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シリーズ「都構想」住民投票で「反対」に投票を!(2) 「二重行政解消」は真っ赤なウソ

2015-04-24 | 橋下・維新の会にNO!

 「大阪都構想」とは、「大阪市を解体して5つの特別区に分割する」ことです。堺市や周辺の自治体も特別区にすることが構想されていましたが、一昨年の堺市長選で,この「都構想」が堺市民から拒否され、「大阪市解体」だけになってしまいました。その時点で橋下市長の語る「夢」はしぼんだのに、持ち前の「話術」で、無理矢理話を膨らませているのが実態です。名前が「都」になるわけでもありません。

 橋下・維新が「都構想」推進のほとんど唯一の理由とするのが、「二重行政解消」です。「大阪都」が実現すれば、大阪府と大阪市の二重行政が解消されて行政が効率化され、コストが縮減できると言います。それによって浮いた財源を利用して、東京に負けない新しい大阪を創る、と。しかし、これは真っ赤なウソと言わねばなりません。数え切れないほどのウソがあります。

(1)「二重行政」を語る時必ず持ち出すのが、ワールドトレードセンタービル(WTC)、りんくうゲートタワービルなどの無駄な公共事業です。でも、これらは大阪市・府政の投資計画そのものがバブル経済に踊った結果であって、「二重行政」のせいではありません。大阪市がなくなっても、行政の好きに任せれば同じことが繰り返されるでしょう。橋下市長が「都構想」でやろうとしている大型投資やカジノこそ、同じようになるのではないでしょうか? また、府立と市立の図書館や病院や大学なども持ち出しますが、これらは必要なものであって「二重行政」ではありません。非常に悪質な印象操作と言えます。

(2)大阪市が5つの特別区に分割された後も、介護保険、健康保険、水道事業、システム管理、施設管理などは、区毎に担うのではなく、新たに設立される「一部事務組合」が担うことになります。この一部事務組合は、予算規模が6000億円を超える大規模なもの(堺市の全会計に匹敵)です。こうした大規模な行政組織を設立することで、府・一部事務組合・特別区の「三重行政」となるのです。さらに、5つの特別区がバラバラに施策を行うと、「七重行政」ともなりかねません。

(3)「二重行政解消」によって、当初「毎年4000億円ほどの財源が生まれる」と主張していましたが、この額には何の根拠もなかったことが明らかとなり、その後1000億円以下に修正されました。そこにも地下鉄民営化など「都構想」と関係のない項目が含められており、純粋な統合効果はわずか毎年1億円にすぎない、と言われます。こうした点を批判されると、橋下市長は「効果額なんて大した問題じゃない」と開き直ります。

 要するに、「都構想」によってお金が湧いて出てくるようなことを言っているのは、全部ウソです。逆に、特別区作りで無駄な費用を使い、特別区は発足当初から多額の借金を抱えることになります。

(1)特別区設置のために、庁舎改修と新庁舎建設費で497億円、システム改修費で150億円など、総額680億円もの多額の経費がかかります。移行に伴う住所変更など、民間の無駄な支出も莫大な額になり、すべて区民の負担になります。

(2)特別区の財源は、市税の柱である固定資産税や法人市民税などが府に奪われ、直接入る税収は6300億円から1600億円、4分の1に激減します。府に移る財源も「特別区内で使われる」と言っていますが、そんな保証はどこにもありません。

(3)特別区は中核市並みの権限を持つ基礎自治体とされていましたが、協定書では、中核市並みの権限と財源の保障は盛り込まれず、府の事業を府の条例によって特別区に権限移譲する手法を使うことになりました。そのため、特別区の自主性と財源の保障はなくなりました。中核市どころか通常の市町村並みの権限もないのです。

(4)府市の大都市局が発表した楽観的な財政推計でさえ、発足当初の5年間は、特別区の収支不足が続き、その累計は858億円の赤字、一部事業が民営化されない場合は1071億円の赤字となることが明らかとなっています。新たな事業を行うどころか、特別区の財政破綻を回避するために躍起にならざるをえないのです。

(5)特別区毎に税収が異なり、大きな格差が生じます。区民サービスに大幅な切り捨てと格差が生まれることは容易に予想できます。

(6)特別区間の税収格差は、「財政調整交付金」によって調整することになっています。しかし、どのようなルールで配分されるのか、明らかにされていません。大阪府知事が配分に大きな権限を握れば、各区をコントロールできる力を持ちます。知事の政策に従順な区と反抗的な区を差別することだって可能になるのです。

大風呂敷が一転…都構想から消えた経済効果「年間4000億円」(日刊ゲンダイ)

これぞ戦後最大の詐欺である 適菜収(作家、哲学者)+本誌取材班――特集 「大阪都構想」の大嘘(新潮45)

連載企画「大阪都構想を考える」その4 大阪府市の二重行政は本当か(大谷昭宏事務所)

徹底バクロ!「大阪都構想」のウソ(森裕之)

(つづく)

by ウナイ


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1 コメント

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周辺自治体も無関係ではない (ヒデ)
2015-04-24 23:26:59
周辺自治体で暮らしている人々は大阪市だけの問題だと考えているのではないでしょうか。でも、実際はそうではないようです。
本文に、
――一昨年の堺市長選で,この「都構想」が堺市民から拒否され、「大阪市解体」だけになってしまいました。
とありますが、
今回の都構想住民投票でイエスとなった場合、周辺自治体は議会の過半数の賛成だけで、この都構想に合流することができることになっているようです。
つまり、周辺自治体の人は、住民投票さえナシで合流することになるかもしれないのです。
国政レベルでは公明党が自民党との妥協を重ねています。自民党は維新の会を取り込もうとしています。中央でのこの動きは、今のところ地方と一定矛盾していますが、地方でも早晩、中央と同じように公明党が妥協姿勢に転じるように思います。そうすると、再び都構想が大規模なものになるかもしれません。
大阪市周辺の自治体に暮らしている方々も、直接関わりのある重大問題として捉えてください。そして、大阪市在住の親戚・知人に反対投票に行くように呼びかけてください。

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