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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

(ベネズエラ連帯) ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.103 ハイチ: 新たな政治危機と米帝の軍事介入策動

2024-03-22 | ラテンアメリカ
ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.103
( 2024年3月21日報告)


(ハイチ: 新たな政治危機と米帝の軍事介入策動 要点)
・ 2021年7月から帝国主義の傀儡として政権を運営してきたアリエル・アンリ暫定首相兼大統領代行が、人民闘争の革命的高揚の中で、この3月11日に辞任に追い込まれた。 / 親米のガイアナが現在議長国であるCARICOM(カリブ共同体)と米国を中心に、「暫定大統領評議会」が設立され、後任大統領を選定しようとしている。 / それに対抗して、革命的人民が結束して、選挙によらない大統領を拒否し、外部からの介入・干渉を拒否し、民主的選挙を要求して闘っている。
・ ハイチ人民の闘争は22年10月ごろから再高揚し、今年に入って諸組織の闘争が急速に統一されはじめ、強められてきている。人民の中から自分たちの手で現状を打開しようとする新たな運動も発展し、全国に広がっている。 / そのハイチ人民の闘いを、ALBA諸国をはじめとして世界の反帝勢力が支持し、帝国主義の介入を糾弾している。 / 米国は軍事介入を画策し、過去100年で4度目となる米国主導のハイチ侵攻・軍事占領が差し迫っていると報じられている。それへの国際的な反対闘争も拡大し発展している。
・ ハイチは、民主的選挙で大統領となったアリスティドが、2004年2月に米海兵隊に拉致され連れ去られるというクーデター以来、米帝主導の「コア・グループ」が支持する大統領が統治してきた。特に2016年以降は、選挙によらない帝国主義の傀儡政権で、議会選挙も行われていない。【「コア・グループ」とは、米国、カナダ、フランス、ドイツ、スペイン、EU、ブラジル、米州機構(OAS)の代表で構成される帝国主義の影の組織。】 / 21年7月、人民闘争が高揚して政治的危機が深刻化する中で、モイーズ大統領が暗殺され、その後をアンリが引き継いだ。【当時、闘っている人々の間で、米帝主導の予防反革命である可能性が指摘された。】 / 選挙を求める人民闘争に対して、選挙を約束して闘争を終息させ、その時期が来るとそれを延期する、ということが繰り返されてきた。今年の2月7日に選挙を行うことが約束されていたが、アンリはそれをさらに1年延期しようとしていた。
・ ここ5年ほどの間に数多くの〝ギャング団″が各地を支配するようになったが、その多くは、人民闘争を抑圧する方策として、米国がカネを出してつくった準軍事組織である。 / 大手メディアは、反米反帝・反植民地支配の人民闘争組織もそれらと同等の〝ギャング団″として報じている。〝ギャング団″を抑え込むために外国軍の導入が必要だと喧伝しているが、実際には人民闘争の抑圧が目的である。
・ 昨年10月に米国が主導してケニヤを中心とする部隊が派遣されることになり、ケニヤから約1,000人の「警察官」派遣が準備された。 / ケニヤ国内では、それに反対する運動が高揚し、最高裁が派遣は違憲だと判断を下した。だが議会はそれを無視して承認した。 / あやうくなっている派遣を実現するためにアンリはケニアに出向いたが、その間にハイチでは武装蜂起によって空港などが閉鎖され、アンリは帰国できなくなった。 / ケニヤからの派遣は、アンリの辞任で一時停止されたが3月16日に行われた。
・ ハイチ人口の60%以上630万人強が貧困状態、24%約250万人が極貧状態にあり、33万人が国内避難民となっている(その大半は子ども)。国民の多くが食料難に苦しんでいる。 / 今から50年ほど前のハイチは、必要な穀物のほとんどを自国で生産していたが、米帝の「構造調整政策」の下で米国からの輸入に依存する状況になった。

【なお、前回ハイチについて報告したのは22年10月(短報No.67)なので、その直後からの主要な記事も入れている。】

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(ハイチ: 新たな政治危機と米帝の軍事介入策動)

junge Welt 2024.3.19 (ドイツ語・機械翻訳)
Haiti: USA fliegen weitere Staatsbürger aus
(ハイチ: 米国、さらに市民を空輸)
米国はハイチから30人以上の国民を空輸した。日曜日(3/17)夜、ワシントンの国務省報道官が発表した。ワシントンは週末に彼らの避難を発表していた。大使館職員はすでに1週間前に空輸されていた。ドイツとEUも1週間前にポルトープランスから全外交スタッフを撤退させた。国連もハイチからの多数の職員の撤退を発表した。

teleSUR Publicado 17 marzo 2024 (スペイン語)
La Celac exigió el diálogo y no opción militar en Haití
(CELAC、ハイチでの対話と軍事的選択肢の排除を要求)
ホンジュラスのシオマラ・カストロ大統領は、土曜日(3/16)、「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」の議長国のトップとして、地域の平和を脅かしているハイチ危機を解決するための即時行動を要求し、ハイチへの軍事介入の選択肢を拒否した。

teleSUR Publicado 16 marzo 2024 (スペイン語・機械翻訳)
Arribarán a Haití mil policías kenianos bajo bandera de la ONU
(ケニアの警察官1,000人が国連旗の下ハイチに到着)
国連は、金曜日(3/15)、ハイチの領土のほとんどを支配している武装ギャングの免罪符によって煽られた暴力と治安の悪化に対処するためとして、ケニアからハイチへの警察官1,000人の派遣を承認した。 / この協定は3月1日にナイロビで、ケニアのウィリアム・ルート大統領とハイチのアリエル・アンリ首相(当時)の立ち会いのもとで調印された。 / ハイチの人口の60%以上、630万人強が絶望的な貧困の中で生存しており、24%、約250万人が極度の貧困状態にある。 / ハイチは危機的状況にある。事実、非常事態宣言が発令されている。

