誰も書かない「ハリウッド・ハワイ・米国」の本音トーク

Information about Hollywood, Hawaii and the U.S. 

諜報機関(ちょうほうきかん)【1】 / Intelligence Agency

2018-08-31 | 政治




ワシントン・ポスト紙は28日、日本と北朝鮮の情報当局の高官が7月にベトナムで、米国に事前に伝えずに、極秘接触したと報じた。

The Washington Post reported that Japan and North Korea had a "secret" meeting in Vietnam in July without informing the U.S. The talks were held between Shigeru Kitamura, head of Japan's Cabinet Intelligence and Research Office, and a senior North Korean official in charge of reunification, Kim Song Hye.

このニュースが流れて一目瞭然(obvious at a glance) なのが、前のブログで述べたように、これはワシントン・ポスト紙によるスクープ(特ダネ)ではなく、アメリカ政府からの漏洩(ろうえい leak) ということである。なぜかと言うと、確かにポスト紙のような大新聞は世界のいたるところに特派員(correspondents) を派遣している。日本の5大新聞(読売、朝日、毎日、産経、日本経済)、テレビ局も同様である。ただ民間報道機関が世界の色々な場所で直接取材するのは、まず国によってはかなりの制限があり、また物理的・金銭的に言ってほとんど不可能に近い。この様な秘密が具体的な日時、場所、名前が明らかにされるのは諜報機関からの情報しかありえない。なぜ今、米国政府からのリークなのか?色々な政治的理由が考えられるが、一番は勿論、米朝関係の駆け引きの中での日本政府の行動に対する「怒り」、「牽制」、「警告」であろう。

ここで思い出されるのが、世界的に大ヒットしたハリウッド映画 『007 ジェームズ・ボンド』 シリーズの1962年から2015年までの26作品【"James Bond 007" film series (1962~2015) 26 movies】や、『ミッション・インポッシブル』 シリーズの1996年から2018年までの6作品【"Mission: Impossible" film series (1996~2018) 6 movies】である。これらの映画に頻繁に出てくるのが各国の諜報機関・スパイ組織の工作員(agents)。映画の中ではフィクションや、かなりド派手なアクション場面が沢山出てくるが、それらの組織は現存しており、実際かなり「危ない仕事」をしているのは周知の事実(a well-known fact) である。

有名な巨大諜報機関は、アメリカ合衆国の CIA (Central Intelligence Agency 米国中央情報局)、ロシアの FSB (Federal Security Bureau of Russian Federation ロシア連邦保安庁) 【ソビエト連邦の時代は KGB と呼ばれていた】、英国の MI6 (Military Intelligence Section 6 英国情報局秘密情報部) などがある。勿論、他の先進諸国であるフランス、ドイツ、オーストラリア、また政情不安定な地域のイスラエル、パキスタン、インド、そして日本の隣国、中国、韓国もかなりの額の予算と人員を諜報機関に費やしている。なぜなら国外の政治・経済・社会情勢を独自に、そして正確に把握することは、その国の「国益」に深く関わるからである。

残念ながら日本は海外の情報を得る諜報機関は持っていない。【日本の公安警察は国内だけの業務に限られている。】【アメリカの FBI (Federal Bureau of Investigation 米国連邦捜査局) も米国内のみの治安業務にたずさわっている。】■YS



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米国の報道機関/ U.S. Media vs President Trump/ 「フエイク・ニュース」 "Fake News" 

2018-08-18 | 米国事情



16日、ドナルド・トランプ大統領による執拗な報道機関批判に対して、米国の新聞社約350社が報道の自由を訴える社説を一斉に掲載した。

米国で最も由緒ある新聞社の一つボストン・グローブ紙(The Boston Globe in Boston, Massachusetts) [1872年創刊・発行部数約25万部・ピューリッツァ賞受賞26回]の主導で行われた。

そしてニューヨーク・タイムズ紙(The New York Times) [1851年創刊・日刊部数約60万部、日曜版110万部、インターネット250万部]は大変素晴らしいコメントを出した。いわく『報道の扱いや誤まりを批判することは全く正しい。報道記者は人間であり、間違いを犯すこともある。それを正すのが我々の中核である。しかし、自分にとって都合の悪い事実を「フエイク・ニュース(偽ニュース)」と呼ぶことは民主主義の根幹を脅かす。また、ジャーナリストを「民衆の敵」と呼ぶこともまた危険である』と。

"Criticizing the news media - for underplaying or overplaying stories, for getting wrong - is entirely right. News reporters and editors are human, and make mistakes. Correcting them is core to our job. But insisting that truths you don't like are 'fake news' is dangerous to the lifeblood of democracy. And calling journalists the 'enemy of the people' is dangerous."

日本と違い、アメリカの報道機関 news organizations (テレビ television、ラジオ radio、映画 cinema、新聞 newspapers、雑誌 magazines、そしてインターネットのサイト Internet-based Websites)は往々にして政治色がハッキリしていて、共和党寄り、民主党寄り、中道と大変分かりやすい。なので視聴者・読者としては自由に自分の好みを選択できるのでその点、非常に健全で公平である。そんな中でこの様な大々的で統一した大統領批判が出てくるのは非常にまれである。

ここで思い出されるのが、自分が仕事で日本の各種の報道機関や数十の各地の種々「記者クラブ」を頻繁に出入りしたことだ。【東京だけで61のクラブがあり、大阪は27ヶ所、他府県にも各3~5ヶ所にある。】 「記者クラブ」制度は日本独特のものと言っても過言ではない。日本の大手新聞・テレビ・通信社が中心で、クラブ・メンバーになることによって ①公的機関内の専用の部屋を無償で利用することが出来る ②政府・地方自治体・大企業・主要団体などから送られてくる情報を独占的に入手・使用が出来る。従って他社を出し抜くようなスクープ(特ダネ)は今はほとんど出来ない(だいぶ、昔にはあったが...)。なので、スクープは現在、メンバーになれない雑誌社の独壇場(a one-man show) である。「週刊文春」(約61万部)、「週刊新潮」(約43万部)などが良い例である。

毎朝、管轄の全国紙・地方紙・英字紙の新聞20紙に目を通したが、全部を端から端まで読んだら一日かかっても読み切れないので、実際は全国紙の右系、左系、中立系の3紙の社説・論説と地方紙のローカル・ニュースの「見出し(headlines)」 だけを1時間だけでピックアップ‼ それだけで十分だった。なぜなら、「見出し」は若干違っていても、ニュース源(news source) はどの新聞も全て同一であるからだ。【アメリカの新聞ではそうはいかない。一紙ー紙、すべて違い、全米で1,500紙近くあるのだ‼ Ha‼】

ここで我々が絶対に気をつけないといけない事がある。それは一方的な情報(one-way information) の情報操作(manipulation)・漏洩(ろうえい leak)によるニュースである。そのニュースが真実であるかどうかは、最終的には我々、自分自身の判断による。なので、我々に今、求められているのは賢い視聴者・読者になることである。 ■YS





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