みちくさをしながら

いろいろあって、生活を見直している日々。

辰砂(Cinnbar)

2006-01-28 16:30:22 | 鉱物標本
産地:Nikitovka鉱山、ウクライナ/標本の大きさ:7mm

HgS/六方晶形/硬度2~2.5/比重8.0~8.2/劈開・完全/硫化鉱物

古くから朱色の顔料や水銀の原料として利用されてきた鉱物です。
また、不老長寿の霊薬として道教の神仙術や仏教の密教秘技に重用されたりしてきました。
そういえば、「ガラスの仮面」で劇中の紅天女の里にもこれが産出してました(笑)
千年の紅梅と辰砂。
まさしく紅天女にふさわしいイメージですが…。

辰砂は加熱すると、酸素と反応して水銀蒸気と亜硫酸ガス(二酸化硫黄)に分離します。
HgS+O2→Hg+SO2
この水銀蒸気を冷却凝縮させることで水銀を精製するわけです。

それより何より、『ガラスの仮面』。本当に最終回まで読めるようになるんだろうか?
(『ガラかめ』も、もう20年のお付き合いになりましたなぁ)

さて、この標本ですが、貫入式双晶となっています。
二つの結晶が60度ずれて組み合わさり、キリの先のような形を作っています。
色も暗い金属光沢ですが、所々鮮やかな朱色が見られます。

『ワンダと巨像』やっとクリア

2006-01-23 15:19:44 | その他のゲーム
手から脂が抜けてあかぎれが出来るほど、巨像の攻略に苦戦した『ワンダと巨像』ですが、やっと昨日クリアしました。
まあ、年末年始の忙しい時期だったり、その間におチビの生活リズムが狂ってなかなか寝付いてくれなくなりゲーム時間が確保できなかったりといろいろありましたので、トータルのプレイ時間としては17時間ぐらいというところですか。
後半の巨像の攻略は、かなりパズル的要素が強く苦戦しましたが、先にクリアしている旦那のこうるさい横やり的確なアドバイスで何とかクリアしました。12体目を超えたあたりから何度も心が折れそうになりましたがね(笑)

それにしても、非常にストイックなゲームでした。
しかし、非常に良質なゲームでした。

ストーリーは、少女を生き返らせるために、禁断の地に足を踏み入れ16体の巨像を倒す、それだけです。
途中にムービーやイベントが挿入される訳でもないですし(2回だけ非常に短いムービーがある)、装備も初期装備の剣と弓があるだけで(1週目では)アイテム集めができる訳でもない。
ゲージも最低限(握力と体力のみ)です。
それどころか、アクションやRPGではおなじみのLVという概念がない。したがって、LVアップに必要な雑魚敵もいません。
生きている登場人物は、主人公と愛馬(アグロ)だけ。
マップは広いのですが、ただひたすら馬に乗って移動するだけです。しかも、聞こえるのは風音だけ。

しかし、そのシステム的なストイックさが、まるで主人公の精神世界そのもののような感覚を覚えさせてくれるのです。
風音に感じる孤独。圧倒的な巨像への畏怖、それに打ち勝つ知恵と勇気。
そして、巨像を倒した時の達成感。
巨体が断末魔の叫びをあげながら沈み込んでいく時の悲哀。
そのうちに本当に正しいことをしているのか何となく素直に喜べないような気分になるのですが、呼応するように主人公の姿もだんだんボロボロになり、希望と引き返せない悲しみがないまぜになっていくようで、イベントもないのに次第に主人公に入れ込んでいく自分がいました。
数少ないイベントとしては、8体目を倒した時に一瞬少女が生き返る夢を見るムービーが挿入されるのですが、それが切ない、切ない。
冗長なムービーでごたごたと味付けをした「大作」より、よほど面白いと感じるのが不思議なところですね。

しかし、途中の情報のなさに比べてエンディングはかなり長めです。
エンディングで、プレーヤーは主人公を突き動かしていた情熱が、世界を失っても構わないほど大切な愛であったのだと知るのです。
いろいろ思うところはありましたが、終わってみればこれがベストの作りだったと思います。


おそらく制作者は「ゲームでの物語表現」について、かなり考えられているのでしょう。
ゲームは映画ではない。ゲームにはゲームの語り方があってもいい。
その一つの答えが「ICO」であり、今回の「ワンダ~」であったような気がします。

ざくろ石(Garnet)

2006-01-19 17:33:46 | 鉱物標本
写真は鉄ばんざくろ石(Almandine)(板のように見える結晶は白雲母)
産地 Skardu,Pakistan/標本の大きさ約60×25×20(mm)

Fe3Al2(SiO4)3/等軸晶系/硬度7~7.5/比重3.7~4.26/劈開なし/珪酸塩鉱物

1月の誕生石として有名なガーネット(ざくろ石)ですが、鉱物学的には珪酸塩鉱物の類質同像のグループの名称で14種類に分けられます。
色も一般的な赤色系だけでなく褐色や珍しいところでは緑や虹色まで様々です。

