25時の島

祝!カブ移籍。W杯は雲の彼方に

映画「ペルセポリス」に思う

2007-05-30 23:26:00 | 読書感想
朝日新聞のコラム

http://www.asahi.com/culture/movie/TKY200705290144.html

河瀬直美監督の「殯の森」グランプリ受賞で他の作品がかすんでしまいましたが、今年のカンヌ映画祭で気になったのが、審査員賞を受賞した「ペルセポリス」でした。以前も話題にした、イラン生まれでフランス在住のイラストレーターの自叙伝の映画化であります。

ただ、今回の受賞に関して、イラン政府は「ペルセポリス」が反イラン的だと非難し、上映中止要求まで出したというニュースもありました。

まあ、これは本当に難しい問題で、第三者的経済国家でのほほんとしてきた人間がしたり顔で断言できる話ではないですね。(乱暴なことを言えば、イランという国はイスラム世界でも少数派のシーア派が政権を握る唯一の国であり、アラブとは異なるペルシャ系民族であるという意識も強い。アラブ諸国《シリア、サウジとかね》とも他の非アラブ・ムスリム国家(トルコとかパキスタン、インドネシアとかね)とも馴れ合えないし、馴れ合わないものがある。)

ただ、これだけは言えると思うのです。「ペルセポリス」という作品は、過去に幾多も発表されたイランを扱った小説、本、そして映画の中で最も世界中の多くの人に読まれ、受け入れられたものの一つであり、あくまでも特定の視点からでも、イランについて教え、考えさせてくれる、そんな価値があるのだと。

というわけで、サトラピの別作品“Chiken With Plum”を現在読んでいます。英語版で、しかもちょっと複雑な構成なので、きちんと読解したと思えるまで時間はかかりそうです。「ペルセポリス」同様、翻訳版が出ることを望みます。


Chicken With Plums

Pantheon Books

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サトラピのインタビュー映像はこちら

現実は、概ね絵空事の意表を突く

2007-05-27 09:51:02 | Weblog
しつこいけれど、福島の事件で思い出したこと。
日本のロックバンドDir en grey(ディル・アン・グレイ)が出した「朔-saku-」というシングルがあった。何でも北米のMTVオルタナティブ番組で話題になってチャートインしたらしい。(MTVジャパンで言っていた。)これ自体は日本のバンドとしても稀に見る快挙なのだけれど、このビデオ、先日Youtubeで初めてちゃんと見て、洒落でない内容に頭を抱えてしまった。

この曲のPVは、どこにでもいそうな高校生らしき少年による親殺しを扱っている。直接的な「殺し」のシーンこそないが、少年が徐々に追い詰められるようにして親に凶器を向ける家庭が細切れに描写されていて、見ていて途方にくれてしまう。

もっと怖いのが、このビデオが2004年に製作されていたこと。絵空事が現実になってしまったようないやな感覚が残る。

それでも、こうしたことを「危険思想」と安易に排除するのも解決にはならない。そして結局解決のない思考で終わってしまう。やれやれ。

なんにせよ、絵空事と思って書いても、現実はしばしば人の想像力を覆してくれる事態になるのだから、生きていくのも楽じゃないね。(落とし所が悪くてすみません。)

朔-saku-
Dir en grey, 京
フリーウィル

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観劇記・Studio Life「ロミオとジュリエット」

2007-05-26 23:56:39 | ミュージカル・演劇
初紀伊国屋ホール、そして初Studio Lifeであります。

Studio Life 「ロミオとジュリエット」

5月24日 ソワレ 
キャスト
“Erbe”
ロミオ:岩崎 大
ジュリエット:船見 和利
ティボルト:奥田 努
マキューシオ:坂本岳大
ベンヴォーリオ:小野健太郎
パリス:寺岡 哲
バルサザー:三上 俊
エイブラハム:下井 顕太郎
サムソン/僧ジョン他:深山 洋貴
ピータ/グレゴリー:大沼亮吉
キャピュレット家の召使:富士亮太、政宗
モンタギュー家の若者:高根 研一、荒木健太郎、関戸博一、吉田隆太
ティボルトの従者:曽世海児、荒木健太郎、仲原裕之
ロザライン:吉田隆太
モンタギュー:牧島進一
モンタギュー夫人:篠田仁志
キャピュレット:船戸慎士
キャピュレット夫人:林 勇輔
乳母:石飛幸治
薬屋:下井顕太郎
エスカラス大公:甲斐政彦
僧ロレンス:河内喜一郎

