国家戦略室 (アンダーグラウンド)

日本本来の政治、統治、歴史についての研究

第三次アーミテージレポート 解析 2/2

2013年09月01日 | Weblog

黒字:アーミテージレポート

赤字:注意点

青字:解析


新しい安全保障戦略に向けて地域的防衛連携

核エネルギー、政府開発援助(ODA)及び人権問題の様な職務上の問題に関する連携に加え、東京はASEAN、ASEAN地域フォーラム(ARF)、アジア太平洋経済協力(APEC)の様な地域フォーラムと同様、特にインドやオーストラリア、フィリピン、台湾などの民主的パートナーとの連携維持に努めるだろう。日本は共通する価値や利害、目標を持つ地域パートナーと連携する為の基礎を強めてきている。日本は、平和的で合法的な近海の環境を促進する為に、自由な海上貿易を保証する為に、また経済と防衛の全体的な安寧を推進する為に、地域パートナーとの協力を継続すべきである。

防衛環境は著しく変わってしまったが、それは我々の戦略構成についても同様である。役割・任務・能力(RMC)の見直しが終了した時、日本の防衛戦略は第一に南北に拡張した。1980年代の見直しでは地理的範囲を拡大し東アジアでの協調能力を向上させ、90年代の見直しでは日本の防衛協力の空白部分に関する機能を明確なものとした。今日では、利害地域は遠く南へ、さらには遥か西の中東まで拡大している。我々は戦略を十分に再定義し実行手段の調整を行うべきである。今後の新たな見直しでは、軍事、政治、そして経済国家的な権力の全ての組合せと同様に、より広範な地理的範囲を含めるべきである。



防衛戦略:同盟の相互運用性に向かって

日本は能力形成や二国間及び多国間の対応を通して、これまで以上に防衛と軍事の外交手腕を発揮することができる。新たな役割と任務の見直しにあたっては、日本の防衛及び地域の緊急事態における米国との防衛を含めた日本の責任範囲を拡大すべきである。

その意味合いは日本と米国が組んでアジアを管理するというもので、日米を比較すれば米が主導権を握るということが前提となっている。

 最も喫緊の挑戦は日本自身の隣国だ。

 中国は、日本への度重なる周航を含む、東シナ海の大半、実質的な全南シナ海、人民解放軍と海軍の運用速度の劇的な増加を、主張或いは実践しており、これらは北京による「第一列島チェーン(日本、台湾、フィリピン)」、もしくは北京が考える「近海」全体に対しての、より強大で戦略的な影響を与える意志を示している。

 これらの種の接近阻止・領域拒否(A2AD)という挑戦に対し、米国は空海戦闘や統合作戦アクセス構想(JOAC)などの新たな作戦構想への取組みを開始している。日本は「ダイナミック防衛」の様な類似構想への取組みを開始している。米国海軍と海上自衛隊が歴史的に2国間の相互運用性を牽引してきた一方で、新たな環境はより強大な連帯と両国における部局横断的な相互運用性及び両国間の相互運用性を明確に必要としている。

 つまり中国の台頭により、日米軍事同盟が協力して当たらなければならなくなってきている。この局面は事実である。

尖閣は太平洋への出口であり、戦略上要所でもある。中国はどうしてもここがほしい。そのために反日運動を利用して自国の支配下にあったことを強調している。米国もよくわかっているが、中国と正面きってぶつかりたくはない。

間に日本を入れ、なんとか米中の関係を壊さずに事をおさめたい。

一方、中国は日本との対立は以前からのもので懸念するほどではない。少々強引な手を使っても日本は攻撃まではしない。(アメリカが攻撃的防衛力を憲法で削いでしまったからだ。)

 しかしアメリカとの関係の悪化は不利だということがわかっている。したがってアメリカの顔色を見ながら尖閣の領有を既成事実化しようとしている。

 この件に関しては日本はできる限り対応に努力しつつ米国を利用しなければならない。尖閣の領有は単なる島の問題でなく戦略的海域の問題であり、今後中国が日本をどう扱うか、韓国が日本をどうみるかとも関わってくる。台湾との関係がどうなるかが決まってくる。

 この挑戦は両国のRMC会談の中核であり、日本の防衛省及び外務省と共に米国国防省の指導により十分に統合され前進するものでなければならない。予算の問題についても、RMCは細切れに処理されたり、下級職員によって処理されることはない。