Nacla March 15, 2024 Danny Shaw
Haiti: Trapped Between U.S. Guns, Death Squads, and the Next Colonial Invasion
(ハイチ: 米国の銃と死の部隊と次の植民地侵略の間に閉じ込めれて)
ジェイク・ジョンストンが入念に調査した著書『Aid State: Elite Panic, Disaster Capitalism and the Battle to Control Haiti』は、現在ポルトープランスで大混乱を引き起こしている「準軍事的死の部隊(paramilitary death squads)」の地政学的起源に光を当てている。 / 3月12日の世界のトップニュースのひとつは、ハイチ人ギャングの「カニバリズム(人食い)」疑惑というものだった。この偽情報キャンペーンは、ハイチ人の集団的自尊心に対する人種差別的攻撃である。このようなプロパガンダは、差し迫った過去100年で4度目となる米国主導のハイチ侵攻と占領をイデオロギー的に正当化しようとするものだ。 / 抑圧があれば抵抗もある。ハイチの草の根活動家や世界中の支持者たちは、ハイチの参加型民主主義を簒奪する内外の傭兵たちにノーと言っている。ハイチの「Bald Headed Party-affiliated (PHTK)」の準軍事的死の部隊がポルトープランスで暴れまわり、可能な限り多くの家族を移住させ、虐殺しようとしているときに、ジェイク・ジョンストンの新著は、こうした「ギャング」の地政学的起源を理解する上で貴重な貢献である。本書は、なぜバイデン政権が2021年に選挙で選ばれたわけでもないアリエル・アンリ首相を任命し、そして先週、この非合法な指導者への継続的な支援が不可能になったために同首相の罷免を要請したのか、その背景を説明している。 / ギャングか、雇われ傭兵か? ひとつはっきりしているのは、主流紙では「ギャング」と表現されている現在の準軍事組織は、米国が支援する国家提携武装集団(state-affiliated armed groups)の歴史的連続体として分析されなければならないということだ。 / ジョンストンは、ミシェル・マルテリー政権(2011年~2016年)がPHTKの最初の表現であり、武装した傭兵を使って自分たちの命令を実行させたと指摘する。 / 2021年初頭には、PHTKの第二の表現であるジョベネル・モイーズ率いる独裁政権を倒そうとする大衆運動が起こった。 / 国際移住機関の移住追跡マトリックスによると、ハイチでは33万人が国内避難民となっており、その大半は子どもたちである。 / ハイチの愛国者か植民地の手先か? 本書の要点は、2011年のマルテリー大統領選出から現在に至るまでのハイチ国家腐敗の内幕と、不器用な「いつもの政治」を監督する米政府の傀儡たちについて、幅広い概観を提供している。ジョンストンは、「援助国家」――何千もの民間や外国のNGOにほぼ全面的に依存する国家――がいかに意識的、無意識的にハイチ人の力を奪う機能を果たしているかを、内外から検証している。 / 徹底的に調査された各章は、2010年の地震に対応したクリントン財団、シティバンク、そして新植民地主義的な登場人物全員を含む支援者たちが、100億ドル(そのうち10億ドルは米国からのもので、「自然災害に対応するための国際的な動員としては過去最大」)をいかに浪費したかを示している。そのうちの高い割合が、不正な書類を作成し、ハイチの人々のニーズではなく、企業の利益に目を向けた欧米企業によって盗まれた。 / ジョンストンは、米国が支援するマルテリー前大統領の政党PHTKが、今も続く「銃、ギャング、新植民地主義」のドラマの中心にいるハイチの主要なアクターであることを示している。 / 唯一の解決策: ハイチの自決 著者が受けた無数の脅迫は、彼がハイチの植民地支配の繊細な血管を暴露し、それに触れたことの何よりの証拠である。 / 2021年以来、私は長い間平和で安定していたポルトープランスのゲットーに対する準軍事組織の抗争を追ってきた。ジェイク・ジョンストンの15年にわたる厳格な調査は、新植民地主義が生み出した現在の残虐性をよりよく理解するのに役立った。ジョンストンの本は、この記事を読んでいる今、首都ポルトープランスの路地や抑圧されたコミュニティで繰り広げられていることの脈絡を理解しようとするハイチの友人や支援者にとって、必読の書である。
(筆者ダニー・ショーはTeleSUR、HispanTV、その他の国際メディアの国際問題アナリスト。ニューヨーク市立大学でラテンアメリカ・カリブ研究を教え、1998年からハイチの社会運動に携わり、クレヨ語を研究している。)

Workers World posted on March 14, 2024 By G. Dunkel
How the U.S. acts to create and exploit Haiti’s misery
(米国はハイチの悲惨さを作り出し利用するためにどのように行動するか)
ハイチの政治的緊張は、同国を苦しめている多次元的な危機のすべてが合体した2月末に急速に先鋭化した。互いに競い合っていた2つの武装グループの連合が、事実上のアリエル・アンリ首相の辞任を要求するために和解し結集したのだ。 / 彼らは、首都ポルトープランスの空港と主要な港を占拠し、ハイチ国家警察本部と法務省を襲撃しようとしたことで、この要求を裏付けた。 / アンリは、ハイチ国家警察を強化するためにケニア人警官をハイチに派遣する計画への支持を集めようとしていた。空港が閉鎖されたため、アンリは、空路でハイチに戻ることができなくなった。また、ハイチと島を共有するドミニカ共和国は彼の着陸を拒否した。彼の飛行機はプエルトリコに到着した。 / 米国務省によれば、ブリンケン国務長官はアンリと何度か「緊迫した話し合い」を行い、選挙を実施する「大統領評議会」を支持して辞任するよう促したという。 / アンリは、米国が率いる「コア・グループ」の権力と影響力によって事実上の大統領ポストに任命され、維持された。今、同じ勢力が大統領代行を交代させようとしている。 / ハイチへの外国からの介入を正当化しようとするメディア・キャンペーンが盛んに行われている。 / 長い米国の干渉の歴史 【1804年のハイチ独立前から米国は介入。その経緯は省略。】 / ハイチ革命200周年に当たる2004年以降に何が起こったかを見れば、今何が起こっているかを把握することができる。 / ジャン=ベルトラン・アリスティドは、2000年に92%の得票率で再選されたが、米国が支配する米州機構(OAS)はその集計に異議を唱えた。これを口実に、CIAと共謀して、アリスティドの反対派は2004年2月に反乱を起こした。その2月29日、米国はアリスティド大統領を誘拐し、中央アフリカ共和国行きの空軍機に乗せた。 / 米国はアリスティドを消したかったのだ。アリスティドは、デュバリエ政権の腐敗と不正を糾弾し、国民的な注目を集めた。しかし、彼はそれ以上に、大統領として最低賃金の引き上げ、公共交通機関の整備、教育費の無料化を推し進めた。 / アリスティドは、また、ハイチ革命によって解放された奴隷労働者の〝損失″に対してハイチがフランス政権に1825年から1947年まで金を支払うよう強制されたことに対し、フランスが210億ドルの賠償金をハイチに提供するよう、強く要求した。 / 過去20年間、ハイチの選挙で選ばれた大統領から別の大統領に政権が移ったのは、2011年の1回だけだ。この10年以上、ハイチ議会は議席を埋めるのに十分な選挙が行われなかったため、定足数を満たしていない。

