みちくさをしながら

いろいろあって、生活を見直している日々。

RSウィルス

2005-10-03 16:16:50 | 日常の出来事
先週は何かと忙しかったです。
保健所主催の子育て教室やら、おチビの病院通いやら。

この子育て教室は、1500g未満で生まれた赤ちゃんとその家族を対象にしたもので、先週は小児科医を呼んでの質疑応答でした。
免疫関係の話が主だったのですが、未熟児以外のお子さんでも参考になる話だったので、そのご報告を。

その前に未熟児について若干の補足説明をしておきます。
たぶん、低出生体重児と言ってもよくわからない人が多いと思うからね~。
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低出生体重児=2500g未満で生まれた児の総称。さらに細かい分類として、極低出生体重児(1500g未満)、超低出生体重児(1000g未満)がある。
早産児=妊娠37週未満で生まれた児の総称。その中で22週以上28週未満で生まれた児は超早産児という。
特に決まりはないが、体重や在胎の如何を問わず未熟傾向の認められる児を未熟児という。
このような未熟性の強い赤ちゃんは生まれてからしばらくはNICU(新生児集中治療室)での治療を受けることとなる。

ちなみにウチのちびちゃんは、27週、898gの超早産児、超低出生体重児でした。
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さて、本題。
未熟児だった赤ちゃんにとってなぜ免疫が問題になるかと言うとですね。
胎児が母体から免疫を受け取るのは妊娠後期(34,5週くらい)だからなんです。
よく生後6ヶ月までは風邪を引かないと言うでしょう。これのおかげです。
しかし、ほとんどの早産児は母体からの免疫を受け取らずに生まれてしまう。
また、人工呼吸器や高濃度の酸素による治療で、程度の差こそあれ気管支や肺にダメージを受けていることが多い。
そのため、ただの風邪がえらいことになって、再入院を余儀なくされることも多いわけです。

特に、問題なのがRSウィルスによる感染症です。
いわゆる風邪の原因ウィルスの一つで2歳までに100%の乳児が感染すると言われるほどポピュラーなものなんですが、1歳未満の乳児、未熟児、呼吸器疾患や心疾患を持つハイリスク児は重症化する場合が多い。

これが問題なのは、病気の進行が早いこと。
半日であっという間に重くなるそうだ。RSウィルス感染症に関しては様子を見ている余裕はない。
熱はでないこともあるが、呼吸数が増え、苦しそうな浅い呼吸で「ぜーぜー」という音がしだしたら夜中でも即病院へ連れて行くこと。

なお、小児科専門医でなければ診断できないこともあるので(ぜんそくと間違える場合もあるそうだ)必ず小児科医のいる病院で診断を受けること。
できれば大きめの病院が望ましい。(その先生はクリニックを経営している方でしたが、即、二次、三次医療機関へ搬送するケースも多いとおっしゃってました。)

治療法はなく、治癒は本人の抵抗力による。
免疫がつきにくいウィルスではあるが、普通は2、3回かかるうちに軽くすむようになるそうだ。
ハイリスク児でなければ、抵抗力のつく2歳頃にはそれほど心配する病気ではなくなるそうです。まあ、風邪ですからね。

予防について、ワクチンはありませんがウィルスに対する抗体のパリビズマブという注射薬があります。(製品名はシナジス)
でも、一番の予防は人ごみをさけること。
家族がウィルスを持ち込まないこと。外から帰ったら手洗い、うがい、基本ですね。

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シナジスは、ウチのおチビも去年接種しました。
これは2002年に認可されたばかりで、まだウチみたいな特別な子にしか保険が適用されません。
1本10万円くらいだと思います。(保険3割で3万円ぐらいだったから)
しかも、1ヶ月で抗体はなくなってしまうんだな、これが。
だから、RSウィルスが流行する10月~3月の6ヶ月間、毎月病院に接種しに行かなきゃならない。
筋肉注射だから、痛いし~~~。

今年の接種はこれから主治医と相談するつもりですが、どうしようかなぁ。
ウチは肺疾患と心疾患も持つハイリスク児なんで打っておいた方が安心なんですけれど…。
今年は体重も増えているから、接種するとしたら1回に2本打つことになるんだよね~。
保険適用になっているといいなぁ(切実)

なお、シナジスで重篤な副反応がでたと言う話は聞きません。(主治医もそういっていた)
認可されたばかりだから、これからもでないかはわからないけれど。
でも、どう考えても副反応がでる確率より風邪を引く確率の方が圧倒的に高いよ