  同盟防衛協力の潜在力が増加した2つの追加地域は、ペルシャ湾での掃海作業と南シナ海の共同監視である。ペルシャ湾は極めて重要なグローバル貿易とエネルギー輸送の中核である。ホルムズ海峡を閉鎖するというイランの言葉巧みな意思表示に対して、日本はこの国際的に違法な動きに対抗する為に単独で掃海艇をこの地域に派遣すべきである。南シナ海における平和と安定は、特に日本にとって大変重要な、もう一つの極めて重要な同盟利害である。重要なエネルギー資源を含む、日本へ供給される88%のものが南シナ海を経て輸送されるのであるから、安定と航行の自由を確保する為に米国と協力して監視を増強することは日本が関心を示すところである。

 米国と日本は自国のエネルギー供給のためにホルムズ海峡と南シナ海に干渉する。

 米国が日本の憲法改正に圧力をかけ、集団的自衛権を通そうとするのはこのためである。

 机上論で言えば内政干渉もはなはだしいが米国の戦略は非常に現実的で、国益を考え、それを世界平和のためと正当化している話である。

 だがアメリカが形式的にせよ圧力をかけなければ、前近代的で狂信的な国家と政治家が核開発を行い、領地の拡大をはかろうとする。このせめぎあいのなかで、残虐非道な行為がお互いの攻撃の中に現れる。

 当然だがアメリカ側からの報道には、アメリカの非道な行為はあまり出てこない。しかし最近ビンラディン殺害の映画ができたが、そこに見られるのはCIAの行なう拷問である。政治家が否定しても現場は行なっていた。戦争とはかようなものであり、正当化にも美化にも限度がある。

「日本の防衛」と地域防衛の区別は明確でない。ホルムズ海峡の封鎖や南シナ海での軍事的緊急事態は、日本の安全と安定に深刻な影響を及ぼすものと考えられる。かつて賞賛された剣と矛の例えは、現状の防衛活動力を過度に簡略化しすぎており、国家の防衛には攻撃責務の備えも必要だという事実をはぐらかしている。

この「国家の防衛には攻撃責務の備えも必要」というのは現実的ではあるが日本国憲法は禁じている。憲法で禁じたのはアメリカである。アメリカが分かっていて禁じたのは、日本のキバを抜くためである。日本側に賛同者がいたとの説もあるが、交渉の過程での妥協でしかない。アメリカ側でさえこの点に関して疑義が生じたくらいである。

アメリカは日本の攻撃力を徹底的に否定し、防衛力の一部ともなる攻撃的責務でさえ果たせないようにした。そのためにアメリカがそれを肩代わりしなければならなかった。

しかしこれは日本の防衛費を軽くして経済復興をするための吉田茂の作戦であった。吉田茂はアメリカに追従していると見せかけて自国の利益を考えていた。

現在の日本にはそれだけの保守派は少ない。ことに経済戦略の官僚の中にはCIAの息のかかった協力者がいる。

今日日本が自国の防衛及び中東の防衛に費用を捻出しなければならなくなるとすれば国民の負担は膨大なものになる。しかもその主導権をアメリカに握らせることになる。

日本はすでにその準備をしている。それが消費増税の隠された使い道であり、教育に柔剣道など武道が取り入れられ始めた真因でもある。

復興支援の費用がいとも簡単に他の目的に使われたように、消費税もまた巧妙に防衛予算に振り向けられる。

自国を防衛するためにやむを得ない一面もある。

しかし、この過程でアメリカのいうがままに動いていると必ず国民の生活が破綻してゆく。

両国共に、日本の活動領域を十分に拡張させるより強健で共有した、また相互運用性のある情報・監視・偵察(ISR)能力と作戦を必要としている。在日米軍(USFJ)には日本の防衛に関して明確な役割が与えられるべきである。作戦の遂行能力と今後起り得る在日米軍と自衛隊の合同機動部隊の軍事力を考慮して、米国は在日米軍により大きな責任と使命感を与えるべきである。

予算削減や財政引締めがワシントンでも東京でも起りそうな状況の中では、軍事力を維持する為のより効果的な資源の使用が不可欠である。効果的な資源活用に関する早期の政治的示威行動は相互運用性である。相互運用性とは米国装備品の購入を意味するものではない。それは、本質的には協同する基礎能力を指している。米国海軍と海上自衛隊は、数十年に亘りこの能力を証明している。米国空軍と航空自衛隊(JASDF)は進歩を見せているが、米国陸軍、海軍と陸上自衛隊は重点の差異により限定されている。米国が中東での陸上戦に注力してきたのに対し、日本は平和維持及び災害復興活動を行ってきたのである。

