11月27日に京都・中京青少年活動センターにて、「ブラック企業問題シンポジウム 相談事例から見るブラック企業の傾向と対策」というテーマでシンポジウムを開催しました。４０名以上の方々に参加していただき、たいへん盛況でした。講師には、日本労働弁護団幹事として活動されており、数多くの労働事件に取り組んでおられる渡辺輝人弁護士（京都第一法律事務所）をお招きしました。
正社員として入社しても、過労死やパワハラ、いじめ、職場うつによって離職を余儀なくさせられるといった相談がPOSSEには毎日のように寄せられています。このようなブラック企業が蔓延しているなかで、「ブラック企業に負けない」ためにはなにが必要なのかを、POSSE事務局長の川村と渡辺弁護士にお話しいただきました。
まずPOSSE事務局長の川村が、POSSEに寄せられた相談事例を検討しながら、ブラック企業の類型について話しました。就活を終えて正社員として入社した後にも選別が続く「選別排除型」、体が壊れるまで使い倒す「消耗使用型」、そして職場の秩序が崩壊している「秩序崩壊型」の３つについて紹介しました。そしてブラック企業に負けないためには、おかしいと思ったらPOSSEや弁護士などの専門家に相談することが重要だと述べました。
次に、渡辺弁護士が、先生が実際に担当した事例を紹介しながら、正社員で入社した若者の劣悪な労働条件について話されました。私たちも裁判支援しているトステム綾部の過労死事件や、月３００時間働いても残業代が一切支払われない事例を紹介されました。そして、賃金計算の方法がよくわからない会社や、イノベーションがないのに急成長している会社はブラックの可能性が高いと指摘されました。最後に、ブラック企業は決して珍しい存在ではなく、弁護士や労働組合に相談して権利主張することが大切だと述べられました。
２人の講演後、会場からの質疑応答の時間には、労働問題の当事者や内定生、また家族の方からの相談や質問がありました。なかには、新入社員として4月に入社したばかりで、過労死ラインを越えて働いているという事例も紹介されました。それらの質問に対して、渡辺弁護士は、メモやICレコーダーなどで証拠をとり、弁護士などの専門家にすぐに相談してほしいと答えました。
やはり、渡辺弁護士も指摘されていたように、誰もがブラック企業に入ってしまう可能性があります。そのような状況の中で、もし入ってしまったときに自らの身を守る術を知っておくことが大切だと思います。そして、なにかあったらすぐに相談することが重要です。POSSEも無料で電話・メール相談を受け付けていますので、「おかしいな」と思ったらすぐに相談してください。
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■京都POSSEとは
京都POSSEは労働相談、政策研究・提言、調査活動、労働法教育事業、労働法セミナーなどのイベント運営等を若者自身の手で行うNPO法人で、2009年12月に設立されました。
POSSEの本部は東京にあり、支部が京都と仙台にあります。 労働相談の件数は団体全体で全国から年間300件を超えています。
現在、京都大学、同志社大学、立命館大学、龍谷大学など京都の学生や、大阪大学、大阪市立大学など大阪の学生も参加し、社会人も合わせ、約30名のメンバーで運営しています。
「ひと・まち交流館京都」市民活動総合センター（河原町五条下る東側）内に事務所を構え、活動しています。
大きな活動として、労働相談班、雑誌政策班があり、それぞれ毎週水曜日と木曜日に学習会兼会議を行なっています。
また毎年街頭で行うアンケート調査や、セミナー、シンポジウム等はさまざまな新聞、雑誌、TVなどで取り上げられており、社会的に注目されています。
それぞれ各人が各人の興味・関心に基づき、個性を生かして社会にアプローチしていける場となっています。
◯労働相談はこちらまで（無料で相談を受け付けています。）
TEL：075-365-5101
E-mail:kyoto@npoposse.jp
◯京都POSSEでは随時ボランティアを募集しています。
労働や貧困の現場を知りたい、勉強したい、自分の力を社会のために発揮したいといった方は、ぜひ一度見学にいらしてください。
時期や学年、学部等問いません。
連絡は京都POSSE事務所の方に電話又はメールをいただけたらと思います。
■京都事務所：京都市下京区西木屋町通上ノ口上る梅湊町83-1 2階
「ひと・まち交流館」京都市市民活動総合センター内NPO法人POSSE
TEL/ FAX：075-365-5101
E-mail：kyoto@npoposse.jp
HP：http://www.npoposse.jp/