作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:松岡和子
上演台本・演出:倉田淳


スタジオ・ライフという劇団名は前から知っていました。『トーマの心臓』をはじめ、『死の泉』、『月の子~Moon Child~』、『OZ』(魔法使いでも刑務所でもなく、樹なつみ原作のハードな近未来マンガ)など癖の強い少女漫画、長編小説をレパートリーに持つということ、そして男だけの劇団ということくらいで、平たく言えば、かなり色眼鏡で見ていました。何せ「耽美」が劇団のイメージとWikiにも書いてありましたから
 しかし、単にいい男を揃えただけならここまで劇団が維持できるはずもないだろうと思ったのと、蜷川さん以外のシェイクスピアも見てみたいな~という興味がちょうど重なって見に行ってまいりました。

チラシによると、ダブル・キャストで、Erbe(エルベ)、Sighori(シニューリ)という二つのチームに分かれている。ここでちょっととなってしまったが、気にしても始まらない。後で公式サイトを見て判ったのだが、スタジオライフでは必ずキャストの組み合わせに名前を付けている。『白夜行』のときは「杳(よう)」と「宵(しょう)」、『真夏の世の夢』では「Yippee!」と「Wow!」となっていた。一応、演目の趣旨に合わせたチーム名を付けるみたいです。したがって今回はイタリア語のチーム名なんですな。面白い
私が今回見たのは「エルベ」チームでした。

会場に入ると、黒衣のさわやかなお兄さん達とスタッフがお出迎え、と言ってもホストクラブではないぞ。チケットのもぎりとクローク、プレゼント受付コーナーがあるのだが、お兄さん達(若手団員)がとても爽やかで別世界なのよ。うひょ。当てられながら奥に進むと、小さなロビー中央部に、送られてきた山盛りのお花をバック、プログラムとその他グッズ販売コーナーが設置されている。グッズはプログラムの他にブロマイド、エルベとシニョーリ(慣れた)、それぞれのロミオとジュリエットの写真をあしらったポストカード、スタジオライフのロゴ入りミニタオル、過去作品のプログラムなどなど。すげえ~。そういえば以前みた「恋の骨折り損」で王女様だった姜暢雄もここの出身ですな。ファンクラブの入会案内が折り込みに入っていた。うむむ~。開演まで、時間がなかったのでとりあえず突っ切り、突き当たりの階段を上ってホールに入る。ホールは、さすが小劇場のメッカ、ストールのみだがどこからでも舞台の声が届きやすいつくりになっている。(偉そうですみません。某成金ホールを思い出してしまったのです。)

舞台ベージュの壁で仕切られていて、正面と上手に入り口、下手には窓がある。
客席は9割女性で、年齢層も広い。場内に流れる音楽は中世イタリアを髣髴とさせる弦楽曲だ。雰囲気はどことなくゼフェレッリの映画版(オリビア・ハッセーのやつ。)に近い。

音楽が高まり、舞台が暗転すると黒衣をまとった男がよろりと登場し、前口上を告げる。そして呼応するようにホール中扉からキャピュレットの召使が登場して物語が始まる。

作品自体は基本的に大きな改訂はないが、小さな箇所、例えば結婚準備に沸くキャピュレット家の広間でのやりとりとか、ロレンス神父のシーンなど一部は省かれていた。あと、これもゼフェレッリ版と重なるが、原典ではショック死するロミオの母は最後まで生きて息子の死を見届ける。