相互運用性を高める1つの方法は、双方の防衛訓練の質を向上させることである。米国空軍、海軍は自衛隊と連携して民間空港を循環した訓練を毎年行うべきである。新たな訓練地域は潜在的な緊急事態をより広範に想定させ、両軍をより危険な状態に晒し、さらには沖縄の人々に対しての負担を共有する感覚をもたらすだろう。第二に、自衛隊と米軍は緊急事態への対応能力を向上させる、トモダチ作戦で学んだ事柄を試すべきである。第三に、陸上自衛隊は価値のある平和維持活動(PKO)や災害復興支援に携わる一方で、陸海空軍連携の拡大について検討すべきである。陸上自衛隊を敏捷で配備可能な軍隊に方向修正することは、将来の編成に向けて同盟をより有意義に整備させるだろう。第四に、米国と日本はグアムと北マリアナ諸島(CNMI)における新たな訓練領域を十分に活用すべきであり、それはオーストラリアのダーウィンにおける新たな共有設備についても同様である。共同の海上派遣軍事力は、日本、韓国、オーストラリア、カナダ、及びニュージーランドにとって中核的な焦点である。米軍との訓練、特に海軍との訓練が、より広範に相互運用性を拡大させるだろう。最後に、東京は双方とそれぞれの防衛上の秘密と秘密情報を保護する為に防衛省の法的能力を向上させるべきである。秘密保持の点からすれば、現在の法管理体制は米国標準と同等のレベルではない。政策と厳格な防衛訓練の組合せが、日本の初期の特殊作戦部隊(SOF)の能力を加速させ相互運用性を向上させるだろう。



技術協力と共同研究開発

相互運用性の第2の側面はハードウェアに関するものである。米国と日本の経済事情と防衛予算の増大が非現実的であることを考慮すれば、防衛産業のより密接な連携が必要である。日本の「武器輸出三原則」の変更が武器輸出と技術協力に関する政策の窓を押し広げている。連携は両国政府のコストを削減させ、業界での広範囲な関係を強化する一方で(ヨーロッパと米国の数十年に及ぶ防衛産業のパートナーシップの様に)、同盟はこの分野においてどのように前進していくかをまだ決定できていない。

米国は日本の方針転換を利用して日本の防衛産業に技術を輸出するよう働きかけるべきである。日本の防衛技術の輸出が、米国の防衛又は産業基盤にとって脅威になると米国人が不安する時代は過ぎたのである。ミクロレベルでは、米国は電子、ナノテク、合成、そして他の高価値部品を輸入すべきである(日本はそれらを自由に輸出すべきである)。この分野での同盟貿易は米国防衛企業に、日本が既に独占的に製造しているかライセンスの下で製造している、洗練した二次もしくは一次技術に触れる機会をもたらすだろう。日本からの輸出はコストを削減し米国と日本の防衛製品の品質を向上させる潜在性を有している。

日本の防衛技術を提供せよというが、アメリカはその防衛技術を簡単に同盟国に渡すであろうか。たとえ同盟国といえども防衛技術は国の根幹を守る技術であり、そう簡単に提供できるものではない。

アメリカはそれを分かっていて提供をぬけぬけと提案してくる。ならば同等の技術の提供を要求すべきである。

マクロレベルでは、規制緩和が洗練した将来の武器と他の安全システムの共同開発の機会を促進させる。この点においてはミサイル防衛が素晴らしいモデルとなっている。この計画は同盟が競争でなく、非常に複雑な防衛システムの開発と製造に共同で従事できることを本質的に証明している。短期的な軍事同盟計画は相互利害と運用上の必要条件について明確な検討を行うべきである。しかしながら、同盟は共同開発に向けた長期的な運用上の必要条件についても明確にすべきである。軍事協力の可能な分野は、次世代の戦闘機、軍艦、レーダー、戦略的な輸送、通信、そして全体的な情報・監視・偵察の能力に成りうる可能性がある。例えば、オーストラリアはディーゼル潜水艦と統合攻撃戦闘機の技術協力について日本と協議中である。米国はそのような対話に積極的に働きかけ、はずみを付けるべきである。

