ジニーの、今日も気まぐれな感じで・・・

気負わず、気取らず、ありのまま。
ゆるりと思ったことを書いていってます。
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道尾秀介 『シャドウ』 読了

2022年01月30日 15時43分01秒 | 読書
こんにちは、ジニーです。

1月最後の週末。
「巣ごもり」を決め込んで、朝の買い出し以外はずっと家にいます。
普段夜寝るのも遅いのでお昼寝もたっぷりしました。

少しは頭もスッキリしたでしょうか。
そんなリフレッシュしたタイミングで、読書感想書いていこうと思います。


今回紹介するのは、道尾秀介さんの「シャドウ」です。
先日、「向日葵の咲かない夏」についても読書感想を書きましたが、
最近、無性に道尾秀介さんの小説が読みたくなり、中でも評判のいい
「向日葵の咲かない夏」と「シャドウ」を入手したのでした。

その「向日葵の咲かない夏」の読書感想の中でも書きましたが、
僕個人的には、今回の「シャドウ」のほうが好きでした。

簡単に本作の説明をしましょう。

小学校5年生の少年、我茂凰介は母を病気で亡くす。
父と二人だけの生活が始まる中、幼馴染の母親が自殺をしてしまう。
その後も少しずつ起こる不幸の連続。
父との平穏な生活を望む凰介の身の回りで起こる不可思議な不幸は
なぜ起こったのか、母の病死がきっかけで始まった数々の謎の
辿り着く先は、意外な結末だった。


物語は先に紹介した小学校5年生の我茂凰介とその父の洋一郎、
幼馴染の水城亜紀、その父の水城徹を中心に進んでいきます。
我茂洋一郎と水城徹はともに精神科医を目指し同じ大学で、同じ教授に師事して
いた同級生です。
その二人が務める病院とそこで働く人間関係も織り交ぜながら、
不幸の連鎖の根源を凰介は追求していきます。

全体的に重く暗い雰囲気で展開される作品ではありますが、
読後の解放感は、その重苦しい空気感をくぐり抜けてきたからこそ
感じることのできるものだと感じます。

僕が個人的に「向日葵の咲かない夏」よりも「シャドウ」のほうが好きだと
感じられたのは、この終わり方にあったのかもしれません。

もちろんミステリー作品としてのプロットの妙もあると思います。
「向日葵の咲かない夏」よりも本作のほうがすんなりと入ってきましたし、
まんまとハマってしまった作者のミスリードについても
僕としては不条理感はなく、純粋にミステリ作品を楽しめたそれでした。


ミステリ作品が好きな人の多くは、読みながら自分なりの推理もしていく
のではないかと思います。
そして、読んでいるうちに感じる違和感や伏線がどのように一本につながるかを
考えているのだと思います。
往々にして、そうであろうと思っていたことと違うところに繋がったり、
考えが当たっていたとしても、そのさらに先に真相があったりと
爪の甘さを感じさせられるばかりなのですが、そういうところもひっくるめて
ミステリ作品の醍醐味だと感じます。

そういう観点で、非常に悔しいくらい作者の手玉に取られてしまいましたし、
真相にたどり着くまでの謎が一つ一つ明らかになっていくテンポや順序が
とても気持ちがよく、最後に近づくにつれてページを捲る手が止まりませんでした。


本作のテーマの一つは「人の死」であり、「死んだ後どうなるか」というものです。
ある意味、「向日葵の咲かない夏」にもつながるテーマではありますが、
全く別物の読後感が味わえます。

このレベルのミステリを量産しまくっている道尾さん、他にもどんどん
読んでいきたいですね。
次に手に取るのは、あの作品かな?なんて、ちょっと含みを持たせて
今日の読書感想は終わりたいと思います。




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道尾秀介 『向日葵の咲かない夏』 読了 - ジニーの、今日も気まぐれな感じで・・・

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