25時の島

祝!カブ移籍。W杯は雲の彼方に

・・・何でや?!

2008-08-28 22:45:07 | Weblog
アメリカ、民主党候補がやっと!公式に決まりましたね。オバマさん・・・がんばってほしい。切実に

で、今日。
アマゾンの「お勧め本メール」で、オバマ著「マイ・アメリカン・ジャーニー」英語版をチェックした方にというふれ込みでダイレクトメールが来ました。
Dreams from My Father: A Story of Race and Inheritance

Three Rivers Pr

このアイテムの詳細を見る


紹介されていた本は80年代を風靡しまくったLAメタルの雄、モトリー・クルーの泣く子も黙るリーダー兼ベーシスト、ニッキー・シックスの自伝「ヘロイン・ダイアリー」。
The Heroin Diaries: A Year in the Life of a Shattered Rock Star

VH1 Books

このアイテムの詳細を見る


・・・
・・・
・・・




共通項は「アメリカ人」だけやんけ!?

アマゾン、中々やってくれます


北京五輪終わる

2008-08-25 21:33:03 | Weblog
北京五輪、終わりましたね。。。矛盾やら問題やらを抱え込んだままドスドス進む、まさに「やっちまえばこっちのもの」的精神満載の大会、もっともロスもモスクワもそういう大会だったんですよね。ショウ・マスト・ゴー・オン・・・

で、ロンドン閉会式の人海戦術の合間に突如現れた二階建てバス。あらゆる人種のダンサーを揃え、車いすの人も二人登場(と、言っても実際は踊れるダンサー)して、「多様性を受け入れる古くて新しい街、ロンドン」をアピールしていたのは良いとして、突っ込みを入れたい。

イギリスといえば、衣装は着古して10年経過してそうなボロTシャツとムチムチ体型だろうがーーーどうせ多様性をアピールするなら「普段着で多様性な街、ロンドン」にしておけよ~!!

ついでにN@Kアナウンサー氏、ジミー・ペイジが登場した瞬間、ボルテージが上がっていましたね。その前に出たレオナ・ルイスの紹介よりも叫んでましたよ。  でもレオナの「胸いっぱいの愛を」は格好良かったっす。人海戦術が駄目なら文化ですよね♪。でも個人的にはブライアン・メイとかロビー・ウィリアムスが出るのではと予測していたので少しびっくり。でも未来のロンドンを象徴するなら、クイーンはちと保守的かもしれないし、今のロビーさんはちと危ういと思ったのかもしれぬ。

そしてベッカムさんはやはり喋らない。にっこり笑ってボール蹴って終わり。まさに客寄せパンダベッカムくん。確かにまだまだいい男だけどね。ジミペの衰えを横で見ているから余計に。本当にジミペも昔は良い男だったのに・・・せめてキースくらい超越した外見をお願いしたかった、ってあまりに不健康すぎますけれども

後、ピはやっぱり歌が良いなあとか、ジャッキー・チェンの歌が思ったよりうまいとか、「巻物」で一貫した式典テーマがやっぱり素敵だったとか色々雑感が少々。

もう北京五輪の事は今日で総括するので気になったことをひとつ。

いくらアメリカと仲良くてもやっぱりサウジアラビアはおかしい国だと思う。北イエメンなど、中東・北アフリカ国家からでも女性の陸上選手が参加しているのに、をあれだけお金がある国が少数の男性チームしか出さないというのは、やはり変だ。文化とか宗教以前に国としてヘン。
 
どーしても言いたかったのです。あの国どう考えても変。



スピリット

BMG JAPAN

このアイテムの詳細を見る



裏切りの同盟 ~アメリカとサウジアラビアの危険な友好関係
ロバート・ベア
NHK出版

このアイテムの詳細を見る



どうしてマラソンのBGMは「炎のランナー」なのか

2008-08-24 11:38:33 | Weblog
「CSI:4」でも警察駅伝大会のシーンで流れるのはやはり「炎のランナーだ」だったしな。もっともあれは主任の趣味で選んだ伴奏というオチだったけれど。ヴァンゲリスさんの印税額はどれ位なんだろう・・・。


それはそうと、どうにか体力が戻ってきました。ホント19日頃から調子が悪くて、まるで「充電してください」表示の出た携帯電話のようにこまめな電池充電でごまかしながら金曜まで持ち越し、昨日は一日の8割を睡眠に費やすというマナティーの子供のごとく寝っ転がった状態でした。ゴロゴロ。