Orinoco Tribune MARCH 14, 2024
US Suffers Humiliating Defeat in Haiti
(米国はハイチで屈辱的な敗北を喫した)
アリエル・アンリ暫定首相の辞任により、米国は、またしても屈辱的な外交政策の敗北を喫した。 / アンリは選挙で選ばれたことはなかったが、2021年7月に「コア・グループ」から政権奪取を促されて以来、米国とその属国によってハイチの首相、事実上の指導者として認められていた。「コア・グループ」とは、米国、カナダ、フランス、ドイツ、スペイン、欧州連合、ブラジル、米州機構(OAS)の代表で構成される帝国主義の陰の組織である。民主的に選出され、絶大な人気を誇るハイチのジャン=ベルトラン・アリスティド大統領が、真夜中に米海兵隊に拉致され、中央アフリカ共和国に空輸された2004年以来、この「コア・グループ」がハイチを運営しようとしてきた。 / CARICOM(カリブ共同体)とアンリは、現在、米国の後ろ盾を得て、敗北したアンリの暫定政府に代わる別の暫定政府を設置するよう提案している。この計画はハイチの秩序を回復するものではない。ハイチ人民は、最愛の指導者アリスティドが失脚して以来、自由で公正な選挙を求めてきた。選挙は、アンリのハイチ帰還を阻止した人民の動員や武装闘争の主要な要求であった。実際、アンリは、2021年7月に政権を奪取した直後に選挙を実施すると約束した。 / しかし、この選挙は実施されず、ジミー・"バーベキュー"・チェリツィエ率いる政治組織は、何年も街頭デモに失敗した後、武装闘争に転じた。ハイチは、今、革命的状況にある。 / チェリツィエ(愛称〝バーベキュー″)は、最近のインタビューで、「G9ファミリーとその同盟者の要求は、コミュニティの安定であり、武装グループ間の戦闘を防ぐことであり、コミュニティ内の人々が恐れることなく安心して暮らせるように、ビジネスが機能するための安定であり、貧困地域のすべての人のための飲料水であり、貧困地域のすべての人のための良い医療と良い学校である」と語った。 / チェリツィエの「G9グループ」は、ポルトープランスのトゥーサン・ルヴェルチュール国際空港を掌握し、アンリが島に戻るのを阻止したことで知られている。 / アンリはケニアに飛び、ケニアにハイチへの侵攻を促し、政権を守ろうとしていた。米国は、ケニアに1億ドルを提供し、米国に代わってハイチに侵攻することを提案したが、ケニアは拒否した。ケニアの裁判所は、ケニアが戦争状態にない外国に軍隊と警察を派遣することは違憲だと主張した。 / ケニアを買収することに失敗して以来、ブリンケン米国務長官は、米国の賄賂を3倍に増やした。ハイチに侵攻して米国が支持する政府を武力で樹立する気のある国には、3億ドルの懸賞金を出している。 / ハイチの革命勢力は、米帝国主義の属国として行動し続ける暫定政府の樹立を許す気配はない。ハイチの市民と政治的諸組織は、米国務省がハイチのために準備している政治的移行を支持しないと断固として宣言した。 / この間、ハイチの革命勢力は、米国務省主導で帝国が設置した傀儡政権を打ち破った。米国が支援するパレスチナでの大虐殺の恐怖は、米帝国主義の退廃的な本質を暴露し、米国が主導するウクライナでの代理戦争は、米国の軍事力の弱さを露呈させ、アンリ政権の大敗は、カリブ海で権力を誇示しようとする米国の無力さを明らかにしている。

teleSUR 13 MARZO 2024 (スペイン語・機械翻訳)
La solución está en los haitianos
(解決策はハイチ人にある)
アリエル・アンリ首相の辞任は、米国のアントニー・ブリンケン国務長官とCARICOM(カリブ共同体)、フランス、カナダ、国連の指導者が一堂に会したジャマイカ・サミットの要請を受けてのことである。 / 繰り返される歴史 「カリブ海諸国人民会議(Assembly of Caribbean Peoples)」のメンバーであり、コミュニケーターでもあるマリベル・ヌニェスによれば、「彼らはギャングではない、準軍事組織」だ。首都の80%を支配する武装ギャングは、ハイチの民衆蜂起をコントロールする目的で、米国によって創設され、供給され、指揮されている。 / ハイチのギャング現象の出現は、「植民地主義と新自由主義の政策に『ノー』を突きつけた巨大な動員」に続くものである。「こうした人々の勇気と、街頭に繰り出す彼らの巨大な能力に対する帝国の反応は、ギャングの創設であった」と、コミュニケーターは言う。 / 国際アナリストでハイチの元軍事旅団員であるラウタロ・リバラは、武装集団の現象は自然発生的なものではなく、外部から誘導されたものだと述べた。 / 国連薬物犯罪事務所(UNODC)が2023年に発表した報告書によれば、武装集団に供給されるハイチへの武器の大半は、米国のフロリダから来ている。 / 実際、2018年の民衆の暴発までは、武装集団は小規模で非武装であり、「わずか5年で、非武装の低レベルの犯罪から、超洗練され、多額の資金で武装したギャングのメガ連合体を抱えるまでになった」と、リバラは指摘する。 / 違法な行政府 アンリは、ジョベネル・モイーズ前大統領が暗殺された2021年7月7日以来、ハイチ政府を率いてきた。 / モイーズは2020年という規定の期日を守らなかったため、アンリは直ちに選挙を招集すべきだった。しかし、彼は今週まで政権からの離脱を延期した。 / 最後の延期は2月7日で、退任の約束を果たすと期待されていた。しかし、アンリは2025年に選挙を実施し、それまで政権に留まると発表した。 / この決定により、ハイチ人民は街頭で平和的な抗議活動を展開したが、こうした動員の影には武力暴力の勃発があり、大統領官邸が攻撃される事態にまで発展した。 / 拒否されたにもかかわらず、アンリが権力の座にとどまったのは、米国、国連、地元の寡頭政治から受けた支援のおかげだった。 / 「今、決断を下すのはハイチ人だ」 ベネズエラにある「ハイチ市民団体連盟」のスポークスマン、ベシエール・ジャンビエは、ハイチこそ、ハイチが直面している問題の解決策を見出さなければならないとteleSURに語った。「この国の状況について、意志と勇気と知識を持っていることを示した指導者がいる。今、決断を下すのはハイチ人である」と。