米国と日本は世界の2大研究開発体である。同盟国として、我々はこれらの能力を融合し急速にコストと複雑さを増す分野での効率化を達成すべきである。軍事協力へ向けた同盟の枠組みはこれまで以上の組織を必要とするだろう。過去においては、連携は施策の中心である日米安全保障協議委員会(SCC)からは別個の科学と技術フォーラム(S&TF)に追いやられてきた。この努力への基礎は、現在の予算、軍事、技術状況を反映しない、米国の対外有償軍事援助(FMS)プロセスの再編になるだろう。



サイバーセキュリティー

 サイバーセキュリティーは、米国と日本の役割と規範の明確化を必要とする新たな戦略分野である。全ての防衛作戦、共同や連携は、情報保証対策の信用性と能力に強く付随している。近年サイバー攻撃、サイバーハッキングの数は増えており、特に政府機関や防衛産業企業を対象としたものが多く、繊細なデータのセキュリティーを脅かし、テロリストや敵対分子の手に秘密情報が渡ってしまうリスクを新たにしている。情報保証における共通の安全装置と標準を持たずしては、米国と日本の通信経路は外界からの侵入に対して大変脆弱である。米国は国家安全保障局(NSA)と共にサイバー対策を運用する一方、日本は同等のレベルを満たしていない。この不均衡を軽減するために、米国と日本は共通の情報保証標準の研究と導入に向けた共同サイバーセキュリティーセンターを設立すべきである。そのような開始は日本の脆弱なサイバーセキュリティー基盤を強化し日本の国防を援護するだろう。サイバーへの理解と協議なしには、安全保障上の問題に関する同盟のより強大な連携は制限されるだろう。

 日本は国家的な規模での情報機関がない。そのためにこの方面だけでなく自衛隊の重要機密が漏れやすい。中国はこれを狙う。日本からアメリカの情報を引き出そうとする。



拡大抑止

 信頼を増大させる必要がある同盟防衛におけるもう1つの鍵となる分野は拡大抑止である。日本は非核世界を実現したい意欲と、米国が中国に対する核の力を減少し、米国の拡大抑止の信頼が弱まり、日本が結果として苦しむのではないかという不安の間で非常に苦しんでいる。拡大抑止が核兵器の数や日本の領海内での核兵器の配置に依存していると考えるのは誤りである。冷戦期に米国がベルリンを防衛できたのは、米国の約束に信頼を与えたNATO同盟という支柱と、多くの犠牲を払ってソ連の攻撃を食い止めた米国軍の存在の為である。米国と日本は、米国の拡大抑止戦略と軍事力における相互の信頼を強める為に、現在の拡大抑止に関する対話を再活性させるべきである。日本を巡る米国の拡大抑止の最も大きな保証は、日本の寛大な支援により強化されている米国軍の存在である。



普天間

 日本における米国軍の存在は、共同関係には留まらない。同盟は長年にわたり沖縄の米軍再編の詳細について非常に高い注意を払っている。結果として、三次的問題の普天間の海兵隊飛行場は、今後のための最適な軍編成計画に投資できたであろう時間と政治資金を使い果たしてしまった。過去の再編から生じる問題は、それがどのようなものであれ、我々が堅く未来に照準を合わせればより容易に解決できるものと考えている。



集団的自衛の禁止

3つの危機から成る3.11とトモダチ作戦は、米国と日本の軍事展開に興味深い皮肉を提示した。3.11は外部の脅威に対する防衛の問題ではなかった為、自衛隊と米軍が集団的自衛の禁止に注意を払うことなく対応したという点である。米国の軍艦は、緊急事態に対応して北海道の陸上自衛隊を東北に移動させた。両国軍は、軍事的及び市民的な組織が災害救助と支援活動を行った、仙台での作業上の鍵となる飛行場を設ける活動に従事した。これらの努力が北東アジア地域の回復への条件を生み出した。トモダチ作戦時の憲法第9条の大まかな解釈に加えて、日本と米国は、他のいくつかの国々と協力してエデン湾での海賊行為と戦っている。日本はインド洋における極めて重要な海賊行為撲滅の任務に参加するために法的問題を再解釈している。しかし皮肉なことに、日本の利害の保護を必要とする最も深刻な条件の下で、我々の軍隊は日本の集団的防衛を法的に禁じられている。

