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山猫狙撃隊

Lictreの趣味の場所

「坂の上の雲」第4回「日清開戦」

2009-12-25 | テレビ番組

 まずはやはり高陞号事件の詳細から。
 東郷が国際法に則って最終的に撃沈命令を出した経緯を表していた。加えて、その後英国人しか助けなかった事についても言及している。この事件でそこは日本にとって痛いところだ。

 山本権兵衛、小村寿太郎らが初登場。石坂浩二の薩摩弁はうまい。いや、俺は薩摩の生まれではないのでよくわからないが、うまいように聞こえる。

 旅順戦での秋山隊の戦闘の模様は、よく撮られていた。敵の位置がずいぶん近いように描写されていたが、あれは心理的描写を映像に表したものと好意的に解釈。ただし、最後に好古が馬を降りて兵員を助けていたのはマイナス点。そんなことより隊全体を指揮しなければ。

 後々重要なポジションとなる乃木希典と伊地知幸介が初登場。乃木の方は司馬遼太郎のイメージよりさらに愚直そうな感じ。日露戦争旅順戦での描かれ方がひどくなりそうだ。

 放映時間を半分過ぎたところでようやく真之登場。先週死亡フラグを立てていた水兵がまた派手に死亡フラグを立てて戦死w 悪いが笑ってしまう。演出過剰だと思うけど、最近はこうしないとだめなのかね?
 その後、死んだ水兵を放置して部下に指示を出すところは良かった。指揮官はこうでなくては。

 森本レオが登場したが、役はなんと役名無しのただの曹長。なんと贅沢な使い方だろう。清での略奪行為を描いていたが、はてこの頃にそういうことがあったのだろうか。少なくとも原作にそのシーンは無い。
 その後に出てきた森鴎外は夏目漱石にしか見えんw

 「日清開戦」が今回のタイトルだが、そのまま終戦。全体的な視点が無く局所戦しかないので、なぜ日本が勝ったのかわからない描写はいまいち。なにしろ戦闘の描写は日本が苦戦しているところばかりだったから、突然日本が勝ったと言われても、みたいな感じ。旅順もそうだ。おそらく、後の日露戦争時の旅順攻略戦を際立たせる演出と、あくまでも主役の3人を描こうという意図の表れであろう。


「坂の上の雲」第3回「国家鳴動」

2009-12-15 | テレビ番組

 正岡と真之の帰郷により、松山から始まった第3話。お囲い池の事件であの警官が再登場。つくづく大変な人だw
 事件は八十九翁がおさめてしまうが、これが最後の出番。伊東四朗が好演していたので早すぎる退場が惜しまれる。その死をフランスで知らせたというエピソードは原作には無かったが、とても良いシーンだった。

 大津事件の紹介はあっさり終わった。主人公達にはあまり関係ないから仕方ないところ。明治天皇が出なかったので、今後も出番は無いのかもしれない。

 清国艦隊が来航し、東郷平八郎が初登場。イメージと違うんだよなぁ。でも思っていたほど悪くは無かった。
 清国艦隊の良いところ、悪いところは真之が述べた通り。付いてきている水兵に死亡フラグが立ちまくっているwww
 それはともかく外国の軍艦に勝手に乗り込むのはいかがなものかと。あのまま射殺されていたとしても文句を言えない。

 陸羯南が初登場。彼の事はよく知らないので佐野史郎が合っているのかどうかはわからないが、明治の人らしい雰囲気は出ていた。ものすごく良い人に見えるけど実際その通りだから仕方ない。正岡の言う通り、彼にとっては大恩人。

 好古が見合い、そして結婚へ。メッケル少佐の「全滅!」はすっかり陸大一期の定番ネタになっているw いや、長岡外史のネタか?
 好古のハゲ頭を楽しみにしてたけど、ハゲなかった。残念。

 東学党の乱から日清戦争への流れはわかりやすく、時間をかけて描写されていて良かった。陸奥と川上によって戦いが拡大したというのが司馬遼太郎の見方で、それがわかりやすく表されている。川上が伊藤の言を蹴って兵員増派するのはこの後、太平洋戦争まで続く悪習の最初だ。派兵を決めた後、内容については総理大臣ですら参謀本部に口出しできないというのが大日本帝国憲法の悪いところ。伊藤博文はもちろん口出しできない。その憲法を作ったのが他ならぬ自分だから尚の事だ。このあたり良い演技で、第3回の一番の名シーンとなっている。特に伊藤博文が凄い。

 山縣有朋、なんか太いんですけど・・・・・・。

 最後は高陞号事件。東郷平八郎が悪者のような描かれ方で終わったけど、これは次回の最初でそうではないという話になるのだろう。その前に東郷が丁提督に万国公法を渡すところが伏線になっている。


