教科書採択を考える会ブログ

愛媛県松山市内の中学の歴史教科書が「育鵬社」版に変わるのを機に発足した会です。教科書比較の学習会も行っています。

中学校道徳教科書採択への要望

2018-08-02 16:50:00 | 要請
他団体と共同で、要望書を提出しました。



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2018年7月15日

松山市教育委員会 
教育長 藤田 仁 様

愛媛県退職教職員連絡協議会中予支部 支部長 松本典夫
国際NGO 新日本婦人の会 松山支部 支部長 梶原 緑


中学校道徳教科書採択に関する要望書

 私たちは、子どもたちが生き生きと生活し、安心できる学校環境で、友達と健やかに成長することを願っています。

現在、2019年度から使用される中学校道徳教科書の採択業務がすすめられていると思います。

 すでに各地で教科書展示会が始まっており、8社の教科書の特徴が明らかになってきました。

それらを読み比べた結果、かなり問題点のある教科書があることがわかってきました。

 そこで私たちは、次のことを要望いたしますので、ご検討の上、貴教育委員会が民主的な採択方法をとることによって子どもたちにとって最も良い教科書を採択してくださるようにお願いいたします。


1 教科書の内容

(1)「考え、議論する道徳」を可能にする教科書を選んでください

(2) 人類普遍の道徳である「人権・平和・共生」の大切さを教える教科書を採択してください

(3) 授業への取り組みや徳目の達成度を子どもたちに数値で自己評価させない教科書を選んでください

(4) 日本教科書と教育出版の道徳教科書は、人権侵害・自国中心主義なので採択しないでください


2 採択の方法

(1) 現在の「教科用図書採択要綱」を2014年以前の「教科用図書採択規則」に戻してください

(2) 教科書の調査・研究・・採択にあたり、専門職として学校現場で実際に教科書を使って授業を行い、子どもたちと直接向き合う教職員の意見を最大限尊重し、その意見を反映させてください

(3) 2015年以前のように、教育委員会定例会では、調査部会や懇話会での意見など基準となったものを資料として教科書採択委員会の傍聴者に配布してください

(4) 教育委員は、調査部会や懇話会の構成員と面談し、各教科書の問題点や疑問点を把握し、それを公表してください


以上

5月27日学習交流集会

2018-06-12 17:25:59 | お知らせ


5月27日(日)の「道徳を教科化することによって どういう子どもに育てようとしているか」をテーマにした
子どもと教科書全国ネット21の四国ブロック学習交流集会についての記事が愛媛新聞に載りました。

香川・徳島・県内新居浜からの参加者からの報告を聞いても、松山教育委員会が採用している教科書の決め方は異常なものと感じました。



今年の夏採択される中学校道徳教科書では、

●ヘイト本を出版している関係者が出している道徳教科書が検定に通っていること

●子どもたちに自己評価をさせる内容があること

など、問題点が出されました。



松山近郊では、6月15日(金)から教科書展示が始まります。

ぜひ、実際の教科書を手に取ってチェックしましょう。



○愛媛県生涯学習センター(松山市上野町650)
9:00〜17:30
月曜休館・6月30日まで

○松山市 北条図書館(松山市河野別府941)
9:30〜18:00
月曜休館・7月1日まで

○愛媛大学図書館中央図書館(松山市文京町3)
9:00〜22:00
閉館日なし・6月28日まで

子どもと教科書全国ネット21の講演会

2018-04-10 14:42:00 | お知らせ


㊗️ご進学・ご進級おめでとうございます㊗️
またひとつ、子どもたちの成長を感じる季節になりました。

今回はお知らせです。

去年、愛媛県西条市で俵義文さんが小学校道徳教科書についての講演会をお知らせしましたが、
同じ「子どもと教科書全国ネット21」主催の講演会が松山で開催されますのでお知らせします。


◎5月27日(日)13時30分から

◎愛媛県教育会館 2階ホールにて

今年は中学校の道徳教科書採択があること、
去年採択され、今春から授業が始まる小学校の教科道徳の内容についても情報交流できたら…という思いから、
◎講演内容は「道徳を教科化することによって どういう子どもに育てようとしているか」というテーマを取り上げてもらいました。