日本の集団的防衛の禁止に関する改変は、その矛盾をはっきりと示すことになるだろう。政策の変更は、統一した指揮ではなく、軍事的により積極的な日本を、もしくは平和憲法の改正を求めるべきである。集団的自衛の禁止は同盟の障害である。3.11は、我々2つの軍が必要な時にいかに軍事力を最大限に活用できるかを証明した。平和時、緊張、危機、及び戦争時の防衛範囲を通して完全な協力で対応することを我々の軍に許可することは責任ある権限行動であろう。

 率直な提言である。だがそのおかげで愚かなイラク戦争で兵を失わずにすんだ。



平和維持活動

2012年は日本が国連の平和維持活動に参加して20年目の年である。南スーダンでは、自衛隊は権限を拡大している若き政権の助けとなる社会基盤の建設に取り組んでいる。ジブチでは、自衛隊はエデン湾を警備する海賊撲滅の任務に当たっている。ハイチでは、自衛隊は継続中の災害後復興と伝染病の拡散防止に取り組んでいる。平和維持活動の役割と責任は厳しいものであり、殆どの場合が厳しい環境と生活条件の中にある。平和維持活動への日本の参加を通して、自衛隊は対テロ、核不拡散、人道援助、そして災害復興に関する国際的な連携と準備を発展させている。より十分な参加を可能にするために、日本は、必要であれば武力を行使してでも、市民と、同様に他の国際的な平和維持軍を守ることができるような法的権限を自国の平和維持活動軍に与えることを我々は奨励する。平和維持活動は明確に賞賛に値する国際的貢献であり続けている。自衛隊の認識は変化してきており、日本の外交政策における最も成功を収めそうなものの1つとして見られている。(以上和訳:伊藤勉)



提言
日本に対する提言

原子力発電の慎重な続行は、日本にとって正しく責任のあるステップである。
2020年までに二酸化炭素(CO2) の排出量を25パーセントカットする意欲的な目標は、原子力発電所の再開なしでは成し遂げることはできない。

原子力発電のリスクと二酸化炭素排出量のパーセンテージのリスクとどちらが高いか。

また、エネルギーコストの高騰は円の高騰を伴うため、エネルギー依存の高い産業の国外流出を食い止めるためには原子力発電の再開は賢明である。福島を教訓に、東京は、安全な原子炉設計と堅実な規制の実施を促進するための指導的役割を再開すべきである。

日本は代替エネルギー開発で世界の指導的立場を占めるべきである。原子力開発はやりたい国がやればいい。

 

東京はイランの核開発などによってもたらされた、海賊行為に対する戦闘、ペルシャ湾の海運業の保護、シーレーンの確保や地域の平和の脅威への対処といった、多国籍の取り組みに積極的に参加すべきである。

TPP交渉への参加だけでなく、このレポートでも説明されているCEESA(包括的経済エネルギー安保協定)の提案のように、 日本はより意欲的かつ包括的な交渉を締結せよ。

同盟国に最大限の可能性を示すためには、日本は韓国との関係を複雑にし続けている歴史問題を直視する必要がある。

これは明らかに間違いである。これは日韓関係を悪化する。米国がこのような考えを持つに至った背景には韓国系アメリカ人の干渉がある。アメリカは原爆投下による虐殺と向き合えるだろうか。否である。


 

東京は、両国間の関係における長期的な戦略的見通しを考察し、根拠のない政治的発言をさけるべきである。三国間の防衛協力を強化するためには、東京とソウルは未決のGSOMIAとACSA防衛協定を締結し、三国間軍事協約を継続していく必要がある。

東京は、地域フォーラムに関わり続け、特にインド、オーストラリア、フィリピンと台湾の民主パートナーと関与し続けていく必要がある。

新しい役割と任務の見直しにおいては、日本は地域の有事における自国の防衛と米国との共同防衛を含めることで責任の範囲を拡大する必要がある。同盟国には、日本の領域をはるかに超えて拡張した、より堅牢で、共有され、相互運用の可能な情報・監視・偵察(ISR) の能力と運用が必要である。

平時から緊張、危機、戦争状態まで、安全保障上のあらゆる事態において、米軍と自衛隊が日本国内で全面協力できるための法制化を、日本側の権限において責任もって行うべき。

ホルムズ海峡を閉鎖するというイランの言葉巧みな意思表示に対して、すぐさま日本はその地域に掃海艇を一方的に派遣すべきである。日本は、航行の自由を保証するために、米国と協力して南シナ海の監視も増やすべきである。

