大曽根の夕日 ２－３ クリスマスプレゼント

大曽根の夕日　２－３　クリスマスプレゼント
写真はロケット型のゲルマニュームラジオ　電気がなくても聞けた。

かあちゃんに怒られたkyuは、家の二階への階段を駆け上がり押入れに入り布団に顔をうずめ泣きました。春のお祭りに見た線路の上を走る機関車。もしかしたらサンタという人がいるならもってきてくれるかもしれないと思ったのでした。あの時いい子ぶって何にもいらないなんていうんじゃなかった！ねえちゃんはワンワン泣いたおかげでおままごとセットを買ってもらった。貧乏な家のことを考えて何もいらないなんていい子ぶった自分を恨みました！！

でも、その日以来サンタのこともクリスマスのこともkyuはすっかり忘れてしまいました。

それから一月半ほどしてクリスマスの朝がやってきました。
「きゅうサンタ来た！サンタだぞ！」というねえちゃんの声で目が覚めました。目をこすりながら起きてみると枕元にピンクの紙包みがありました。昨日寝る時には何もなかった場所でした。すぐに飛び起きその紙包みを開けてみました。すると
スルメが５枚出てきました。(kyuの家は５人姉弟です)
ねえちゃんは
「サンタからスルメもらたの日本でうちだけだ」と言いました。
それがどういうことなのかその時のkyuにはわかりませんでした。とにかく興奮して階段を駆け下り
「かあちゃん！かあちゃん！サ、サンタだ！！さんただ！！」
kyuは踊りまくりました。それから１週間ほどkyuの家ではスルメをかじりながらロケット型ラジオのイヤホンを交代で聞く姉弟の姿がありました。

メリークリスマス

大曽根の夕日　２　クリスマスプレゼント　終わり