誰も書かない「ハリウッド・ハワイ・米国」の本音トーク

Information about Hollywood, Hawaii and the U.S. 

映画「パブリック・エネミーズ」 と FB I / Movie "Public Enemies" and FBI

2009-12-20 | 米国事情


数ヶ月前にハリウッド通りにある映画館でジョニー・デップ(Johnny Depp) 主演の映画「パブリックエネミーズ(Public Enemies /社会の敵)」を観た。[映画は現在、日本で上映中である。]

ギャング映画 (gang movie) が結構好きで期待して見に行ったのだが、300席位ある劇場内には自分を入れてたった6人。「えっ?」と思って観終わったら案の定、内容がちょっと期待はずれ。映画評論辛口のハリウッド住人はすでに知っていたような感じすらした。大恐慌時代の1930年前半に実在した人物、犯罪者ジョン・デリンジャーの物語で、過去、何度も何度も映画化されている。デップの演技は良かったのだが、恋人役のマリオン・コティヤール(Marion Cotillard) と脚本が今一。もったいない事をした。もう一ひねり、ほしかった。

アメリカの実在ギャング(アル・カポネ、ラッキー・ルチアーノ、マイヤー・ランスキー、ベンジャミン・シーゲル、カールロ・ガンビーなど)と、犯罪を取り締まるFBIを描いた映画はかなりある。それで以前からFBI(Federal Bureau of Investigation / 連邦捜査局)に興味があり、ワシントンDCにある本部の見学ツアーに2度ほど行ったことがある。シカゴ暗黒時代にギャングが実際に使っていた機関銃、押収した各種の銃器、捜査員が使用していた銃、最近のテロリスト達の軽火器など何万丁と展示されている。また、現役捜査員(agent) による説明ならびにパフォーマンスもある。一見に値する。

FBIは去年、設立100周年を迎えたがテロ、誘拐、スパイなど国家に対する重犯罪などを捜査する機関である。ちなみにCIA(Central Intelligence Agency / 中央情報局)はスパイを擁する対外諜報活動を行う。一言でいうと、アメリカ国内はFBI、国外はCIAの担当となる。アメリカの警察機構は非常にユニークで、全米にハイウエイパトロール、州警察、市警察、郡警察(county sheriff) など20,000余りあるが、皆、独立独歩で権限は多くの場合、重複している。

その例として昔、大変面白い場面に遭遇したことがある。ロスアンゼルスのフリーウエイ(freeway / 無料高速道路)の近くを自家用車で運転していたら何か事件があったらしく、4種類のパトカーが集まってきた。止まって観察していたら、ロスアンゼルス市警、郡警、アナハイム市警、ハイウエイパトロールの4台だった。誰が残って(権限を持って)調べるのかと思ったら、話し合いでハイウエイパトロール(Highway patrol) になった。ということは、事件(事故)がフリーウエイの近くであったので権限がそうなったらしい。映画の中で権限の問題でよく警官同士の喧嘩・言い合いなどが描写されるが、そういう背景を知っていると簡単に理解できる。勿論、警察機構の頂点はFBIである。#YS

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ウエスタン と 時代劇 / "Western" TV Series

2009-12-03 | 映画・テレビ・まんが




Robert Fuller in the "Laramie"


スクリーンからウエスタン(Western /西部劇 Cowboy film)と時代劇(Samurai film)が消えて久しい。1950年代中頃から1970年代中頃の20年間はアメリカではウエスタン、日本では時代劇の最盛期で他のジャンルの映画はほとんどヒットしなかったか、製作しても赤字のリスクを背負わなくてはならない状態だった。

そのブームに輪をかけたのが日本のテレビ各局が競って時代劇シリーズ、米国製テレビ西部劇シリーズを輸入して日本語で吹き替え(dubbing)、毎週毎週放送したことだ。ハリウッドの代表作は、

   『ガンスモーク(Gunsmoke)』
     1955~75年 (主演:ジェームズ・アーネス James Arness)
   『シャイアン(Cheyenne)』
     1955~63 (クリント・ウォーカー Clint Walker)
   『ワゴントレイン(Wagon Train)』
     1957~65
   『マベリック(Maverick)』
     1957~62 (ジェームズ・ガーナー James Garner)
   『ライフルマン(The Rifleman)』
     1958~63 (チャック・コナーズ Chuck Connors)
   『ボナンザ(Bonanza)』
     1959~73 (ローン・グリーン Lorne Greene と 
             マイケル・ランドン Michael Landon)
   『ローハイド(Rawhide)』
     1959~66 (クリント・イーストウッド Clint Eastwood と
             エリック・フレミング Eric Fleming)
   『ララミー牧場(Laramie)』
     1959~63 (ロバート・フラー Robert Fuller と
             ジョン・スミス John Smith)


などがあった。毎日、日本のどこかのチャンネルで放送されていて、各番組は結構良い視聴率を取っていた。小・中・高校生時代の自分の青春のエネルギーになっていたことは言うまでもない。

時代劇シリーズで特によく覚えているものに、

   『三匹の侍』
     1963~69 (主演:丹波哲郎、平幹二朗、長門勇、加藤剛)
   『銭形平次』
     1966~84 (大川橋蔵)
   『水戸黄門』
     1969~83 (東野英治郎)他に、西村晃、佐野浅夫、石坂浩二、里見浩太朗、武田鉄矢も演じているが…。
   『大岡越前』
     1970~99 (加藤剛)
   『木枯らし紋次郎』
     1972   (中村敦夫)
   『荒野の素浪人』
     1972~74 (三船敏郎、坂上二郎、大出俊)  ★筆者も1年半、この制作に関与した。
   『子連れ狼』
     1973~76 (萬屋錦之介)
   『必殺仕置人』
     1973   (藤田まこと)
   『旗本退屈男』
     1973~74 (市川右太衛門)
   『座頭市物語』
     1974~75 (勝新太郎)
   『遠山の金さん』
     1975~77&1979 (杉良太郎)
   『必殺仕事人』
     1979~81 〔藤田まこと)

などである。

先日、古いウエスタン映画をテレビで観る機会があった。今見るとストーリーはかなり単純なのだが、見終わると何かほっとし、後味が良い。最近の映画を見てそういう気が湧かないのはなぜか、ちょっと考えてみた。自分との年齢のズレもあるだろう。

たぶん、主な原因は製作者がコンピューターグラフィックやストーリーに余りにも懲りすぎているせいではないか。採算のとれる映画、ヒット映画を創りたい気持ちは分かるが、所詮、物語の主役は人間。人間の本質を大切にした内容であれば、そういうテクニックは必要なく、また制作に莫大な金を使う必要もない。心に響く映画は、いつの時代であっても人々に共感を与えるはずである。#YS

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