Peoples Dispatch March 13, 2024 by Tanupriya Singh
Kenya halts police deployment to Haiti after resignation of de facto Prime Minister
(ケニア、事実上の首相辞任後、ハイチへの警察派遣を中断)
ケニアのウィリアム・ルト大統領は、米国が支援するハイチへのミッションの一環としての、ケニアの警察官1,000人の派遣を中断した。ハイチの事実上の首相であるアリエル・アンリが、国内の治安が悪化する中で「暫定大統領評議会」の任命に道を開くために辞任を表明した翌日に、このニュースが続いた。 / 2022年10月、アンリは国際社会に「専門武装部隊」の派遣を要請し、国内で抗議デモが巻き起こった。ケニアがこのミッションの指揮を申し出て、1,000人の警察官を派遣することを約束した。 / ケニアの高等法院は1月末、ハイチへの人員派遣を違憲とし、同国の国家安全保障会議には警察官を国外に派遣する権限はないとの判決を下した。ケニア議会はこれを無視して派遣を許可した。 / 国内の進歩的勢力、特にケニア共産党(CPK)は、この派兵を激しく拒否し、「ハイチは外国の介入を必要としていない。この危機は、米国、カナダ、フランスの中核グループによって画策されたもので、覇権を維持し、フランスの支配に対する歴史的な奴隷革命について、ハイチと決着をつける(settle scores)ことを目的としている」と繰り返した。 / それにもかかわらず、ウィリアム・ルト大統領は派遣を続行する意向を表明した。2月末、アリエル・アンリはナイロビに飛び、ルト大統領と「派兵を迅速に進めるための相互協定」に署名した。アンリ不在の間にハイチ国内の武装集団が大規模な攻撃を開始し、アンリは帰国できなくなった。 / 3月11日、地域ブロックのCARICOMによってジャマイカで緊急会議が開かれ、ブラジル、カナダ、フランス、メキシコ、国連、米国の代表も参加した。この会議では、「暫定大統領評議会」を設置し、暫定首相を任命する「暫定統治体制」が決定された。 / ケニアの派遣は今のところ保留されているようだが、米国が後援するハイチへの介入は依然としてテーブルに乗ったままである。それは、ハイチ国民の主権的要求に完全に背いている。 / 元警察官のジミー・シェリジエ(愛称〝バーベキュー″)を含む武装グループの著名な指導者たちは、国際社会が「誰が大統領になれるか、どのような政府になるかを決めるために、紙の上で交渉する小さな政治家グループを選ぶなら、ハイチはさらなる混乱に陥るだろう」と警告している。

Misión Verdad 12 Mar 2024 (スペイン語・機械翻訳)
CRISIS DE HAITÍ TIENE LA MARCA INDELEBLE DE EE.UU.
(ハイチ危機は米国に消えない傷跡を残す)
【最後にビジェイ・プラシャドが「最近の過去に起こった4つの出来事」を指摘している。】
ハイチにおける現在のサイクルは、コロンビアと米国の傭兵による2021年のジョベネル・モイーズ大統領の暗殺に続く政治的不安定の直接的な結果である。 / 先週、犯罪グループが警察施設を占拠し、約4,000人の囚人の逃亡を促したことで、危機はさらに深まった。これらのグループの中心的な要求は、ハイチ首相アリエル・アンリの辞任であった。彼は、空港が占拠され、ドミニカ共和国経由での陸路入国を拒否されたために入国できなかった。首相は3月12日に辞任した。 / ジャマイカでの協議内容 カリブ共同体(CARICOM)と米国はジャマイカの首都キングストンで会合を開き、そこでハイチにおける政治的移行を加速させる必要性と、外国による軍事介入の可能性が提起された。この目的のために、ワシントンは1億ドルの追加拠出を約束し、「独立した大統領評議会の創設」と「多国籍治安支援団の迅速な展開」を提案した。 / 秩序を回復するために外国軍が駐留した過去の経験は、決して良いものではなかった。2010年、国連軍の部隊がアルティボニット川(ハイチ最長の川)に意図的に汚水を流したため、コレラが大流行し、8,000人以上が死亡した。また、「国連安定化部隊(Minustah)」は、拷問、レイプ、人身売買、食料と引き換えの売春、麻薬売買などの行為に関与していることが明らかになっている。【「国連軍」は事実上米国軍。】 / 現在の危機の背景 モイーズ大統領が暗殺される4年前、抗議行動の絶え間ないサイクルが始まった。デモ隊はモイーズの辞任を要求した。 / 不人気政権は発足直後から不正を厳しく追及された。2021年に司法当局が任期の失効を裁定したことで、制度的災難はさらに悪化した。ジョヴェネル・モイーズは、まだあと1年任期が残っていると主張し、その瞬間から独裁者のレッテルを貼られた。 / 元ハイチ警察官のジミー・"バーベキュー"・シェリジエが率いる「G9グループ」がメディアで注目を集め始めたのはこの時だった。 / 米国、フランス、スペイン、ブラジル、ドイツ、カナダ、EUの大使、国連とOASの代表で構成される「コア・グループ」は、多数のNGOをハイチ国内に氾濫させて以来、次第にハイチ国家に取って代わっていった。 / ジョヴェネル・モイーズとアリエル・アンリに対する抗議行動には、政治的・社会的不安定の連鎖から抜け出すための総選挙の要求という特殊な要素が存在する。 / アンリ首相は、就任後、最初の記者会見で「できるだけ早く」選挙を実施すると約束した。首相はその後、組織犯罪対策と2021年の大地震の被害者救済に力を注ぐとして、選挙を延期し続けた。数年が過ぎ、ハイチ国民は選挙を要求し続けた。最後の約束は2024年2月になされ、2025年後半に選挙を実施すると発表した。 / インドの歴史家でありジャーナリストでもあるビジェイ・プラシャドにとって、この国の最近の過去に起こった4つの出来事を詳しく見ることなしに、現在の状況を理解することは不可能である。 1).2004年のアリスティドに対する第2次クーデターによるハイチの不安定化と、国家解体を加速させた2010年の大地震。 2).米国がベネズエラに課した違法な制裁措置により、2008~16年の間に石油の譲許販売と20億ドルの利益をハイチに提供していた「ペトロカリベ計画」が中止された。 3).米国は、2009年、ハイチ議会が最低賃金を1日5ドルに引き上げるのを阻止するために介入した。米国は、この法案を阻止する目的で、大手繊維・衣料品企業を代表して行動した。その恩恵を受けるはずだった「失業し、低賃金で働く大衆」は、現在、「コア・グループ」によって〝ギャング″とみなされ、路上にいる、とプラシャドは報告する。 4).退任する大統領は、政界入りしたときから米国の形骸化した存在だった。アンリは、民主的に選出されたアリスティド政権の転覆を求めるために設立された「民主収束(CD)」を作ったグループの一員だった。このブロックは、米共和党の政治部門である「国際共和党研究所」と米政府の「国民民主基金」によってハイチで作られた。 / 米国の介入は最近にとどまらない。20世紀を通じて、ハイチ国家の空洞化と解体に関与してきた。 / アリエル・アンリが辞任し、ハイチに外国軍が到着する可能性があることは、ハイチが建国以来受けてきた介入、略奪、破壊のサイクルが繰り返されることを示している。