衣装も映画版を意識していた。特にジュリエットの赤いドレスは映画版そっくりで、をい!と思ったがまあこれも良し。ただ男性陣はタイツではなくて、ピッタリしたパンツでほっとした。バレエはまあ良しとして、ストレートプレイで「あれ」はねえ~


結論を申しますと、中々に興味深く、素直に楽しめました。
蜷川演出のオール・メイルシリーズもそうだけれど、シェイクスピアの時代は男優しか使えなかったので、きっとロミジュリもこんな感じだったのだろうな~と思った。はっきり男だとわかるのだけれど、ジュリエット役の船見和利はちょーっときつかった。子供っぽさがよく出ていたのだけれど、声が低すぎるのか、発声がおかしいのか、最初は違和感バリバリだった。キャピュレット夫人の林勇輔が声も素敵で中年マダムそのものだったので余計に。(それに、マイ・ベスト女形は今のところ、ぶっちぎりで月川悠貴くんなんだもーん。あの人に敵う美少女男《何だそれ?》は早々いないと思うのですよ。あ、玉三郎様という別格もいます。)
ただ、ロミオに出会ったときや、パリスとの結婚を余儀なくされて、孤独な決断を強いられるところはとても情感があってよろしかったです。

そしてロミオ役の岩崎大がとてもよかった。登場シーンではちょっとぽっちゃりしていてう゛ーむと思ったのだが、話が進むにつれてどんどんかっこよく見えてきて最期には命散らす美少年そのものでした。いやあ、びっくり。
ベンヴォーリオ役の小野健太郎は登場から、爽やか美青年で目の保養♪それだけでなく、ロミオとマキューシオと一緒にすごくバカやっている場面がまた可愛い!というか微笑ましい!アドリブ全開で腹が痛かったです。
そしてマキューシオの坂本岳大はロミオ&ベンヴォーリオとは少し毛色の違うがっちりした体格のお兄ちゃんで、駄洒落大好きなかぶき者。彼が前半の喜劇部分を体現していたから、その死と引き換えに悲劇がくるんだ、と思い知らされました。
パリス役の寺岡哲も貴公子そのものなのだけれど、融通きかなそうな所が、「らしい」と言えば「らしい」。ただ、墓所でロミオと揉めるシーンで、二人とも壁にかけてあった剣を取ってやり合うのだけれど、あの構え方はちょーっと時代劇っぽかったな~。これは日本人のサガなのだろうか?

そしてキャピュレット家の男性がはい。ティボルト(奥田努)はラテン系っぽいねっとりした感じで、キャピュレット氏(船戸慎士)は格好がちょっとラスプーチン入っていて、結婚を拒否するジュリエットを叱責するシーンが怖かった。明らかに暴力亭主で奥さんも乳母も萎縮しているのがよく分かった。

あと忘れてはいけないのがロレンス神父(河内喜一郎)。朗々とした語り口で深い知識と経験に裏打ちされた自信に満ち溢れていたのが、運命のいたずらで恋人達を死に至らしめてしまう。全てが終わってしまった後に黒いフードをまとい、よろよろと流浪しながら最後の口上を述べるのが切なかったです。冒頭部で口上を述べるのが(おそらく)破門か、罰として宛てのない巡礼を行うロレンスでして、彼の回想ともとれる演出でした。

ただ、ラストにいきなり現代を風刺するようにイラクでのスンニー派とシーア派のカップルについての英語のニュース放送を挿入するのはちょっと余計だったように思えます。うまい具合に世界を作り上げていたのだから、そのままで突っ走ってほしかった。社会派路線を行うなら、もっと徹底しないと!

