軍拡に向かっている。2019年8月2日にINF条約が廃棄された。中距離弾道ミサイルには核が搭載可能だ。一度打ち合ったらお互いが壊滅状態になるまでやらないといけなくなる、これはもう人類存亡にかかわる戦争になる。『核戦争に勝者はない』がこの運動にも重要なキーワードになっていくだろう。

 沖縄の先島の自衛隊のミサイル配備、そして、米軍の中距離弾道ミサイル南西諸島配備という計画が進められている。先島のミサイルはゆくゆくは敵基地を攻撃できるミサイルに改良可能なシステムと言われている。さらに米軍のミサイルは攻撃型ミサイルである。今までは専守防衛、憲法9条があるので抑制的になっていたのが、ここにきて、敵基地攻撃能力論に乗っかかるような形で自衛隊のミサイル、アメリカの核兵器搭載可能な中距離弾道ミサイルというものが南西諸島に配備されることが現実味を帯びてきている。

 もう少し批判があってもいいのではないかと思うかもしれないが、日本の国に大転換があった。2016年施行の安保法制によって日米の軍事一体化の筋道が立てられた。この背景に日本に根強くある、『日米同盟の国体化』がある。国体化というのは国体維持のためなら国民の命は犠牲になってもいいという発想のことだ。かつて沖縄は天皇制の国体護持のために捨て石にされた。日米同盟を見てくれ。日米同盟が国体化していて、米軍にものを言うどころか、忖度して何も言わない。沖縄の水の問題があったが、米軍は自分たちが原因だということも認めさえもしない。日本政府は調査を本腰を入れてしようとしない。コロナを見てください。米軍由来だとはっきりしているようなコロナが流行する、これに対して、せめて日本の法律に基づいた検疫制度を米軍にも適用させてください、日米地位協定を変えましようというそういう意見さえ政権から出てこない、これこそ危ない。日米同盟の国益のためなら多少の国民の犠牲は仕方ないという今そういう雰囲気になっているのではないか。それが恐ろしい。更には、敵基地攻撃論、核共有論まで出てきている。今の日本の空気感は危うい雰囲気になってきている。日本人にはきちんと専守防衛という考え方や平和憲法に定められた平和主義、非核三原則がある。その3原則の持ち込ませずというところを見直す事によって核の共有を図っていこうとしている。今までの日本の安全保障をつかさどってきた原則から逸脱していく状況にある。

 有事になった場合どうなるのか、想像力が大事である。思い出さないといけないのは沖縄戦の教訓である。軍隊は住民を守らない、むしろ殺したりするという教訓、基地や軍隊と共にすると標的になって殺されてしまうという教訓がある。やはり基地があったり、ミサイルがあったりすると、それに対応する兵器が向けられているということを想像しなければならない。有事の際の沖縄の負担は半端なものではない。二度と再起の不可能な状況に置かれる。完全に命が抹消される。

一方、平時の方の負担はどうか。すでにヨーロッパから艦隊が来て南西諸島で演習をする事態が活発化している。単なる面積の問題ではなくて、最新兵器を集結して演習をしている機能の面に注目しなければならない。牽制のためだと言うが、ちょっと想像してください。軍事演習をやると間違いなくその敵国とされている人たちの国でも似たような軍事演習をやるでしょう。それってロシアとウクライナが国境間で演習を続けていた状況と似ているでしょう。そのように南西諸島でエスカレートする可能性が十分ある。今そういうふうにウクライナ危機のプロセスを見ないといけない。要するに平時も有事も共に沖縄の負担は増大している。

 岸田首相は持ち込ませずの見直しをやらないと言っているが、アメリカ軍が本当に核兵器を持ち込まないの、日本政府にストップできるの、それぐらいの能力があるのと問いたい。有事の際に沖縄に核を持ち込んでよいとの密約があり、具体的場所まで書かれている。嘉手納基地と辺野古弾薬庫だ。今、弾薬庫はリニューアルされており、新基地には普天間にない弾薬庫も整備される予定だ。そして、核兵器があるかは公表しない政策をとっている。日本政府が主体的に査察しない限り実際に持ち込まれていてもわからない。アメリカは中距離弾道ミサイル配備に核弾頭はつけないと言うが誰がそれを信じるのか、誰がチェックするのか。敵視された中国、ロシアは配備された時点で核があることを前提にここ沖縄にミサイルを向ける。

