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映画『卒業』
久々に「ダスティン・ホフマン」という名前を耳にした。彼が75歳になって初めて監督した映画 『カルテット!人生のオペラハウス(Quartet) 』(2012)のPRで来日したからだ。映画は引退した音楽家たちが身を寄せるホームのストーリーで、リタイアした有名な音楽家が多数出演しており、彼らの歌・音楽は大変素晴らしい。映画は今日、4月19日から日本公開されるとのこと。
46年前の1967年から、学業にも生活にも苦境に立ちながらもロサンゼルスで留学生活を謳歌していた頃、大変衝撃的な2本の映画に出合った。当時、無名だった若い俳優が出演した映画、『卒業(The Graduate) 』 (1967)と 『真夜中のカーボーイ(Midnight Cowboy) 』 (1969) だ。もちろん主演はダスティン・ホフフマン。「映画とは、2~3時間の上映でその時代の文化、風俗、習慣、生活様式を描くミニチュア (縮図)である」とつね日頃から思っているが、まさに当時の米社会をリアルに風刺した最高傑作の映画だった。
『卒業』は2人の魅力的な女優、アン・バンクロフト(Anne Bancroft) とキャサリン・ロス (Katharine Ross) の名演技によって主役が引き立っている。彼女らは自分があこがれていたアメリカ人女性像( "Graceful, but yet Yankee girls!" ) にドンピシャで、今だに彼女らのフアンである。また、ポピュラー音楽ユニットのサイモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel) の歌った主題歌「サウンド・オブ・サイレンス(The Sounds of Silence)」と「ミセス・ロビンソン(Mrs. Robinson)」が大ヒット、この映画の名声を不動のものにした。
『真夜中のカーボーイ』は共演したジョン・ヴォイト(John Voight) 《女優アンジェリーナ・ジョリー (Angelina Jolie) の実の父親》とのやりとりは絶妙。この2つの映画でホフマンはアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ一躍有名スターの仲間入りをした。ヴォイトもこの映画がきっかけでスター街道をまっしぐら。もちろん彼らの出演料は超飛躍的にハネ上がった。
そして俳優ホフマンの名声は意外なところからでてきた。「背は167cmでかなり小柄のユダヤ系アメリカ人! 特にハンサムでもなく容姿はごくごく普通の若者! 」こういったトップスターは未だかつてハリウッドには存在しなかった。それが7回もアカデミー賞の候補者になり、2回主演男優賞に輝いている。まさに American dreams を実現した男である。
■アカデミー賞・主演男優賞ノミネート作品■
『卒業(The Graduate)』(1967)
『真夜中のカーボーイ(Midnight Cowboy)』(1969)
『レニー・ブルース(Lenny)』(1974)
*『クレイマー、クレイマー(Kramer vs. Kramer)』(1979)
『トッツイー(Tootsie)』(1982)
*『レインマン(Rain Man)』(1988)
『ワグ・ザ・ドッグ(Wag the Dog)』(1997)
* = 主演男優賞受賞
当時の風潮としてユダヤ系アメリカ人(Jewish-American / American Jews) を「馬鹿にする」「良く言わない」人たちが沢山いた。(たぶん彼らに対する「妬み」からきているのだとは分かってはいたが。)その時代、固定為替相場制だったので1ドルは360円。親父がいくら日本から送金してくれても、すぐに財布はカラッポになる。やむを得ずロサンゼルス・タイムズ紙の新聞広告欄(ad / advertisement) に「書生(house-boy) 可能」を出し、ハリウッド(ロサンゼルス市内)隣接の高級住宅街ビバリーヒルズ(Beverly Hills) の老夫婦宅に住み込みすることになった。そして後から分かったのが、有名映画スターがたむろするこの街の住民のほとんどが Jewish people だった。もちろんお世話になったこの老夫婦も。I have to say, "Just amazing!!!"
