象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

ガロアの最終論文(#3)〜ガロア群を作る(第1節)

2024年03月20日 16時47分15秒 | エヴァリスト・ガロア

 第1節に入る前に、「序章」で紹介した群の基本定理の3つは以降でも述べるので省略し、これまでの3話で紹介した4つ補題を簡単に振り返ります。

 [補題1]は”有理多項式と既約多項式が共通根を持てば、有理多項式は既約多項式で割り切れる”は、多項式を整数に置き換えれば明らかである。[補題2]の”重根を持たない方程式の根をa,b,c,…とすると、根の置換によりV=Aa+Bb+Cc⋯の様な根の有理式Vを作る事が出来る”は、仮にV=a+2b+3c…とすれば、あらゆる根の置換でVの値が変わるのは明白である。
 ”弱い単拡大定理”とされる[補題3]は”式Vを[補2]の条件に合う様に作れば、与えられた方程式の全ての根はVの有理式で表せる”というものだが、実際、V=φ(a,b,c,…)とすれば、この式は、b,c,d…についての対称式であり、結果、F(V,a)=0を得る。ガロアはラグランジュの手法ではなく、F(V,b)=0と仮定し、φ(a,…)=φ(b,…)と導き、重根の仮定に反するとの背理法で証明した。つまり、”根aはVの有理式で表せる”とガロアは主張したが、厳密には”根aは多項式で表される”が正解である。
 この”有理式の多項式化”を[分母の有理化]を使って長々と説明したが、判ってる人は飛ばしても構わない。

 最後に[補題4]だが、”Vを根とする既約方程式の根をV,V₁,V₂,…とすると、a=f(V)が与えられた方程式の根の1つならば、f(V₁)もまた与えられた方程式の根の1つである”というものだが、ガロアの説明と証明は正直解り難い。事実、[補3]の結果と[補1]を使えばアッサリと証明できる。
 元の方程式f(x)=0に、その根であるa=θ(V)を代入し、f(θ(V))=0となるが、Vを変数xに変えた式f(θ(x))とVの最小多項式g(x)を比較する。x→Vとすると、f(θ(V))=g(V)=0となり、2つの式は根Vを共有。g(x)は既約多項式により[補1]からf(θ(x))はg(x)で割り切れる。
 更に[補3]の結果から、g(x)の根V,V₁,V₂,…は全てf(θ(x))の根になり、f(θ(V))=f(θ(V₁))=f(θ(V₂))=⋯=0となる。故に、θ(V),θ(V₁),θ(V₂),…は全てf(x)の根になる事が証明できる。
 ここでVの最小多項式g(x)こそが”ガロア分解式”となり、この式に(に=0をつけた)”ガロア(分解)方程式”は全ての根が任意の根の多項式で表され、元の方程式の根もガロア方程式の任意の根の多項式で表される。
 故に、元の方程式f(x)の係数体をK、Vの共役(係数の入替え)をV₁,V₂,…とすると、K(a,b,c,…)=K(V)=K(V₁)=K(V₂)=⋯となり、ガロア方程式がべき根で解ける事と元の方程式がべき根で解ける事は同値となる。