Peoples Dispatch March 12, 2024 by Peoples Dispatch
Haiti’s acting PM and president Ariel Henry resigns, people’s movements warn against foreign intervention
(ハイチのアリエル・アンリ首相兼大統領代行が辞任 / 人民運動は外国の介入に反対し警告)
2021年7月以来、ハイチの首相代行兼大統領代行を務めてきたアリエル・アンリが3月11日に辞任した。アンリの辞任は、月曜日(3/11)にジャマイカのキングストンで行われた記者会見で、ガイアナ大統領・CARICOM議長のイルファーン・アリによって発表された。。 / この発表は、CARICOMが「ハイチ関係者」と、ブラジル、カナダ、フランス、メキシコ、国連、そしてアントニー・ブリンケン国務長官が代表を務める米国の代表で構成される「国際開発パートナー」の参加を得て開催した「ハイチにおける多次元的危機」に関する緊急会議の結果として発表された。 / アンリの辞任は、同国のさまざまな野党や組織が長年要求してきたもので、アンリの権限は違法であると主張していた。アンリは、ハイチの事実上の大統領ジョベネル・モイーズが暗殺された後、今日彼の辞任を認可しているのと同じ外国勢力の後ろ盾を得て、権力を掌握した。暗殺されたとき、モイーズはすでに憲法上の任期を5ヶ月超過しており、広く拒否された憲法国民投票の実施を計画していた。モイーズは、ハイチ社会と政治グループの多様なセクターによる民主的秩序回復への道筋を描くことを要求する大規模な民衆の抗議行動に何度も直面していた。 / 2021年8月、418の市民社会組織、105の民衆運動、85の政党・団体、313人の各界の著名人が、「モンタナ合意」として知られる合意に達した。この合意は、社会の多様なセクターの参加を得て、ハイチが直面する危機の解決策を見出す試みとして起草された。各組織は、暫定政府を新たに樹立し、2年間国を指導し、国家機関を強化し、公金横領者に対する裁判を実施し、期間終了後に次期政府の選挙を実施することで、コンセンサスに達した。 / ハイチの危機が激化するなか、外国の介入は解決策ではなく、むしろハイチ人が今日直面している危機の多くの原因となっていると、各運動は警告している。 / カリブ海諸国の運動や政党のプラットフォームである「カリブ人民会議(Assembly of Caribbean People)」は、「ハイチへの外国の軍事介入を行わないこと」を要求し、「我々は、ハイチ国民がモンタナ合意で提案された暫定政府を誕生させることを許されることが、唯一の道である」と主張する。

teleSUR Published 6 March 2024
G9 Alliance Threatens to Unleash a Civil War in Haiti
(ハイチで内戦を引き起こすと脅す「G9同盟」)
火曜日(3/5)、「G9同盟」のリーダーであるジミー・"バーベキュー"・シェリジエは、アリエル・アンリ首相が辞任しない限り、内戦を起こすと脅した。 / 元警察官のシェリジエは、首都ポルトープランスを拠点とする12の武装ギャングを集めた「G9ファミリーと同盟者の革命軍」(FRG9)のリーダーである。2020年に結成された「FRG9」は、ポルトープランスの領有権を争う約95のグループのひとつである。 / 先週、この都市武装ギャングの連合体は、アンリ首相がハイチの暴力を鎮圧するための多国籍警察ミッション設立への具体的な支持を得ることを期待してケニアを訪問している間に、警察署への攻撃と刑務所襲撃を指揮した。 / アンリ首相は今週帰国する予定だった。しかし、「G9同盟」や他の武装グループがトゥーサン・ルヴェルチュール国際空港を占拠する可能性があったため、これは実現しなかった。 / ハイチは、土曜日(3/2)に2つの主要な刑務所が攻撃を受け、より高いレベルにまで急増した暴力の新たな波の後、不確実性に陥ったままである。 / 月曜日(3/4)には、警察と軍隊がトゥーサン空港を掌握しようとする重装備のギャングと激しい銃撃戦を繰り広げた。

Plensa Latina February 9, 2024
Haitian bishops call on PM Henry to step aside amid riots
(ハイチの司教たちが、暴動の中でアンリ首相の退陣を求める)
2022年12月に締結された政治協定によれば、首相は2024年2月7日に選挙を実施することになっていたが、国民統合政府を樹立するためとして政権にとどまっている。 / 世界で最も貧しい国のひとつであるハイチは、武装ギャングが首都を含む国土の広大な地域を支配し、残忍な暴力を放つなど、何年も混乱の中にあった。 / 2021年にモイーズが暗殺されたことで、同国はさらなる混乱に陥り、2016年からは大統領職が空席のまま選挙が行われていない。 / ハイチの司教たちは、木曜日(2/8)に発表した強い文言の声明で、ハイチ国民の「苦しみに直ちに終止符を打つ」よう当局に求めた。

