政令都市で京都市だけ!生活保護を断る京都の「官製派遣村」年末緊急ワンストップサービス

2009-12-24 12:15:23 | 京都の雇用・社会保障ニュース
◆宣伝不足だった今週のワンストップサービス、生活保護を断る来週のワンストップサービス

22日に、京都市・京都府・京都労働局がワンストップサービスを開催しました。ただ、宣伝不足の感がありました。
京都労働局と京都府、京都市、独立行政法人雇用・能力開発機構京都センターが開催した16日の第11回対策本部会議で決定され(この時点でまだ日程は決まっていません)、京都市のホームページで掲載されたのは21日です。
京都市のサイトしか見ていなかった人たちからすれば、なんと前日に知らされた状況です。
http://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000072970.html

一方、29日、30日の年末緊急ワンストップサービスは、同じ会議で決定され、京都市のみならず北部の福知山市でも開催されると、一週間前から告知されています。(画像はこのチラシより)

http://www.pref.kyoto.jp/news/koyou/onestop-nanbu091229.pdf


ところが、この二つの実施内容には大きな違いがあります。

年末緊急ワンストップサービスでは、22日に受付けていた生活保護の相談をしないということです。生活保護の一つである住宅手当の相談もしないようです。

実際にホームページを見てみると、先日の22日のワンストップサービスの実施内容では、

(1)住居や生活支援に関する相談 公営住宅に関する相談(入居相談,空き部屋情報の提供など),住宅手当の相談,臨時特例つなぎ資金の相談,生活保護に関する相談
※相談の上,住宅手当及び臨時特例つなぎ資金を申請される際は,顔写真入りの身分確認書類(運転免許証など),印鑑,銀行口座通帳などが必要となります。
(2)その他の相談 多重債務に関する相談(京都弁護士会)

とありますが、29、30日の実施内容では、

(1)しごとの相談 就職に向けての職業相談,求人情報の提供,職業訓練の相談など
(2)すまいの相談 公営住宅の入居相談,空き部屋情報の提供など
(3)くらしの相談 総合支援資金貸付,臨時特例つなぎ資金貸付の相談など
(4)その他 こころの相談,多重債務の相談など

とあり、就職相談や職業訓練の相談はありますが、住宅手当も含め、生活保護に関する相談の受付けをしていません。

24日の朝日新聞でも次のような報道がありました。

・生活保護の年末相談、態勢に地域差 18指定市調査
http://www.asahi.com/national/update/1223/OSK200912230100.html


政令指定都市のうち、「さいたま、横浜、川崎、京都、大阪、堺、神戸、北九州の8市は効果が乏しいなどとして、生活保護の相談を予定していない。」
「京都市も通常の窓口は閉める。29、30日、ハローワークと連携した相談会に参加するものの、「生活保護などの相談は受けない」としている。」そうです。浜松市と岡山市は対策を検討中とあります。


◆「官製派遣村」は開くけど生活保護は受け付けない、唯一の政令都市・京都

また、今日の朝日新聞ではこんな報道もありました。年末年始で生活困窮者の相談や宿泊場所を用意するなどの対応をする全国の自治体についての報告です。

・136自治体で「官製派遣村」 年越しへ相談・宿泊
http://www.asahi.com/national/update/1224/TKY200912240154.html

ここに上がっていない、つまりそもそも年末年始の対策を表明していない政令都市は、さいたま市、横浜市、川崎市、浜松市、名古屋、大阪市、堺市、神戸、北九州市ですね。見るからに相談が多そうな都市であり、こうした都市で開催されないことは残念です。

京都市では年末対策は開催されるわけですから、まだいいほうなのかもしれません。
しかし、よくこの二つの記事をみると、京都市の微妙さが明らかになります。

そう、京都市は年末の「派遣村」対策の受付を表明しながら、そのなかで生活保護の受付をしないかなり唯一の政令都市なんです。
下の記事からわかった、「そもそも対策をしない政令指定都市」には名前がないのに、「生活保護を受けない政令都市」として上の記事で名前が出ているのは、「検討中」だった岡山市を除けば、京都市しかありません。

「官製派遣村」やワンストップサービスは全国で周知が不徹底だと批判があり、それも生活保護の申請を避けようとしているからではないかとの指摘もあります。
22日の京都のワンストップサービスはまさにそうした批判を受けても仕方ないでしょう。
一方、宣伝不足のままの生活保護相談については「効果が乏しい」としながら、生活保護を実施しないワンストップサービスについては開催を宣伝している…とも見えてしまいます。
ほかの自治体の動向にかかわらず、生活相談は受け付けたほうがいいと思いますが、京都市は政令指定都市の中で比べてみても、「開催しないのは印象が悪いからとりあえず表面的に開催しました」という措置のようになおさら映ってしまいます。

せっかく開催するのですから、京都市には生活保護の受付までしてもらいたいと思います。京都市周辺でも失業して雇用保険も受給できず、野宿するしかなくなっている人は少なくないはずです。

ただ、実はもともと先月30日の全国一斉ワンストップサービスにしても、生活保護は結局申請できたわけではありません。
あくまでもハローワークでできたのは相談の受付であり、実際の申請は区や市町村の福祉事務所に出向かなくてはならなかったのです。
こうした背景には、実際に地方公共団体における職員の数や予算が足りていないという実態があります。
自治体の努力はもちろん必要ですが、生活保護の窓口のケースワーカーの増員、国による生活保護費負担の増加などが求められるでしょう。

なお、ワンストップサービスの日に参加できない場合は、自分がどのサービスが受給できるのか、こちらのページでシミュレーションしてみてください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/safety_net/p.html

しかし、申請窓口がハローワーク、地方自治体、社会福祉協議会だったりと、実際の申請をするのは面倒ですし、生活保護の受給はなかなか難しいでしょう。
やはり、ワンストップでの受付は重要ですし、それをサポートするNPOの活動が重要になってくるでしょう。京都POSSEでも、こうしたサービスをより受給しやすくするためのサポートをしております。ぜひ、ご連絡ください。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
29、30日の生活保護相談開催 (京都POSSE)
2009-12-29 23:02:35
弁護士グループなど年越し相談
生活保護の申請促す

 職を失った人や生活苦に悩む人に少しでも安心して年を越してもらおうと、生活保護に詳しい弁護士らでつくる近畿生活保護支援法律家ネットワークと生活保護問題対策会議は29、30日の両日、「年越し緊急生活相談会」を京都市南区で開く。

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009122800194&genre=A2&area=K00
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。