資料代500円が必要ですが、四国四県から集まる学習会です。

他県や他の自治体での取り組みなど聞いて、目からウロコが落ちるかもしれません。

ぜひご参加ください。

第26回学習会報告「3 文明のおこりと中国の古代文明」

2018-03-13 16:10:26 | 学習会

更新遅くなりました💦

第26回学習会は、2月27日(火)13時から15時 於 教育会館1階会議室 23名の参加で行われました。
チューターはAさん。

今回の範囲は、「古代文明」でした。

教科書をみてみましょう。

「育鵬社」は「③文明のおこりと中国の古代文明(p.26-27)」。

2ページとコンパクトですが、縄文時代(6ページ)の後という構成で、「子どもたちが混乱するのでは?」との意見が多数出ました。


「学び舎」は「(3)ピラミッドのなぞ-エジプトの文明-(p.16-17)」「(4)ブッダになった王子-インドの文明-(p.18-19)」「(5)地下から出てきた大軍団-中国の文明-(p.20-21)」「(6)円形競技場の熱狂-ローマの文明-(p.22-23)」。見開き8ページありました。







「東京書籍」は「2 古代文明のおこりと発展(p.24-25)」「3 中国文明の発展(p.26-27)」「4 ギリシャ・ローマの文明(p.28-29)」「5 宗教のおこりと三大宗教(p.30-31)」。こちらも8ページあります。






配布資料はこちら。



チューターのAさんは、主に「文明とか何か?」について説明をしてくれました
(文明について説明の記述があるのは「東京書籍」「育鵬社」)。
「育鵬社」(p.26)


「東京書籍」(p.24-25)



その上で富の偏在が起こった理由を考えることが大事だと提起し、実際の記述について問題があると思う点を挙げました。

【育鵬社】
○p.26 L6

・ここに新石器時代の説明をもってくるのは適切か?
(東京書籍は、前回学習範囲に新石器時代の記述あり。学び舎には新石器時代の記述なし。)



○p.26 L14(赤ライン箇所)
・国粋主義が出ていると感じる
・もともとは「富を持った者」

○p.26 L17(青ライン箇所)
・軍隊の説明が間違っている
・軍隊は侵略のために使われる

○p.26 L18(緑ライン箇所)
・説明がおかしい


○p.27 L18(黄ライン箇所)
・鉄器が使用されたのは農耕にも使われ、こちらの方が軍備よりも優先されたのではないか?

○p.27 右下のコラムより
・紀元前8世紀ごろにエジプト文明は衰退していないので、この記述はおかしい。


【参加者からの意見】

●育鵬社はエジプト文明の記述内容が少なすぎる。逆にp.26をほぼ全部使って、「文明のおこり」を書いている意図は何だろうと思う。


●育鵬社p.26 L13の「国家」について。
国家という言葉を使うと、子どもたちは近代と同じものとして受け取るのではないか?
「軍隊」「法律」「裁判」という言葉も同様。

言葉を変装している印象を受ける。
子どもたちはこんがらがるのではないか?

近現代における言葉の意味を理解できなくなる。
人類の長いあゆみを否定する印象を受けるのでは?と危機感がある。


●育鵬社はあっという間に国や支配者が出来上がってくるイメージ。
それに対して学び舎は、ゆっくりと順を追って説明していると感じる。


●p.26の記述の入り方がイヤ。
歴史を「わが国」から見るというのが…。


●教科書に書いてあることと、子どもたちがわかるかどうかは違う。
「学び舎」にはメソポタミア文明の記述がないが、「育鵬社」「東京書籍」とも記述内容が子どもたちにわかるような具体的なものでないことをみると必要ないのかもしれないと感じた。

国のなりたちをそれぞれ知ることが大事だと思う。


●学び舎p.17の欄外資料、現代のエジプト博物館館長の言説が正しいと思われる。
奴隷にもやさしい社会だったという説もある。



●学び舎p.18 L8からの記述について。カースト制は現在も影響が大きいものなので、もう少し記述があってもよいと感じた。



●学び舎p.19 L5の「考える」という記述は正しいか?「瞑想」と覚えているが違うか?



●ブッダも人として悩んで苦労したことを扱っている学び舎はいいと思う。
子どもたちの生き方模索に役立ってくれることを期待したい。


●学び舎p.21の『論語』のコラムは、生き方の入り口になるものが載っていて良いと思う。





教科書採択の署名提出

2018-02-25 19:55:03 | お知らせ
2018年2月8日に、個人署名1100筆・団体署名104筆を松山市教育委員会に提出しました。

愛媛新聞と愛媛民報に記事が載りました。


この請願署名について、4月の松山市教育委員会定例会議で審議される予定です。

傍聴へ参加くださいますよう、ご協力よろしくお願いいたします。