しかし、やはりその名前の由来にもなっているように、石榴の実の粒のような赤いガーネットはとても可愛らしい。
標本は鉄ばんざくろ石ですが、白雲母の中の石がまるでアーモンドビスケットに埋め込まれたラズベリーのようで、とてもおいしそう(笑)
なお、Garnetも語源はラテン語のgranatusから。「種子」とか「粒状の」という意味らしいです。

鉄ばんざくろ石はグループの中でもっとも一般的に産出する石です。主成分は鉄とアルミニウム。結晶は24面体が一般的。


長い長いさんぽ

2006-01-18 18:49:28 | 本・映画など
動物の話に弱い。
それも、動物が亡くなる話はダメだ。無条件に泣きのツボに入ってしまう。

で、これ。
『長い長いさんぽ』(著/須藤真澄)

帯にすべてが語られているのでそのまま引用する。

|ゆずとの最後の日々

|老境にさしかかった須藤真澄の愛猫・ゆず。
|彼の可笑しく、おマヌケな日常。
|そして、ついにやってきた最期ーー。

ダメでした。
もう涙ぼろぼろ。
ウチで亡くなった猫のことがダブって、それはもう。
著者と同じく愛猫の最期に間に合わなかった旦那は、この本の題名にもなった「長い長いさんぽ」の章は読めないって言ってます。

それにしても、この本に書かれているペット火葬の話は退く人がいるかも。たかが猫じゃねぇかって。
でも、ウチもやりました(業者は違うけれど)。
ペットロスという言葉もあるくらいだから、利用者は多いようです。
たかが猫と言われるかもしれないけれど、たとえ動物でも残されたものが後悔しない死は無いんだよね。
だから、お葬式というセレモニーは侮れない。
それは残された者の自己満足かもしれないのだけれど、私はとりあえず気持ちに区切りを付けることができた。
そんなもんだから、須藤さんが火葬という過程を通して心の落ち着きを取り戻していくのはよくわかります。

それにしても、ゆずのお骨を拾う場面は…いや、ここの部分は圧巻というか笑っちゃうというか、とにかくすごいから読んでみて下さい。

そういえば、ウチが火葬を頼んだ業者の人が一番困った依頼は「カブトムシ」だったそうだ。
そりゃぁ、困るよね。外骨格だもの(笑)

なお、ゆずの子猫時代の話は、こちらで読めます。
『ゆず』(秋田文庫版)
単行本は何種類か出ていますが秋田文庫版が一番お買い得かも。

科博「パール展」

2006-01-13 19:50:06 | 雑記
もう鏡開きもすぎてしまっているのに、これが2006年初めての記事になります。
こんなゆるゆるペースの更新ですが今年もよろしくお願いします。
さて、今年初めての話題は、上野の国立科学博物館で行われている「パール展」からいってみようと思います。

ちょいと前になりますが8日の日曜日に『パール展』に行ってきました。
ばか混みでした。
休日の、それもお昼過ぎという時間帯もまずかった。しかし、展示の仕方にも問題があったような…。
何しろ、モノが真珠なので、皆、ケースに張り付きます。
絵画やパンダなら離れていても、動きながらでも見えなくはないのですが、ちっこい真珠ではそうもいきません。
また、科博ならではの仕掛け(ボタンを押したり)も、そこで人がたまる原因になっていたようです。
おまけに、音声ガイドが「科学的、芸術的な観点からの解説に加え、千住真理子さんのヴァイオリンの音色、真珠を育む水の音が聴く人の心を癒します。この展覧会を五感で楽しんでいただくための画期的な音声ガイド」だそうで、それも人が動かない要因になっていたように思います。
したがって、ぴくりとも動かない行列にジリジリしながら待つ羽目になりました。
少しでも開いているケースを探して進んだり戻ったり、会場を行ったり来たりしながら見学したので、もう最後はぐったり。
この程度の内容ならパンフ買えばいいや~、とかなり投げやりに出てきました。

内容は、どうなんだろう。
確かに、50万点の真珠というのはすごいと思うけれど。
いろんな種類があるんだなぁ、とは思ったけれど。
でも、科博でやる意味があるのか?
工芸品なら国立博物館のほうがしっくりくるし、人類史との関連なら国立民俗学博物館のほうがしっかり見せてくれたんじゃないだろうか。
科学方面だって、ミキモトの真珠博物館だってこのくらいは…と思わせちゃうもんな~。

2000年に開催された「ダイヤモンド展」は、地球の地殻構造や工業用ダイヤに関わる最先端技術など、広がりがあって面白かったんだけどねぇ。
真珠だって、もっと広げられると思うんだけどなぁ。

会場内にはミキモトの特設ショップが出てました。
会場限定のミキモトオリジナルグッズ31,500~42,000円也。
今回の展示はセレブな奥様をターゲットにしていたのかな。

まだ開催期間は二週間ありますので、興味のある方はどうぞ。