 そこで、f(x)=0は係数体K上では既約だが、Kにa,b,c,…を添加した体K(a,b,c,…)では可約となり、1次式にまで分解される。この時、K(a,b,c,…)を”ガロア分解体”と呼んだ。
 ここで、[補3]よりK(V)=K(a,b,c,…)を得て、VのK上の最小多項式をg(x)とすると、g(x)=0もf(x)=0もK上で既約であり、ガロア分解体K(a,b,c,…)=K(V)上で1次式にまで因数分解される。更に、g(x)=0の根をV,V₁,V₂,…とし、a=θ(V)とすれば、[補4]により、θ(V),θ(V₁),θ(V₂),…も全てf(x)=0の根a,b,c,…となる。
 これは、”ガロア方程式g(x)=0が解ければ、元の方程式f(x)=0が解ける”事を意味する。
 そこで、f(x)=0の根a,b,c,…のあらゆる置換で異なる有理式Vを、その(複素)共役であるV₁,V₂,…に置換する操作として、ガロア群を定義した。
 一方、ガロア分解式(多項式)の仕組みとして、V=φ(a,b,c,…)でa,b,c,…のあらゆる置換を施す値は異なる。故に、f(x)=0がn次方程式の場合、Vはn!個の値を取る。それらの値をV,V₁,V₂,V₃,…とすると、ガロアはまずg(x)を求めるには、(x−V)(x−V₁)(x−V₂)…という多項式(分解式)を考えた。つまり、この式の中のVを含む既約成分がg(x)となる。
 仮に、元の方程式f(x)=0が一般の方程式なら、上の式全体が既約となり、上の式全体がg(x)となる。一方で、一般の方程式でないなら、上の式が可約となる可能性があり、Vを含む既約成分がg(x)となる。この時、g(x)の次数はn!よりも小さくなる(実例2)。
 故に、”根a,b,c,…の全ての置換は対称群となるが、ガロア群はその部分群に過ぎない”とは、そういう意味である。
 ここら辺は少し判りづらいが、故に前回「#2」では、具体例を3つ挙げて検証した。

 少し長くなりましたが、3話までの簡単なおさらいでした。 


第3章〜ガロア群を作ってみる

 ガロアは序章に続き、この第1節(定理1)では”ガロア群”の定義を説明している。
 [定理1]”m個の根a,b,c,…を持つ方程式が与えられたとして、以下の性質を満たすa,b,c,…の順列の群が存在する。
 (1)この群の置換により不変な根の有理式は全て、有理的に既知である。(2)逆に、有理的に決定しうる根の有理式は全て、これらの置換で不変である。因みに、代数方程式の場合、この群はm個の可能な順列に他ならない。つまり、対称式だけが有理的に決定されるからである”

 この”有理的に既知”とか”有理的に決定しうる”とかは、体という言葉を使えば”その体の元”を意味するが、この場合で問題になるのは、方程式の係数体K(基礎体)である。

 そこで、体という言葉を使い、ガロア群の定義を言い換えると、”(1)ガロア群の置換で不変→基礎体Kの元(2)”基礎体Kの元→ガロア群の置換で不変”「定理A」となり、2つの簡単明快な性質を持つ。
 次にガロアは、ガロア群の作り方を以下の様に述べている。
 ”どんな方程式を与えられても、次の性質を持つ根の有理式Vを見つける事が出来る。つまり、方程式の全ての根を有理式で表す事が出来る。そこで、この様に定めたVを根とする既約方程式を考える。[補題3]と[補題4]でやった様に、V,V’,V’’,…,V⁽ⁿ⁻¹⁾をこの方程式の根とする。更に、φV,φ₁V,φ₂V,⋯,φₘ₋₁Vを与えられた方程式の根とする。
 ここで、次の様なn個の順列を考える。
 V=φV,φ₁V,⋯,φₘ₋₁V, 
 V’=φV’,φ₁V’,⋯,φₘ₋₁V’,
 V’’=φV’’,φ₁V’’,⋯,φₘ₋₁V’’,
 … =   ………
 V⁽ⁿ⁻¹⁾=φV⁽ⁿ⁻¹⁾,φ₁V⁽ⁿ⁻¹⁾,⋯,φₘ₋₁V⁽ⁿ⁻¹⁾
と書くと、順列のこの群が「定理A」で述べた性質を満足する事が言える”
 

 そこで実際に3つの例を上げて、ガロア群を作る。まず、x²+2x+3=0(例1)では、この2根はa=ー1+√2,b=ー1ー√2で、V=a+2bとするとV=ー3ー√2i、V₁=b+2a=ー3+√2iとなり、V₁はVの共役になってるのが判る。更に、a=θ(V)=ーVー4よりθ(V₁)=bを得て、b=θ₁(V)=V+2よりθ₁(V₁)=aを得る。
 そこで、V:θ(V)=a, θ₁(V)=b、V₁:θ(V₁)=b, θ₁(V₁)=aとしてガロア群を作ると、(1,2)→(1,2)と(1,2)→(2,1)の2つの置換が書け、置換表記では、単位置換εと3を固定した(1,2)の互換となる。