東京は、二国間の、もしくは国家の保安機密と極秘情報を保護するために、防衛省(MOD)の法的能力を強化すべきである。

PKOへのより充実した参加を可能にするためには、平和維持隊が必要に応じては武力で一般人や他の国際平和維持隊を保護することも含め、許容範囲を拡大することが必要である。
 



米日同盟に対する提言

福島の教訓を生かし、東京とワシントンは原子力エネルギー研究と開発協力を再活性化させ、安全な原子炉設計と、堅実な規制の実施を地球規模で促進させるべきである。

安全保障関係の一環として、米国と日本は天然資源同盟国であるべきである。日本と米国は、メタンハイドレートの研究と開発においての協力を強化し、代替エネルギー技術の開発に専念すべきである。

ワシントン、東京、ソウルは歴史問題についてのトラック2会談を増やし、このセンシティヴな問題に歩み寄る方法についての統一見解をもとめるべきである。そして、この会談で得られた提案や助言を施行出来るように、政界と政府のリーダーに提出すべきである。

この試みは、その難しい問題についての相互の交流において、最大限の努力をもって実践すべき規範と原理に基づいて、合意されなければならない。

同盟は中国の再興に対する能力と政策を発展させなければならない。平和で繁栄している中国から同盟が得られるものは非常に多いが、中国の高度経済成長と政治的安定に確実性はない。共同政策と能力には、中国の起こりうる核心的利益の拡大、弾道の変更、そして広範囲において起こりうる将来に対する適応性がなければならない。

ビルマ(ミヤンマー)、カンボジア、ベトナムなどの、特に共同参加が国際人権法と市民社会の推進を促すことの出来る国への、人権における具体的行動計画を打ち出すことは推奨すべき目標である。北朝鮮に関しては、韓国と連携して、非核化と拉致被害者の問題に加えて、食糧安全保障、災害救助、公衆衛生を含む多岐にわたる人道問題に取り組むべきである。

米国と日本は、今日まで上層部からの注目を十分に受けることのなかったエアシーバトルやダイナミックディフェンスなどの概念を、役割分担、任務、能力の協議を経て提携すべきである。新しい役割分担と任務の見直しは、同盟軍、政治的、経済的国力の包括的な組み合わさりと共に、地理的にもより広い範囲を含めることが必要である。

米陸軍と海兵隊は、陸上自衛隊との相互運用性を高め、水陸両用作戦などで機敏であり、展開し易い軍体制の方向に発展していくべきである。

米国と日本は、民間空港の循環活用、トモダチ作戦で得た教訓の分析、水陸両用の軍事力を強化することによって共同訓練の質的向上を図るきである。グァムと北マリアナ諸島、オーストラリアで行われる二国間防衛演習の質を向上させよ。もしくは他国のパートナーと行われる共同訓練機会を最大限に活用すべきである。

米国と日本は、将来兵器の共同開発の機会を増やすべきである。短期的な軍備プログラムは、相互の利益と、作戦上の必要条件を満たす明確なプロジェクトを考慮すべきである。同盟は、共同開発のための長期的な運用必要条件も明確にすべきである。

米国と日本は(おそらく韓国も合同で)、同盟における米国の拡大抑止の信憑性と能力への信頼を確保するために、拡大抑止に関する対話を再活性化するべきである。

米国と日本は研究と一般情報の標準確立を実現化するための、共同サイバーセキュリティーセンターを設立すべきである。



米国への提言

米国は資源ナショナリズムに陥ってはならないし、民間部門のLNG輸出計画を妨げてもならない。危機時には、米国は同盟国にコンスタントで安定したLNGの供給を施すべきである。議会は自動的なエネルギー認可と、日本を他の将来的に見込みのある天然ガス顧客と対等の基盤にのせるために、FTAの必須条件を省く法律改正をおこなうべきである。

TPP交渉のリーダーシップの役割においては、米国は交渉の過程と協定の草案をもっと明らかにするべきである。日本のTPPへの参加は、米国の戦略的目標としてみなされるべきである。

