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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

(ベネズエラ連帯) ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.102 「ラ米カリブ統合のための諸国人民への書簡」

2024-03-01 | ラテンアメリカ
ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.102
( 2024年2月29日報告)


(「ラ米カリブ統合のための諸国人民への書簡」 要点)
・ 米帝国主義と各国の極右勢力を中心とした反動的巻き返しが強まる中で、ラ米カリブ全域の反帝・進歩勢力が、団結を強化し結集してそれに対抗しようとしている。 / 2月22~24日にブラジルで「ラ米カリブ諸国人民の統合に関する会議」が行われ、20か国以上から、政府高官や闘争団体・諸組織の代表など約4,000人が集まり、「ラ米カリブ統合のための諸国人民への書簡」が採択された。その全文が Peoples Dispatch のサイトに掲載されたので翻訳した。
・ 現在、資本主義は世界的な構造的危機の下にあり、それは新自由主義的資本主義の展開の結果であると指摘し、「食料危機、環境危機、社会的経済的危機において現れている人類史上前例のないシステム的危機に見舞われている」ことを確認している。 / その下で、「米帝国主義とそのNATO同盟国のいっそう好戦的な側面」が強まり、それが「前例のない武力の衝突の危険」にまで高まっていて、ウクライナでの戦争もイスラエルによるパレスチナ人民の大量虐殺もその結果である、と。
・ 【さらに主要な内容として】 パレスチナ人民への連帯を確認し、大量虐殺を糾弾したルーラ大統領を全面的に支持。 / キューバとベネズエラの革命への支持と連帯を再確認し、米帝主導の封鎖を糾弾。その解除を要求。 / ハイチ人民との連帯の強化。帝国主義の軍事介入強化への糾弾。ハイチ人民に対する「国連平和維持軍」による犯罪糾弾と賠償要求。 / 先住民の自治、文化、生活の擁護。先住民から略奪した領土の返還。 / 住民のニーズに応える地域統合を目指す。そこにおける女性の役割を高く評価。 / 女性の、政治的主体としての中心的役割を再確認。女性の諸権利の完全な実現を要求。 / 移住する権利を擁護。移住の犯罪化を根絶し、移民、難民、庇護希望者に対する排外主義やヘイトスピーチを拒否。等々。
・ 「私たちは、今、この大陸の、また世界の、歴史的な瞬間に生きている」と強調し、「諸権利の防衛、環境的、社会的、経済的、ジェンダー的正義の防衛のために、年間を通じて大陸全域で動員を継続する」として、既に3 月 2 日と 8 日、4 月 17 日、5 月 1 日、6 月 5 日、10 月 16 日に「団結して街頭に出る」と決めている。 / また、「来年のCOP30の枠組みの中で、ブラジルのベレン・ド・パラで大規模な人民サミットを開催する」予定である。 / 「進む道は闘争と団結の道」であり、その展望は「勝利の展望」であり、「自由で公正で主権ある大陸という展望」であるとしている。

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(「ラ米カリブ統合のための諸国人民への書簡」2024.2.25)

Peoples Dispatch February 25, 2024 by Peoples Dispatch
“Letter to the People for the Integration of Latin America and the Caribbean” launched at Foz do Iguaçu conference
(「ラ米カリブ統合のための諸国人民への書簡」がFoz do Iguaçu会議で発表された)

2月22日から24日まで、「ラ米カリブ諸国人民の統合に関する会議」のため、20カ国以上から4,000人がブラジルのフォス・ド・イグアスに集まった。 / 参加した諸組織は、「ラ米カリブ統合のための諸国人民への書簡」を承認した。この書簡には、同会議での議論の要約と、同地域の人々の統合を進めるための留意事項が記されている。2月22日に始まった会議は24日に終了した。地域の20カ国以上から、合計4,000人が参加した。コロンビアからはフランシア・マルケス副大統領が出席した。 / 「私たち諸国人民の団結は、私たちの国を国際金融資本と多国籍企業の支配下に置くために私たちの国家的・人民的主権を破壊しようとする極右勢力を阻止するための基本的なものです」と、書簡は述べている。このテーマは、議論された主要なトピックのひとつである。 / 書簡はまた、キューバとベネズエラの革命への連帯を表明し、ハイチに対する植民地支配と、イスラエル国家がパレスチナ人民に対して推進している大量虐殺を非難した。「国際社会は、即時停戦と主権ある自由なパレスチナ国家の創設を求める人々の声に、断固として応えなければならない」と述べている。 / さらに書簡は、イスラエルの攻撃に関するルーラ大統領の発言を支持した。「ルーラがペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)なら、ラテンアメリカ人民全体がイスラエルにとってペルソナ・ノン・グラータだ」と強調した。 / 環境問題もまた、文書の中心的な焦点であった。「私たちは、来年COP30に関連して、ブラジルのパラー州ベレンで大規模な人民サミットを開催するために、私たちのすべての組織と人民を再び招集し会合を開く予定です」と指摘している。 / 最後に、同書簡は大陸全域での統一闘争の日程を示した。3月2日と8日、4月17日、5月1日、6月5日、10月16日である。【以下、書簡の全文。】