何はともあれ、非常にきっちりした作品になっていて面白かったです。Studio Lifeの別作品も、機会があれば見に行きたいと思いました







それでも因果関係を見出したいのか?。

2007-05-20 21:37:41 | Weblog
名古屋の立てこもり発砲事件で少しかすんでしまったけれど(そもそも事件がより大きな事件で霞むという構造には参ります。)、福島の母殺害事件は少年が母を殺すという最大のタブーのひとつを犯してしまったという点でやりきれない。

少年犯罪が起きると、メディア媒体(とニュースを丸呑みする我々)はその原因、因果関係をあれやこれやとあげつらうけれど、大抵は適当なスケープゴートを立てた挙句に、「個人の闇」などあいまいな表現で事件を総括してしまうように思える。

そしてスケープゴートになるのは大抵、ホラー映画やどぎつい音楽、漫画となる。
このご時世になるとターゲットは絞られていくのも特色だ。間違ってもミス@ル聞いたから、とか言った示唆は生まれない。

今回の事件で上げられていたのは、マリリン・マンソンとビースティ・ボーイズだった。
何でも犯行前から聞いていたのがマンソンで、犯行後に見ていたのがビースティ・ボーイズのライブDVD「撮られっぱなし天国」だったのだそうだ。両方とも歌詞が刺激的で殺人を誘発するのだと。いやはや。
まあ、「撮られっぱなし天国」には脱力してしまいましたが。だってファンに撮らせたお気楽なライブDVDなのだもの。歌詞はえげつないが、内容は結構良いぞ。タワレコで立ち見した限りでは


番組によっては、マンソンの方が少年に悪影響を及ぼした度合いが強いみたいな言い方もしていて、あまりに類型的な反応に首を傾げてしまった。そりゃあマンソンはあの外見だからキワ物っぽいですが、マンソンが顔を白く塗っていたから、遺体の腕を白く塗ったのだ、という見方はいただけない。

漫然とした話になってしまいましたが言いたいのは、趣味をあげつらう前に、もっと違う方を調べて、それを世間に投げかける方が良いのではないか?ということです。このままでは、10年前の神戸事件の繰り返しになりますもの。



そんなわけで、フジロック来日の近いビースティーズを。バッシングするのが馬鹿馬鹿しくなるジャケットです。
ビースティ・ボーイズ 撮られっぱなし天国 スペシャル・エディション

角川エンタテインメント

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原題は「すげえ:俺くそ撮っちまったぜ!」。日本語ノリではちょっと分かりにくそうですね。この邦題をつけた人のセンスに脱帽

ねじ巻きブラバン行進曲

2007-05-19 20:45:33 | Weblog
職場の近くに小学校があるのですが、ここ一週間ほど運動会の練習をしています。
音から察すると、午前中は競技練習で午後は入場行進の練習、入退場行進の練習のようです。根拠は簡単で、午後になるとブラスバンドの音がするから
音楽はなぜか「聖者の行進」と「鉄腕アトム」のメドレー。しかしイントロがなぜか「ひとりぼっちの羊飼い」(from『サウンド・オブ・ミュージック』)。

おそらくリズムから空耳で聞こえてしまうのかも知れませんが、困ったことに「ひとりぼっちの羊飼い」って、大好きなグウェン・ステファニーの名曲「グウェン姐さんのねじまき行進曲(原題:Wind it Up)」でサンプリングされていた印象が強すぎて、ここ一週間というもの、行進練習の開始とともに私の脳内は「ねじ巻き行進曲」がリピート状態。条件反射って恐ろしいです。

そんな「ねじ巻きメドレー(違)」入退場行進の本番は日曜日みたいですが、天気が少々心配。
晴れると良いね


Wind It Up, Pt. 1
Gwen Stefani
Universal/Interscope

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やっと出るオフィシャル本

2007-05-18 23:53:26 | 海外ドラマ(CSI、その他)
関連本を買いあさっていたせいか、アマゾンから再三案内メールが届いたので、ちと遅めですが宣伝。

「CSI」シリーズ初の日本版オフィシャル・ファンブック、「教えて!CSI」が出ます。


・・・
・・・
・・・。

(ぼそっ)ださいタイトル

『24』はあれだけガイド本出しまくっているくせにさ~。今更なんだよ、ぶつぶつ。しかも3作(ラスベガス、マイアミ、NY編)一緒。ファンとしては見る前から欲求不満です。1シリーズ1冊作ってほしいのに(ムリです)。

これはドラマに限らず、海外からの情報って本当に輸入、または紹介者のフィルターが分厚すぎるように思うんですよ。あちらではとっくに打ち切ったドラマシリーズを「話題沸騰!!」とか紹介したりするのってどうよ!?虚偽広告じゃないの?

