誰も書かない「ハリウッド・ハワイ・米国」の本音トーク

Information about Hollywood, Hawaii and the U.S. 

ダスティン・ホフマン(Dustin Hoffman) ・ 映画俳優&監督

2013-04-19 | 映画・テレビ・まんが
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映画『卒業』



久々に「ダスティン・ホフマン」という名前を耳にした。彼が75歳になって初めて監督した映画 『カルテット!人生のオペラハウス(Quartet) 』(2012)のPRで来日したからだ。映画は引退した音楽家たちが身を寄せるホームのストーリーで、リタイアした有名な音楽家が多数出演しており、彼らの歌・音楽は大変素晴らしい。映画は今日、4月19日から日本公開されるとのこと。

46年前の1967年から、学業にも生活にも苦境に立ちながらもロサンゼルスで留学生活を謳歌していた頃、大変衝撃的な2本の映画に出合った。当時、無名だった若い俳優が出演した映画、『卒業(The Graduate) 』 (1967)と 『真夜中のカーボーイ(Midnight Cowboy) 』 (1969) だ。もちろん主演はダスティン・ホフフマン。「映画とは、2~3時間の上映でその時代の文化、風俗、習慣、生活様式を描くミニチュア (縮図)である」とつね日頃から思っているが、まさに当時の米社会をリアルに風刺した最高傑作の映画だった。

『卒業』は2人の魅力的な女優、アン・バンクロフト(Anne Bancroft) とキャサリン・ロス (Katharine Ross) の名演技によって主役が引き立っている。彼女らは自分があこがれていたアメリカ人女性像( "Graceful, but yet Yankee girls!" ) にドンピシャで、今だに彼女らのフアンである。また、ポピュラー音楽ユニットのサイモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel) の歌った主題歌「サウンド・オブ・サイレンス(The Sounds of Silence)」と「ミセス・ロビンソン(Mrs. Robinson)」が大ヒット、この映画の名声を不動のものにした。

『真夜中のカーボーイ』は共演したジョン・ヴォイト(John Voight) 《女優アンジェリーナ・ジョリー (Angelina Jolie) の実の父親》とのやりとりは絶妙。この2つの映画でホフマンはアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ一躍有名スターの仲間入りをした。ヴォイトもこの映画がきっかけでスター街道をまっしぐら。もちろん彼らの出演料は超飛躍的にハネ上がった。

そして俳優ホフマンの名声は意外なところからでてきた。「背は167cmでかなり小柄のユダヤ系アメリカ人! 特にハンサムでもなく容姿はごくごく普通の若者! 」こういったトップスターは未だかつてハリウッドには存在しなかった。それが7回もアカデミー賞の候補者になり、2回主演男優賞に輝いている。まさに American dreams を実現した男である。

■アカデミー賞・主演男優賞ノミネート作品■
 『卒業(The Graduate)』(1967)
 『真夜中のカーボーイ(Midnight Cowboy)』(1969)
 『レニー・ブルース(Lenny)』(1974)
*『クレイマー、クレイマー(Kramer vs. Kramer)』(1979)
 『トッツイー(Tootsie)』(1982)
*『レインマン(Rain Man)』(1988)
 『ワグ・ザ・ドッグ(Wag the Dog)』(1997)

 * = 主演男優賞受賞


当時の風潮としてユダヤ系アメリカ人(Jewish-American / American Jews) を「馬鹿にする」「良く言わない」人たちが沢山いた。(たぶん彼らに対する「妬み」からきているのだとは分かってはいたが。)その時代、固定為替相場制だったので1ドルは360円。親父がいくら日本から送金してくれても、すぐに財布はカラッポになる。やむを得ずロサンゼルス・タイムズ紙の新聞広告欄(ad / advertisement) に「書生(house-boy) 可能」を出し、ハリウッド(ロサンゼルス市内)隣接の高級住宅街ビバリーヒルズ(Beverly Hills) の老夫婦宅に住み込みすることになった。そして後から分かったのが、有名映画スターがたむろするこの街の住民のほとんどが Jewish people だった。もちろんお世話になったこの老夫婦も。I have to say, "Just amazing!!!"

