象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

”逃亡者”トランプの亡命のシナリオ〜この老いぼれは、一体どこへ向おうとしてるのか?

2021年01月22日 04時57分37秒 | 芸能&三面記事

 前途多難のアメリカを物語る様な、ハイデン新大統領の就任式でもあった。
 新しいアメリカというより”老いたアメリカ”を目の前で見せつけられた感じがした。
 レディ・ガガもジェニファー・ロペスも”老いたセレブ”に過ぎなかった。議会で暴動を引き興したトランプ支持者ほど不必要でもなかったが、無用である事には何ら変わりはなかった。

 しかしなぜ?世界一のコロナ感染を誇るアメリカの、たとえお目出度いイベントだとしても、招かれたゲストたちはマスクを外して、大声で歌い、演説し、堂々とハグをするのか。
 野外で、しかも限られた参列者の中で行われたとはいえ、議会暴動ほどではないにしても、非常に無神経で危険な事ではないだろうか。
 トランプ前大統領は大勢の前でマスクを外して演説し、”コロナなんて敵じゃない”と自らを鼓舞したが、民主党や医療関係者からは多くの批判を受けた。
 コロナ対策の大失態がトランプ敗北の一刺しとなった事を考えると、特にハイデン新大統領には、マスクをして演説してほしかった。
 世界一の大イベントに、そのくらいの配慮は最低限示してほしかった。

 その上、レディ・ガガとジェニファー・ロペスの厚塗りメイクには、グロテスクに変異したアメリカ民主主義の未来予想図を具現してるかのようでもあった。


苦し紛れのメッセージ

 トランプ大統領は19日、20日の退任を前にビデオメッセージを発表した。
 ホワイトハウスが公表したこのメッセージでは、トランプは”今週、新政権が発足する。新政権の下で米国の安全と繁栄が維持される事を祈る。しかし、新政権に権限を移譲するに当たり、我々が始めた動きはまだ始まったばかりだという事を知っておいてほしい”とあった。
 一方で、大統領就任式を欠席したトランプは、ワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地に集まった支持者らを前に演説し、”皆さんの大統領でいられた事とは最高の栄誉だった”と述べた上で、”私は何らかの形で再び戻ってくる。近いうちに会おう”と語り、退任後も政治活動に関わっていく意向を示唆した。

 この時期に及んで、極右過激白人の暴動を再び扇動するかの様な含みのある発言だが、”身内”が暴動を繰り返す度に、トランプ自身を窮地に追い詰めるのは、明白過ぎる現実でもある。
 それでも、トランプ支持のアメリカ国民は30%を超え、共和党支持層の中でも7割を超えるとされる。
 因みに、20日に就任するバイデンの支持率は67%で、4年前の同時期のトランプの40%を大きく超えるが、オバマ(2009年、80%)、ブッシュ(01年、72%)、クリントン(1993年、81%)と比べると低い水準だ。
 一方、トランプの支持者が議会を襲撃した事件について、”トランプに責任がある”と答えたのは71%だったが、”責任は全くない”と答えた人も28%いた(朝日デジタル)。

 
トランプはどこへ向かうのか?

 徹底抗戦の構えを崩さなかったトランプだが、身内の暴動により大きく舵を切った形となった。
 元々、トランプの強気な発言の裏には逮捕を恐れ、恩赦に縋ろうと画策する一面が見え隠れしていた。しかし大統領退任を認めた今、“前大統領”のトランプに待ち受けているのは地獄か?逃亡か?赦しか?それとも・・・
 以下、「トランプ退任後に逮捕&亡命の可能性」から一部抜粋です。昨年11月の古い記事ですが、結構いいトコついてると思います。

 2016年の大統領選を舞台にした「ロシアゲート事件」では、トランプにロシアとの共謀や捜査妨害の疑いがかけられた。
 捜査を指揮したモラー元特別検察官は、昨年7月の下院の公聴会に臨み、”現職の大統領は訴追できない”という司法省の方針を挙げつつも、”トランプが退任後に訴追される事はあり得る”との認識を示した。
 これ以外にも、脱税や保険詐欺に、更にはポルノ女優との不倫の口止め料に選挙資金を流用した疑いなど、トランプの疑惑は枚挙にいとまがない。
 “敗北”を口にした瞬間、逮捕や訴追が現実のものとなる事は、本人も理解しているのだろう。Twitter上では、かねてから”私は自分自身に恩赦を与える絶対的な権利を有してる”と豪語してきたが、今ではそのTwitterのアカウントすらも消されている。
 ”我々が始めた動きはまだ始まったばかりだ”との発言は、自らを恩赦するという策略を物語ってるようでもある。