まあ、こうした見方もインターネットの普及で情報が楽に入るようになったからできるんですな。ありがたい世の中です。


まあ、とりあえず食わず嫌いもしょうがないので、明日立ち読みしてきます

教えてCSI: 科学捜査班/マイアミ/NY

日経BP出版センター

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腑抜けっています。

2007-05-16 22:27:10 | Weblog
先週まで気を張っていたのですが、今週は気が抜けてしまいました。
日曜日に友人の結婚式があったんですよ。
中学からの友達なので10ン年以上の仲、ここは一発気合を入れなくては!と思いまして。
がんばりましたよ~。
とりあえず毎日「ビリーズ・ブート・キャンプ※1」と腹筋で肉削る努力を


「ビリー~」は一本45分勝負なのですが、いや~すごい。20分で足がよれて終わった瞬間にメルトダウンしてました。動き方が半端じゃないです。本当に。

で、酒もチョコも食べず、ビタミンを取って早寝早起きして日曜日にgo!!


こじんまりとしたもので、とても良い式でした。←こんなカップルで、しかもお婿さんは関西人なので何故かトークが自然にお笑いになってしまい、今度は腹が別の意味でよれる

当分予定はないですが、結婚って良いものだなあと思った日曜日でした。

で、今週。
もう、気が抜けて抜けて・・・
とりあえず腹筋はやっていますが、ヒールを履いた足が痛くて「ブート・キャンプ」はサボリ中です。
今も続けたら鋼鉄のボデーが手に入るとは思うんだけどねえ・・・


※1「ビリーズ・ブートキャンプ」・・・文字通りビリーというアメリカのマッチョなおじさんが始めたエクササイズ。軍隊のしごき・・・もとい訓練用のプログラムを一般人用に改良したらしい。深夜の通販番組で始終流れているアレです


連休後半に、なぜかストーンズ熱再燃

2007-05-08 21:23:03 | Weblog
今年の連休後半4日間、実家に帰省していました。一年ぶりだったぜえ~。

前半2日間は非常に天気も恵まれていたので、家族でドライブに行ったりしてました。途中に寄ったのが北米産超大型倉庫店舗、「コストコ」。なぜかその第一号店はウチの県の山中にあるのです。正直に申しますと、コストコは私にはでかすぎ、物大きすぎ、量多すぎで、大皿サイズのアップルパイだの、巨大自宅プール用ジャグジーなど物量に圧倒されて溺れそうになりました。一軒の倉庫で食料から電化製品、ソフトウェアまで揃うのは凄いですけどね。しかし、食料以外は殆どがメイド・イン・チャイナだったな。何だか貧弱な顔でふんぞり返るブッシュの後ろで、トンカチ持って笑っている胡 錦濤なんて図が頭に浮かんできてしまった。


閑話休題。
で、とりあえず「適量」、すなわちささやかな量の食料品と18個1セットのキッチンペーパーに加えて、ストーンズの写真集を買いました。ビートルズのバージョンもありました。まあ、ビートルズなんて誰かが買うだろうし、ストーンズ版は丸善よりアマゾンより安かったので、買いだろうと



The Rolling Stones:365Days


洋書なのですが、有名なものから未公開写真まで取り混ぜて、ストーンズの40年間の歩みを365枚の写真を通じて見ていく体裁になっています。非常に重い本ですが、お買い得♪