今、沖縄では海兵隊削減論とは180度違って負担が飛躍的に増えている。0.6%の国土面積に70%以上の米軍専用施設が集中するのは差別であり、大事な指摘だが、今から考えないといけないのは、負担に対する発想の大転換である。海兵隊が減るということは沖縄にとっての負担が減るというのが従来の考え方だが、面積で考える発想ではなく、軍事的な機能や、演習も含めた作戦 で考えなければならない。昨年12月に日米の共同作戦が策定された。これは台湾有事を想定した軍事作戦で、初動段階では米海兵隊が鹿児島県から沖縄県の南西諸島に臨時の攻撃軍事拠点を置くというものだ。有人無人の40の島にいきなり入って拠点化し、そこから攻撃するのだ。住民避難は一切触れられてはいない。海兵隊に至っては削減どころかEABO・遠征前方作戦という大きな任務があって役割が再定義され重視されている。中国を包囲して圧力をかけるために重要な任務を担うという風にむしろ任務はアメリカの戦略上強まっていると言える。今までの私たち沖縄県民が米軍基地の整理縮小を求めてきた闘いというものは、おそらく今後はそういった作戦や機能の面に注目しながら構築して考えていかないといけないのではないかと思う。

 ひとつだけウクライナ問題と決定的に違うところがある。それはアメリカの存在で、アメリカがものすごく前のめりだと言うことだ。台湾有事においては、海兵隊の要請で、自衛隊も一緒になった共同作戦が、台湾有事を想定して、演習までもう始まっている段階で、何か触発的なことが起きたら、おそらくアメリカと中国の全面戦争にすぐ発展する、これがウクライナ問題と決定的な違いだと私は思う。

 そうならないために平時において何をすべきか。戦争に至らないための仕組みそういったものを要求していく、こういった声をどんどん市民、国民からあげていくことだと思う。そこで一番大事なこと、原点に返るべきことは、安全保障とは隣国を大切にすることだ、これはイロハのイだ。もう一つは、沖縄がひとつになるということだ。いろんな分断策が沖縄でも進められ、オール沖縄という枠組みがかなりぶらついている状況で、そういう政治的枠組み以前に戦争の危機が迫っている状況の中で、新たな運動を模索しないとといけない。それがこの運動だと思う。今後どういう課題が具体的にあるか、広島、長崎、反核団体との連帯が非常に大事で、日本の核禁止条約の参加を促していくことが大事だ。核先制不使用宣言をアメリカにさせるという取り組みも非常に大事だ。残念なことにアメリカが検討したときに止めたのは唯一の被爆国日本だ。岸田さんに全国からこういう声を反核団体と共にあげていく必要があると思う。

 国際的な連携の枠組みとしてはアールセップ(RCEP)がある。日中韓にASEAN諸国連合などが加わった世界で最大の地域経済連携の枠組みである。経済交流を積み重ねて緊密化していく中で、安全保障の問題も次の議題として設定し、揉め事・紛争の火種を除去していく対話の枠組みを築き上げていく、これを外交の重要課題として位置づけさせていく事が重要だと思う。実際、東南アジアではやっている。東アジアでも、中国も入った、韓国も入った枠組みの中で平和の地域を構築していく必要がある、アールセップを大事にしていった方がよい。

 最後に、復帰50年の年である。沖縄の歴史を振り返ると、1879年の琉球併合からずっと国の軍事の要にされ、国防の道具であり続けている。ずっと住民が命が奪われる恐怖に脅かされてきた。犠牲を強いられてきた。私たちがこれを子や孫の世代に続けさせていいのか。そうさせないという強い決意を示すうえでも、私たちの自己決定権を侵害すべきではないとずっと主張するべきだと思う。沖縄の人びとを分断して沖縄の人たち同士を対立させて宗主国は上から見物している植民地主義的なものを終らせるためにも、自己決定権を主張していくべきだと思う。ただもう実践している。2019年の県民投票が自己決定権の行使だ。投票者の7割以上が辺野古に反対したことは非常に重い事実だ。それがいまだに無視されている。国際的には、自己決定権の侵害は、最大の人権問題だと言われている。無視されているからこそ女性がレイプされたり、騒音に悩まされたり、水が汚されたりする。根本的には沖縄の人たちにとっては人権問題、そして命の問題が横たわっている。復帰50年、果たして沖縄基地問題はどれだけ変わったのか。むしろ自衛隊のミサイルも、米軍の核兵器もまた背負わないといけない。50年前目指していた"基地のない平和な沖縄"に立ち返って、県民の総意で、県民が一つになるという大きな課題に立ち向かっていかないといけない時期に沖縄は来ているのではないか。ご清聴ありがとうございました。」

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。