 自らに恩赦を与えるのは前代未聞で、流石に非現実的とも思えるが、元ワシントン支局長の春名氏によれば、”想定できるのは、トランプが残された2カ月半の任期を破棄して大統領を辞任し、代わって大統領となったペンス副大統領に恩赦を与えてもらう事です。異例の措置だが、アメリカでは72年に起きた<ウォーターゲート事件>の前例があります”
 当時、民主党本部が入っていたウォーターゲートビルに、5人の男が盗聴器を仕掛けようとして逮捕され、ニクソン大統領ら政権中枢の関与が取り沙汰された。結局、ニクソンは辞任し、フォード副大統領が大統領に昇格。フォードは74年9月ニクソンに対し、在任期間中のあらゆる罪について<恩赦>を与えると宣言した。
 しかし、この前代未聞の再現は今や、全くの不可能となってしまった。


トランプ最後の抵抗

 そこで唯一残るウルトラCは、バイデンが新大統領となり、トランプを恩赦するケースだ。
 ”バイデンが勝利したとしても、ホワイトハウスを去ったトランプが訴追や逮捕の憂き目に遭えば、狂信的な支持者による暴動が起きる危険性は否定できない。そうした混乱を避ける為に、バイデンがトランプを恩赦する選択肢は残されてはいる。尤も民主党左派や支持者が黙っていないと思うので、難しい判断になるが……”(春名氏)
 今回の大統領選は、いわば”トランプ信任投票”の様相を呈していた。その存在を忌み嫌う民主党支持者にしてみれば、敵に塩を送る事など論外中の論外であろう。
 事実、この最後の頼みのウルトラCも身内が暴動を興した事で、殆ど可能性がゼロになってしまった。
 ”我々が始めた動きはまだ始まったばかりだ”が、トランプの最後の抵抗は終焉に向いつつあるのも事実だろう。

 トランプは今後の裁判費用を捻出する為に、62億円の献金を呼びかけているが、それ以外にも巨額の借金を抱えている。
 NYタイムズ紙(9/27)によると、総額4億2100万ドル(約442億円)もの負債を個人で保証し、その大半は4年以内に支払期限を迎えるという。
 この八方塞がりの状況下で、まことしやかに囁かれているのが“亡命説”である。
 実際にトランプ本人も選挙集会で、”バイデンに負けたら、国を出るしかないかもな”と漏らしていた。犯罪人引渡条約のない国に逃げる事も考えているのではないか”(春名氏)

 他方、アメリカ政治に詳しい上智大学前嶋教授は、今後のトランプ氏の動向についてこう語る。
 ”バイデンが政権を握っても、トランプに報復できるほど安泰ではない。もし訴追となれば、国内の対立が激化し、むしろ共和党が優位になりかねない。一方トランプには、選挙後に保守系のTVチャンネルを立ち上げるという情報もある。番組で第2、第3のトランプを誕生させ、院政を敷く狙いがあると考えられます”

 たとえ地獄に堕ちそうでも、この老いぼれの権力への執着は、些かも衰えないようでもある。
 以上、週刊新潮(11/19)からでした。


チキンハート

 米下院民主党は11日、トランプ大統領の罷免を要求する弾劾決議案を提出し、13日に審議され、賛成多数(232/197)で可決した。
 しかし、弾劾裁判が行われる上院での罷免には3分の2の賛成が必要で、実現はほぼ困難だ。だが、民主党は上院の過半数の賛成で足りるトランプの”公職追放”を狙ってると見られ、トランプの窮地は一段と深まった。
 トランプの言う”我々が始めた動き”の1つでもある、2024年の次期大統領選の野望を阻止する狙いである事は、明白でもある。

 トランプは支持者の暴動の様を30分以上もTVに釘付けで見入ってたという。彼らの議会襲撃には傍観者に留まり、暴力を止める対策を全く取らなかった。
 1時間後、娘のイバンカや側近らに説得され、”我々は法と秩序を重んじている。暴力の停止を”との強いメッセージを送った。
 州兵動員で軍部と協議したのはペンス副大統領だった。彼は議事堂内の“秘密の場所”から軍部に指示したとされる。
 結局、暴動を鎮圧したのはトランプ前大統領ではなく、ペンス前副大統領だったのだ。
 そのペンスが今回、危機的な状況の中で的確な対応を示した事で同氏の評価が上がる一方、トランプは身内の相次ぐ造反もあり、共和党内の立場も複雑になってきた。