で、相変わらずオリンピック観戦。ボルトの気持ちよい走りに舞い上がり、400Mリレーに拳を震わせ、棒高跳びで悲鳴を上げてました。シンクロは中国しか見てませんでした。どうにも最近の曲芸ぶりが好きではないので・・・。それにしてもスペイン、中国のコーチが元日本コーチというのに、日本シンクロナイズド界のドロドロを見る思いです。駆逐されたら、拠点を変えてリベンジ!みたいに見えたのです。いやあ、面白い。

個人的に面白かったのが陸上、5000Mと10000M。とにかくレースそのものが見応え満載。長距離な分、前半・中盤では全く先が見えない所が面白い。10000Mではまず、オランダのキプラガットが前にでてリードしていたのが、後半、トルコのアベイレゲッセが集団後方からゆっくりと前に出てリード。最後にエチオピアのディババがするりと前に出て猛ダッシュ。アベイレゲッセ(名前がどうしても覚えられず、前歯ちゃんと勝手に命名。詳しくはプロフィール写真を見てください。)も猛スパートで追うが、ディババは更にスピードアップしてそのままゴールイン。思わず、お見事!!と言いたくなるラストでした。

そして5000M。男子決戦と女子予選しか見ていなかったのですが、10000Mに出場していた選手が多くエントリーしていて、楽しみだったのですよ。そうしたらやはり、10000Mより距離が短い分、ラストのスパートが凄い!!エチオピアのベケレが速い速い。あんな緊張感は中々ないと思います。ついでに女子の決戦勝者が10000Mと同じディババと前歯さんだったのがちょっと嬉しかったです。うーん凄い。

しかし、私個人はやはり体力がない。とりあえず今日は引きこもって充電します。行きたいバレエ公演(小林紀子バレエシアター)があったけれど五反田は遠い・・・





「炎のランナー」オリジナル・サウンドトラック
サントラ
USMジャパン

このアイテムの詳細を見る

端から見れば(以下略)~その2~

2008-08-22 21:08:43 | Weblog
(前日手に入れたヘ.タ.リ.ア.カードで世界地図を作ろうとしてユーラシア大陸で迷子になった、そこで)

昨日の続き、世界地図を見ながらやってみました。

とりあえず東アジアとアメリカ大陸は分かったので、やはりガンはヨーロッパ。島国のUKと海峡を挟んだフランスから。
フランスの下がスペインで右隣(東方)がドイツ。ドイツとイタリアの国境に位置するのがスイスとリヒテンシュタイン。スイスの右隣がオーストリアでその右隣がハンガリーこの下方にクロアチアとボスニア・ヘルツェゴビナだけれど、キャラ化されていないからこの二国はパス()。旧ユーゴスラヴィアとブルガリアが占めるバルカン半島を下って突端がギリシャ、対面するのがトルコ。
トルコから黒海を挟んで上方(南方)に位置するのがウクライナ。ウクライナの情報がベラルーシ。その上方がリトアニアでリトアニアの左隣がポーランド。ポーランドの更に左隣はドイツなのでまず中央部は一周

ここから北欧部分。リトアニアの上方がラトビア、そしてエストニアちなみに三国+ウクライナ、ベラルーシとも左隣はロシアだ。ロシアでかすぎる。こんなにでかかったのか。余談だけれど、あのグルジアは気の毒なくらい小さく見える

話を戻すとエストニアから湾を挟んだ先はスカンジナヴィア半島。まず、フィンランドその左隣(西方)がスウェーデン、さらに左がノルウェーでデンマークがスウェーデンとノルウェーの下方にちんまりと位置している。意外に小さいものです。

そこにエジプトとセーシェルを足して、一応完成。ちょっと達成感ーーー!!

しかし我に返ると結構びみょー。我ながら、暗い、くらすぎる~。とりあえず地理が少しわかったぞ、ということで



最新基本地図 2008―世界・日本 (2008)
帝国書院
帝国書院

このアイテムの詳細を見る

端から見れば暗いよな、やっぱり

2008-08-21 22:24:09 | Weblog
先日「オタクばれ」したから、という訳でもないが、キャラの可愛さに負けて新発売の「ヘタリア」トレーディングカードを買ってしまいました。

ははは・・・トレカなんてラルク以来だぜ。ポケモン→遊戯王集めていた従弟を笑えないよ。

でも、絵柄が可愛いのでよし。サウスパークやセレブリティ・デスマッチ(MTVで放映されていたクレイアニメ。実在のミュージシャンが内蔵とばしながら戦うとんでもないアニメだった。)などエスニックジョークと風刺を交えたものは過去にもあったけれど、ここまで可愛らしい擬人化は無かったと思います。お陰でキャラ好きとしてはどうにも、こうにも・・・