【2023年】
Orinoco Tribune OCTOBER 20, 2023
US Sponsoring Military Intervention in Haiti to Stop Revolution: Interview with Kim Ives
(革命阻止のためハイチへの軍事介入を支援する米国: Kim Ivesへのインタビュー)
米国は、ハイチの革命プロセスを停止させるために、国連の後援の下で組織されたハイチへの軍事介入を組織し資金を提供している。米国人ジャーナリストのキム・アイヴスは最近のインタビューでOrinoco Tribuneに語った。 / 革命はハイチの街角から起こっている。武装蜂起が起こっているのに、彼ら(米国)はそれをギャングとして見せている。革命家や米帝国主義に抵抗する人々は、その意識がどのようなものであれ、常に盗賊と呼ばれ、無法者やテロリストと呼ばれる。 / 暴力団は確かに存在する。しかし、彼らが同じカゴに入れているのは武装自警旅団であり、ギャングと戦い、ハイチの体制を転覆させるというまったく異なる革命的とも言えるプロジェクトを持っている。 / 彼ら(米国)は革命を止める必要がある。ラテンアメリカを横断する中国の進出を阻止し、台湾を中国として承認する11カ国の1つとしてハイチを維持する必要がある。

Peoples Dispatch October 06, 2023 by Julio Adamor
Haiti is the victim of orchestrated chaos that prevents it from setting its own course, says Camille Chalmers 
(ハイチは自ら進路を決められないように仕組まれたカオスの犠牲者である、とカミーユ・シャルマーズは言う)
ハイチ人のカミーユ・シャルマーズは、「Rasin Kan Pèp la(新国家イニシアチブへ向けた社会主義的再組織)」党の党首である。 / ハイチはかつて穀物生産で自給自足していた。1970年代初頭には、必要な量のほぼ100%を生産していた。それから50年後、ハイチは国民が消費する米の82%をアメリカから購入している。その原因は、輸入を奨励し、国家が農民経済に資金を供給できないようにする構造調整政策にある。その結果、人口の70%が失業している。

Peoples Dispatch October 04, 2023 by Amanda Yee
Kenyan political leaders decry UN authorization of military intervention in Haiti
(ケニアの政治指導者たち、国連によるハイチへの軍事介入承認を公然と非難)
国連安全保障理事会は、ハイチへのケニア警察官1,000人の派遣を承認したが、ケニア人の中には、この動きは主権の侵害であり、米国の新植民地政策の一環であると見ている人々がいる。 / 10月2日、国連安全保障理事会は、「ストリート・ギャングとの戦い」と称して、ケニアが率いるハイチへの多国籍治安支援ミッションを承認することを決議した。この国連決議は、15カ国からなる安全保障理事会の賛成13票、中国とロシアの棄権で可決された。この採決は、ケニアのアルフレッド・ムトゥア外務・ディアスポラ担当官房長官が、「ハイチ警察が国内の平静を取り戻し、戦略的施設を保護するための訓練と支援を行う」ために、1,000人の警察官を派遣すると申し出た数週間後に行われた。 / 国連投票は「新植民地アジェンダ」の一環 今週の国連投票が承認される前に、他のケニア政府高官は、ムトゥアの外国介入の申し出を厳しく批判し、ハイチの危機の責任は米国とヨーロッパにあると指摘した。 / ケニアの政治家であり弁護士でもあるエクル・アウコットは、「1,000人のケニア人警察官をハイチに派遣するのは、無策のミッションだ」「米国とフランスに、自分たちが引き起こした混乱を解決させればいい」と述べた。 / 他のケニア政府高官も、国連投票はハイチの主権侵害だと非難した。ケニアのウィリー・ムトゥンガ元最高裁判事は、9月下旬の意見書で、この派遣を「違憲」と呼び、「われわれは、われわれの主権が、われわれの参加と最終的な同意なしに、他国の主権を破壊するために決して使われてはならないことを要求する」と述べた。 / ケニア共産党もムトゥンガの提案を非難し、米国主導のコア・グループと国連が「新植民地主義的アジェンダ」の一環として「ハイチを残虐にするために黒い顔」を使おうとしていると非難した。 / コードピンク、Progressive International、International Peoples’ Assemblyなどの反戦団体や進歩的組織も、ケニア主導の安全保障ミッションを非難している。 / ラ米カリブ諸国の社会運動プラットフォームであるALBA Movimientosは、声明で次のように述べた。「主権が票の問題であるかのように、国連は再び人民の権利を通過させた。ALBA Movimientosは、何十年もの間、自国の領土と主権決定の尊重を要求してきた民衆に対して決定を下す権利があると恥知らずにも信じている米国、ケニアその他の国々によって指揮された、この新たな干渉の試みを強く拒否する」と。

Peoples Dispatch August 29, 2023 by Peoples Dispatch
March against gang violence in Haiti ends in massacre
(ハイチ: ギャングによる暴力に反対するデモ行進が虐殺に終わる)
ハイチは非合法な武装犯罪組織が放つ暴力のスパイラルに直面している。彼らは国土をますます掌握し、何十万人もの人々に故郷を追わせ、燃料不足と食糧不足を引き起こしながら、殺人、誘拐、広範な性的暴力を続けている。さまざまな国際機関の報告によると、暴力団は首都の80%以上、国土の50%以上を支配している。 / ポルトープランスの首都圏のほとんどの地区では、さまざまな武装ギャングによる銃撃戦が絶えず目撃され、連続的な襲撃を受けており、彼らは完全な不処罰で犯罪を犯し続けている。 / 外国からの介入に強く反対するハイチの人民は、自分たちの手で反撃し、この国からギャングによる暴力をなくそうと立ち上がった。 / 今年4月末、ギャングによる暴力の憂慮すべき増加を受けて、「ブワ・カレ」(文字通り「皮をむいた木」、迅速な正義の行為の比喩)と呼ばれる運動が起こった。この運動により、人々はギャングから地域を守るための自衛組織を設立した。

Workers World posted on July 19, 2023 By G. Dunkel
Haitians throughout the world demand ‘relief’
(世界中のハイチ人が「救済」を要求)
数千数万のハイチ人が7月9日、ハイチへの「救済」を求めて70カ国以上で街頭に繰り出した。主催者の推定では、およそ10万人のハイチ人が参加した。ハイチの首都ポルトープランスのほか、国内ではクロワ・デ・ブーケ、カルフール、サンマルク、ゴナイヴ、フォール・リベルテ、キャップ・ハイチなどで大規模なデモ行進が行われた。 / 米国では、ノース・マイアミ、ワシントンD.C.、ニュージャージー州ニューアーク、ニューヨークのハドソン・バレーとブルックリン、ボストンで大規模なデモ行進が行われた。カナダでは、モントリオール、オタワ、トロントでデモ行進が行われた。フランスのパリでも抗議デモが行われた。 / 注目すべきは、アメリカ、カナダ、フランスが、ハイチの資源を荒らし、労働者や農民を搾取し、貧困化させ、軍事介入を行い、現在の悲惨な状況を招いた主な帝国主義国であるということだ。 / ハイチは経済的、政治的、社会的、文化的危機に悩まされている。国連と手を組んだ米国政府は、事態をコントロールし、アリエル・アンリのような地元の操り人形を支えるために、国連の支援で兵士を送り込もうとしている。