余談だが、ハリウッドの映画関係者にはやたらと Jewish-American が多い。理由を一言でいうと、アメリカ合衆国の建国に由来している。1776年の独立宣言以前の殖民地時代・以後の建国初期時代はヨーロッパ(主にイギリス人、ドイツ人、オランダ人、フランス人、スエーデン・フィンランド人、スペイン人のいわゆる広義の WASP = ワスプ = White Anglo-Saxon Protestant)の移民で職業のほとんどが占められていた。1880~1924年に200万人のユダヤ人が入植してきたが、この後発組は比較的新しい分野、映画・新聞を含む情報産業(のちにラジオ・テレビ)に勢力を伸ばしていったからである。行政府職にも同じようなことがいえる。アメリカ政府の官僚の多くがそうなので、政府内部でユダヤ人の悪口を言うのはご法度である。米国の総人口が約3億人で、その内のたった2%のこの人たちが国の世論を牛耳っていること自体がものすごいことである。

話を元に戻すが、『卒業』と『真夜中のカーボーイ』の2本のVHSテープはだいぶ前に米ストアで購入して家の本棚に大事にとってある。

チャンスがあったらぜひ『カルテット!』を観て、この映画で何を訴えたいのかホフマン解釈 (interpretation) をしてみたい。#YS




映画『真夜中のカーボーイ』


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沖縄の嘉手納・普天間基地 ・ 在日米軍 (Okinawa and U.S. Forces in Japan)

2013-04-07 | 軍隊
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年度によって若干違うが、在日米軍(U.S. Forces Japan) の軍人(service-persons) の数は約 50,000人、家族も約 50,000人いて日本を出入りしている。「出入り」していると言ったのは、日本の領土にあっても米軍基地内は治外法権で「米国内」と同様の扱いになっている。従って軍人は軍艦、軍用機だけで移動する分にはパスポートは必要ない。

沖縄には米政府の仕事で3度訪問したことがある。2000年7月のビル・クリントン大統領(President Clinton) が沖縄サミット(Okinawa Summit 第26回主要国首脳会議) に参加した際と、日本の新聞社・テレビ局の論説委員(editorial writers) ・ 解説委員(TV commentators) の人々と米軍基地特別視察を2回した時だった。

米軍施設は日本全国に 132ヶ所あり、その内の 33施設が沖縄に散在している。沖縄にある主な基地としては、

嘉手納飛行場(Kadena Air Base) - 空軍(Air Force)
普天間飛行場(Futenma Air Station) - 海兵隊(Marine Corps)
キャンプ・ハンセン(Camp Hansen) - 海兵隊
キャンプ・シュワブ(Camp Schwab) - 海兵隊
トリイ通信施設(Torii Communication Station) - 陸軍(Army)
ホワイト・ビーチ(White Beach) - 海軍(Navy)

などがあるが、4軍のオフイスで詳しいブリーフィングを受けた。各建物の正面のポールには必ず、日章旗(the national flag of Japan)、星条旗(the Stars and Stripes / the Star-Spangled Banner)、国連旗(the flag of Security Forces [of the United Nations]) が掲げられている。

嘉手納と普天間の飛行場の印象は、何せ「だだっぴろい(広い)」の一言。小さな戦闘機用の格納庫が散在しているだけで、あとは何も無い。巨大な滑走路群のみ。理由を聞いてみると、非常時に米軍・国連軍の兵隊の兵舎となるテントを数百・数千、いつでも素早く設置出来るからだと云う。これには納得できた。

余談だが、歴代の在日米軍司令官(Commander of the U.S. Forces Japan) は第5空軍司令官[空軍中将](Commander of the 5th Air Force [Lieutenant General]) が兼務している。思い起こせば47年前、大学受験に2年連続で失敗し、お先真っ暗で落ち込んでいる時、母親が言った。『死ぬ気になれば、人間何でも出来る。』 何を思ったのか米軍司令部に「情熱的な」手書きの英文を3~4枚送っていた。数日後、米軍オフィスから電話があり司令官が会いたいとのこと。早速、東京・府中市にある空軍司令部(the headquarters of the 5th Air Force) に出向き、入り口の自動小銃を持ったガードを通り抜け、エレベーターで最上階の立派な部屋へ。そこには色とりどりの勲章をつけた軍服姿の司令官が待っていた。何も云わず彼は握手をして部下に一言 "Give him a job!" その間、数分間。次の週には空軍の乗用車(車体がスカイ・ブルーで、黄色い字で "U.S. Air Force" と書いてある)の運転手付きの車に乗って仕事をしていた! 自分の人生を変えてくれたこの大恩人には、それ以来一度も会っていない、と言うよりも rank (階級)が上すぎて会えなかったという方が正確。 そしてこの中将の名前も顔も一切覚えていないので大変申し訳なく思っている。ただ、今でも大変感謝している。