で、写真を見ているうちに動く彼らを見たくなり、戸棚に眠っていた89年のドキュメンタリービデオ、「25x5」を、およそ10年ぶりに再見

当時は気づかなかったのですが、このビデオ、“The Continuing Adventures of the Rolling Stones”というサブタイトルが付いていました。訳して「ストーンズの終わりなき冒険」と言ったところでしょうか。

ストーンズにはまり始めた10ン年前にはあまり気にも留めていなかった箇所にお!?と目がいったりしました。

今回、特に見てしまったのが60年後半のブライアン・ジョーンズ離脱について。
ロニーもミック・テイラーも好きで、ブライアンに関しては「死んだ人」扱い(すみません。)で昔はするーっと見ていたのですが、自分がブライアンの死んだ年(27歳)を追い越し、加えて昨年、映画「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」(邦題が長いので、以下、原題の『Stoned』で通します。)を見て、おかしくも悲しいブライアンとストーンズ・メンバーとの関係が気になったのです。

まず意外だったのが、生前のブライアンの声が、「Stoned」でブライアンを演じたレオ・グレゴリーにとてもよく似ていたこと。と言うよりも、レオ・グレゴリーがブライアンに似ていたということ。キースに関しては、監督に対して「アンタ、キースに悪意あるやろ!?」と突っ込みを入れたくなったのだが、ブライアン像に対してはとても真摯だったのだなと、少し感心した。

余談だが、「Stoned」でキース役を演じていたのは『パフューム』で美しくもイカれた調香師の主人公を演じていたベン・ウィショーだった。『パフューム』の時の方が頬もそげて、キースに似ていたと思うのだが・・・


キースと言えば、ブライアンと決別した時の事を語る箇所で、それまで「ミックと俺はキッチンに閉じ込められて曲作らされてよお~。参ったぜ。へっへっへ。」などと比較的リラックスして語っていたのが一転して「モロッコに行って・・・アニタと逃げて・・・結局ブライアンは俺を許さなかった・・・仕方ないよな・・・。」と目線も下向きで、本当に言い難そうだった。きついよなあ、そりゃ。
そんなキースに続いて語ったのはチャーリー。当時も外野だったのであっさりと「酒とドラッグでブライアンは身を持ち崩してたんだ。限界だったんだよ。」と言ってのける。当事者と傍観者の違いをここに見る。

そんな感じでストーンズ熱が再びゆっくりと上がってきたゴールデン・ウィークでした。

ちなみに上の写真はコストコともストーンズとも関係ない、北九州・平尾台です。山口の秋吉台と比べて小規模ですが、気持ちの良いカルスト台地ですよ。


アダム・クーパーの一週間

2007-05-03 01:38:41 | Weblog
お気に入りのダンサー、アダム・クーパーが英デイリー・テレグラフ紙のMy Week(私の一週間)に登場しました
このコーナーは、毎週土曜に様々なアーティストがその一週間の記録を綴るもので、バレエ関係では、過去にアリーナ・コジョカルやタマラ・ロホなどが登場しています。

クーパーさんは現在スティーブン・ソンドハイムのミュージカルなど振付業に精を出していまして、My Weekでもそれが表れてます。

内容を少し紹介しますと…

・木曜日
ソンドハイム・ミュージカル「Side By Side」のお仕事でロンドンへ。午前7時の鈍行列車で自宅のハンプシャー(田舎)からロンドンへ。通勤中も椅子の下ではDancing Routineを実践中。10時にリハ開始。Raymond Gubbay(関係者?)と昼食。夕方は兄(サイモン・クーパー。この人もダンサー。)とビリヤードをする。

ハンプシャーからロンドンは3時間かかるという事が判明。座っている間も静かにトレーニングする方法を知っているとも書かれていますが、本当にプロのダンサーなんだなあ、という感じがしますね。うう、すごい!