 次に、x³+6x−3=0(例2)では、3根はa=s²−s,b=ωs²−ω²s,c=ω²s²−ωsとなる。ラグランジュの分解式(V=a+ωb+ω²c)を使えば、前回「#2」でも示した様に、Vの共役はV₄とV₅のみだったので、それぞれV₁とV₂とすると、V=a+ωb+ω²c=−3s、V₁=b+ωc+ω²a=−3ω²s、V₂=c+ωa+ω²b=−3ωsとなる。
 故に、aをVで表す式θを求め、それにV₁,V₂を代入すれば、θ(V)=V²/9+V/3=(−3s)²/9+(−3s)/3=s²−s³=aを得て、θ(V₁)=V₁²/9+V₁/3=(−3ω²s)²/9+(−3ω²s)/3=ωs²−ω²s=b、θ(V₂)=V₂²/9+V₂/3=(−3ωs)²/9+(−3ωs)/3=ω²s²−ωs=cとなる。
 同様に、bをVで表す式θ₁は、θ₁(V)=ωV²/9+ω²V/3=ω(−3s)²/9+ω²(−3s)/3=ωs²−ω²s=bを得て、θ₁(V₁)=ωV₁²/9+ω²V₁/3=ω(−3ω²s)²/9+ω²(−3ω²s)/3=ω²s²−ωs=c、θ₁(V₂)=ωV₂²/9+ω²V₂/3=ω(−3ωs)²/9+ω²(−3ωs)/3=s²−s=aとなる。
 以下同様に、cをVで表す式θ₂(V)=cを得て、θ₂(V₁)=a、θ₂(V₂)=bとなる。
 ここで、V:θ(V)=a,θ₁(V)=b,θ₂(V)=c、V₁:θ(V₁)=b,θ₁(V₁)=c,θ₂(V₁)=a、V₂:θ(V₂)=c,θ₁(V₂)=a,θ₂(V₂)=bとしてガロア群を作ると、(123)→(123)と(123)→(231)と(123)→(312)となり、ε,(123),(132)の3つの置換が書ける。但し、(123),(132)はそれぞれ右左巡回置換となる。
 ここで3次対称群の元は3!=6個なので、この群の元は半分の3つとなる。

 最後にx³+3x−2=0(例3)だが、この3次方程式の3根は、a=s+t,b=ωs+ω²t,c=ω²s+ωt,但しs=√(1+√2),t=√(1−√2)とでき、Vの共役はV==3t、V₁=3s、V₂=3ωs、V₃=3ω²t、V₄=3ωt、V₅=3ω²sとなる。
 同様に、V:θ(V)=a,θ₁(V)=b,θ₂(V)=c、V₁:θ(V₁)=a,θ₁(V₁)=c,θ₂(V₁)=b、V₂:θ(V₂)=b,θ₁(V₂)=a,θ₂(V₂)=c、
V₃:θ(V₃)=b,θ₃(V₃)=c,θ₃(V₃)=a、V₄:θ(V₄)=c,θ₄(V₄)=a,θ₄(V₄)=b、V₅:θ(V₅)=c,θ₅(V₅)=b,θ₅(V₅)=a、としてガロア群を作ると、(123)→(123),(123)→(132),(123)→(213),(123)→(231),(123)→(312)と(123)→(321)となり、ε,(23),(12),(123),(132),(13)と6つの置換が書け、これは3次対称群S₃そのものである。但し、(23),(12),(13)はそれぞれ1,3,2を固定した互換(長さ2の巡回置換)となる。
 これは、3次方程式のガロア群は3次対称群の部分群より、ガロア方程式の次数が6と判った時点で、複雑な計算をせずともガロア群が3次対称群である事が判るのだ。