 トランプが新大統領の就任式に参加しないのは、アメリカが一番嫌う卑怯者の象徴の姿である。”チキンハート”という言葉は今やトランプの為にある。
 しかし、このチキンハートを苦し紛れに選んだのは、紛れもなくアメリカ国民である。

 アメリカの分断よりもずっと恐ろしいのは、こうした腐った老いぼれでも大国のリーダーになれた事だ。アメリカの分断を決定的にした罪だけでも、トランプは断崖に相当する筈だろう。
 その上、陰謀論をTwitter上で撒き散らし、極右過激白人を扇動し、アメリカが一番嫌うテロリスト型暴動を引き起こさせた。
 実際に支持者が暴動を起こすと、ネズミみたいに部屋に逃げ込み、様子を覗う。こんな臆病者で小心者のクズが、アメリカを4年間も支配してたのだ。プラトンが一番嫌う僭主のタイプだろう。


最後に〜”逃亡者”トランプ

 そんなトランプがなぜ大統領になれたのか?は、様々なサイトやコラムで書かれてるから更々説明する気はないが。腐った大国には腐った老いぼれが必要?だったのだろう。
 トランプには、亡命も逃亡も適切ではない。弾劾いや極刑という選択肢も考えるべきだろうか。暴動を故意に引き起こし、5人の犠牲者を出した罪は、例え大統領であったとしても簡単に消せる筈もない。
 そして、トランプの最大の”ユージン”で、同じ”逃亡中”のアベも、最低限でも公職追放にすべきだろう。犯罪者が議会の中で彷徨いてもらっても困るのだ。

 映画「逃亡者」(1993)では、リチャード・キンブルが追跡者を最後には振り切り、自分を罠にはめた黒幕を逆に吊るし挙げる。
 しかし、ドナルド・トランプという逃亡者を罠にはめたのが、自らが扇動した支持者の暴力だったとしたら?
 暴力は人が思うよりも高くつく。そしてトランプ帝国は、自ら生み出した陰謀説により崩壊した形となった。
 陰謀説には逆説(パラドクス)はない。あるのは矛盾だけである。

 結局、トランプの矛盾はアメリカの、アメリカ民主主義の矛盾でもある。
 そして、この2つのグロテスクなお化けは、一体どこへ向かおうとしてるのだろうか?



12 コメント

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選挙区の矛盾と民主主義の限界 (paulkuroneko)
2021-01-22 11:27:57
アメリカ建国の父・トマスジェファーソンのときから既に選挙区(の割当て)は矛盾があったんですね。
どんなに割り当て方を工夫しても、有権者の多い都市部が有利になります。過疎地域は議員割当てが目減りし、地方の声は中央には届きません。その上、議員の資質の格差も広がりますから。

トランプ前大統領はこうした白人貧困地区のスキを付き、彼らをうまく扇動し、当選を果たしました。
都市部には富裕層のリベラル派が多いので民主党が有利になり、投票では必然的に共和党は不利になります。
そんな中、互角以上に渡り合ったトランプは一見大健闘とも思えますが、苦し紛れに不正を行ってたのは民主党ではなく共和党みたいですね。

戦後はアメリカも裕福で、都市部と地方の格差が少なかったので、選挙の矛盾はそれ程に目立たなかったんですが。ここまで格差が広がると、矛盾も大きく露呈します。
そんな中で生まれたのがトランプという頭のイカれた扇動家でした。バイデンになったとしても、最悪の最悪は免れた感じもしますが、アメリカ民主主義の変異と矛盾と分断はそのまま引き継がれるでしょうね。
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paulさん (象が転んだ)
2021-01-22 12:20:15
毎回貴重なコメントありがとうございます。
トランプもごく普通のまともな人間であれば、貧困白人を救った歴史の残る大統領として名を刻んだんでしょうが。
哀しいかな、単なる叩き上げのマヌケなブローカー上がりでした。それにコロナ対策さえ普通にやってれば、確実に再選できた筈です。
普通に考えても、トランプはアホな生き物でした。戦争と民主主義が両立する筈もないんですが、歪んでしまうのも当然ですよね。
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アメリカの国歌って (tomas)
2021-01-22 15:02:48
米英戦争に打ち勝ったのを讃えた詩なんですよね。
だからアメリカの民主主義も自由も正義も、戦争が元になってるんですよ。
自分を家族を国歌を守るためには、暴力をも辞さないというのが第一の理念なんです。