2日前の日米両政府の沖縄米軍施設返還計画の発表は非常に喜ばしいことであり、時期を計画よりもっともっと早く実現するのが沖縄県民とってプラスになるのは間違いない。#YS

参考ブログ:『アメリカ海軍第7艦隊』(2011.11.13)



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ステルス戦略爆撃機 (Stealth Bomber) ・ B-2 と F-22 (B-2 and F-22)

2013-04-05 | 軍隊
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【B-2】


【F-22】



3月から続けられている米韓合同軍事演習 (U.S.-South Korean military drill) に B-2 が投入されているというテレビ報道があったが、米国の機敏な行動には頭が下がる。B-2 は正式名 Northrop Grumman B-2 Spirit といってレーダーに捕らえられにくいステルス性能を備えた通常兵器 (conventional weapons) ・核兵器 (nuclear weapons) の両方を搭載できる最強の爆撃機である。勿論、最近の北朝鮮の核弾道ミサイル発射・核実験の挑発を抑えるためのもので、ハリウッドの映画にも頻繁に登場するあの有名な三角形・魚の「エイ」に似た飛行機だ。海上自衛隊所属のイージス艦 (Aegis) の建造費用をはるかに上回る1機2000億円ちかくする高価な代物である。

また、同じステルス性能を持った「空の支配者(制空航空機)」といわれている最新鋭の F-22 (F-22 Raptor) をも米国は演習に投入している。この2種の戦略兵器で米国は世界最強国となるが、これはあくまで兵器上のことだけ。

実際、戦争が起こった場合、人海戦術の力はあなどれない。それは過去・現在の紛争が切実に物語っている。ベトナム戦争(Vietnam War 1960~1975)、イラク戦争(Iraq War 2003~2011)、アフガン紛争(Afghan War 2001~ ) など、どんな新型の兵器を用いてもその戦いに勝てない場合がほとんど。

[Episode I]
思い起こせば1966年、米第5空軍司令部(The 5th U.S. Air Force Headquarters 当時は東京・府中市にあった)に勤務していた頃、横田基地(Yokota Air Base 東京・福生市)で無数の機体を真っ黒に塗った B-52 爆撃機を目撃した。当時、べトナム戦争に使われた最新鋭の飛行機だった。(B-52 は現在でも米主力航空機の1つ。)周知のとおり、それでも米軍は勝てなかった。

[Episode II]
1967年からロサンゼルス市の大学に留学するのだが、当時、米国には徴兵制度 (draft system) があったので学生仲間の間ではベトナム戦争に「行く、行かない」の大変熱い議論が毎日なされていた。仲間の1人は戦争に行くのが嫌で徴兵登録所に火をつけに行った。他方、兵役を受けることによって「GI bill (=ジイ・アイ・ビル)復員助成金」の特典を得たい者も多かった。「GIビル」で有名な大学に入ったり、家を購入したり、高級スポーツカーを買ったり出来たのだ。(ただ各大学の頭の良い学生、優等生だけは兵役が免除されていた。頭脳流出を防ぐため、将来の国の指導者育成のためだ。これって不公平ではないか!?)外国人留学生も OK だったので自分も真剣に考えたことがあった。ただ、後に60,000弱の米軍人が戦死したことを考えると行かなくてよかったとつくづく思う。

[Episode III]
仕事の関係で東京近郊、岩国(山口県)、沖縄県にある多数の米陸 (Army) ・海 (Navy) ・空 (Air Force) ・海兵隊 (Marine Corps) 所属のありとあらゆる最新鋭の戦闘機、偵察機、ヘリコプターなどを視察してきたが、究極の兵器は味方の被害を最小限にとどめるもの、すなわち無人操作で敵に最大限の打撃を与えるものだと確信した。(北朝鮮の核弾道ミサイルの脅威もその内の1つだが。)

よって、1~2名の乗務員で操縦されるB-1、F-22などが重宝される。♯YS


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