Workers World posted on June 9, 2023 By G. Dunke
Growing mass anger in Haiti 
(ハイチで高まる大衆の怒り)
【全文】何百万人ものハイチ人が、日頃から十分な食事がとれていない。汚れた汚染された水しか手に入らない。国連ハイチ統合事務所によると、2023年の最初の3カ月で1,630人以上が死亡、負傷、誘拐される結果となった。 / 学校は数カ月間閉鎖されていた。開校しても、燃料の高騰で公共交通機関が親の手には負えないため、子どもたちは時間通りに登校するために早足で何時間も歩かなければならなかった。 / 病院や診療所では、スタッフが誘拐されたり、嫌がらせを受けたりすると、しばしば閉鎖される。 / 警察は、1月以来2,700人以上の犯罪容疑者を逮捕し、数十の武器を押収した。しかし、このキャンペーンは、急増する暴力を妨げるものではなかった。 / 国際的な大企業メディアは、これらの問題をすべて、誘拐、恐喝、強盗、略奪に明け暮れる重武装ギャングの抗争のせいにしようとし、警察が圧倒されるほどであると報じている。 / 本当は、ハイチの歴史的な貧困化と現在の混乱は、1804年の奴隷制を廃止したハイチ革命に対するフランス植民地主義と米国の奴隷制の敵意と、主に米国、フランス、カナダの帝国主義が国連を隠れ蓑にしたハイチへの搾取の継続に起因する。 / 企業メディアは、2004年から2019年まで国連ミッションが何をしたかを無視している。彼らは、国連占領軍がどのようにコレラをハイチに持ち込んだかについて言及しない。重武装したギャングたちが、フロリダやテキサスの米国の銃器商から、ほとんどの武器を手に入れていることも無視する。 / 2004年3月、米国がジャン・ベルトラン・アリスティド大統領に対するクーデターを引き起こした後、米国とフランスがハイチを占領したときから、その占領に国連のイチジクをつけることに成功した2004年6月まで、そして国連の「平和」ミッションが正式に終了した2019年10月まで、国連はハイチの民意を鎮めるために、「平和」推進と偽装して、数10億ドルを費やした。 / 国連が「MINUSTAH」と呼ぶこのミッションは、平和とは何の関係もなかった。15年間にわたる占領、屈辱、虐殺の任務であった。そして、現在ハイチを苦しめている致命的な混沌の枠組みを作り出したのである。 / 混乱への反応 ジャン・W・パプはハイチの著名な医師で、ニューヨークのワイル・コーネル医学部の正教授であり、共和党のブッシュ派と強いつながりを持っている。6月1日付のニューヨーク・タイムズ紙は、パペの意見書を掲載した。その意図は、米国主導のハイチへの再度の介入を促進することにある。 / ハイチの治安状況を説明した後、ペイプはこう断言する。「私たちだけではどうにもならないことが明らかになった。外国が介入しなければ、ハイチ人はこの危機を乗り越えられない」と。そして、「世界中が兵士を派遣してくれ」と懇願する。ただし、ハイチで使用されている武器のほとんどが米国の武器商人からのものであることは認めている。 / 7月末にワシントンで行われるハイチのための「大行進」を呼びかけるビラが、パプの記事がタイムズに掲載されたのと同じ日に、ハイチ人居住区で散見された。 / ハイチでの別の動きとしては、4月末に「ブワ・カレ(bwa kale)」と呼ばれる運動が始まった。そのとき、近隣の住民のグループが、逮捕したばかりの警官からギャングの小さなバスをつかまえた。住民たちは運転手とその助手を解放した。報道によると、「ブワ・カレ」グループは、残りの14人のギャングメンバーを焼き殺したという。 / この出来事以来、「ブワ・カレ」は多くの地域に広がり、約160人のギャングが殺された。多くのハイチ人は、「ブワ・カレ」の活動を、1986年にジャン=クロード・デュバリエの退陣によって数十年にわたる独裁政権に終止符を打った民衆蜂起後の「デチュカジ運動(dechoukaj movement)」と比較している。 / 現在、近隣のグループは鉈(なた)を配り、ギャングのメンバーを排除するために検問所を設置している。 / 6月3日付のニューヨーク・タイムズの報道によると、ギャング・メンバーの殺害後、誘拐や殺人が非常に激減しているという。タイムズ紙は、自警団、つまり警察から独立したコミュニティ内での戦闘のための自己組織化について懸念を表明し、ギャングからの潜在的な反応について推測している。

Orinoco Tribune MAY 11, 2023
‘Bwa Kale’ – Haiti Erupts Into Anti-Gang Uprising
(‘Bwa Kale’― ハイチが反ギャングの蜂起に沸く)
4月23日、ポルトープランスの2区とその周辺地域で激しい銃撃戦が繰り広げられた夜、ハイチ国家警察(PNH)は、複数のギャングがこの地域を移動しているという情報を得た。翌早朝、カナペ・ヴェール地区で警察が公共交通機関のミニバスを止めたところ、重火器、弾薬、携帯電話、その他の違法な禁制品を所持した14人の男たちを発見した。警察が彼らを逮捕し、駅に連行すると、増え続ける住民たちが自分たちの手で問題を解決しようと決意した。バス運転手と車掌を除いて、犯人と思われる人々を引きずり出し、リンチを加えた後、遺体を燃やし、煙と焦げた死体が残った。この光景は携帯電話のビデオで撮影され、すぐにソーシャルメディアで拡散された。 / この事件は、「Bwa Kale」と呼ばれる自然発生的で指導者のいない全国的蜂起(national uprising)の始まりとなった。「Bwa Kale」とは、文字通り「皮をむいた木」の意味である。これはハイチの一部の家庭で厳しい体罰に使われる道具を指しており、誘拐、恐喝、殺人で長い間この国を恐怖に陥れてきた凶悪犯罪者を特定し、捕まえ、殺すという参加者の意志だけでなく、犯罪集団が住民に対して行う同じ陰惨な暴力方法を採用することも反映している。 / 「Bwa Kale」運動は、Saint Domingueの奴隷が植民地支配者に打ち勝ち、フランス、イギリス、スペイン帝国を打ち破り、半球初の自由共和国を建国した有名な1791-1804年のハイチ革命の図像と熱狂に彩られている。 / 2週間前の運動開始以来、ハイチでの誘拐がゼロになったと報告されているように、激怒した大衆が武装した犯罪者を取り囲んで退治するという恐ろしい光景が効果を上げていることは明らかである。 / 「Bwa Kale」現象は首都に限ったことではなく、国中に広がった。 / 燃え広がっている「Bwa Kale」現象の炎が、ギャングの背後にいる政治・金融クラスにまで届くのか、それとも始まったと同時に燃え尽きるのかは、時間が経ってみなければわからない。

