誰も書かない「ハリウッド・ハワイ・米国」の本音トーク

Information about Hollywood, Hawaii and the U.S. 

米国の都市 - メンフィス、サンアントニオ、サンタフェ、ティフアナ(サンディエゴ) / Memphis, San Antonio, Santa Fe, Tijuana/San Diego

2010-01-28 | 米国事情
 

日本の留学生、研究員、商社マン以外、あまり日本人の観光客が行かない市でのエピソードをいくつか紹介する。

 テネシー州メンフィス市[Memphis, Tennesee] 人口68万人

メンフィスと言えば日本でもアメリカでも歌手エルビス・プレスリー(Elvis Presley) の邸宅があるところで超有名である。プレスリーの主演映画はほとんど見ているのでファンではあるが、その家まで行って見学をしたいとは思わなかった。

代わりに米国務省のアレンジで、市の劇場(regional theatre) で公演されている「王様と私(The King and I) 」のミュージカルに招待された。客席が1800ほどある立派なところで観に来ている人たちが、小さな子供を含めてすべて正装(男性は黒服・タキシード、女性はイヴニングドレス)していた。何事かと思って責任者に聞いたら、劇場はすべて会員制で街の人たちの多大な協力で運営が成り立っているとの事。正装はパフォーマンスに敬意を表すのには当然の事だと。非常に感心した。

招待されたのは良かったのだが事前の行き違いなのか、自分の席がない。そこで館の人がディレクターズ・チェアーを持ってきて1階の通路のど真ん中にそれを置いて、そこに座れと言う。映画「王様と私」【1956年20世紀フォックス制作、主演ユル・ブリナー (Yul Brynner) と デボラ・カー (Deborah Kerr) 】に勝るとも劣らない3時間の舞台が終わった。館内が再び明るくなると多くの人が握手を求めてきた。「ちょっと待って」、いくら監督のイスに座っているからといっても...、「違う」というのに...。運悪く、着ていたのが白のブレザー、さらに頭は主役の王様と同じまる坊主。間違えるのも当然、仕方がない。(渡米する前に、毎日の髪のみだしを整えるのがめんどうだと思って、その時期だけ坊主にしたのだが。)

翌日、何もスケジュールが入ってなかったのでホテルの近くを散歩した。おいしそうな料理を出しそうなレストランを見つけたので昼食をしに中に入った。途端、10組ほどいた客が一斉に驚いた様子でこちらを見た。全員、男女とも白人で金髪!俳優のロバート・レッドフォード (Robert Redford) やマリリン・モンロー (Marilyn Monroe) を思い出させる光景だった。一瞬何が起こったか分からなかったが、テーブルに案内されるやいなや分かった。「ははぁー、これが人種差別か!」自分が南部の州にいることをやっと再確認した。そう言えばダウンタウンに行った時は街には黒人(African-American) 一色。州の人口の35%しかいない白人はかたまって郊外に住んでいるのだ。今でも人種差別が根強く存在している。急いで食べて、そこを出たのは言うまでもない。

 テキサス州サンアントニオ市[San Antonio, Texas] 人口130万人

中学生時代に観た超大作映画「アラモ(The Alamo) 」【1960年ユナイテッド・アーティスツ制作・主演&監督ジョン・ウエィン John Wayne 、共演リチャード・ウィドマーク Richard Widmark 、ローレンス・ハーヴェイ Laurence Harvey) 】のアラモ砦が長い間、忘れられずにいた。

幸運にも2度ほどサンアントニオを訪れるチャンスがあった。アメリカ西部開拓史上に有名なテキサス独立戦争、1836年のスペイン軍との攻防を描いた映画だが、その本物の遺留品が砦の資料館に数多く展示されている。それらを見たとき感動して涙が出た。

その夜、市にあるメキシコ総領事館・総領事主催のパーティに招待された。メキシコの独立記念日のイベントで館内はすし詰め状態、1000人以上はいたと思う。飲み物はゲットしたが食べ物の所在がわからない。誰に聞いても皆、スペイン語しか話さない! 後から分かったのは招待されていたのはメキシコ人コミュニティからの人達ばかり。また、女性陣は日本人好みの美人ぞろい。スペイン語をもっと勉強しておけば良かったと後悔した。

余談だがテキサス州には超美人が数多くいる。ミス・アメリカのコンテストにこの州の出身者が頻繁に優勝するのもうなずける。2種類の異なった美人がいて、上記の黒髪・茶褐色のラテン系美人と色白で金髪、体格がよいカウボーイ系・じゃじゃ馬タイプの美人。後者は牧場(ranch) 見学の際、牧場主の娘3人を紹介された時に確信した。

 ニューメキシコ州サンタフェ市[Santa Fe, New Mexico]人口6万人

西部劇ファンとしては絶対格好よいと思うのがアメリカン・インディアン(Native Americans) の存在である。特に彼らが使う生活品、装飾品のカラー・色どりが大好きだ。チェロキー(Cherokee)、ナバホ (Navajo)、アパッチ (Apache)、コマンチ (Comanche)、シャイアン(Cheyenne) など色々な部族 (tribes) がある事も映画で学んだが、今でも比較的人口の多いプエブロ (Pueblo) インディアンの居留地の見学を希望して訪問が実現した。祭り以外は「例の」有名な衣装は着ないので、現地ではちょっと期待はずれだった。