現代古代中世併せて30カ国以上で個人的に、以前も書いたTurkeyとGreece、未見だったGermanとUkrine、更に北Cyprus, Hong Kongがお気に入りです。ちなみにデリケートな分野なので英語表記しています。

あとツボなのがDenmark、台詞が水戸弁の「だっぺ」口調・・・。お陰で水戸弁でしゃべるヨハン・コボー(ダニッシュのダンサーですから。)なんてのを想像してしまった自分がちょっと嫌。関西弁で喋るアンヘル・コレーラとかも

もっとも大人買いしたので「ファッキン村※1の看板を大量に盗むUKと猟銃片手に笑顔で追いかけるAustria」の絵柄が3枚も手元にあるのが・・・。売りに行ってみようかな。

それはともかく、せっかくの国擬人化。30カ国はあるのですから、世界地図を作ってみました。
極東は日中韓香なのでとても簡単。亜米利加大陸もUS、Canada, Cubaだけなのでとても簡単
問題はヨーロッパ大陸。島国と地中海はともかく中・東欧はうろ覚えでしかない。Franceの国境は確かGermanyに接していたとして、その他の隣国が分からない。Italyとは接していたような気もするが、Russiaとも接していたような気もする。でもAustriaとPolandも併合していたから隣国なのか?。SwissとAustriaはEURO共同開催国だから隣同士のはずだが、そうするとSwissの妹分のLichtensteinがどこだか分からない。Austriaと二重帝国を作っていたHungaryは更に分からない。


・・・・そういえば、地理、嫌いだったなあ~


というわけで、努力の結果が上記の写真。バカ日本地図を笑えません。とほほ。これで南米とかアフリカとか来た日にゃあ、さっぱり分かりません。地図見てきます!!


※1オーストリアに実在する村の名前。正式にはFuckinと書いて「フッキン」と読むのだが、英語読みがアレのため、英語圏観光客による看板盗難が耐えないらしい・・・




後ろの

2008-08-17 22:55:11 | Weblog
内職、どうにかできることになりました!!

汗もポタポタだけれど、がんばるぞ

さて、オリンピックも気づけば後半。ポチョムキン畑のように開会式でのしょぼい小細工が出てきているのが、いかにも「らしい」と思えるのは私だけでしょうか?
まあ、前回のトリノでもパヴァロッティが口パクでしたが、今回はショーそのものの完成度が高かっただけに、女の子が吹き替えだっただの、少数民族がウソだっただの、しょぼい話を聞くと、勿体ないと思います。変なところで見栄はるから・・・

それはそうと、前半は水泳と柔道をよく見てました。シンクロ飛び込みとかビーチバレーとか、テレビで放映されないまま終わってしまった競技にも未練たっぷりですが、柔道がこんなに面白いなんて・・・。一本決まった時のカタルシスがたまらないですね。判定より一本!個人的に90kg級で、3位決定戦で陰険なロシア人選手をのしたスイスのAschwanden Sergei選手とかハンサムだった同3位のエジプト選手とかの姿が印象的でした。あと、谷本選手の一本勝ちは素晴らしいいい!!

だけど、毎回気になったのは、ちらちら見える表彰台後ろの席の観客。
谷本選手の後ろの席にいたカナリア・イエローTシャツのお兄さん。カメラに向かってニコニコしていたかと思うと、国旗掲揚では後ろ隣の日本人らしいお兄さんを前に出してくれる心意気。
上野選手の後ろで大笑いして手を振っていたブラジルの旗を振るカップル。
100kg級表彰式で、なぜかイスラエルのでかい旗を誇示していた人(顔は見えなかったので。)は、隣のヘジャブ(ムスリムの人が被るスカーフ)を被ったお姉さんと穏やかに話していたり、シュプレヒコール挙げる応援団も良いけれど、色々な国の人たちが何気ない交流するというのが、国際試合大会の良いところだなあと思います。かますびしいスポンサーとか商業主義は疲れますけれどね、やり過ぎなんだよ、ふう~

現在は陸上をちら見。みんなカモシカ級だなあ。ふう


Yawara! (29) (ビッグコミックス)
浦沢 直樹
小学館

このアイテムの詳細を見る

内職ぴーんち!