・金曜日
プリマスで7月上演予定のミュージカル「Imagine This」のオーディション。受ける側と落とす側、両方を知る人間にとってハードな上に、俳優の友達が受けに来てしまった。Weird(不気味とか、奇妙とか…要するに世間の狭さに驚いた、という意味合いでしょうか?)な体験だったものの、結局彼を落としたが、その後、落ちた理由を電話で問い詰めてきた。辛いが理由を説明して終わる。

で、帰宅後、気分をほぐそうとCrime Scene InvestigationのDVDを妻のサラと寝床で見る。犯罪モノは大好きだ。


ここで嬉しい発見。クーパーさんは「CSI」のファンだということが判明しました!しかも、この表記は間違いなく、マイアミでもNYでもなく、ベガスってことですよね!?DVDまで持っているなんて、同じCSIファンとして喜ばしい(アンタ何者やねんと突っ込まれそうですが、両方好きなんです!)~。やっぱり奥さんが「サラ」だしな。関係ないか。しかしサラ(奥さんの方です)の紹介が女優actressと表記されていたのがちょっと気になる。サラ・ウィルドーといえば、ロイヤルの元ダンサーなのだが・・・現在はストレート・プレイに専念しているのでしょうか?

どーでも良いが、気分をほぐすのにCSIはちとブラック過ぎやしませんかね?まあ人のこと言えませんが…



・土曜日
10時までゴロゴロして、その後はメールの返信やCDを聞くなどお仕事。それからサラとベビー服を買いにGuilfordへお買い物。もうすぐ彼はおじさんになるそうだ。

おめでた?と思ったが、お兄さんの子供だと判明。うーむ、アダム夫妻にコウノトリはまだ来ないらしい。


夕方はテレビを見て過ごす。タレントショウが大好きで、特に「The X Factor」がお気に入り。だけど「Any Dream Will do」は好きじゃない。


ちょっと説明します。「The X Factor」というのは「アメリカン・アイドル」のような大型のオーディション番組で英国全土から集められた歌手予備軍が3人の審査員の元で特訓して勝ち上がり、賞金とレコード契約を掴むという趣旨の番組。審査員の一人がヘビメタ界のゴッド・マザーことシャロン・オズボーンで、もう一人の審査員とよく罵り合いしているのがとーっても印象的

「Any Dream Will Do」の方は今年BBCで放映されているミュージカル・オーディション番組でこちらはアンドリュー・ロイド・ウェバーの初期作品「ヨセフと不思議なテクニカラーのドリームコートJoseph and his amazing technicolour dreamcoat」の主演を目指して勝ち上がる番組。「Any Dream Will Do」はミュージカルで歌われるナンバーです。

クーパーさんは舞台人として、スタミナ不足の素人を簡単におだて上げて舞台に乗せた挙句、何のフォローもしないで終わらせるのが嫌みたいです。プロの舞台人として許せないのでしょう。

因みに「ヨセフ~」は旧約聖書「創世記」の話から着想を得た作品で、イギリスでは、よく夏などにツアー公演が行われています


・日曜日
オフ。トラクターで芝刈りをして、シーザーサラダの昼食後はChichesterへ。
午後はエージェント、兄、母との電話に費やす。

田舎にすむのに退屈さは感じないけれど、人に会わないことが短所だというコメントもあります。なるほどなるほど。


・月曜日
朝食抜きで、12時間に及ぶ「Side by Side」のテクニカル・リハーサルに参加。働いているときは体重が減ってしまう。

締めはこんな感じです。訳しにくいので抜粋。

“I got through the day by keeping a sense of humour. I can crack the whip but I don't like to: people work best when they're inspired and happy, and you get more respect from a calm manner. People that shout all the time are boring.”

常にユーモアは欠かさないけれど、働くときには騒いだりしない。一緒に働く人にベストを尽くしてほしいから邪魔はしたくない…。大勢の人が関係するリハーサルは大変そうです。

何にせよ、クーパーさんが元気に活動しているということが改めて分かって嬉しいです。ついでにCSIのファンだったことも

でもやっぱりまた彼の踊る姿がみたいなあ…