 そこでもう一度、ガロア群の定義(「定理A」)を振り返るが、”①ガロア群の置換で不変→基礎体Kの元②基礎体Kの元→ガロア群の置換で不変”であった。
 一般の(既約)方程式の場合、(根の間に特別な関係はなく)ガロア群は対称群となり、ガロア方程式の次数はn!になるので、ガロア群はn次対称群Sₙである。また、ガロア群のあらゆる置換で不変となり、全ての置換で不変であり、根の対称式を意味する。
 故に、根の対称式は元の方程式の係数の有理式で表される。従って、基礎体Kの元であり、①を満たす。
 一方で、基礎体Kは方程式の係数体であり、その元は方程式の係数の四則演算で表される数であり、これら全ては根の対称式となり、あらゆる置換で不変である。よって②が満たされる。
 

第4章~円周等分方程式のガロア群

 「その18」でも少し述べたが、一般の既約方程式でも、体の拡大により可約になる例をガロアは挙げている。事実、1の累乗根を求める方程式について、以下の様に追記している。
 ”方程式:(xⁿ−1)/(x−1)=0の場合、gを原始根として、a=r,b=r^g,c=r^g²,…とすれば、群は次の様に簡単になる。
 a,b,c,d,…,k
 b,c,d,…,k,a
 c,d,…,k,a,b
  ……
 k,a,b,c,…,i
  この特別な場合では、順列の個数は方程式の次数に等しい。そして同じ事は、全ての根が互いに他の根の有理式で表される方程式の場合に成り立つ”
 

 1でない1の累乗根を求める方程式を”円周等分方程式”と呼ぶが、1のn乗根はn回掛けて1になる複素数だが、この1のn乗根を求める場合、nは奇素数に限定できる。これはn=pqの時、pとqで解ければpqも解けるからだ。
 そこで簡単の為に、n=7の円周等分方程式を考える。(x⁷−1)/(x−1)=x⁶+x+⋯+x+1=0の根のうち、偏角θが最も小さい解をα=cos(2π/7)+isin(2π/7)として、6つの根を複素平面上に順に並べると、α→α²→α³→α⁴→α⁵→α⁶→1と最後にx=1の実根に達し、円周を7等分するのが判る。この様なαを1の”原始累乗根”と呼び、原始n乗根はζₙ=cos(2π/n)+isin(2π/n)で表される。この解をαとすると、αᵏ=cos(2kπ/n)+isin(2kπ/n)、k=1,2,…となる。

 一方で、n=7の円周等分方程式の係数体Kは有理数体Qで、αの共役は(αのべき乗は複素共役になるので)α²,α³,α⁴,α⁵,α⁶である。
 そこで、α⁷=1に注意し、(α²)⁴=α⁸=α、(α³)⁵=α¹⁵=α、(α⁴)²=α⁸=α、(α⁵)³=α¹⁵=α、(α⁶)⁶=α³⁶=αとなるので、K(α)=K(α²)=K(α³)=K(α⁴)=K(α⁵)=K(α⁶)となる。[補題4]より、これはαが有理式Vに相当し、元の方程式(x⁶+x+…+x+1=0)がガロア方程式と一致する。またこの事は、α,α²,α³,α⁴,α⁵,α⁶が全て1の原始7乗根になる事を意味する。