Workers World posted on March 24, 2023 By Paddy (AS EDITOR)
19 years after the coup d’état: Statement from Fanmi Lavalas Political Organization
(ハイチ: クーデターから19年:政治団体「Fanmi Lavalas」の声明)
ハイチの人民党である「Fanmi Lavalas」の2月28日の声明は、2004年2月29日、ハイチで初めて民主的に選ばれた大統領ジャン=ベルトラン・アリスティドを打倒したクーデターを思い起こすものである。「Fanmi Lavalas」は、クーデターで倒れた人々を称え、現在、この国を巻き込んでいる危機に対する解決策を求める概要を述べている。
【声明】2004年の血なまぐさいクーデターから19周年を迎え、その有害な結果を今日も生きている「Fanmi Lavalas」は、この国の状況が加速度的に悪化していることに注目している。排除、社会的不公正、腐敗、不処罰、不安定のシステムの持続は、全人口の悲劇的な不幸に拍車をかけており、わが国において数十年にわたって開発と進歩の見込みを悩ませてきた問題の核心である。それが今日、この地獄のような状況で頂点に達している。 / 過去30年間、ハイチが経験したさまざまな外国からの介入によって、この国の社会的、経済的、政治的な問題は悪化の一途をたどっている。 / 「Fanmi Lavalas」は、この機会に、この国を襲っているこの危機に対する解決策を求める私たちの立場の要点を改めて説明する。その解決策は、ハイチ的かつ集団的なものでなければならない。 / あらゆる社会階層からの、またあらゆる政治的傾向からの、ハイチ人に関わる不安定の問題は、共通の分母であり、即時の行動と長期的な方向性についての広範で強固な合意形成を可能にする対話の出発点となりうる。不安の解決策を探るには、住民の参加が不可欠である。 / 治安の悪化という問題について、国内のあらゆる活動セクターから意見を集めることは、内省への道を開き、ガバナンス、食料不安、基本的サービスへのアクセス、雇用創出、汚職や不処罰との闘いといった問題についての、持続可能な解決策の探求を強化することになる。 / 現在の統治と人民の要求との間の完全な断絶は明らかである。持続可能な成果を生み出すためには、実行可能な移行プロジェクトは、集団的に決定され、国民から信頼される信頼できるチームによって実行されなければならない。この移行プロジェクトには、地元の人材に加えて、ディアスポラからの人材が積極的に参加し、ハイチのためのハイチ人による次の25年の社会プロジェクトを共に発展させる必要がある。 / 選挙に行き、民主主義の道に戻るためには、安全が不可欠であり、重要な前提条件となる。 / 2004年のクーデターから19年目を迎えるこの記念行事は、私たちの国の現実的な問題を集団で認識し、私たちの民族の歴史的ルーツにふさわしい、公正で参加型、連帯中心の豊かなハイチの建設のために、否定できない集団資産を動員して共に働くことを改めて決意する機会として利用すべきだ。 / 私たちは互いに調和しなければならない! 幅広いコンセンサスを築こう! 団結は我々を強くする!

【2022年10月】
INTERNATIONALIST 360° on DECEMBER 10, 2022 Lallan Schoenstein
U.S. Sanctions Haiti 
(米国がハイチに制裁)
ハイチの「Lavalas運動」は、1990年、人民によるジャン・ベルトラン・アリスティドの選出により、米国とフランスの傀儡独裁者ジャン・クロード・デュバリエを打倒した。アリスティドは、1991年にCIAの支援を受けたクーデターによってハイチから追放され、その後再び権力に就き、2004年に再び追放された。それ以来、「Fanmi Lavalas党」は選挙での役割を否定され続けている。 / 2021年、ジョヴェネル・モイーズ大統領が暗殺された。暗殺の容疑者であるアリエル・アンリが、米国の支援を受け、ハイチの大統領代行に就任した。 / 深まる危機がハイチを覆っている。人種差別的な米国の主流メディアは、「ギャングの抗争」や「麻薬取引」など、想像を絶する暴力を報道している。その無慈悲な報道は、米国、カナダ、フランス政府による主権国家ハイチへのもう一つの介入を正当化するためのものだ。10月15日、米国は国連安全保障理事会に、ハイチへの「多国籍迅速反応部隊の即時派遣」を求める決議案を提出した。ハイチは、半球で最も介入された国である。これまでの侵略と介入のたびに、経済は不安定になり、人々は生存の危機に瀕している。 / ハイチ人民は自国の安全確保を望んでいる ハイチでは反政府デモが全国を覆っている。ホワイトハウスが最もターゲットにしている「ギャング」は、実は自国の解放のために奮闘している人たちだという複数の報告がある。 / ワシントンD.C.やその他の米国の都市で、ハイチ人とその支援者が抗議行動を行い、バイデン政権がアリエル・アンリ政権への支援を終了することを要求している。抗議者たちはハイチの主権を尊重し、介入しないことを要求している。 / 制裁 ハイチのほとんどすべての社会セクターからの自決要求は、帝国主義者の介入を一時的に停滞させたかもしれないが、しかし、米国財務省やFBIの邪悪な策略を止めることはできていない。 / またしてもハイチ人は、自国を解放するために奮闘したことで罰せられようとしている。国連世界食糧計画のデータによると、33%のインフレ率と470万人の食糧難に苦しんでいる。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.12.15 Thursday)に全訳あり】


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