トランプ支持者が米議会を暴力で突破したシーンは、歌詞の中の
<我々は誇り高く声高に叫ぶ
危難の中、城壁の上に
雄々しく翻(ひるがえ)る
太き縞に輝く星々を我々は目にした>
とソックリですよね。

つまり、アメリカの正義や民主主義や自由は、戦争に勝つための手段に過ぎないんですよ。
でも今回のレディガガの<星条旗よ永遠なれ>は、心にはまったく響かなかったですね。
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マクヘンリー砦の防衛と星条旗 (UNICORN)
2021-01-22 16:35:40
1814年の米英戦争で序盤優勢にあったイギリス軍は、首都ワシントンD.C.を陥落させ、さらにボルティモア港のマクヘンリー砦を包囲します。
しかし、アメリカ軍は25時間にも及ぶ1500発以上の砲弾にも耐え、マクヘンリー砦の上には特大のアメリカの星条旗が翻っていました。
この星条旗を目にしたフランシス・スコットは、集中砲火を耐え抜いた国旗を讃える詩「マクヘンリー砦の防衛」を書き上げます。

それ以前は、イギリス国歌のメロディにアメリカの歌詞をつけた「マイカントリー」がアメリカ国歌(愛歌)として歌われてました。
当時は「アメリカ」と訳され、現在のアメリカ国歌「星条旗」が1931年に正式な国歌になるまでは、事実上の国歌として位置付けられてました。

でも歌詞だけを見ると、この方がアメリカの民主主義と自由を謳ってるように思えるのですが。
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tomasさん (象が転んだ)
2021-01-22 17:24:27
”星条旗よ永遠なれ”は幻想に過ぎなかったんですよ。
レディガガも見ない内にケバい婆さんになってましたね。でもジネファーロペスはもっと酷かった。
昔はアメリカの国家って格好いいなって思ってましたが、今は煩いだけですもんね。
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UNICORNさん (象が転んだ)
2021-01-22 17:30:15
再び”マイカントリー”に戻すべきですかね。
90年ぶりと区切りもいいし、戦争と暴力のアメリカのイメージを払拭するにもです。
でも大統領就任式で、「ゴッドブレスアメリカ」が歌われなかった事だけが唯一の救いだった。
あの歌ずっと嫌いなんですよね。
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トランプ爺よ永遠に (HooRoo)
2021-01-23 12:40:57
老いぼれに抱きしめられた星条旗がかわいそう
正直ガガもロペスも呼んでほしくはなかったわ
もっと若いシンガーを呼ぶべきだった
新しく生まれかわるアメリカを誇示するためにも

でも今までの4年間は
ハゲ爺の頭の上で星条旗はなびいてたの
星条旗が哀れになびいてるように思えてきた
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トランプよ永遠に (象が転んだ)
2021-01-23 16:22:53
あれ程までに輝きを見せてた星条旗も今や腐った国旗にしか見えません。
アメリカも思った以上に落ちぶれましたね。日頃の行いが悪すぎるとやはりこんな悲惨な目に会うんでしょう。これからも多難続きみたいですね。
Hoo女史いうみたいに、ガガもロペスも余計でした。
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トランプの邪悪な足跡 (腹打て)
2021-01-24 04:12:03
「マクヘンリー砦の防衛」の歌の3番目には、
<戦争による破壊と混乱を
自慢げに断言した奴等は何処へ
家も国もこれ以上我々を見捨てはしない
彼等の邪悪な足跡は
彼等自らの血で贖(あがな)われたのだ>
とあるけど
奴らをトランプに置き換えるとピッタリだな。

結局、<戦争による破壊と混乱を自慢げに断言した奴等>は、アメリカだったんだよ。
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腹打てサン (象が転んだ)
2021-01-24 12:36:36
ハハハ、歌詞にピタリとあってますね。
結局アメリカは戦争による破壊と混乱を歴史的に証明した大国に過ぎなかったんですね。
毎回ユニークなコメント有り難うです。
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