 つまり、円周等分方程式はガロア方程式が元の方程式と一致する稀有な例でもある。
 そこで、このガロア群を作ってみる。
 α,α²,α³,α⁴,α⁵,α⁶
 α²,(α²)²=α⁴,(α²)³=α⁶,(α²)⁴=α,(α²)⁵=α³,(α²)⁶=α⁵ 
 α³,(α³)²=α⁶,(α³)³=α²,(α³)⁴=α⁵,(α³)⁵=α,(α³)⁶=α⁴
 α⁴,(α⁴)²=α,(α⁴)³=α⁵,(α⁴)⁴=α,(α⁴)⁵=α⁶,(α⁴)⁶=α³
 α⁵,(α⁵)²=α³,(α⁵)³=α,(α⁵)⁴=α⁶,(α⁵)⁵=α⁴,(α⁵)⁶=α²
 α⁶,(α⁶)²=α⁵,(α⁶)³=α⁴,(α⁶)⁴=α³,(α⁶)⁵=α²,(α⁶)⁶=α
 となり、置換の並びがややこしくなるので指数だけを並べてみる。
 1,2,3,4,5,6
 2,4,6,1,3,5
 3,6,2,5,1,4
 4,1,5,2,6,3
 5,3,1,6,4,2
 6,5,4,3,2,1
 これだと、どんな置換か判らないので、最初の行と列を1,3,2,6,4,5に置き換える。2行目以下の列の数はそれぞれ1→3→2→6→4→5に対応するので、次の様な置換を得る。
 1,3,2,6,4,5
 3,2,6,4,5,1
 2,6,4,5,1,3
 6,4,5,1,3,2
 4,5,1,3,2,6
 5,1,3,2,6,4
 すると、この表の横も縦も、それらの数の並びは1,3,2,6,4,5の繰返しになるのが判る。

 そこで、1=a,3=b,2=c,6=d,4=e,5=fと置き換えると、以下の様に、ガロアが実際に上で書いた表となる。
 a,b,c,d,e,f………置換①
 b,c,d,e,f,a………置換②
 c,d,e,f,a,b………置換③
 d,e,f,a,b,c………置換④
 e,f,a,b,c,d………置換⑤
 f,a,b,c,d,e………置換⑥
 ここで、なぜこんな”巡回”が起きるかと言うと、実は1,3,2,6,4,5という順序にあり、これは3の累乗を7で割れば出てくる数字である。 
 事実、3¹≡3,3²≡9≡2,3³≡2×3≡6,3⁴≡2×2≡4,3⁵≡2×6≡5,3⁶≡5×3≡1となる。
 この様に、累乗すれば全ての元が出る数を”原始根”と呼び。特に上の場合、”3は7を法(mod)とする原始根”となる。

 ここで、置換①は単位置換より、置換②をτ(タウ)=(a,b,c,d,e,f→b,c,d,e,f,a)と書くと、置換③はτを2度繰り返した形となるので
τ²=(a,b,c,d,e,f→b,c,d,e,f,a)²=(a,b,c,d,e,f→c,d,e,f,a,b)→置換③、以下同様に
τ³=(a,b,c,d,e,f→b,c,d,e,f,a)³=(a,b,c,d,e,f→d,e,f,a,b,c)→置換④、
τ⁴=(a,b,c,d,e,f→b,c,d,e,f,a)⁴=(a,b,c,d,e,f→e,f,a,b,c,d)→置換⑤、
τ⁵=(a,b,c,d,e,f→b,c,d,e,f,a)⁵=(a,b,c,d,e,f→f,a,b,c,d,e)→置換⑥、
τ⁶=(a,b,c,d,e,f→b,c,d,e,f,a)⁶=(a,b,c,d,e,f→a,b,c,d,e,f)→単位置換ε、と表せる。
 つまり、この元の要素は{τ,τ²,τ³,τ⁴,τ⁵,τ⁶=ε}の様に、τの要素だけで表される。これは、群の中で最も単純な構造を持つ巡回群となる。
 ガロアはこうして、円周等分方程式のガロア群が巡回群である事を見抜き、この方程式がべき根で解ける事をガロア群で説明できる。つまり、ガロアはガウスの発見と手法を完全に手中に収めていたのだ。

 途中、少し判り辛い所がありましたが、一般の方程式の時、ガロア方程式の次数はn!になるのでガロア群はn次対称群Sₙになる事と、円周等分方程式のガロア群が巡回群である事が理解できれば、宜しいかと思います。
 長くなりすぎたので、今回はこれでお終いです。次回「#4」ではいよいよガロア理論の核心部である”正規部分群”の発見に迫ります。



コメントを投稿