「坂の上の雲」第2回「青雲」

2009-12-08 | テレビ番組

 共立学校に入ったばかりだが、大学予備門を受験して合格。好古が「単純明快な生活を体に叩き込め」と言い、それに「はい」と答えるが子規の方は絶対嘘だろうw

 予備門での楽しそうな様子は映像の方が原作に勝る。同窓生で色々出てきた人々は意外と出番が少なくて残念。夏目漱石が本名で出る一方、山田美妙が本名でないところにちょっと違和感。

 陸軍大学校では長岡外史らが初登場。長岡は的場浩司がやっているけど、後にちゃんとプロペラ髭になるのだろうか。なったのを見たらきっと笑う。
 メッケルは登場しただけで何か嬉しい。当時よく日本なんぞに来てくれたと思う。その後の講義の様子もなかなか。メッケルは風格たっぷり。参謀旅行も見たかったが、それは無かったので残念。

 正岡律の出番が多すぎる。この作品に変な恋愛要素はいらん。原作に無い出し方をしているおかげで律の「兄さんをよろしくお願いします」をほっといて真之が海軍兵学校に入り、その事について律にすまないとも思って無さそうな風になってしまっている。
 そっち方面の話は好古と多美とか広瀬とアリアズナとかがあるのだから、わざわざ真之と律の話を作る必要も無いだろうに。
 対して真之の置き手紙を子規が読むあたりはさすが香川照之。名シーンになっていた。こういう方向で感動する話なのだから、しっかりやってほしい。律にはこの後、病床の兄を支えるという重要な役回りがある。余計な話を入れるのは勘弁だ。

 海軍兵学校ではトラファルガー海戦を講義していた。訓練シーンはもっとあるのかと思ったら、メイキングにある程度にしか無かった。だから律のシーンを削って(以下略)。
 広瀬が出てくるあたりが初見。

 好古がフランス留学を拝命する下り、知ってはいるもののハラハラする間の取り方で良かった。文明開化と侍制度の二つがある明治ならではの苦悩が表されている。
 フランスに行ったら行ったで何か楽しそうにしてるけどw 騎兵突撃の場面とか良く撮れている。後の日清・日露戦争では無いだろうから貴重なシーン。

 真之の帰郷では第一話でもいい味を出していた巡査がまた好演技。

 第一話に比べ、ちょっと落ちた感じのする第二話だったが、これで導入部分が終了。来週からは歴史が動き始める。


「坂の上の雲」第1回「少年の国」

2009-12-01 | テレビ番組

のぼっていく坂の上の青い天に
もし一朶の白い雲が輝いているとすれば
それのみを見つめて坂をのぼっていくであろう

 ついに始まった。放映が終わる再来年までは死ねない。

 渡辺謙のナレーションから物語が始まる。明治初頭ということで幕末の後の話をしているのだけど、ついつい「ラストサムライ」が脳裏をよぎってしまう。「侍というものは滅んだのである」とか言われるともうねw
 原作通りの語りで司馬遼太郎節が炸裂。「余談」もあった。

 冒頭の映像は記録映像をまぜてあったけど、静止画はともかく動画の方は明治初頭の物は何も無かったような・・・・・・。

 物語は秋山真之が生まれるところから始まる。そして少年時代。ガキ大将をやりつつもさりげなく後の戦略家の片鱗を見せるあたりニクイ演出。
 秋山兄弟の父は公私のけじめがついた人で、飄々とした人柄を伊東四朗が好演していた。役所にて好古とのやりとりと正座ジャンプは前半の見所。

 真之が上京した新橋のシーンには圧倒される。冒頭の資料映像はイマイチだったが、劇中での時代考証はしっかりなされているようだ。風景や服装、小物等を眺めているだけでも楽しい。
 これに前後して真之は本木雅弘、好古は阿部寛に役者が変わる。好古の騎馬姿は格好いいの一言。佐久間多美とのやりとりは「はいからさんが通る」みたいで司馬遼太郎っぽくなかった。

 後半の見所はまさかの高橋是清。西田敏行はやっぱり凄い。漫画「日露戦争物語」っぽくもあったけど、当時の日本の状況をあまり暗くならずに説明していた。イギリス人に痛めつけられていた商人は蛭子能収。いじめられる役が似合うなー。もっとも、横暴にあって甲冑を奪われるというより、ギャンブルで負けて差し押さえられるシーンに見えなくもないw

 最後に軍艦筑紫の引き渡しのシーン。セットとCGの合わせ技だろうけど、いい出来だった。これなら後の海戦のシーンが楽しみだ。

 いまのところ期待通りの出来映え。主人公は3人だけど、真の主人公は明治日本。それを充分に感じさせてくれる始まりだった。サブタイトルの「少年の国」とは日本がまだ少年のような、成長途上の国家であるという意味なのだろう。これから坂を駆け上がっていく昂揚感を俺も感じたい。