ラ米カリブ統合のための諸国人民への書簡
ラ米カリブ諸国人民の統合に関する会議 フォス・ド・イグアス、2023年2月23日


 私たち、世界の人民は、資本主義システムの世界的な構造的危機を経験しており、その結果は予測不可能である。これは、新自由主義段階における資本主義の展開の産物であり、生活の持続可能性のさまざまな側面を脅かしている。人類は、食料危機、環境危機、社会的経済的危機において現れている人類史上前例のないシステム的危機に見舞われている。雇用の不安定性と尊厳ある生活のための基本的な諸権利へのアクセスの欠如が、何億もの人々を日々の「サバイバル」の状況に置いている。そこでは、何百万もの人々にとって、移住が苦痛を伴う必然となっている。私たちの領土では、国際金融資本が押し付けている国家危機の中で、多国籍企業によって生み出された環境犯罪の諸結果に苦しんでいる。私たちは価値観の深刻な危機に直面している。そこでは、私たちの社会と人々は、個人主義的で消費主義的な願望にますます導かれている。

 地政学的な対立の激化は、米帝国主義とそのNATO同盟国のいっそう好戦的な側面を強化し、それが私たちを前例のない武力衝突の危険にますますさらしている。ウクライナにおける戦争はその結果であり、イスラエル国家によってパレスチナ人民に対して行われている大量虐殺も同様である。

 「ラ米カリブ諸国人民の統合に関する会議」を通じて、私たちは国際主義的連帯とパレスチナの大義の擁護を再確認する。国際社会は、即時停戦と自由で主権あるパレスチナ国家の創設を求めるパレスチナ人民の声に耳を傾けなければならない。

 私たちは、パレスチナにおける大量虐殺を糾弾するルーラ大統領への全面的な支持と連帯を表明する。ルーラがペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)なら、ラテンアメリカ人民全体がイスラエルにとってペルソナ・ノン・グラータだ。 パレスチナ人民万歳! ルーラ大統領万歳!

 「ヌエストラ・アメリカ(我らのアメリカ)」の人民は、大資本によって再編成された帝国主義の支配戦略に対する永続的な抵抗の中で生きなければならなかった。この抵抗の途上で、私たち人民とその組織は、私たち人民の統合という歴史的なプロジェクトを前進させるための基礎となる重要な対策を講じることができた。私たちは、人種差別的植民地主義への、また私たちの地域における軍事独裁の過程への、抵抗の息子であり娘であり、前世紀末の新自由主義の波に対する民衆の抵抗と反乱の息子であり娘である。「FTAAにノー」のプロセスの息子と娘たち抵抗の息子であり娘である。私たちは、キューバ革命の光と英雄的な抵抗のもとで育ち、アルゼンチンのマル・デル・プラタでコマンダンテ・チャベスとともに「ALCA、ALCA、くそったれ!」と叫んだ。
【ALCAは米国主導の新自由主義的ラ米カリブ地域統合構想。それに対抗してチャベスとフィデル・カストロによってALBAがつくられた。】

 今日、私たちが再び集うのは、私たち人民とその諸組織の団結という課題が、私たちの国を国際金融資本と多国籍企業に奉仕させるために私たちの国家的・人民的主権を破壊しようとする極右勢力を阻止するための、最も重要な基本だからである。私たちは、また、私たち諸国人民間の連帯と相互補完性に基づいて、私たちの主権統合プロジェクトを構築するために集う。

 連帯は、私たちの統合の基本的な柱である。だからこそ私たちは、私たちのプロセスの基本的な旗印として、キューバとベネズエラとその革命との連帯を再確認しなければならない。私たちは、キューバをテロ支援国家リストから除外するための国際キャンペーン「キューバを生かそう!」に引き続き取り組むことを再確認し、同様に、60年以上にわたってキューバ国民に課せられてきた大量虐殺的封鎖を糾弾し続ける。

 私たちは、帝国主義が、ベネズエラ人民とボリバル革命によって築かれつつある民主的プロセスの正当性を否認するキャンペーンを再組織していることを糾弾し、また、米国がベネズエラに課している一方的な強制措置を糾弾することによって、ベネズエラへの私たちの連帯の強化を約束する。 キューバ革命万歳! ボリバル革命万歳!

