バハイ子供教育
Book 4 (小学校4年生用)
(教師用指導書)
アリ・アクバール・フルタン著
まえがき
ブック4は9才の子供を対象にしており、内容は可能な限り簡単になっています。
先生は、授業時間中、次の点を考慮してください。
1) 教育と訓練の基礎は、子供たちの心に神への愛と畏敬をしみ込ませることにあります。バハオラは言っています。
学校では、最初に子供たちを宗教の原則に従って教育しなければならない。そうすることによって、神の書に記録されている約束や恐れが子供たちに禁じられていることを控えさせ、命令というマントで身を飾るようになるであろう。ii
アブドル・バハは、子供教育について述べている書簡の中で次のように語っています。
学校での教育は、宗教の教育から始めなければならない。宗教的修練に続き、子供たちの心を神への愛に結びつけた後、他の分野の学問を教育するべきである。Iii
2) 課題を説明するにあたっては、子供の知的能力、興味、理解力の程度を考慮しなければなりません。
3) 先生が子供たちにトピックを読むことを計画したなら、まず、簡単な言葉で説明するべきです。授業の範囲を超えた説明をつけ加えることは、多くの場合望ましくありません。
4) 先生は次のことを心に留めて、難しい引用文や句、言葉を説明するべきです。
過剰な討議をすることによって生徒たちを問題点から引き離してしまわないように、説明は簡単で要領を得ていることが必要です。それに関連してこんな話があります。一人の少女が本を読んでいると、母親がさえぎって注釈を加えるのです。とうとう、少女は、お母さんが余分なことを言わない方がもっとよく分かると母親に告げました。
先生は難しい言葉を明確にし、正しい文脈にするよう確かめるべきです。例えば、「ライト」という言葉は、方向を指すときもあれば、するべき正しいことを意味するときもあります。
難しい言葉や文を明確にしたなら、先生は次のガイドラインに沿って本の引用文や授業内容の部分を読むようにします。
言葉ははっきりと発音する。
単調さを避けるために、特定の言葉に適当な強調を置く。
文章は、確信をもって読む。
5) 生徒が先生を嫌いになれば、この講座も嫌いになる可能性が強いです。ですから、先生は生徒と思いやりのある関係を築き、授業での興味を増すように努力すべきです。先生は常にアブドル・バハの次の言葉を覚えていなくてはなりません。
子供をたたいたり、けなすことは許されない。というのも、子供の性格は、強打されたり言葉による虐待を受ければ完全にゆがんでしまうからである。Iv
6) 授業の最後に出される「質問と宿題」は、生徒の思考を広げ、授業をよりおもしろくさせるように意図されています。
7) それぞれの授業時間に制限はありません。先生は生徒の反応を見て、生徒の能力を考慮し、必要ならば授業時間を分けてください。
8) 休憩時間中の活動:歌、ゲーム、生徒の出欠、子供の清潔調べは前年と同じです。
授業の基本的構成
各クラスで、子供の授業は、基本的に同じ構成で行われます。子供たちが一定した構成の、親しみやすい環境にいることは役に立ちます。子供たちはすぐにクラスの構成を学び、各部分を楽しみにするようになります。クラスは祈りから始まります。続いて先生と生徒は前の授業で倣ったことを復習します。復習に続いて休憩時間があり、歌、ゲームをしたり、先生は生徒の出欠を取ります。休憩が終わると新しい授業がなされ、普通は簡単な説明とお話があり、ときには学ぶべき引用文や祈りがあります。もし、先生が子供の使う教材を手に入れることができれば、子供たちは授業に関連した絵を描き、色を塗ることができます。クラスは祈りで終わり、次に先生は、家で何か特別な課題をするように最後の指示を与えます。下にあげるのは、これらの授業の各部分に関する詳細な説明です。
1. 始まりの祈りー各授業は始まりの祈りをしてから始めます。一人の生徒か先生が、授業を始める祈りをします。他の生徒も祈りをしたがればしてもかまいません。祈りをすることは奨励すべきだからです。しかし、みんなが同じ祈りを次々と全員が唱える時間ではありません。それはクラスの活動として後でするとよいでしょう。
