静かな場所

音楽を聴きつつ自分のため家族のために「今、できることをする」日々を重ねていきたいと願っています。

バーンスタインRCOで「ミサ・ソレムニス」を聴く(DVD)

2013年12月24日 23時58分00秒 | バーンスタイン(ベートーヴェン)

ベートーヴェン/ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲)



管弦楽:アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団



エッダ・モーザー、ハンナ・シュヴァルツ、
ルネ・コロ、クルト・モル
ヒルヴァーサム・オランダ放送合唱団

指揮:レナード・バーンスタイン



録音:1978年

DVD


 ミサソレは好きな曲ですが、聴く頻度はそれほど高くないです。
 全曲通して聴くには、ある種の「どっこいしょ」と言う踏ん切りと言うか覚悟が必要で、かと言ってバラバラ聴きはあまり好ましいとは思えず、結果的に疎遠になりがちな曲です。
 今日は、クリスマス・イブということでもあり(何の関連もありませんが)「ひとつ全曲聴いてみよう」ということになったのです。

 レニーの映像版です。
 彼の振るミサ・ソレと言えば、NYP盤を、もう10年以上も前の大晦日に聴きましたし、 2008年にはタングルウッドでのライヴ盤を聴いて、ここでも感想を書いています
 この映像は、以前、NHK-BSで放送されVHSに録ったこともありますが、あれは音声がダメでした。
 今日、視聴したDVDは、その点はさすがに改善(と言うか当たり前)されていて、ちょっと音像としては不自然ながらも十分に楽しめました。
 この曲をつい敬遠してしまう理由は、自分的には「聴き所」は後半になってから、ということでしょうか。
 クレドの真ん中あたりまでくると、もう耳が離せない瞬間の連続で、特に最後の2曲は、いつもながら感動させられます。
 気のせいか、バーンスタインの指揮も、クレドの真ん中あたりから、その没入ぶりが自然と増していったように見えました。
 しかし、彼のアプローチは、ここで何度も書いていますが、いつものように作曲者への畏怖を感じさせる抑制されたものであり、作品を私物化するような派手な味付けは全くありません。
 サンクトゥスでの、「無」の天上からヴァイオリン・ソロが降ってくるところ(この曲で最も感動的な場面)のなんと美しいことか。
 ヘルマン・クレバースの凛として、しかも決して出しゃばらないソロの見事なこと。



 そして終曲「アニュス・デイ」の第2部、ベートーヴェン自身が「内面と外面のこころの安らぎを願う」と楽譜に記した部分。
 オーケストラから余分な荷物がどんどんと落とされ、軽やかで風通しの良い響きが主流となり、合唱は「歌うこと」と「祈ること」「つぶやくこと」の境界が曖昧になるかと思えるほどに「我らに平安を与えたまえ」の繰り返しとなります。
 バーンスタインは、最後までオーバーな表現を避けつつ(見た目は派手ですが)、オケの美質と曲の流れに任せて、一音一音に心を込めきって振っているように見えました。
 それにしても、この「アニュス・デイ」は、何か今の御時勢に警鐘を鳴らしているようにも聞こえる音楽なのですが・・・・思いこみですかね。








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4 コメント

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Unknown (モト)
2013-12-25 17:08:49
実は、ミサソレは、実演を聴いたことがなく、CDもきちんと通して聴いたことがなく、歌詞対訳を読んだこともなく、「3ない」の要するに、縁遠い曲なのです。
曲の前半があまり引きつけられないからでしょうか。後半は引き込まれるのですね。バーンスタインのこのDVDは持っています。
そう言えば、他の作曲家でも「レクイエム」に比べると、「ミサ曲」で好きな曲はあまりありません。耳なじみがよいのはバーンスタインの「ミサ曲」くらいかな。
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モトさん (親父りゅう)
2013-12-26 19:47:04
毎度、返信遅れてすみません・・・・。

私も、ずっと縁遠い曲でした。若いころは劇的な「グロリア」とかを好んでいましたが、今は、書いたようなことで後半か好きです。
ベートーヴェンの、まるで聴き手のことなんか考えていない「自己満足的」筆致も、はまってしまうとなかなかいいものです。
むかし、朝比奈さんの実演(ディスク化もされて持っています)を聴きましたが、終わった時の会場全体の疲労感は、今でも生々しく思い出されます。
ところで、バーンスタインの「ミサ」は、あれは、もう正反対でドラマでも観てるみたいに惹きつけられますね。
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3年たって (モト)
2016-08-08 13:00:19
バーンスタイン、RCO(当時はACO)盤、首なし天使像のSHM-CD盤が出たので、買い直して聴きました。
最近は、アーノンクールの最終録音盤も出て、テイストは違うものの、何度も聴く曲となりました。

コンセルトヘボウのクレバースのことや悲劇的な出来事も知り、サンクトゥスのソロの美しさに聴きほれます。
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Unknown (親父りゅう)
2016-08-11 13:42:58
クレバースのソロ、いいですよね。
ブラームスのヴァイオリン協奏曲は、実は彼のソロが初聴きで、ちょっと前にCDで買い直しました。

それから、私もアーノンクールのミサ・ソレ新盤を買いました。
彼のドキュメントでミサソレの練習場面がありましたが、あれを観てたらすごく欲しくなったのです。
でも、まだ聴いてません。「ちゃんと」聴こうと思っていると、どんどん後回しにしてしまう癖があるようです(苦笑)。
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