 ハイチとの連帯を強化することは永続的な課題である。私たちは、ハイチにおける正道を踏み外した犯罪的な新植民地支配を糾弾し、ハイチ人民と人民運動との最大限の積極的な連帯を発展させることを約束する。私たちは、米国によってコントロールされ、カリブ海域の帝国主義的支配の行動指針に挿入された軍事介入に対する、ハイチの人々の反対を支持する。私たちは、MINUSTAH(国際連合ハイチ安定化ミッション)などの引き続く国連平和維持軍によってハイチの人々に対して行われた犯罪に対する賠償を要求する。それは、ハイチ社会の構造的危機を悪化させ、米国の意向に完全に従った極右勢力と恥ずべき連携をとったのである。ハイチ人民は、私たちの地域で最初の革命を実行し、私たちの大陸に革命の道を開いたことで、歴史的に今日に至るまでずっと帝国主義の攻撃に英雄的に抵抗し続けている。 ハイチ人民万歳!

 私たちは、アメリカ大陸の先住民の自治、文化、生活様式を支持し擁護する。私たちは、各国政府に対し、先住民の人々が伝統的に占有してきた領土を返還するよう求める。また、Itaipu Binacional社(ダム建設会社)に対し、1970年代のダム建設以降に行われた権利侵害について、ダム両岸(ブラジルとパラグアイ)のアバ・グアラニー族への賠償プログラムを実施するよう求める。

 私たちの地域統合は、権力と文化の脱植民地化を前提とし、歴史的プロセス、記憶、祖先などの尊重に基づき、諸民族と諸地域からのボトムアップで対抗力を構築しなければならない。私たちは、互恵性、相補性、集団性に基づき、また自然であること(being nature)の自覚に基づいて、反覇権的な物語(narrative)を構築し、位置づけなければならない。

 私たち人民運動と労働組合組織は、地域統合が住民の具体的なニーズに応えること、また、孤立した国々では経済的・社会的な限界を克服することは不可能であるという考えを考慮に入れることを、働きかけ、要求してきた。これらの前提は、国民全体の生活・労働条件の創出と関連しており、これは持続可能な開発モデルの構造的条件でなければならない。生活の生産と再生産、富と幸福の創出、その基礎となる経済的事実として労働と雇用を回復させる統合、そこでは「何を」「どのように」生産するかが中心となる。また、女性が経済の主人公として、権利の担い手として尊重される。

 私たちの地域統合は、農民や小規模生産者を基礎とし、女性の中心的役割を認識して、人々が自らの政治戦略や食料の生産・流通・消費の農業生態学的で公正なシステムを明確に定める権利を前提としなければならない。これは、気候、生物多様性、水、食料などの危機との闘いにおける基本的な柱である。地域統合は、また、公正で、人民的で、フェミニスト的な移行の集団的構築に対応しなければならない。これは、社会を変革するプロセスや人民的な解放的政治プロジェクトの構築のための、緊急かつ必要な移行をめぐる論争において不可欠な提案である。

 私たちのプロジェクトの構造的な特徴は、女性の政治的主体としての中心的役割を認識し再確認するフェミニスト的で多様な観点の統合である。それは、また、領土、土地、生産手段に対する女性の権利の完全な実現を要求し、女性の経済的自律性、身体、生活を保障する。もう一つの基本的な要素は、女性の労働に対する公正な報酬と、商品の生産・流通・消費のための多様で公正なシステムの開発である。

 統合プロジェクトは、すべての人々が、移住する権利も移住しない権利も出身国に戻る権利も持っていることを、擁護しなければならない。移住は、経済的、社会的、文化的、政治的現象であり、社会や国家の形成過程の一部である。移住の犯罪化を根絶し、移住者が受け入れ国に経済的、社会的、文化的、政治的に一体化することを促進する必要がある。私たちは、移民、難民、庇護希望者に対する排外主義やヘイトスピーチを拒否する。

 私たちは今、この大陸の、また世界の、歴史的な瞬間に生きている。今日、この地域の人民運動と労働組合組織から数千人の同志がここに集まった。私たちは歴史的瞬間に生きていることを再確認する。

 統合した大陸への夢と希望を推進するために活動し闘うという私たちの取り組みは、私たち労働者が尊厳をもって幸せに暮らせる主権と自由の領土を守り、建設していく。
 私たちは、私たちの権利を防衛し、環境的、社会的、経済的、ジェンダー的正義を防衛するために、年間を通じて大陸全域で動員を継続する。3 月 2 日と 8 日、4 月 17 日、5 月 1 日、6 月 5 日、10 月 16 日は、私たちが団結して街頭に出る日である。
 私たちは、来年のCOP30の枠組みの中で、ブラジルのベレン・ド・パラで大規模な「人民サミット」を開催するために、私たちのすべての組織と人民を再び招集し結集する。
 同志の皆さん、今日、私たちは、この会議から力強く立ち上がる。私たちの希望は高まっている。なぜなら、私たちの進む道が闘争と団結の道であるならば、私たちの展望は勝利の展望だからである。それは、自由で公正で主権ある大陸という展望である。

私たち民族の統合万歳!
ラ米カリブ諸国の団結万歳!
私たちは生きて勝利する!


(以上)

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