2. 前回の授業の復習―最初の二つの授業を除いて、各授業は前回の授業で習ったことを復習してから始めます。先生は、習ったことを思い出す機会を与えるために生徒に質問します。
3. 休憩時間:歌、ゲーム、お話、出欠、生徒の清潔調べ。復習した後、子供たちは歌ったり新しい歌を学んだり、ゲームを楽しみます。
歌――子供たちにバハイの歌を教えます。先生がギターやその地域の楽器を弾けるなら、クラスに楽しい雰囲気をもたせられるでしょう。子供たちに聞かせるために楽器を演奏する共同体のメンバーも招待できます。
ゲームーー場所や周りの状況が許すならば、先生は子供たちと簡単なゲームをします。こうすれば、子供たちは退屈しないでしょう。この資料には既に各授業にゲームが取り入れられています。もちろん、子供たちが楽しめる他のゲームがあれば、それを使うことはかまいません。子供たちの年齢や状況にあったゲームを選んで下さい。ゲームは先生の監督下で行います。もし状況がこの目的にあっていなければ、子供たちに休憩を取らせますが、先生は優しく、辛抱強くしっかりと子供たちが好ましい態度を維持するようにします。
お話――子供たちにお話を聞かせます。先生は、積極的で精神的な、道徳性のある、適切で興味深い話があればいつでも子供たちに話して聞かせます。この目的のために共同体の他のメンバーを招待することもできます。時々、テープでおもしろい話を聴かせることもできます。
生徒の出欠――先生は休憩時間を利用して、特別に用意したノートに子供たちの出欠を記録します。先生は子供たちに名前を言われたら出席していることを示すために立つように言います。
1回か2回以上授業に出なかった生徒に気づいたら、他の子や親たちに尋ねたり、可能ならば規則正しく出席するように促します。
子供たちの清潔調べ――休憩時間のもう一つの目的は、生徒全員が清潔に十分気を配っているかどうかを見ることです。もちろんこれは最大限の愛、優しさ、忍耐をもってするべきであり、どの生徒も、ほんのわずかでも清潔さを検査されているかのように感じさせてはなりません。先生は優しく子供たちに近づき、この大切なことを無視している子がいないか調べるようにします。必要ならば、誰と名指ししたりしないで、清潔の重要さと不潔の害を説明し、話し合いを始めることもできます。
4. 新しい授業、お話、暗記――これは授業で教える新しい教材です。それは、子供たちに聞かせるお話かも知れませんし、暗記するお祈りかも知れません。授業の一部で劇を習うものもあります。お話は、子供たちが興味を引くように話すべきです。先生は、話す前に予習しておきます。
5. 絵と色塗り(教材がそろうならば)子供たちは絵を描くこととぬり絵が好きです。これは可能なときはいつでもするようにします。各々の授業に絵が入っています。紙と色を塗る材料が手にはいるならば、先生はぬり絵ができるように絵を用意します。これは、そういったものを寄付したり、買うお金を出せる親やバハイ共同体の援助で実現できるでしょう。
6. 終わりの祈りーー各授業は終わりの祈りで終わらせます。子供たちにお祈りを唱えるように勧めることはよいことです。しかしながら、誰もお祈りを知らなければ、先生がしましょう。また、先生はお祈りが唱えられているときは、どのような態度をとるべきかを優しく思い出させます。子供たちはじっとして、静かに注意深く聞くようにします。
7. その週に対する先生の提案――子供たちが帰る前に、先生は習ったことを思い出させ、家ですることを伝えます。先生は、簡単に習ったことについて考えるように言うこともできるし、聞いた話を家族に話したり、暗記しようとしているお祈りを練習したり、清潔を実行するように言うこともできるでしょう。
以上
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※1 赤字は翻訳では恐れとなっていたが、畏敬とするほうが適切と判断し、変えた。
※2 下線ある部分は非常に重要なので入れた。
教育から宗教を除く今日文明国のあり方は根本が間違っている。
すべての教育の問題はここに起因する。
宗教は人為的に作られたものではなく、その教育と思想は本来人類にとって「自然」なものである。
ただ過去の宗教が堕落し淫祠邪教がはびこり、正邪の判別が出来なくなったからにすぎない。