米国は日本と韓国間のセンシティヴな歴史的問題に判断を示すべきではない。

しかしながら、米国は二国間の緊張を緩和し、両国の核心的な国家安全保障利益に注意を向けるための外交努力に全力を尽くすべきである。

在日米軍は日本の防衛に特定の責任を任命されるべきである。米国はより重要な責任と使命感を在日米軍に割り当てる必要がある。

米国は「武器輸出3原則」の緩和を活用し、日本の防衛産業の技術を米国向けさらには豪州などの同盟国向けに輸出促進することを勧奨すべきである。米国は自国の時代おくれで妨害にもなっている対外有償軍事援助(FMS)の過程を見直す必要がある。

米国は、共同研究と技術協力をさらに促進するために、政策中心の日米安全保障協議委員会の構築と共に、科学と技術のフォーラムをより良い方法で統一し、活性化するべきである。また、タイムリーで戦略的な一貫した判断を保証するために、防衛販売の官僚機構を改良し合理化する働きかけが必要である。

米国は大統領指名により、米日同盟円滑化の責任者を命じよ。日本もまた同様の配属を考慮するかもしれない。(以上和訳:原田尚子)

(和訳監修:山崎淑子)

以下私見

 米国は自国の国益を考えつつ、中国を意識した戦略をすすめている。

現在の米国にとって中東の次に気になる国は中国。

 日本には子供に諭すかのような上から目線の憲法改正、TPP参加、自衛隊の共同演習などを勧めている。

 米国が日本をアジア支配の拠点に従っていることは疑いもない。

 問題はその主導権をアメリカが担い、その果実もアメリカが担うこと。日本を盾として利用することで、自国と中国との関係悪化を表向き避けようとしている。

かつてマハティール首相が日本を中心としてた緩やかなアジア連携を構想したがアメリカが反対した。

 アメリカはアジアの安定を謳いながら自国に利益を引き込むことを絶えず考えている。

 中東問題に必要以上に介入するのもそのためであるし、尖閣、竹島問題kら一歩引きながら日本の軍備増強を促すのもそのせいである。

日本が尖閣問題、竹島問題を悪化させることはすでに織り込み済みだったと考えるべきで、竹島に関しては通常であれば韓国側を押さえるはずのアメリカが、今回ばかりは韓国を支持するような態度を示している。また尖閣問題についてももっとはっきりといってもよさそうなものであるが、これも一歩引いている。

これはこの機会を使って日本に様々な要求を飲ませるためである。

その要求が

・TPPへの参加 LNGを輸入させること。日本の資源をアメリカに依存させること。

・集団的自衛権 憲法改正 日本の防衛技術の獲得 

の流れである。

アジアの要である日本をアメリカに取り込み依存させることで、アジア全体を支配管理し、経済的な収益を得ようというのが、アメリカシンクタンクの作戦である。

本来であれば日本はもっと早く東南アジアとの経済協力を独自に進めるべきであった。

また戦略的な要所をしっかりと押さえて既成事実を作っておくべきであった。

ところが司令官たる総理大臣がころころかわり、CIA官僚に振り回され、左翼政治家に引き裂かれて、国防というものをアメリカに依存しきっていた。

日本はいつの間にか政治経済は資本主義、教育は社会主義の国になっていき、国策と言うものが場当たり的なものになり、国家の計画があてにならなくなってきた。

 


日本の防衛技術を評価して欲しがっている。なにかあるのだろう。

 LNGを日本に買わせるというところに一つの目標があり、TPPの強引な参加要請の目的の一つに上げられている。

 日本はまさにアメリカの青写真通りに動いている。日本のTPP参加はアメリカの戦略目標である。

 またナショナリズムが憲法改正や軍事強化を利用することを警戒している。ということは逆に言えば、可能性としてこの機にどれだけまともな国家に戻せるかということである。

 日韓関係については日本が歴史問題を直視することをたびたび提言している。しかしこのアドバイスはいただけない。明らかに誤っている。

 日韓関係の分析が誤っているのかあるいは韓国側の圧力が働いている。

 韓国は必要以上に反日教育を煽っている。日本が歴史問題を直視すれば日韓関係はさらに悪化する。感情的になればよい悪いの問題ではなく日本人はこの件に関してひかないし、問題はこじれるばかりである。

このあおりの背景には中国北朝鮮の反日運動も無関係ではない。必ず諜報活動が行なわれている。日本と韓国が友好的関係を結べば、中国にとってこれほどやっかいな問題はない。また逆に言えば北朝鮮にとって韓国の反日教育に油を注げば日本と韓国は手を結べず、北朝鮮にとっては有利に働く。

 歴史問題はやり始めるときりがない。分かっているから奴らはやめない。

 

 

 


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