2008-08-15 00:40:15 | Weblog
うぉー夏季オリンピックをまともに見るのなんて12年ぶりだー
最後にまともに見た夏オリンピックはアトランタくらいなので・・・。
シドニー?アテネ? 何の話ですか

しかし水泳、ずいぶん変わりましたね。ビキニパンツはどこに行ってしまったのでしょう?何だか1930年代の水着そっくりで不思議です。あと、黒人系の水泳選手が増えましたね。過去10年の世界の物理的環境と心理的環境の変化を見る思いです。

それはそうと、ひょんな事から内職することになりました。データ入力なのですが、自分の趣味にも通じる仕事なので少しでも関われるのが嬉しいです

しかし、問題が発生、送付されたエクセルのマクロが作動しない!!
入力できても変換できない!!

第一歩からつまづきそうです、やばいです。この仕事したいのに思いもよらない落とし穴です。とりあえず現在、問い合わせ中。
少しネガティブになりそうなので、サンボマスター聞いて寝ます。



音楽の子供はみな歌う
サンボマスター,山口隆
SMR(SME)(M)

このアイテムの詳細を見る

北京五輪開会式

2008-08-09 01:27:01 | Weblog
見てしまいました、つい
すげえよ、チャン・イーモウ。何を求められているか、何が見せられるか、どのように映えるかを熟知した構成にただうなってました。
たぶん、これ以上の物量大作戦的セレモニーは出来ないと思うので、次回以降のオリンピックはシンプルに原点回帰とかで時間も2時間くらいで納めてほしいところです。

もっとも、そうすると出場国の入場行進が大変だと思いますが、もうこれ以上の派手+豪華は無理でしょう。
政治問題とかサルコジ・カノッサの屈辱とか世界の思惑とか課題は山積みだけれど、この開会式のセレモニーは素直にすごいと思いました。

とりあえず東京オリンピック誘致はなしの方向で

蒸し焼き寸前の昼下がり

2008-08-05 22:57:35 | Weblog
職場のエアコンが思い切りよく壊れました


しかも今日は断続的な雷雨だったのでおちおち窓も開けておられず、雨がやんでは開け放ち、降り出しては閉めてまわりといたちごっこのような一日でした。
温暖化が頭をよぎっても、クーラーなしの生活がどれほどヘビーか思い知りました。

実は三日前も昼間にクーラーつけずにいたら、水分取らなかったので、熱中症寸前になりました。まあこれはおバカですみますが、今日のはきつかった。

かの吉田兼好さんは「住居は夏の暑さを考えて作れ。冬はどうとでもなるから。」と書き残していますが、本当、現代のビルって冬には強いけれど、夏には熱気がこもる正反対の構造なんですよね。いやはや・・・。

明日も氷付けのペットボトルを携えて出勤します。がんばるぞ~、たぶん


「イースタン・プロミス」

2008-08-04 23:55:50 | 映画、テレビ感想
以前から見たかった映画「イースタン・プロミス」を見てきました。チキンなもので、R-18指定映画は初めてですよ。ヴィゴ・モーテンセンがオスカーにノミネートされていた作品です。


12月のロンドン。一人の少女が店先で倒れ、子供を産むと同時に死んでしまう。身元は一切不明で持っていたバッグにはロシア語で書かれた日記帳とロシア料理屋の名刺。少女の死に立ち会った助産婦のアンナ(ナオミ・ワッツ)は身元を確認し、生まれた子供のために、その料理屋を訪ね、同時に日記の翻訳をロシアから帰化した叔父に頼む。
この時の彼女は知らなかった。その日記には一人の少女が人身売買の末、レイプされて身籠もったことを、その背後にいたのが、料理屋の背後で営まれているマフィアだということを・・・。得体の知れない料理屋のオーナー、セミョン(アーミン・ミューラー=スタール)、その粗暴な息子キリル(ヴァンサン・カッセル)、そして常にキリルにつき従う男ニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)。3人の男を中心にロンドンの地下で渦巻くロシア社会の闇の一端が、アンナの前にその姿を見せ始める・・・。


物語そのものは100分と短いが、舞台がアンナの勤める病院、セミョンの料理店、そしてテムズ河と限定され、人物もアンナの家族、セミョンの一味に絞られていて、物語はその中を凝縮して流れていく、おもしろい映画特有のシンプルな力強さに満ちています。

3年前、ロンドンのとある料理屋の屋根裏でロシア人男性が孤独死したというニュースがありました。出稼ぎに来たものの、レストランの皿洗いしか仕事がなく、節約のためにひそかに職場の屋根裏に隠れ住み、過労のはてに病死したのです。
EU拡大以降、東欧から西欧、とりわけ好景気のイギリスに流れてくる人々は膨大な数に昇ります。ポーランドやモルドバなどでは、子供を孤児院に預けてまで渡英しようとする女性もいて、国家間の差異がどれほど激しいのかをうかがい知れます。でもたとえロンドンにたどり着けても、つける職は良くて日雇い掃除、大抵は売春業しかありません。しかもピンハネされギリギリの生活を送る日々。何ともやりきれない現実です。