余談だが、ハリウッドの映画関係者にはやたらと Jewish-American が多い。理由を一言でいうと、アメリカ合衆国の建国に由来している。1776年の独立宣言以前の殖民地時代・以後の建国初期時代はヨーロッパ(主にイギリス人、ドイツ人、オランダ人、フランス人、スエーデン・フィンランド人、スペイン人のいわゆる広義の WASP = ワスプ = White Anglo-Saxon Protestant)の移民で職業のほとんどが占められていた。1880~1924年に200万人のユダヤ人が入植してきたが、この後発組は比較的新しい分野、映画・新聞を含む情報産業(のちにラジオ・テレビ)に勢力を伸ばしていったからである。行政府職にも同じようなことがいえる。アメリカ政府の官僚の多くがそうなので、政府内部でユダヤ人の悪口を言うのはご法度である。米国の総人口が約3億人で、その内のたった2%のこの人たちが国の世論を牛耳っていること自体がものすごいことである。
話を元に戻すが、『卒業』と『真夜中のカーボーイ』の2本のVHSテープはだいぶ前に米ストアで購入して家の本棚に大事にとってある。
チャンスがあったらぜひ『カルテット!』を観て、この映画で何を訴えたいのかホフマン解釈 (interpretation) をしてみたい。#YS
映画『真夜中のカーボーイ』
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映画『卒業』
久々に「ダスティン・ホフマン」という名前を耳にした。彼が75歳になって初めて監督した映画 『カルテット!人生のオペラハウス(Quartet) 』(2012)のPRで来日したからだ。映画は引退した音楽家たちが身を寄せるホームのストーリーで、リタイアした有名な音楽家が多数出演しており、彼らの歌・音楽は大変素晴らしい。映画は今日、4月19日から日本公開されるとのこと。
46年前の1967年から、学業にも生活にも苦境に立ちながらもロサンゼルスで留学生活を謳歌していた頃、大変衝撃的な2本の映画に出合った。当時、無名だった若い俳優が出演した映画、『卒業(The Graduate) 』 (1967)と 『真夜中のカーボーイ(Midnight Cowboy) 』 (1969) だ。もちろん主演はダスティン・ホフフマン。「映画とは、2~3時間の上映でその時代の文化、風俗、習慣、生活様式を描くミニチュア (縮図)である」とつね日頃から思っているが、まさに当時の米社会をリアルに風刺した最高傑作の映画だった。
『卒業』は2人の魅力的な女優、アン・バンクロフト(Anne Bancroft) とキャサリン・ロス (Katharine Ross) の名演技によって主役が引き立っている。彼女らは自分があこがれていたアメリカ人女性像( "Graceful, but yet Yankee girls!" ) にドンピシャで、今だに彼女らのフアンである。また、ポピュラー音楽ユニットのサイモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel) の歌った主題歌「サウンド・オブ・サイレンス(The Sounds of Silence)」と「ミセス・ロビンソン(Mrs. Robinson)」が大ヒット、この映画の名声を不動のものにした。
『真夜中のカーボーイ』は共演したジョン・ヴォイト(John Voight) 《女優アンジェリーナ・ジョリー (Angelina Jolie) の実の父親》とのやりとりは絶妙。この2つの映画でホフマンはアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ一躍有名スターの仲間入りをした。ヴォイトもこの映画がきっかけでスター街道をまっしぐら。もちろん彼らの出演料は超飛躍的にハネ上がった。
そして俳優ホフマンの名声は意外なところからでてきた。「背は167cmでかなり小柄のユダヤ系アメリカ人! 特にハンサムでもなく容姿はごくごく普通の若者! 」こういったトップスターは未だかつてハリウッドには存在しなかった。それが7回もアカデミー賞の候補者になり、2回主演男優賞に輝いている。まさに American dreams を実現した男である。
■アカデミー賞・主演男優賞ノミネート作品■
『卒業(The Graduate)』(1967)
『真夜中のカーボーイ(Midnight Cowboy)』(1969)
『レニー・ブルース(Lenny)』(1974)
*『クレイマー、クレイマー(Kramer vs. Kramer)』(1979)
『トッツイー(Tootsie)』(1982)
*『レインマン(Rain Man)』(1988)
『ワグ・ザ・ドッグ(Wag the Dog)』(1997)
* = 主演男優賞受賞
当時の風潮としてユダヤ系アメリカ人(Jewish-American / American Jews) を「馬鹿にする」「良く言わない」人たちが沢山いた。(たぶん彼らに対する「妬み」からきているのだとは分かってはいたが。)その時代、固定為替相場制だったので1ドルは360円。親父がいくら日本から送金してくれても、すぐに財布はカラッポになる。やむを得ずロサンゼルス・タイムズ紙の新聞広告欄(ad / advertisement) に「書生(house-boy) 可能」を出し、ハリウッド(ロサンゼルス市内)隣接の高級住宅街ビバリーヒルズ(Beverly Hills) の老夫婦宅に住み込みすることになった。そして後から分かったのが、有名映画スターがたむろするこの街の住民のほとんどが Jewish people だった。もちろんお世話になったこの老夫婦も。I have to say, "Just amazing!!!"
余談だが、ハリウッドの映画関係者にはやたらと Jewish-American が多い。理由を一言でいうと、アメリカ合衆国の建国に由来している。1776年の独立宣言以前の殖民地時代・以後の建国初期時代はヨーロッパ(主にイギリス人、ドイツ人、オランダ人、フランス人、スエーデン・フィンランド人、スペイン人のいわゆる広義の WASP = ワスプ = White Anglo-Saxon Protestant)の移民で職業のほとんどが占められていた。1880~1924年に200万人のユダヤ人が入植してきたが、この後発組は比較的新しい分野、映画・新聞を含む情報産業(のちにラジオ・テレビ)に勢力を伸ばしていったからである。行政府職にも同じようなことがいえる。アメリカ政府の官僚の多くがそうなので、政府内部でユダヤ人の悪口を言うのはご法度である。米国の総人口が約3億人で、その内のたった2%のこの人たちが国の世論を牛耳っていること自体がものすごいことである。
話を元に戻すが、『卒業』と『真夜中のカーボーイ』の2本のVHSテープはだいぶ前に米ストアで購入して家の本棚に大事にとってある。
チャンスがあったらぜひ『カルテット!』を観て、この映画で何を訴えたいのかホフマン解釈 (interpretation) をしてみたい。#YS
映画『真夜中のカーボーイ』
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