サンタフェの家はすべて「日干しレンガ風の積層型(黄土色)」の建て方で統一されている。日本では1991年、女優の宮沢りえが現地で撮影したヌード写真集が150万部のベストセラーになり、有名になった場所である。非常に変わった町並みで都会とは思えない。そこのお土産品はインディアン色の強い青緑色のトルコ石 (turquoise) を使った純銀(sterling silver) の宝飾品ばかり。ほしい物は沢山あったのだが、結構いい値段がついていたので全部あきらめた。

 メキシコ合州国ティフアナ市[Tijuana, Mexico]人口140万人
カリフォルニア州サンディエゴ市 [San Diego, California] 人口130万人

サンディエゴのすぐ南の国境沿いにメキシコのティフアナがある。2回ほど訪問したが、1度目はティフアナ市内へ、2度目はアメリカ側からの国境線の視察だった。

国境を越えて一歩、街に入ると周りの様相は一変する。一番驚いたのが物価がめちゃくちゃ安い。また、人々の賃金が極力低い。(アメリカの賃金の1/7~1/8。ちなみに、アメリカの平均所得はやや日本より高い。)どおりで隣のアメリカの街々に出稼ぎに行く人の数が半端ではない。

米国家安全保障省(DHS = U.S. Department of Homeland Security) に属する米連邦政府税関及び国境警備局(CBP = U.S. Customs and Border Protection) ・国境警備隊(Border Patrol) の事務所を訪問した。隊員による1時間のブリーフィングの後、4輪駆動のパトロール・ジープに乗って国境線(border line) 沿いを3時間にわたって視察。ハリウッド映画ではよく見たシーンだが、実際に見て、「すごい」の一言につきる。1日に、何万、何十万というメキシコ人たちが徒歩で、また23万台のメキシコの車が検問所のチェックを受けて行き来する。想像を絶する光景だ。カナダとの国境線もさることながら、メキシコとの「境」を取り締まるのは並大抵のことでは出来ないだろう。オバマ政権にも難問の一つとして重くのしかかっている。#YS

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映画「ナイト・ミュージアム」 と 美術館・博物館 / Movie "Night at the Museum" and Museums

2010-01-05 | 米国事情
               

ベン・スティラー(Ben Stiller) 主演の映画「ナイト・ミュージアム(Night at the Museum) 」2006年制作、「ナイト・ミュージアム 2(Night at the Museum: Battle of the Smithsonian) 」2009年制作を観た。#1の方はニューヨーク市にあるアメリカ自然史博物館(American Museum of Natural History)で撮影され、#2はオリジナル・タイトル通り首都ワシントンのスミソニアン協会(Smithsonian Institution) の博物館群でロケーションされている。

1993年のミラン・トゥレンク(Milan Trenc) 著書の子供本の映画化である。この作品に登場する人物、動物などなど年代、歴史を超えて一堂に出てくる発想はかなり面白い。歴史に詳しい者にとってはたまらないだろう。娯楽コメディ映画としては超一級。

全米には美術館、博物館、歴史資料館など数えきれない程ある。5回ほど全米長期研修旅行に行っているが、各都市では必ず3~10のその様な施設を訪問したり、そこの責任者、学芸員(curator) にも会って話を聞いている。

映画の舞台となったニューヨークだけでも、有名なメトロポリタン美術館(Metropolitan Museum of Art) 、ニューヨーク近代美術館(MoMA = Museum of Modern Art) 、ホイットニー美術館(Whitney Museum of American Art) 、グッゲンハイム美術館(Solomon R. Guggenheim Museum) はじめ山ほどある。皆素晴らしいコレクションを持っている。

特にすごいのがワシントンDCのスミソニアン協会が運営する博物館群。数は16あり世界最大の研究機関を統括し、入館料はすべて「無料」。
国立アメリカ歴史博物館(American History Museum)
国立航空宇宙博物館(Air and Space Museum)
国立自然史博物館(Natural History Museum)
芸術産業館(Arts and Industries Building)
ハーシュホーン博物館と彫刻の庭(Hirshhorn Museum and Sculpture Garden)
国立アメリカ・インディアン博物館(American Indian Museum)
フリーア美術館(Freer Gallery of Art)
クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館(Cooper-Hewitt National Design Museum)
国立肖像画美術館(Portrait Gallery)
スミソニアン博物館(Smithsonian Museum)
などが今、思い出せる名前だ。スミソニアンのすべての館を数回ずつ訪問したが、何せ一つずつの施設の広大な床面積と膨大なコレクションで、1日で駆け足で周れるのはせいぜい3つ(理想はまる1日かけて2館)。米政府のおかげでトータル1ヶ月以上、ワシントンに研修滞在出来たのがラッキーだった。

映画「ナイト・ミュージアム」は忘れかけた訪問を思い起こしてくれる。#YS

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