一方、迎え入れる側も、問題を抱えています。安い職が安価な移民労働力に取って変わられ、資本の外資化は国民の不安をかき立てています。この映画では受け入れる側については敢えて語らず、移民側のみですが、ロンドンやイングランド北部では右翼による人種差別の影は消えません。先頃就任したロンドン市長もかなりの保守派とかで、移民を積極的に受け入れてきた英国がどのようになるのか少なからず注目されているそうです。

閑話休題。とにかく映画でも移民社会ゆえに様々な人種が混在し、歴然とした民族コミュニティを築きつつも、しばしば端々で混じり合い、衝突を抱えているような描写がありました。これがとてもさりげなくてうまいなあ、としみじみ。

たとえば、冒頭、少女が駆け込んだドラッグストアでは店主と客がトルコ語でお喋りをしています。病院で執刀する医師はインド系です。更にヒロイン・アンナは流産が原因で恋人と破局しており、日記の翻訳を頼んだロシア人の叔父にいわれなく非難されます。黒人の子を身籠もるから、流産するのだ、と。
そんな感じでずっと、サラダボウルほど割りきれず、排斥と融合を含めた感情が一体となったロンドンという都会の抱える一面が静かに描かれていきます。さりげない描写が秀逸です。アメリカのように国家イデオロギーが薄く、中途半端に分離と融合が混在する多民族社会、通称へべれけ共同体なんだな、と思うわけで。

俳優たちも熱演。ナオミ・ワッツは常に悲しい目をしていて、暗い中で、巡り会った子供を助けようと必死になって駆け回ります。黒いレザージャケットにジーンズの厚着で父の形見のロシア産バイクを乗り回す姿が印象的。つとめて見ようとしていなかった自分のルーツ、ロシア系の血に、ニコライを通して向き合っていく課程は見ていてハラハラします。ヘタを打って闇に取り込まれてしまうのではないかと。彼女が無事だったのは本当にニコライがいたから。ニコライはずっと闇社会で生きてきた人間でしかも、父親が二重スパイだったことから更に微妙な綱渡りをしてきたような男。映画のラスト近くでこの出生が意外な伏線にもなるのだけれど、そんな這いずってきた人だからこそ、善意で迷い込んでしまったアンナを放っておけなかったのだろうなと思わせる。「恋」というにはあまりに淡いから、単に「思い」と表した方が良いかもしれない。そもそも、気持ちって「恋」と「憎しみ」だけで成立しているものでもないから、端的に表現できない「思い」でおこる事も多いから。でもこれって映画で表現するには、しかも感情オーバーになりがちな北米型大資本映画にはちと難しいのではないだろうか。これが可能だったのは、やはりヴィゴ・モーテンセンだったから。そう言い切ってしまいたくなるくらい、彼のニコライはストイックなのにどこか色気があって、一目で危ないと分かるのに、どこか惹きつけられてしまう、只者でない空気に満ちていました。

マフィアの馬鹿息子のセミョンもまた、ニコライに惹きつけられている男。実はゲイの気もあるのだけれど、マフィアの父親はそれをよしとせず、男らしくあることを求められて、不安定になるが故に、自分を受け止めてくれるニコライに依存してしまう。最後に自分たちの不安材料である赤ん坊を殺そうとして、やはり殺せなくて泣き出してしまうところなんて妙に愛おしくなってしまった、あぁホントバカ息子。でも情けなさが、すごく理解できる。その分親玉の父ちゃんが怖かったけれど

ラストがまたやるせない。明るい光の中で養女となった子を抱きしめるアンナと暗いレストランの中でファミリーの実権を握ったニコライ。光と闇は互いの存在を知ったけれど再び混じり合うことはない。お互い忘れないだろうけれど、きっと再び会うことはない。そんな切ない余韻が残る話でした。


とどめの一言。「あ~ヴィゴまじかっこいい・・・」(結局ミーハーです、はい

Eastern Promises [Original Motion Picture Soundtrack]
Nicholas Bucknall,Robert Hill,Howard Shore,Russian Traditional,Howard Shore,London Philharmonic Orchestra,Nicola Benedetti
Sony Classical

このアイテムの詳細を見る